横浜市中央図書館
横浜市中央図書館 | |
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横浜市中央図書館 外観 | |
施設情報 | |
専門分野 | 総合 |
事業主体 | 横浜市 |
管理運営 | 横浜市教育委員会 |
建物設計 | 前川建築設計事務所+ミド同人・永田包昭[1] |
延床面積 | 21,834.36[2][3] m2 |
開館 | 1994年4月[4] |
所在地 |
〒220-0032 神奈川県横浜市西区老松町1番地 |
位置 | 北緯35度26分51.5秒 東経139度37分35.5秒 / 北緯35.447639度 東経139.626528度座標: 北緯35度26分51.5秒 東経139度37分35.5秒 / 北緯35.447639度 東経139.626528度 |
ISIL | JP-1001296 |
統計情報 | |
蔵書数 | 1,668,566[3](2017年時点) |
貸出数 | 908,659[5](2015年) |
来館者数 | 1,120,157[5](2015年) |
条例 | 横浜市立図書館条例 |
公式サイト | http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/library/chiiki/central/ |
地図 | |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
横浜市中央図書館(よこはましちゅうおうとしょかん)は、神奈川県横浜市西区にある公立図書館。横浜市立図書館の中核を担う中央図書館である。
概要
[編集]1921年(大正10年)に横浜公園内に開館した横浜市図書館仮閲覧所を前身としている。1927年(昭和2年)に横浜市図書館として現在地に開館。1954年(昭和29年)に神奈川県立図書館ができるまで、神奈川県の中央図書館としての機能を担っていた。建物の老朽化と蔵書の増加に伴い、1994年(平成6年)に横浜市中央図書館として再建された。
市立図書館の所蔵数では大阪市立中央図書館についで日本で2番目の大型図書館[6]である(公共図書館としては国立国会図書館東京本館、国立国会図書館関西館、大阪府立中央図書館、大阪市立中央図書館、東京都立中央図書館につぐ6番目の規模になる)。
1階および3階から5階までが、分野別に分けられた開架の閲覧室となっている。地下1階の「音楽・映像ライブラリー」では、CDやビデオなどを揃えている。
歴史
[編集]- 1919年(大正8年)12月 - 横浜港開港60周年・自治制施行30周年記念事業として、「横浜市図書館」の建設が計画される[7]。
- 1921年6月(大正10年) - 横浜公園内の図書館建設事務所内の仮閲覧所で、図書の閲覧を開始(中央図書館の前身となる横浜市図書館の開業)[8]。
- 1923年(大正12年)
- 1924年(大正13年)3月 - 横浜公園内に「横浜市図書館仮本館」として再建[8][7]。
- 1925年(大正14年)2月 - 中村町閲覧所を廃止[9]。
- 1927年(昭和2年)7月 - 旧老松小学校跡(現在の横浜市中央図書館の位置)に、「横浜市図書館」本館が竣工[8]。
- 1928年(昭和3年)7月 - 横浜市図書館別館が竣工し、横浜市震災記念館が当地に移転[10]。
- 1942年(昭和17年)9月 - 横浜市震災記念館から横浜市市民博物館に改称[10]。
- 1944年(昭和19年)11月 - 空襲激化のため、横浜市市民博物館を休止[10]。
- 1945年(昭和20年)
- 1947年(昭和22年)8月 - 移転先より復帰[8]。
- 1949年(昭和24年)1月 - 中央図書館の指定を受け、神奈川県の中央図書館として活動を開始する[11][12]。
- 1964年(昭和39年)7月 - 横浜市図書館別館を、老松会館に改称し結婚式場として使用。
- 1970年(昭和45年)8月 - 移動図書館事業として「はまかぜ号」を導入。
- 1981年(昭和56年)12月 - 「よこはま21世紀プラン」策定。1区1館建設及び中央図書館建設方針を確立[8]。
- 1986年(昭和61年)10月 - 「横浜市中央図書館基本構想委員会」設置[8]。
- 1987年(昭和62年)5月 - 『横浜市中央図書館基本構想委員会報告書』が提出される[8]。
- 1990年(平成2年)1月 - 横浜市図書館休館。3月、横浜市図書館仮設館開館。9月、横浜市図書館を解体、中央図書館着工[4]。
- 1991年(平成3年) - 老松会館が移転し、跡地は駐車場(野毛山自動車駐車場)になった。
- 1993年(平成5年)10月 - 横浜市図書館仮設館の個人貸出・閲覧業務を停止[4]。
- 1994年(平成6年)2月 - 中央図書館一部開館。4月、中央図書館全面開館[4]。
- 2000年(平成12年)4月 - 火曜から金曜日の開館時間を20時30分までに延長[4]。
- 2001年(平成13年)12月 - 市立図書館全館で月曜日開館開始[4]。
建物概要
[編集]斜面・変形地を最大限生かすため、柱割は三角形に組まれ“細胞の増殖”を発想させるような正六角形を組み合わせた平面である[13]。また南西側から建物を見ると、四角形に見えるようになっている[14]。階段は、三角形になるように作られている。外壁は蔵書を温度や湿度の変化から保護するため、外断熱2重壁オープンジョイント工法が用いられ、中庭からも採光を行っている。また5階廊下と、1階の「おはなしのへや」の入口横には、旧横浜市図書館に設置されていたステンドグラスが展示されている。 横浜の旧市街地を見下ろすことができる野毛山に立地しているが、南側には横浜市長公舎があり、また建物の東側は事務室・書庫になっているため、一般の利用者は眺望を楽しむことができない設計になっている。
旧図書館と、初代 老松会館(現在は野毛山自動車駐車場)の敷地を利用して建設された。老松会館は横浜市震災記念館の移転先として建設されたものであり、その後は横浜市市民博物館・横浜市職員研修所として用いられたのちに、横浜市図書館別館から老松会館に改名して結婚式場に転用された[10]。
- 設計者:前川建築設計事務所+ミド同人・永田包昭[1][15]
- 施工:竹中工務店・東急建設・松村組・紅梅組・和同建設共同企業体[1][15]
- 構造形式:S、SRC造[1]、RC下地オープンジョイント花崗岩バーナー仕上げ
- 階数:地上5階、地下3階、塔屋1階[1][15]
- 敷地面積:9,855.28m2[1]
- 延床面積:21,834.36m2[2][3]
- 着工:1991年9月[1][15]
- 竣工:1994年1月[1][15]
- 工事費:約170億円[15]
館内
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正面入口の向かい側にあるレストラン棟には、ハングリータイガーが運営するレストラン「Green Gables」[16]があったが、現在は障害者就労支援施設を兼ねた「喫茶店・売店 のげやま」になっている[18]。
公衆無線LAN
[編集]特徴的な蔵書
[編集]1982年(昭和57年)、市内の病院院長のコレクションであった忠臣蔵や赤穂浪士の研究資料の寄贈を受けた[20]。850点にのぼる資料の中には1748年(寛延元年)に竹本座が刊行した浄瑠璃本や、フランス語・ドイツ語・イタリア語などに翻訳された外国語図書も含まれる[21]。
映画パンフレットは、利用者より寄贈を受けたものを中心に2012年(平成24年)時点で約5800冊所蔵している[22]。
利用できるオンラインデータベース
[編集]- 国立国会図書館 図書館向けデジタル化資料送信サービス
- 「ヨミダス歴史館」(読売新聞記事データベース)
- 「朝日新聞クロスサーチ」(朝日新聞記事データベース)
- 「日経テレコン」(日本経済新聞等、日経各紙の記事データベース)
- 「毎索」(毎日新聞記事データベース)
- 「産経電子版」(産経新聞記事データベース)
- 官報情報検索サービス
- Westlaw Japan(日本法総合オンラインサービス)
- 医中誌Web(国内医学論文情報データベース)
- EL-NET(検索用、記事見出しのみ閲覧可能)
- Web OYA-bunko(大宅壮一文庫)
パブリックアート
[編集]横浜市内のほかの公共施設と同様に、敷地内には複数のパブリックアートが設置されている[16]。
- 敷地北側:望月菊磨「知恵の箱」
- 前庭のベンチの上:柳原義達「道標・鳩」
- エントランスホール:佐藤忠良「冬の像」
- エントランスホール壁面:川上玲子 「Stainless Fantasy」
- 中庭:望月菊磨「光のまい」
- のげやま 店内:笹戸千津子「アニタ」
- 野毛山駐車場(「中央図書館」バス停そば):ハラダミドリ「宿る」
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望月菊磨「知恵の箱」
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川上玲子 「Stainless Fantasy」
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望月菊磨「光のまい」
立地
[編集]交通機関
[編集]- 京急本線 日ノ出町駅から徒歩5分
- JR根岸線、市営地下鉄ブルーライン 桜木町駅から徒歩10分
- 横浜市営バス (103、292系統)「野毛坂」バス停から徒歩1分
- 横浜市営バス (89系統)「中央図書館」バス停から徒歩1分
周辺施設
[編集]- 横浜市立老松中学校
- 野毛山動物園
- 横浜市長公舎
- 神奈川県立図書館
- 神奈川県立青少年センター
- 横浜マンダリンホテル
- 野毛山公園・野毛山公園展望台
- 野毛山不動尊 横浜成田山(成田山 横浜別院 延命院)
駐車場
[編集]- 野毛山自動車駐車場 - 旧 老松会館跡地に設置された、図書館併設の公共有料駐車場。上層は横浜市長公舎専用。管理は横浜市交通安全協会に委託されている[16]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h 「新建築」第70巻第4号、1994年4月。
- ^ a b 横浜市中央図書館 2016, p. 6.
- ^ a b c “横浜市立図書館 中央図書館 施設・設備案内”. 2017年4月13日閲覧。
- ^ a b c d e f 横浜市中央図書館 2016, p. 3.
- ^ a b 横浜市中央図書館 2016, p. 7.
- ^ 『日本の図書館 統計と名簿2012』(社団法人日本図書館協会)に基づく。
- ^ a b c d 横浜市役所市史編纂係 編『横浜市震災誌 第三冊』、横浜市、1926年、267-273ページ
- ^ a b c d e f g h i j 横浜市中央図書館 2016, p. 2.
- ^ 横浜市中央図書館開館記念誌編集委員会『横浜の本と文化』 横浜市中央図書館、1994年、ISBN 4946514015、608ページ
- ^ a b c d e 永田ミナミ「かつて存在した幻の横浜市震災記念館とはどんな施設だった?」『はまれぽ.com』 株式会社アイ・ティ・エー、2013年9月25日
- ^ 1950年(昭和25年)の図書館法の公布により中央図書館制度は廃止されるが、実務上は1954年(昭和29年)に神奈川県立図書館が開館するまで中央図書館の役割を担っていた。
- ^ 横浜市中央図書館開館記念誌編集委員会『横浜の本と文化』 横浜市中央図書館、1994年、ISBN 4946514015、631ページ
- ^ 「【記念シリーズ・横浜市公共建築】第25回 横浜市中央図書館 前川建築設計事務所・橋本功所長に聞く」『建設通信新聞Digital』 日刊建設通信新聞社、2022年8月10日
- ^ 井上マサキ「横浜市中央図書館は六角形なのか四角形なのか」『デイリーポータルZ』 ニフティ、2017年4月12日
- ^ a b c d e f 横浜市中央図書館 施設概要 1994年4月
- ^ a b c d e f g 横浜市中央図書館開館記念誌編集委員会『横浜の本と文化』 横浜市中央図書館、1994年、ISBN 4946514015、676-681ページ
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “横浜市立図書館 中央図書館 フロア案内”. 2017年4月13日閲覧。
- ^ 「ふれあいショップ事業」『横浜市』 横浜市、2020年6月29日
- ^ 横浜市教育委員会「公衆無線LANサービス」『横浜市』、横浜市、2019年8月1日
- ^ 「所蔵資料の来し方、行く末」『開港のひろば』、横浜開港資料館、2012年2月1日、2018年10月19日閲覧。
- ^ 「事業トピックス」(PDF)『横浜市の図書館 2003』、2018年10月19日閲覧。
- ^ 『中央図書館 夏の企画展示』(PDF)(プレスリリース)横浜市教育委員会、2012年7月13日 。2018年10月19日閲覧。
参考文献
[編集]- “横浜市の図書館 2010(横浜市立図書館年報)”. 2011年10月14日閲覧。
- 横浜市中央図書館企画運営課 編『横浜市の図書館 2016 (横浜市立図書館年報)』(PDF)2016年7月 。
関連項目
[編集]- 神奈川県の図書館一覧
- 横浜市立図書館
- 急な坂スタジオ - 2代目老松会館
外部リンク
[編集]- 横浜市中央図書館
- はまかぜ号(横浜市移動図書館) (@lib_hamakaze) - X(旧Twitter)