コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

江田神社 (宮崎市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
江田神社

拝殿
所在地 宮崎県宮崎市阿波岐原町字産母127
位置 北緯31度57分37.62秒 東経131度27分53.49秒 / 北緯31.9604500度 東経131.4648583度 / 31.9604500; 131.4648583 (江田神社 (宮崎市))座標: 北緯31度57分37.62秒 東経131度27分53.49秒 / 北緯31.9604500度 東経131.4648583度 / 31.9604500; 131.4648583 (江田神社 (宮崎市))
主祭神 伊邪那岐尊
社格 式内社(小)
県社
創建 不詳
本殿の様式 流造
例祭 11月22日
主な神事 茅の輪潜り(6月30日
地図
江田神社の位置(宮崎県内)
江田神社
江田神社
テンプレートを表示
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
鳥居

江田神社(えだじんじゃ)は、宮崎県宮崎市阿波岐原町(あわぎがはらちょう)にある神社式内社で、旧社格県社

祭神

[編集]

主祭神

配祀神

以上の2柱は「産母(やぼ)二柱大明神」と号され、地元の人々からは「産母(やぼ)様」とも呼ばれている。

歴史

[編集]

神話

[編集]

古事記』『日本書紀』には、伊邪那岐尊が黄泉から帰還してを行ったという記述がある。禊を行なった場所について、『古事記』では「竺紫日向之橘小門之阿波岐原」、『日本書紀』では「筑紫日向小戸橘之檍原」と記すが、この「阿波岐原・檍原(あわきがはら)」が当地であると伝えられている。この地名は、全国の神社であげられる「祝詞」の冒頭でも「かけまくも畏き伊邪那岐の大神、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊ぎ祓へたまひし時に」と読み上げられている。そのため「御祓い発祥の地」とされる[1]

当社近くの「みそぎ池」が伊邪那岐尊が禊を行った地と伝えられ、かつては入江であったが、後に開墾されて「江田」と称されたという[2]。なお上記の神話に基づき、当地はイザナギの子であるアマテラスツクヨミスサノオ三貴子住吉三神の誕生地と伝えている[2]

当社の周辺には古代の集落跡が多数あり、代表的なものには弥生時代初め(約2,400年前)の檍(あおき)遺跡がある。また、古墳時代の初期(3世紀末)の前方後円墳・檍1号墳からは国内最大の木製墓室・木槨跡が見つかった。

概史

[編集]

国史の初見は、『続日本後紀』の承和4年(837年)8月1日条の「日向国子湯郡都濃神妻神。宮埼郡江田神。諸県郡霧島岑神。並びに官社に預かる」という記事である。『延喜式神名帳では日向国宮埼郡に「江田神社」と記載され、式内社に列している。また、『和名類聚抄』には宮崎郡に「江田郷」の記載があり、境内からは10世紀前後の須恵器も出土したことから、創建当初の位置に現在も鎮座していると考えられている[3]

天禄元年(970年)までには神階が最高位の正一位まで進み、菊の紋章を持つ壮麗な神殿を持つなど、かつては社勢を誇っていたといわれる。中世には那珂郡に属し、京都の『清滝宮勧進神名帳』や文明11年(1479年)の『戒壇院公用神名帳』にも記載が見られるなど、日向国を代表する神社であったと見られている[3]。江戸時代は幕府領伊東氏飫肥藩預地であった。

しかしながら、寛文2年(1662年)の外所(とんどころ)地震の大津波により社殿を失ってからは衰退し、一村落の産土神の扱いとなっていた[3]。津波によって貴重な歴史遺産が多数失われたともいわれる。江戸時代初期、神道家・橘三喜の『諸国一宮巡詣記』は「江田の御社に参りそれより檍が原の住吉に詣でて、尋ね来て聞けば心も住吉の松は檍が原の松原。この海辺に伊弉諾命の身そぎ給う」と記している。

明治6年(1873年)5月25日、近代社格制度において県社に列格し、同40年2月9日に神饌幣帛料供進神社に指定された。

神階

[編集]

境内

[編集]

本社

[編集]

御池

[編集]
御池(みそぎが池)

伊邪那岐尊が禊を行なったという池は神社の北東に位置し(北緯31度57分50.19秒 東経131度28分02.92秒 / 北緯31.9639417度 東経131.4674778度 / 31.9639417; 131.4674778 (御池(みそぎが池)))、「御池(みいけ)」または「みそぎが池」と呼ばれている[4]

祭事

[編集]
  • 祈年祭 (2月17日)[5]
  • 大祓祭 (6月30日)
    特殊神事として茅の輪潜りがある[2]。かつては前夜に渚で浜禊をする習わしがあった[3]。当日は神輿渡御ののち、神事として神職・氏子・参拝者の順に茅の輪潜りが行われる[3]
  • 例大祭 (11月22日)
  • 新嘗祭 (11月23日)

春の社日祭・秋季例大祭では、「江田神楽」が奉納される。神楽の歴史は古く、慶長17年銘の神楽面が残っている。

現地情報

[編集]

所在地

交通アクセス

  • 宮崎交通(19系統 動物園線)で、「江田神社」バス停下車 (下車後徒歩すぐ)

周辺

  • 住吉神社 - 伊邪那岐尊の禊の際に誕生したとされる住吉三神を祀る。

脚注

[編集]
  1. ^ 日向神話旅”. 宮崎県. 2021年11月7日閲覧。
  2. ^ a b c 境内説明板。
  3. ^ a b c d e 『宮崎県の地名』江田神社項。
  4. ^ 池の名は現地説明板による。
  5. ^ 祭事は境内説明板による。

参考文献

[編集]
  • 境内説明板
  • 『日本歴史地名体系 宮崎県の地名』(平凡社)宮崎市 江田神社項

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]