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日本翻訳大賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本翻訳大賞
受賞対象日本語翻訳作品
主催日本翻訳大賞実行委員会
初回第1回(2015年
公式サイトhttps://besttranslationaward.wordpress.com/

日本翻訳大賞(にほんほんやくたいしょう)は、日本翻訳大賞実行委員会が主催する、優れた日本語翻訳作品に贈られる賞。

創設の経緯

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2014年2月26日、翻訳家西崎憲の呼びかけ[1]米光一成らが賛同し、それをきっかけに同年12月6日、「日本翻訳大賞」プロジェクトが立ち上がった[2]。クラウドファンディングにて目標金額70万円に対して300万以上が集まり、それを現資金として日本翻訳大賞が創設された。

選考の過程

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例年、1月上旬から下旬にかけて一般推薦を募る(再刊・復刊作品・選考委員の訳書は対象外。また選考委員が推薦文を書いたものも推薦不可)。一般推薦の投票数によって10作品と、さらに各委員による推薦作を1作品を加えて二次選考作品が決定される。二次選考作品のそれぞれについて、選考委員による訳文のチェックが行われ(原文が英・独語以外のときには外部委員にレポート提出が依頼される)最終選考に5作品が残る。5作品のうちから委員の合議によって1作品(あるいは2作品)が選ばれて大賞作となる[3]

選考委員

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これまでの受賞作

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回(年) 受賞作 受賞者(作者) 受賞者(翻訳者)
第1回(2015年) 大賞 『エウロペアナ:二〇世紀史概説』(白水社 パトリク・オウジェドニーク 阿部賢一篠原琢
『カステラ』(クレイン パク・ミンギュ ヒョン・ジェフン斎藤真理子
読者賞 『ストーナー』(作品社 ジョン・ウィリアムズ 東江一紀
最終候補 『黒ヶ丘の上で』(みすず書房 ブルース・チャトウィン 栩木伸明
『愉楽』(河出書房新社 閻連科 谷川毅
第2回(2016年) 大賞 『素晴らしきソリボ』(河出書房新社) パトリック・シャモワゾー 関口涼子・パトリック・オノレ
『ムシェ 小さな英雄の物語』(白水社) キルメン・ウリベ 金子奈美
最終候補 『出身国』(群像社 ドミトリイ・バーキンオランダ語版 秋草俊一郎
『パールストリートのクレイジー女たち』(ホーム社 トレヴェニアン 江國香織
『歩道橋の魔術師』(白水社) 呉明益 天野健太郎
第3回(2017年) 大賞 『すべての見えない光』(新潮社 アンソニー・ドーア 藤井光
『ポーランドのボクサー』(白水社) エドゥアルド・ハルフォン 松本健二
最終候補 『あの素晴らしき七年』(新潮社 エトガル・ケレット 秋元孝文
『狂気の巡礼』(国書刊行会 ステファン・グラビンスキ 芝田文乃
『堆塵館』(東京創元社 エドワード・ケアリー 古屋美登里
『ペーパーボーイ』(岩波書店 ヴィンス・ヴォーター 原田勝
第4回(2018年) 大賞 『殺人者の記憶法』(CUON キム・ヨンハ 吉川凪
『人形』(未知谷 ボレスワフ・プルス 関口時正
最終候補 『オープン・シティ』(新潮社) テジュ・コール 小磯洋光
『死体展覧会』(白水社) ハサン・ブラーシム 藤井光
『ビリー・リンの永遠の一日』(新潮社) ベン・ファウンテン 上岡伸雄
第5回(2019年) 大賞 『ガルヴェイアスの犬』(新潮社) ホセ・ルイス・ペイショット 木下眞穗
『JR』(国書刊行会) ウィリアム・ギャディス 木原善彦
最終候補 『奥のほそ道』(白水社) リチャード・フラナガン 渡辺佐智江
『自転車泥棒』(文藝春秋 呉明益 天野健太郎
『すべての白いものたちの』(河出書房新社) ハン・ガン 斉藤真理子
第6回(2020年) 大賞 『アカシアは花咲く』(松籟社 デボラ・フォーゲル 加藤有子
『精神病理学私記』(日本評論社 ハリー・スタック・サリヴァン 阿部大樹須貝秀平
最終候補 『インスマスの影』(新潮社) ハワード・フィリップス・ラヴクラフト 南條竹則
『失われた女の子 ナポリの物語4』(早川書房 エレナ・フェッランテ 飯田亮介
『ある一生』(新潮社) ローベルト・ゼーターラー 浅井晶子
第7回(2021年)[4] 大賞 『失われたいくつかの物の目録』(河出書房新社) ユーディット・シャランスキー英語版 細井直子
『マーダーボット・ダイアリー』上・下巻(東京創元社) マーサ・ウェルズ 中原尚哉
最終候補 『アコーディオン弾きの息子』(新潮社) ベルナルド・アチャガ 金子奈美
『1984年に生まれて』(中央公論新社) 郝景芳 櫻庭ゆみ子
『フライデー・ブラック』(駒草出版 ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー英語版 押野素子
第8回(2022年) 大賞 『星の時』(河出書房新社) クラリッセ・リスペクトル 福嶋伸洋
『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(CUON) キム・ソヨン (1967年生の詩人)英語版 一文字辞典翻訳委員会
最終候補 『赤い魚の夫婦』(現代書館) グアダルーペ・ネッテル英語版 宇野和美
『地上で僕らはつかの間きらめく』(新潮社) オーシャン・ヴオン 木原善彦
『パッセンジャー』(小鳥遊書房) リサ・ラッツ 杉山直子
第9回(2023年) 大賞 『チェヴェングール』(作品社) アンドレイ・プラトーノフ 工藤順石井優貴
『辮髪のシャーロック・ホームズ』(文藝春秋) トレヴァー・モリス 舩山むつみ
最終候補 『黄金虫変奏曲』(みすず書房) リチャード・パワーズ 若島正森慎一郎
『スモモの木の啓示』(白水社) ショクーフェ・アーザル英語版 堤幸
『路上の陽光』(書肆侃々房) ラシャムジャ 星泉
第10回(2024年) 大賞 『台湾漫遊鉄道のふたり』(中央公論新社) 楊双子 三浦裕子
『母を失うこと――大西洋奴隷航路をたどる旅』(晶文社) サイディヤ・ハートマン英語版 榎本空

脚注

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  1. ^ 西崎憲 [@ken_nishizaki] (2014年2月26日). "ついでに言うと、翻訳賞はぜったい必要なように思う。翻訳小説や翻訳ノンフィクションの振興にもめちゃくちゃ貢献するはず。賞金5万円、式典は可能なかぎり小規模といった感じでいいので誰かやって欲しい。翻訳賞がないのはおかしいしまずい。". X(旧Twitter)より2020年3月23日閲覧
  2. ^ 日本翻訳大賞実行委員会. “翻訳家に光を!日本初、翻訳家がつくる翻訳賞「日本翻訳大賞」の設立プロジェクトをご支援ください!”. MotionGallery. 2020年3月23日閲覧。
  3. ^ 柴田元幸 (2019年4月28日). “「日本翻訳大賞」はなぜこれほどファンを熱くさせるのか”. 現代ビジネス. 講談社. 2020年3月23日閲覧。
  4. ^ 【第七回日本翻訳大賞】『失われたいくつかの物の目録』と『マーダーボット・ダイアリー』が受賞”. 2021年5月19日閲覧。

外部リンク

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