幻想への回帰
『幻想への回帰』 | ||||
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ユーライア・ヒープ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1975年春 ロンドン ランズダウン・スタジオ、モーガン・スタジオ[2] | |||
ジャンル | ハードロック、ヘヴィメタル、プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
ブロンズ・レコード ワーナー・ブラザース・レコード | |||
プロデュース | ジェリー・ブロン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ユーライア・ヒープ アルバム 年表 | ||||
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『幻想への回帰』(げんそうへのかいき、原題:Return to Fantasy)は、イングランドのバンド、ユーライア・ヒープが1975年に発表した8作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]ゲイリー・セインに代わる新メンバーとして、ジョン・ウェットン(元ファミリー、キング・クリムゾン)が迎えられた。ミック・ボックスは後年、本作について「ゲイリー・セインがいた頃のバンドのケミストリーとは違っていたけど、それでも私達は、いかにもヒープらしいアルバムを作った。タイトル曲はヒープの代表曲だと思うよ」とコメントしている[9]。
ウェットンは次作『ハイ・アンド・マイティ』(1976年)を最後に脱退した[10]。
反響・評価
[編集]全英アルバムチャートでは6週トップ100入りして最高7位を記録し、バンド唯一の全英トップ10アルバムとなった[5]。ノルウェーのアルバム・チャートでは22週トップ20入りし、最高2位を記録した[3]。一方、アメリカのBillboard 200では最高85位に終わり、『悪魔と魔法使い』(1972年)以降のアルバムとしては初めて全米トップ40入りを逃した[8]。
本作からのシングル「プリマ・ドンナ」は、ノルウェーのシングル・チャートにおいて12週連続でトップ10入りし、最高3位を記録した[11]。
Donald A. Guariscoはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「『スイート・フリーダム』や『夢幻劇』に引き続き、音楽的な実験も試みられているが、全体的には、それらのアルバムよりもハードにロックしており、より一貫性がある」「ユーライア・ヒープの最高傑作である『悪魔と魔法使い』などの作品と比べると一貫性に欠けるが、やはり強力かつ好感の持てるアルバムで、このグループのファンは間違いなく喜ぶだろう」と評している[12]。Eduardo Rivadaviaは、Ultimate Classic Rockの企画「ユーライア・ヒープの楽曲トップ10」において、「幻想への回帰」を6位に挙げている[13]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はデヴィッド・バイロン、ケン・ヘンズレー、ミック・ボックス、リー・カースレイクの共作。
- 幻想への回帰 - "Return to Fantasy" (David Byron, Ken Hensley) - 5:51
- シェイディ・レイディ - "Shady Lady" - 4:47
- デヴィルズ・ドーター - "Devil's Daughter" - 4:49
- ビューティフル・ドリーム - "Beautiful Dream" - 4:53
- プリマ・ドンナ - "Prima Donna" - 3:09
- 忘却への道 - "Your Turn to Remember" (K. Hensley) - 4:22
- ショーダウン - "Showdown" - 4:19
- 去ったのは何故 - "Why Did You Go" - 3:52
- 一年か一日か - "A Year or a Day" (K. Hensley) - 4:29
1996年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- "Shout It Out" (K. Hensley) - 3:35
- "The Time Will Come" - 4:10
- シングル「幻想への回帰」のB面曲[2]。
- "Beautiful Dream (Previously Unreleased Version)" - 5:49
- "Return to Fantasy (Edited Version)" (D. Byron, K. Hensley) - 3:40
2004年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- シャウト・イット・アウト - "Shout It Out" (K. Hensley) - 3:34
- ザ・タイム・ウィル・カム - "The Time Will Come" - 4:08
- プリマ・ドンナ(オルタネイト・デモ・ヴァージョン) - "Prima Donna (Alternate Demo Version)" - 4:05
- 去ったのは何故(オルタネイト・デモ・ヴァージョン) - "Why Did You Go (Alternate Demo Version)" - 5:18
- ショーダウン(オルタネイト・デモ・ヴァージョン) - "Showdown (Alternate Demo Version)" - 4:18
- ビューティフル・ドリーム(オルタネイト・デモ・ヴァージョン) - "Beautiful Dream (Alternate Demo Version)" - 5:48
- 幻想への回帰(未発表エクステンデッド・ヴァージョン) - "Return to Fantasy (Extended Version)" (D. Byron, K. Hensley) - 7:18
参加ミュージシャン
[編集]- デヴィッド・バイロン - リード・ボーカル
- ケン・ヘンズレー - キーボード、シンセサイザー、ギター、ボーカル
- ミック・ボックス - ギター
- ジョン・ウェットン - ベース、メロトロン、ボーカル
- リー・カースレイク - ドラムス、パーカッション、ボーカル
脚注
[編集]- ^ a b 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.308
- ^ a b c 2004年リマスターCD (SMRCD100)英文ブックレット内クレジット
- ^ a b norwegiancharts.com - Uriah Heep - Return To Fantasy
- ^ Uriah Heep - Return To Fantasy - austriancharts.at
- ^ a b URIAH HEEP | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ Uriah Heep - Return To Fantasy - dutchcharts.nl
- ^ charts.org.nz - Uriah Heep - Return To Fantasy
- ^ a b “Uriah Heep Chart History - The Billboard 200”. Billboard. 2022年2月22日閲覧。
- ^ 2004年リマスターCD (SMRCD100)英文ライナーノーツ(ミック・ボックス)
- ^ Hill, Gary. “John Wetton Biography, Songs & Albums”. AllMusic. 2022年2月22日閲覧。
- ^ norwegiancharts.com - Uriah Heep - Prima Donna
- ^ Guarisco, Donald A. “Return to Fantasy - Uriah Heep”. AllMusic. 2022年2月22日閲覧。
- ^ Rivadavia, Eduardo. “Top 10 Uriah Heep Songs”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2022年2月22日閲覧。