根室フットパス
根室フットパス(ねむろフットパス)は北海道根室市にある厚床(あっとこ)、初田牛(はったうし)、別当賀(べっとうが・べっとが)の各地域をつなぐフットパスである。総延長約42.5km。厳密には厚床パス、初田牛パス、別当賀パスの3コースから構成される。5人の酪農家で組織されたAB-MOBITにより、2003年から構築。
各パス
[編集]厚床パス
[編集]富岡牧場の築拓キャンプ場、伊藤牧場の酪農喫茶などを通るフットパス。総延長約10.5km。全体的に起伏の少ない地形である。旧標津線跡、植民軌道跡などの歴史的価値のある物も存在する。厚床の語源はアイヌ語でアッ・トコ・トー・ペッ(At-toko-to-pet)「ニレの木生え出づる所」の意。2009年10月、社団法人北海道観光振興機構による観光ガイドブック「ゆとりツーリズム北海道」に掲載された。
初田牛パス
[編集]村島牧場、小笠原牧場の農産加工体験施設などを通るフットパス。総延長約13.5km。丹頂鶴が観察できるスポットや、知床・国後が見渡せるエリアがある。初田牛の語源はアイヌ語でハッ・タ・ウシ(Hat-ta-ushi)「葡萄を採る所」の意と、ハッタル・ウシ・イ(Hattar-us-i)「水が深くよどんでいる所」の意の2説がある。
別当賀パス
[編集]お台馬場(おだいばば)、馬場牧場を通るフットパス。総延長約18.5km。海岸沿いの牧草地を中心として作られている。夏でも冷涼な気候のため、平地であるにもかかわらず高原植物が存在する。別当賀の語源はアイヌ語でペットカ(Petuka)「浅瀬」の意。
ワークショップ
[編集]「厚床、初田牛、別当賀の新たな魅力の再開拓」「様々な視点から見る」「五感を通して見る」をテーマに、AB-MOBITが散策路整備に関心のある者を集め、2003年から2005年まで毎年8月に実施。
テレビ放送
[編集]NHKニュースおはよう北海道2005年8月19日生中継により放送。
動植物
[編集]フットパス付近には以下の動植物が生息している。
動物
[編集]植物
[編集]- 花:キタミフクジュソウ、ヒメイチゲ、マイヅルソウ、エンコウソウ、エゾエンゴサク、ギョウジャニンニク、バイケイソウ、ホザキシモツケ、ミズバショウ、クロユリ、エゾネコノメソウ、ミミコウモリ、エゾカラマツ、エゾノシシウド、エゾフウロ、ヤマハハコ、チシマアザミ、ツルキジムシロ、ハマナス、ヤマブキショウマ、エゾクサイチゴ、ツリガネニンジン、シコタンキンポウゲ、クサフジ、トモエソウ、ヒメイズイ、エゾヤマハギ、スズラン、エゾリンドウ、オオバナノエンレイソウなど。
- 樹木:ミズナラ、カシワモドキ、ダケカンバ、シラカバ、ナナカマドなど。
- 帰化植物(原産):セイヨウタンポポ(ヨーロッパ)、フランスギク(ヨーロッパ)、ハルザキヤマガラシ(ヨーロッパ)、アメリカオニアザミ(ヨーロッパ)、オオアワダチソウ(北アメリカ)、ヘラバヒメジョオン(北アメリカ)、アラゲハンゴンソウ(北アメリカ)など。
- 牧草として持ち込まれた植物(原産):シロツメクサ(ヨーロッパ)、アカツメクサ(ヨーロッパ)、ムラサキウマゴヤシ(地中海地方)、セイヨウノコギリソウ(ヨーロッパ)など。
根室フットパス構築:計画段階での目的
[編集]AB-MOBITが「酪農家同士の繋がりを深める」「酪農家と他の視点を持った人々の情報の共有」「スローな視点から見る新たな発見」「酪農地の新たな価値の創造」の4つを目的とした。
交通アクセス
[編集]航空機
[編集]鉄道
[編集]バス
[編集]道路
[編集]受賞歴
[編集]- 2005年:我が村は美しく北海道コンクール・銅賞
- 2005年:北海道北のまちづくり賞・知事賞
- 2006年:まちづくり月間・国土交通大臣賞表彰
- 2006年:第2回HAL・農業酪農イメージアップチャレンジ賞
- 2007年:立ち上がる農産漁村に選定(農林水産省)
- 2007年:第4回コープ・さっぽろ農業賞
- 2007年:農業漁業交流賞交流の部・札幌市長賞