西遊記 (1994年のテレビドラマ)
西遊記 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
出演者 |
唐沢寿明 牧瀬里穂 柄本明 小倉久寛 柳沢慎吾 |
製作 | |
プロデューサー |
小松伸生 西牟田知夫 鍋島壽夫 吉田多喜男 |
制作 | 日本テレビ |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1994年4月8日 - 9月23日 |
放送時間 | 金曜日20:00 - 20:54 |
放送枠 | 日本テレビ金曜8時連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 17 |
『西遊記』(さいゆうき)は、1994年4月8日より9月23日まで毎週金曜日20:00 - 20:54に、日本テレビ系列の「金曜20時」枠で放送されていた日本のテレビドラマ[1]。主演は唐沢寿明と牧瀬里穂。
1978年から1980年に放送されていた『西遊記』(堺正章・夏目雅子主演)の平成版であり、日本テレビのテレビドラマとしては4作品目にあたる[1]。
資料によっては、『新・西遊記』と記載されている[2]。
概要
[編集]本作品は、1993年に特別番組として制作された本木雅弘・宮沢りえ主演版が好評だったことから連続ドラマとして制作された[3]が、設定や俳優陣は一新されており、続編ではない。堺正章版や本木雅弘版では描かれなかった天竺への到着が本作品でようやく描かれるという内容も、それらとは異なる点である。
堺正章版との差別化を図るため、過去シリーズより大きく脚色している。登場する妖怪たちが一部を除き、妖怪の王・提婆達多の配下にある妖怪・羅刹女率いる妖怪軍団として組織化されており、提婆達多軍団との戦いに重点を置いている。
原作と堺正章版の玉龍に相当する白竜の人間体は、最初から登場する。また、沙悟浄、猪八戒、白竜は提婆達多の配下から改心して三蔵法師のお供になったうえ、沙悟浄と猪八戒は普段は人間の姿となっており、緊急時には沙悟浄は河童、猪八戒は豚の妖怪の姿(着ぐるみ)に変身して戦うという設定である。第14話では、孫悟空の顔にメイクをした「斉天大聖」という形態が登場した。
主役の唐沢は過去のスタントマン経験を生かし、ほとんど吹き替えなしでアクションシーンを演じた。また、特撮シーンには当時としては画期的なCGが多用されている。一見すると中国ロケのような村の風景は、北海道登別市に当時存在していた中国風テーマパークの天華園(1999年に閉鎖)で撮影された。
プロ野球ナイター中継による休止が多く[3]、当初は全22話の予定であったが全17話で終了した。
ビデオはバップから第1話を収録した第1巻のみが1994年に発売されたが絶版となっており、2022年6月現在、DVD版・Blu-ray版はリリースされていない。
キャスト
[編集]三蔵一行
[編集]- 孫悟空
- 演 - 唐沢寿明
- 石から生まれた石猿。釈迦と観音から戦う力を与えられた。自分が「釈迦と対等だ」と言ってしまったために釈迦に岩山に閉じ込められてしまった。三蔵法師に岩山から解放され、緊箍児を頭にはめられてしまったため三蔵のお供になった。他の三蔵の弟子たちの兄貴分としてその手腕を発揮する。勇気と思いやりを兼ね備えた性格だが短気で落ち込みやすいところもある。戦闘能力が高く如意棒を駆使して敵と戦う。当初は人間の愛や心を理解できないでいたが、最終回で三蔵との旅で人間の心を持ち人を信じることが出来たと自暴自棄になった三蔵に言っている。白竜曰く「失敬な奴」で三蔵曰く「少々短気な者」。
- 玄奘三蔵法師
- 演 - 牧瀬里穂
- 太宗皇帝から三蔵法師の法名を与えられた僧。天竺まで有り難い経典を取りに旅に出る。旅の途中で白竜、悟空、悟浄、八戒を弟子にする。非常に慈悲深い性格で白竜は長安で彼に助けられたためそれを恩義に感じて弟子になる。意地っ張りで頑固で弟子に向かって「破門する」「修行が足りませんよ」と言うのが口癖。その反面、精神的に脆いところもあり気分次第ですぐに考え方を変えたり、時折弟子の食糧を盗み食いするといった行動に出ることもあるので全くの堅物というわけではない。最終回で腐敗した天竺に絶望して麻薬中毒に陥ったが、本当に大切なものが経典ではなく仲間と人の心であるということを悟って立ち直る。
- 沙悟浄
- 演 - 柄本明
- 羅刹女の部下だった河童の妖怪。寺の和尚(八戒の変装)の執事に化けて三蔵を地獄に連れて行こうとするが、悟空に戦いを挑んで一度は命を落とす。しかし、三蔵に命を助けられその恩返しとして天竺行きのお供をすることになる。しかし、天竺行きの一番の目的は金儲けのためであり金にがめつい。また、三蔵法師に命を助けられた際には「このご恩は一生忘れません」と忠誠を誓っておきながら、きっかけ一つですぐに裏切る。しかしながら、回を追うごとに三蔵の優しい気持ちに影響されていく。金にがめつくなってしまった理由には彼が子供の頃に父親から何も買ってもらえなかったことがその背景にあるようである。しかし頭は良く、科学、地理、経済、歴史、天文学の知識に秀でている。戦闘時には人間の姿から河童の姿になり口から吐く息で敵を凍らせる。時折、三蔵のことを「シロ坊主」と呼んでいる。三蔵曰く「お金に卑しい者」。
- 猪八戒
- 演 - 小倉久寛
- 羅刹女の部下だった豚の妖怪。悟浄と組んで寺の和尚に化けて三蔵を地獄に連れて行こうとするが、悟空に戦いを挑んで一度は命を落とす。しかし三蔵法師に命を助けられ、その恩返しとして天竺行きのお供をすることになる。しかし天竺行きの一番の目的は女であり女性への執着心が病気のように強い。食欲旺盛なために旅に必要な食糧を一人でつまみ食いすることもよくあり仲間たちの頭をいつも悩ませている。そのせいか仲間内ではいつも損な役回りが多い(毒見や三蔵の身代わりなど)。悟浄同様、三蔵法師に忠誠を誓っておきながらきっかけ一つですぐに裏切る。しかしながら悟浄同様回を追うごとに三蔵の優しい気持ちに影響されていく。戦闘時には人間の姿から豚の姿に変わり口から炎を吐く。悟浄のことを親友だと思っている。三蔵曰く「女にだらしない者」。
- 白竜
- 演 - 柳沢慎吾
- 羅刹女の部下・兇竜の息子。太宗皇帝の馬に化けて皇帝を殺そうとしたが失敗。皇帝の命令によって処刑されそうになるが三蔵に助けられる。三蔵に深く恩義を感じて弟子になるが、そのことにより提婆達多に父親を処刑されてしまう。以後、三蔵の馬として天竺行きのお供をすることになる。男らしく義理堅い性格で三蔵に対する忠誠心が一番高いといえる。羅刹女の部下だったころは自ら兵を率いて戦っていたが、三蔵の弟子になってからは滅多に戦闘に参加することはなかった。他の弟子たちの戦い振りを横で見ているか、突込みを入れるかの役割をしている。第16話で羅刹女の手にかかり絶命するも竜に生まれ変わって昇天する。
提婆達多群
[編集]- 羅刹女
- 演 - 余貴美子
- 提婆達多配下の妖怪の女性。人間の女に成りすまして太宗皇帝の妻となり子供を身篭り皇帝を殺して大唐帝国の実権を握ろうとするが三蔵法師の邪魔により失敗。以後、妖怪軍団を率いて三蔵法師の命を狙うようになる。冷酷非情な性格で誰が死んでも動じずにいつも不気味な笑いをしている。人間を憎む理由は人間が妖怪を虐げてきたからだという。その反面、人間の仕掛けた罠に落ちて泣き出してしまうといった間抜けな一面もあり、その時には三蔵の弟子たちから馬鹿呼ばわりされた。第16話で絶命。
- 英竜
- 演 - 高知東生
- 兇竜の息子で羅刹女の部下。
- 艶竜
- 演 - 寺田千穂
- 兇竜の娘で羅刹女の部下。
- 英竜と艶竜は白竜の兄弟であるが、白竜が裏切ったために父親の兇竜が責任を取って処刑されたため、自分たちの命を守るためにやむを得ず羅刹女に従い前線で悟空たちと戦いを度々繰り広げる。第16話で絶命。
- 提婆達多
- 演 - 美輪明宏(声の出演)
- 妖怪の王で巨大な一つ目から発する炎が最大の武器。五百年前に悟空に敗れ、一度は絶命するがその死は多くの妖怪を作り上げた。三蔵が取経の旅に出る時には復活していた。三蔵の取経を阻止し、妖怪たちの世界を築き上げようと目論む。第16話で悟空の特攻を受け絶命。
ゲスト
[編集]- 第1話 「オープニングスペシャル 豪華絢爛摩訶不思議、CG特撮笑いと涙、何でもありの超大作」
- 第2話 「何でもかなう願いの木」
- 第3話 「善人村には落とし穴」
- 第4話 「三蔵の心臓が食べられちゃう!」
- 第5話 「怒りの三蔵vs.霊感大王」
- 第6話 「霊界からよみがえった妖怪」
- 第7話 「如意棒が盗まれた!」
- 第8話 「悟空vs.大たぬき妖怪!!」
- 第9話 「悟空vs.時をこえる妖怪」
- 第10話 「悟空破門! キント雲で金もうけ」
- 第11話 「未来を見通す家なき子」
- 第12話 「みんなまとめて破門します!?」
- 第13話 「悟空vs.男をのろい殺す女妖怪!!」
- 第14話 「悟空狂乱! 村人たち全員誘拐!」
- 第15話 「恐怖の妖怪収容所」
- 第16話 「さよなら白竜・悟空vs.提婆最終決戦」
- 最終話 「ついに到着! これが天竺大雷音寺だ!」
スタッフ
[編集]- 脚本 - 柴英三郎、田上雄、深沢正樹、峯尾基三、和久田正明、尾西兼一、丸山比朗、尾崎将也、布勢博一、久松真一、吉村ゆう
- 音楽 - 前野知常
- 監督 - 一倉治雄、門奈克雄、杉村六郎、村田忍、吉田啓一郎、北浦嗣巳
- 特撮監督 - 北浦嗣巳
- 主題歌
- infix「傷だらけの天使になんてなりたいとは思わない」
- 番組前半ではオープニングテーマ、第1話と番組後半ではエンディングテーマ
- infix「100万光年の彼方」
- 通常は挿入歌だが、最終話のみエンディングテーマとして使用された
- infix「傷だらけの天使になんてなりたいとは思わない」
- 選曲 - 合田豊
- 音楽プロデュース - 月光恵亮
- 技斗 - 二家本辰巳
- スタント&アクション - アーバンアクターズ(遠藤城利、大滝明利、所博昭、甲斐純一郎)
- 特殊メイクデザイン - 原口智生
- 特殊メイク - 宗理起也、織田尚
- 特殊造型 - 水野伸一
- キャラクター造型 - 若狭新一、開米敏雄、高柳祐介
- CG - テクノネット
- 光学アニメーション - 日本エフェクトセンター
- 操演 - 亀甲船
- ロケ協力 - 登別中国庭園・天華園
- 技術協力 - ビデオフォーカス
- スタジオ - 東宝ビルト
- 音響効果 - 柴崎憲治(サウンドボックス)
- 小道具 - 高津映画装飾
- 衣装 - 東宝コスチューム
- 装飾 - ポパイアート
- 美粧 - 山田かつら
- プロデュース - 小松伸生、西牟田知夫、鍋島壽夫、吉田多喜男
- 制作協力 - ライトヴィジョン、バンダイビジュアル
- 製作著作 - 日本テレビ
放送日程
[編集]各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
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第1話 | 1994年4月 | 8日オープニングスペシャル 豪華絢爛摩訶不思議、CG特撮笑いと涙、何でもありの超大作 |
柴英三郎 | 一倉治雄 | 12.2% |
第2話 | 4月29日 | 何でもかなう願いの木 | 田上雄 | 門奈克雄 | 11.4% |
第3話 | 5月13日 | 善人村には落とし穴 | 一倉治雄 | 11.5% | |
第4話 | 6月10日 | 三蔵の心臓が食べられちゃう! | 深沢正樹 | 11.1% | |
第5話 | 6月17日 | 怒りの三蔵vs.霊感大王 | 峯尾基三 | 杉村六郎 | 9.2% |
第6話 | 6月24日 | 霊界からよみがえった妖怪 | 和久田正明 | 村田忍 | 7.9% |
第7話 | 7月 | 1日如意棒が盗まれた! | 峯尾基三 | 門奈克雄 | 8.2% |
第8話 | 7月 | 8日悟空vs.大たぬき妖怪!! | 尾西兼一 | 9.2% | |
第9話 | 7月15日 | 悟空vs.時をこえる妖怪 | 丸山比朗 | 村田忍 | 8.8% |
第10話 | 7月22日 | 悟空破門! キント雲で金もうけ | 尾崎将也 | 門奈克雄 | 7.6% |
第11話 | 7月29日 | 未来を見通す家なき子 | 布勢博一 久松真一 |
村田忍 | 10.9% |
第12話 | 8月 | 5日みんなまとめて破門します!? | 丸山比朗 | 吉田啓一郎 | 7.3% |
第13話 | 8月19日 | 悟空vs.男をのろい殺す女妖怪!! | 布勢博一 | 村田忍 | 8.2% |
第14話 | 8月26日 | 悟空狂乱! 村人たち全員誘拐! | 田上雄 | 杉村六郎 | 9.1% |
第15話 | 9月 | 2日恐怖の妖怪収容所 | 吉村ゆう | 吉田啓一郎 | 10.7% |
第16話 | 9月16日 | さよなら白竜・悟空vs.提婆最終決戦 | 尾崎将也 | 北浦嗣巳 | 12.3% |
最終話 | 9月23日 | ついに到着!これが天竺大雷音寺だ! | 田上雄 | 門奈克雄 | 8.5% |
平均視聴率 9.65%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
脚注
[編集]- ^ a b 「日テレドラマ半世紀 文芸・風刺・社会派作品リスト」『日テレドラマ半世紀』構成・執筆:岩佐陽一・大久保一光(BAD TASTE)、日本テレビ放送網株式会社、2005年7月23日。ISBN 4-8203-9905-5。
- ^ 『現代日本映画人名事典 女優篇』キネマ旬報社、2011年9月25日、190頁。ISBN 9784873763750。
- ^ a b 竹書房/イオン編 編「BonusColumn 西遊記の映像化伝説」『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、150頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。
関連項目
[編集]- 西遊記
- 西遊記 (1978年のテレビドラマ)、西遊記II(主演:堺正章)
- 西遊記 (1993年のテレビドラマ)(主演:本木雅弘)
- 西遊記 (2006年のテレビドラマ)(主演:香取慎吾)
日本テレビ系列 金曜20時台 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ザ・ワイドショー
(1994年1月14日 - 3月18日) |
西遊記
(1994年4月8日 - 9月23日) |
静かなるドン
(1994年10月21日 - 1995年3月17日) |