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若島正

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
若島 正
わかしま ただし
誕生 (1952-08-10) 1952年8月10日(72歳)
職業 英文学者翻訳家詰将棋作家、チェス・プロブレム作家
国籍 日本の旗 日本
主題 小説
主な受賞歴 本格ミステリ大賞評論・研究部門(2002年)
読売文学賞随筆・紀行賞(2004年)
塚田賞
看寿賞
ウィキポータル 文学
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若島 正(わかしま ただし、1952年8月10日 - )は、日本英文学者翻訳家京都大学名誉教授。日本ナボコフ協会運営委員。翻訳者としては、ナボコフを専門とするが、SFミステリファンタジーホラーからB級C級小説までジャンルを問わずマニアである。

略歴

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京都市生まれ。1968年洛星高等学校、1972年京都大学理学部卒。当初は数学者を目指していたが、英米文学に転向し、京都大学文学部英文科卒、同大学院文学研究科修士課程修了。1984年神戸大学教養部助手、1985年専任講師、1987年京大教養部助教授、1992年総合人間学部助教授、1995年文学部助教授、1996年文学研究科助教授、2001年教授。2018年定年退官、名誉教授となる。

人物

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詰将棋作家[1]チェス・プロブレム作家でもある[2]。中学生の頃から詰将棋の世界にのめりこみ、1966年「詰将棋パラダイス」誌で入選。詰将棋の二大賞である塚田賞を7回、看寿賞を9回それぞれ受賞。詰将棋作家の親睦団体「創棋会」の会長も務めた。

チェス・プロブレム作家としては、チェス・プロブレム専門誌 "Problem Paradise" 編集長。日本チェスプロブレム協会会長。『NPOチェス将棋交流協会』理事長。チェス・プロブレムを解く世界大会の日本代表でもあり、チェス・プロブレムの解答者として、最高資格の「グランド・マスター」に次ぐ「インターナショナル・マスター」の資格を、1997年に日本人で初めて獲得。世界ランキング8位にまでなった。プロブレム創作の国際審査員(フェアリー作局限定)でもある。

また、チェス・プロブレムの解答選手権をヒントに、2004年から『チェス将棋交流協会』主宰で「詰将棋解答選手権」を創設した[3]。実行委員長であったため[3]、自らは出場していなかったが、2014年には初めて選手として出場。久保利明広瀬章人などのトッププロや、宮田敦史船江恒平などの歴代優勝者を抑えて、61歳で初優勝(最年長記録)した[3]

『将棋世界』昭和63年4月号にて、詰将棋初級編(3手・5手詰)40題をどれだけ早く解けるかを競う「タイムトライアル112」にトッププロに混じって参加した際には、トッププロの倍のスピードで解答し、2分29秒で1位であった(谷川4分21秒、森内4分26秒、村山4分39秒、羽生4分40秒、佐藤4分59秒、田中5分28秒、浦野5分48秒、清水女流7分55秒、塚田8分35秒、沼15分20秒、山田女流22分52秒)。

指将棋でも、1975年にアマチュアの全国大会の一つである、赤旗名人戦で優勝したことがある。同1975年から将棋観戦記者としても活躍。1982年には、第六回読売アマ日本一決定戦の決勝で、真剣師といわれた小池重明と戦って敗れている。この対戦は『真剣師小池重明 疾風三十一番勝負』(団鬼六宮崎国夫、1996年、幻冬舎、ISBN 978-4877281168) に描かれている。

また、「葵」の名義で読売新聞の将棋観戦記を執筆した。2005年には将棋ペンクラブ大賞選考委員も務めた。

2023年、『黄金虫変奏曲』(リチャード・パワーズ著)の翻訳により、森慎一郎とともに、第9回日本翻訳大賞・最終候補。

竹本健治が創設した変格ミステリ作家クラブの会員[4]

著書

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単著

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  • 『盤上のパラダイス 詰将棋マニアのおかしな世界』(三一書房) 1988年/増訂版(河出文庫) 2023年 - 詰将棋ファンが長年に渉って制作している同人誌『詰将棋パラダイス』の歴史を扱う。
  • 『華麗な詰将棋 盤上のラビリンス』(光文社文庫) 1993年
  • 『盤上のファンタジア 若島正詰将棋作品集』(河出書房新社) 2001年、新装版 2017年
  • 『盤上のフロンティア 若島正詰将棋新作品集』(河出書房新社) 2019年 - 将棋ペンクラブ大賞技術部門大賞[1]
  • 『詳解 詰将棋解答選手権 チャンピオン戦 2004~2019』(マイナビ出版) 2020年
  • 『詳解 詰将棋解答選手権 初級・一般戦 2009~2019』(マイナビ出版) 2020年
  • 『詰将棋の誕生 『詰むや詰まざるや』を読み解く』(平凡社) 2024年8月
以下は文学関連
  • 『乱視読者の冒険 奇妙キテレツ現代文学ランドク講座』(自由国民社、読書の冒険シリーズ) 1993年
  • 『乱視読者の帰還』(みすず書房) 2001年 - 本格ミステリ大賞受賞(評論・研究部門)
  • 『乱視読者の英米短篇講義』(研究社) 2003年 - 第55回読売文学賞受賞(随筆・紀行部門)[2]
  • 『乱視読者の新冒険』(研究社) 2004年
  • 『殺しの時間 乱視読者のミステリ散歩』(バジリコ) 2006年
  • 『ロリータ、ロリータ、ロリータ』(作品社) 2007年
  • 『乱視読者のSF講義』(国書刊行会) 2011年

共著

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監修

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  • 『将棋ファンにも楽しめる初めてのチェス1手・2手詰集』(監修、湯川博士著、山海堂) 2003年

責任編集(横山茂雄と編者代表)<ドーキー・アーカイヴ>全10巻予定

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編訳書

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浅倉久志,板倉厳一郎,伊藤典夫,小野田和子共訳
  • 『狼の一族 アンソロジー / アメリカ篇』(早川書房異色作家短篇集18) 2007年
  • 『棄ててきた女 アンソロジー / イギリス篇』(早川書房、異色作家短篇集19) 2007年
  • 『エソルド座の怪人 アンソロジー / 世界篇』(早川書房、異色作家短篇集20) 2007年
  • 『〈ウィジェット〉と〈ワジェット〉とボフ』(シオドア・スタージョン、小鷹信光,霜島義明,宮脇孝雄共訳)、河出書房新社、2007年、河出文庫 2010年
  • 『モーフィー時計の午前零時』(国書刊行会) 2009年 - チェス小説のアンソロジー
  • 『書きなおすナボコフ、読みなおすナボコフ』(沼野充義と共編、研究社) 2011年
  • 『アップダイクと私 アップダイク・エッセイ傑作選』(ジョン・アップダイク、編訳、森慎一郎共訳、河出書房新社) 2013年
  • 『ベスト・ストーリーズI ぴょんぴょんウサギ球』(編訳、早川書房) 2015年
片岡義男,岸本佐知子,木原善彦,佐々木徹,柴田元幸,谷崎由依,中村和恵,藤井光,古屋美登里,桃尾美佳,森慎一郎共訳
  • 『ベスト・ストーリーズII 蛇の靴』(編訳、早川書房) 2016年
桃尾美佳,渡辺佐智江,佐々木徹,木原善彦,小林久美子,喜志哲雄,宮脇孝雄,森慎一郎,柴田元幸,岸本佐知子,谷崎由依,藤井光共訳
  • 『ベスト・ストーリーズIII カボチャ頭』(早川書房) 2016年

訳書

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西崎憲,駒月雅子,吉村満美子共訳
浅倉久志,伊藤典夫,中村融,深町眞理子共訳
他の訳者は浅倉久志,伊藤典夫,大森望,大和田始,風見潤,酒井昭伸,野口幸夫,山形浩生

ウラジーミル・ナボコフ

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秋草俊一郎諫早勇一貝澤哉加藤光也杉本一直沼野充義毛利久美共訳
  • 『記憶よ、語れ 自伝再訪』(ナボコフ、作品社) 2015年
  • 新訳版 アーダ』上・下(ナボコフ、早川書房) 2017年

雑誌連載

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  • 「殺しの時間」(『ハヤカワ・ミステリマガジン』1991年 - 1995年)
  • 「失われた小説を求めて」(『ハヤカワ・ミステリマガジン』1996年 - 2000年)
  • 「乱視読者のSF短篇講義」(『S-Fマガジン』)
  • 「乱視読者の小説千一夜」(『S-Fマガジン』)
  • 「夢想の研究」(『詰将棋パラダイス』2014年8月号 - )
  • 「乱視読者の読んだり見たり」(『紙魚の手帖』vol.02 DECEMBER 2021 - )

脚注

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外部リンク

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