戸倉三郎
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戸倉 三郎 とくら さぶろう | |
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総務省より公表された肖像 | |
生年月日 | 1954年8月11日(70歳) |
出生地 | 日本 山口県徳山市 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 一橋大学法学部 |
第20代 最高裁判所長官 | |
任期 | 2022年6月24日 - 2024年8月10日 |
任命者 | 今上天皇(徳仁) |
前任者 | 大谷直人 |
後任者 | 今崎幸彦 |
任期 | 2017年3月14日 - 2024年8月10日 |
前任者 | 大谷剛彦[1] |
戸倉 三郎(とくら さぶろう、1954年〈昭和29年〉8月11日 - )は、日本の裁判官。最高裁判所長官(第20代)。
最高裁判所事務総局審議官、同総務局長、最高裁判所事務総長、東京高等裁判所長官を歴任した。
人物
[編集]- 山口県徳山市(現:周南市)出身。山口県立徳山高等学校を経て、一橋大学法学部卒業。弁護士を志し大学在学中の1979年に旧司法試験に合格。司法修習中に裁判官の仕事に興味を持つようになり、1982年に裁判官に任官するが、長年司法行政部門に所属[2][3]。大学及び任官同期には藤井敏明や内藤正之がいる。
- 史上初の、一橋大学出身の最高裁判所長官である。初代長官三淵忠彦から、前任の第19代大谷直人まで全員が、東京大学(16名)又は京都大学(3名)の出身である(初代三淵忠彦から、第11代矢口洪一までは、これらの大学の前身たる東京帝国大学又は京都帝国大学出身である)。また、1979年当時の司法試験合格者数で、一橋大学は明治大学に次ぐ全国7位で、法科大学院制度導入前の、一橋大学出身の法曹自体が少なかった時代であった。
- 東京地方裁判所等で主に刑事事件を担当したのち、2004年に最高裁判所事務総局審議官に就任し、同年成立した裁判員の参加する刑事裁判に関する法律により開始されることとなった裁判員制度の広報や経済団体等との交渉等を担当した[4][5]。2009年から最高裁判所事務総局総務局長及び法務省法制審議会幹事。2013年、さいたま地方裁判所所長。2014年、最高裁判所事務総長。2016年、東京高等裁判所長官。2017年、最高裁判所判事。2022年、最高裁判所長官。
- 知識が豊富な人物とされる。また、さいたま地裁所長時代には市内の鉄道博物館年間パスポート(Teppa倶楽部会員証)を購入したほどの鉄道ファンで、趣味は鉄道車両の鑑賞や、車両内での休憩、ウォーキング、ゴルフ[2][6]。
- 司法研修所教官時代の教え子に吉村洋文大阪府知事や[7]、泉房穂明石市長がいる[8]。
裁判・処分
[編集]- 大阪地裁時代の1983年12月20日、戸塚ヨットスクール事件に関して戸塚宏に対し3,000万円あまりの損害賠償の支払いを命じた判決において、左陪席裁判官を務めた(戸塚ヨットスクール損害賠償請求事件第二次訴訟第一審判決・大阪地判昭和58年12月20日)。
- 広島地裁時代の2000年2月9日には裁判長として広島タクシー運転手連続殺人事件の被告人に死刑判決を言い渡した。控訴がなされなかったため判決は確定し、2006年に死刑が執行された。
- 2009年1月14日、神戸連続児童殺傷事件で逮捕された男性の精神鑑定を行った医師が勤めていた病院から男性の供述調書を盗むなどした日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派の非公然活動家幹部ら被告人3人に、窃盗罪等により懲役2年6月の実刑判決を言い渡した。
- 東京地裁時代の2009年5月20日、ワールドオーシャンファーム事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)で、元幹部5人に懲役2年から3年の実刑判決をそれぞれ言い渡した。また同月28日、元会長に懲役14年、他の元幹部6人に懲役2年から3年の実刑判決をそれぞれ言い渡した。
- 東京高裁長官時代の2016年6月21日、縄で縛られた上半身裸の男性の画像などをTwitter上に投稿した東京高等裁判所の岡口基一判事に対して、口頭で厳重注意を行った[9]。
経歴
[編集]- 1954年8月 山口県徳山市(現:周南市)出身
- 1973年3月 山口県立徳山高等学校卒業
- 1979年 旧司法試験合格
- 1980年 一橋大学法学部卒業、司法修習生(34期)
- 1982年4月 大阪地方裁判所判事補
- 1985年4月 札幌地方裁判所判事補
- 1987年4月 最高裁判所事務総局民事局付
- 1988年8月 最高裁判所事務総局人事局付
- 1991年4月 東京地方裁判所判事補
- 1992年4月 東京地方裁判所判事
- 1994年4月 最高裁判所司法研修所教官
- 1998年4月 広島地方裁判所判事
- 1999年8月 広島地方裁判所部総括判事
- 2000年4月 広島高等裁判所事務局長
- 2004年2月 最高裁判所事務総局人事局参事官
- 2004年8月 最高裁判所事務総局審議官
- 2008年4月 東京地方裁判所部総括判事
- 2009年4月 最高裁判所事務総局総務局長
- 2013年9月 東京高等裁判所判事
- 2013年10月 さいたま地方裁判所長
- 2014年7月 最高裁判所事務総長
- 2016年4月 東京高等裁判所長官
- 2016年5月 法務省法制審議会委員[10]
- 2017年3月 最高裁判所判事
- 2017年10月22日 最高裁判所裁判官国民審査において、罷免を可とする票4,303,842票、罷免を可とする率7.86%で信任[11]。
- 2019年10月 法務省検察官適格審査会委員[12]
- 2022年6月24日 第20代最高裁判所長官
- 2024年8月10日 定年退官
論文等
[編集]- 「供述又は書面の非供述証拠的使用と伝聞法則」(自由と正義.51(1)、2000年1月)
- 「最新労働事情解説 裁判員制度スタートに伴う企業・労働組合の実務対応」(労働法学研究会報.59(20)(通号 2439)、2008年10月15日)
- 「Q&Aで見る 裁判員制度開始に向け企業が準備すべきこと」(先見労務管理. 47(1360)、2009年1月10日)
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “最高裁判事に戸倉氏を任命”. 2017年10月15日閲覧。
- ^ a b 「さいたま地裁:「適正な判断を」 戸倉所長が着任で抱負」毎日新聞2013年10月26日
- ^ 「責任感持ち、謙虚に」=戸倉新判事が就任会見-最高裁 時事通信 2017年03月14日21時25分
- ^ 「責任感持ち、誠実に」 最高裁判事に就任した戸倉三郎氏 産経新聞 2017年3月14日
- ^ 産経新聞 2005年4月16日
- ^ 「責任感持ち、誠実に」 最高裁判事に就任した戸倉三郎氏産経ニュース2017.3.14
- ^ 吉村洋文(大阪府知事)@hiroyoshimura
- ^ 明石市長 泉 房穂(いずみ ふさほ) @izumi_akashi
- ^ 産経新聞 (2016年6月27日). “50歳裁判官、「縄で縛られた自分」とツイッターに半裸画像投稿 東京高裁が厳重注意 - 産経ニュース” 2016年11月18日閲覧。
- ^ 人事、法務省日本経済新聞2016年5月24日 5:00
- ^ 平成29年10月22日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果総務省
- ^ 人事、法務省日本経済新聞2019年10月18日
外部リンク
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