幻の光
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『幻の光』(まぼろしのひかり)は、宮本輝の小説作品。新潮社の月刊誌『新潮』(1978年8月号)に掲載。1979年に単行本化され、1983年にテレビドラマ化・文庫本化された。1995年に是枝裕和監督によって映画化された。
テレビドラマ
[編集]1983年11月4日に朝日放送テレビで放送された。
キャスト
[編集]スタッフ
[編集]- 音楽 - 中島みゆき
映画
[編集]幻の光 | |
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Maborosi | |
監督 | 是枝裕和 |
脚本 | 荻田芳久 |
原作 | 宮本輝 |
製作 | 重延浩 |
出演者 |
江角マキコ 浅野忠信 内藤剛志 |
音楽 | 陳明章 |
撮影 | 中堀正夫 |
編集 | 大島ともよ |
製作会社 | テレビマンユニオン |
配給 |
シネカノン テレビマンユニオン |
公開 |
1995年9月(VIFF) 1995年12月9日 |
上映時間 | 110分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
是枝の劇場映画デビュー作であり[1]、また江角マキコの映画デビュー作となった。夫を原因不明の自殺で失った女性の喪の作業(グリーフワーク)を、静かな視線で描写してゆく。ヴェネツィア国際映画祭で金オゼッラ賞(撮影賞)を受賞するなど、国内外で高い評価を得た。
ストーリー
幼馴染の郁夫と結婚したゆみ子は、大阪で子供もできて幸せに暮らしていたが、なんの思い当たる原因もわからないまま、郁夫が電車にひかれて死んでしまう。郁夫は線路の真ん中を歩いていて、電車警笛にも振り返らなかったという。
世話をしてくれる人により能登に嫁いだゆみ子は、そこで心優しい人たちに囲まれ、夫・民雄と幸せ日々を取り戻すが、心の中には郁夫が自殺したわだかまりが根強く残っていた。
時折見せるゆみ子の不安げな様子に民雄も気が付き……。
キャスト
[編集]- ゆみ子 - 江角マキコ
- 郁夫 - 浅野忠信
- 民雄 - 内藤剛志
- 勇一 - 柏山剛毅
- 友子 - 渡辺奈臣
- 道子 - 木内みどり
- 喜大 - 柄本明
- とめの - 桜むつ子
- マスター - 赤井英和
- 初子 - 市田ひろみ
- 浩 - 大杉漣
- キヨ - 橋本菊子
- 幼少時のゆみ子 - 吉野紗香
- 刑事 - 寺田農
- 警官 - 原田修一
- 運転手 - 井之上隆志
- 子役 - 山口光輝
スタッフ
[編集]- 監督 - 是枝裕和
- 製作 - 重延浩
- 企画・プロデューサー - 合津直枝
- 原作 - 宮本輝
- 脚色 - 荻田芳久
- 撮影 - 中堀正夫
- 音楽 - 陳明章
- 美術 - 部谷京子
- 編集 - 大島ともよ
- 衣装(デザイン) - 北村道子
- 録音 - 横溝正俊
- 音響効果 - 佐々木英世
- 助監督 - 高橋巖、日比野朗、森井輝
- 照明 - 丸山文雄
受賞
[編集]- 第52回ヴェネツィア国際映画祭 撮影賞(中堀正夫)
- バンクーバー映画祭 グランプリ
- シカゴ映画祭 グランプリ
- キネマ旬報ベストテン 第4位
- 第19回日本アカデミー賞 新人俳優賞(江角マキコ)
- 第38回ブルーリボン賞 新人賞(江角マキコ)
- 第10回高崎映画祭 若手監督グランプリ(是枝裕和)、最優秀助演男優賞(内藤剛志)、最優秀新人女優賞(江角マキコ)
- 第1回新藤兼人賞 金賞(是枝裕和)
舞台
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
1996年と2002年に、南果歩の一人芝居として舞台化されている。
脚注
[編集]- ^ 是枝監督にパルムドール 第71回カンヌ映画祭 日本経済新聞
関連文献
[編集]- 日本放送作家組合(編)、1984年9月25日『テレビドラマ代表作選集 1984年版』日本放送作家組合、191–220頁。