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新之助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新之助
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 北陸190号×新潟75号
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 新之助
開発 新潟県農業総合研究所
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新之助(しんのすけ)は、2017年平成29年)に一般発売が開始されたイネ(稲)の品種[1]。「北陸190号」と「新潟75号」の交配によって育成された[2]新潟県における2017年平成29年)産の産地品種銘柄(選択銘柄)になっている[1]。品種名は、「新しい」と「新潟」の「新」に、現代的でスタイリッシュな日本男児をイメージして付けられた[2]

概要

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新潟県の「米研究120周年」を記念する晩生品種である。新潟県全体の高温障害・気象災害のリスクと収穫作業の分散で、晩生品種として「新之助」が開発された。中生品種は「コシヒカリBL」、早生品種は「こしいぶき」(2000年に品種開発)である。熟期は晩生で、「コシヒカリ」と比べると1週間程度収穫時期が遅くなる[1]。開発途中の2010年(平成22年)の猛暑では、高温に強い性質が実証された。コシヒカリBLよりも茎が太く、10センチほど短く、風で倒れにくい。

品種特性

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粒は大粒[1]日本穀物検定協会[3]の食味官能試験では、新潟コシヒカリと同レベルでタンパク質が低く適度なアミロース含有である。表層は硬めで、しっかりした粒感と「粘り」が両立している。味覚センサーによる分析では、コクや甘み、味の厚みに特徴があるとする結果が出ている[2]。長期貯蔵でも脂肪酸度が低く古米化の品質劣化がしにくく、比較的美味しさを保つのが特徴である[4][2]。炊飯米は、比較的硬めでしっかりとした粒感がありつつも粘りも強く、「コシヒカリ」とはまた違った良食味となっており、炊飯後も固くなりにくい[2]

食味官能評価値 味度メーター[5] 千粒重(g) タンパク質(%) 整粒歩合
0.55 87.8 23.6 6.3以下 70%
年度 生産量(トン)
2015年(平成27年) 50
2016年(平成28年) 500
2017年(平成29年) 10,000程度

「新之助」の食味値を上げる三要素(タンパク質・アミロース・脂肪酸度)が低めになる品種特性と共に「米食味コンクール」でも上位を占めると期待される[6][7]山形県の「つや姫」については、「タンパク質」6.4 %以下[8][9]、「食味官能評価値」0.5強の数値である[10]

新之助
0.55
  • たんぱく質(%)
魚沼コシヒカリ 米山プリンセス 新之助 いちほまれ
(越南291号)
つや姫 ゆめぴりか
6.0以下 6.0以下 6.3以下 6.4以下 6.4以下 6.8以下[11][12][13]
どんとこい[15][16][17]
 
南海129号
 
どまんなか
 
キヌヒカリ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
北陸190号
 
 
 
 
 
 
新潟75号
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
新之助

パッケージ

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紅白幕をイメージした色合いに、「助」の文字を水引をイメージして表現したロゴが配されている[2]ロゴは上下で対となったデザインになっている[2]。全体的に「めでたさと期待」を表現し、「ハレの日のお米」としての特別感を演出している[2]

経過

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脚註

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  1. ^ a b c d 日本食糧新聞社 編 2018, p. 65.
  2. ^ a b c d e f g h 日本食糧新聞社 編 2018, p. 66.
  3. ^ 食味評価試験”. 日本穀物検定協会. 2016年12月16日閲覧。
  4. ^ 特集2 新潟の新しいお米「新之助」のデビューに向けて”. 2016年12月15日閲覧。
  5. ^ トーヨー味度メーター”. 東洋ライス. 2016年12月15日閲覧。
  6. ^ 粒感と粘り、「ポストこしひかり」が決定…福井”. 読売新聞 (2016年12月3日). 2016年12月15日閲覧。
  7. ^ ポストこしひかり決定、評価日本一 全国のブランド米超える自信作”. goo (2016年12月3日). 2016年12月15日閲覧。
  8. ^ 山形のブランド米「つや姫」”. 全国農業協同組合連合会 山形県本部(JA全農山形). 2016年12月15日閲覧。
  9. ^ 山形つや姫ブランド化戦略推進本部「つや姫」生産者認定制度実施要綱”. 2016年12月15日閲覧。
  10. ^ 評価日本一の「すごいコメ」誕生 「つや姫」や「新之助」上回る”. 福井新聞 (2016年12月3日). 2018年11月28日閲覧。
  11. ^ 平成24 年「ゆめぴりか」作付け生産者の皆様へ”. 北海道米の新たなブランド形成協議会. 2017年8月19日閲覧。
  12. ^ 「ゆめぴりか」栽培マニュアル”. 北海道米の新たなブランド形成協議会. 2017年8月19日閲覧。
  13. ^ 「ゆめぴりか」をどのように作りこなすか!”. ながぬまクリーンライス生産組合ゆめぴりか部会. 2017年8月19日閲覧。
  14. ^ 開発ストーリー”. 新潟県. 2016年12月19日閲覧。
  15. ^ 「どんとこい」は多肥条件でも食味の低下が少ない”. 農業・食品産業技術総合研究機構. 2016年12月19日閲覧。
  16. ^ どんとこい(普通栽培・中生)”. 日本穀物検定協会. 2016年12月19日閲覧。
  17. ^ どんとこい”. お米ガイド. 2016年12月19日閲覧。
  18. ^ 農業総合研究所”. 新潟県. 2016年12月15日閲覧。
  19. ^ 新しいお米は「新之助」 新潟県が開発、NGTも応援”. YouTube (2015年9月24日). 2016年12月15日閲覧。
  20. ^ 新潟の新しいお米の名前は「新之助(しんのすけ)」です。”. 新之助 特設サイト (2015年9月24日). 2020年10月10日閲覧。
  21. ^ 中国商標局のデータベース(中国商標網)による商標検索マニュアル”. JETRO北京. 2016年12月19日閲覧。
  22. ^ 中华人民共和国国家工商行政管理总局”. 中華人民共和国国家知識産権局. 2016年12月19日閲覧。
  23. ^ 新潟県の水稲の奨励品種等(平成28年6月30日現在)”. 新潟県農林水産部 農産園芸課 (2016年6月30日). 2018年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月15日閲覧。
  24. ^ 新潟の新ブランド米「新之助」試験販売始まる 競合に懸念の声も”. 産經新聞 (2016年10月6日). 2016年12月15日閲覧。
  25. ^ 【キラリ甲信越】新潟ブランド米「新之助」料亭などで高評価 全国へ浸透図る”. 産經新聞 (2016年12月16日). 2016年12月16日閲覧。
  26. ^ 一般、岩船、佐渡200〜400円増17年産コシ仮渡し金 魚沼据え置き”. 新潟日報 (2016年12月16日). 2017年8月25日閲覧。
  27. ^ 米のヒット甲子園2018、大賞に新潟県・長岡産の「新之助」が輝く“日本の米”と海外に誇れる点も評価”. 日経トレンディ (2018年11月22日). 2018年11月28日閲覧。

参考文献

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  • 日本食糧新聞社 編『全国お米のこだわり銘柄事典』日本食糧新聞社、2018年4月18日。ISBN 9784889272666 

関連項目

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外部リンク

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