河野一郎 (翻訳家)
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河野 一郎(こうの いちろう、1930年1月6日[1][2] - 2023年1月6日)は、日本の英文学者、比較文学者、翻訳家。東京外国語大学およびフェリス女学院大学名誉教授。専門は、19・20世紀イギリス小説、児童文学。20代から多くの英米文学を訳し、翻訳学校教師も務めた。
人物・来歴
[編集]兵庫県芦屋市出身[1] (大阪府出身とも[2])。1947年(昭和22年)東京高等師範学校附属中学校、1951年(昭和26年)東京外事専門学校卒業[3]。 1954年(昭和29年)東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業 [1][2]。
1958年に一橋大学講師[2]。 1961年に東京外国語大学講師[2]。 1964年にカリフォルニア大学客員教授[2]。 1970年に東京外国語大学教授を経てフェリス女学院大学教授[2]。 フェリス女学院大学教授、東京外国語大学教授をつとめる[1]。 1964年(昭和39年)から1965年(昭和40年)、アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校客員教授[1]。 1981年(昭和56年)、「ごみすて場の原始人」で[2]旺文社児童文学翻訳賞[1]。
横浜市栄区に在住[2]していた。2023年1月6日、老衰のため死去。93歳没[4]。
著書
[編集]- 『翻訳上達法』(講談社現代新書) 1975
- 『翻訳教室』(講談社現代新書) 1982
- 『ねずたんとねこたん』(佐々木マキ絵、講談社) 1986
- 『どうぶつなぜなぜばなし ぞうのはなはなぜながいなど3話』(村上勉ほか絵、講談社のおはなし絵本館) 1990.7
- 『英語の歌』(岩波ジュニア新書) 1991.2
- 『英語の詩』(岩波ジュニア新書) 1992.11
- 『翻訳のおきて』(DHC) 1999.3
- 『誤訳をしないための翻訳英和辞典』(DHC) 2002、増訂版2017
- 日本語版監修
- 『オックスフォード世界英語文学大事典』ジェニー・ストリンガー編(DHC)2000.9
- 浦谷計子,加藤俶子,工藤惺文,浜田陽子,梶山あゆみ,木村ふみえ,近藤三峰,広瀬美智子訳
翻訳
[編集]- サマセット・モーム『アシェンデン モーム短篇集』(全集17・新潮社)1955、のち新潮文庫(2分冊)
- 新版『アシェンデン 英国秘密情報部員の手記』(ちくま文庫) 1994
- トルーマン・カポーティ『遠い声 遠い部屋』(新潮社)1955、のち文庫(改版)
- トルーマン・カポーティ『夜の樹 / ミリアム』(斎藤数衛共訳、南雲堂) 1957、新版1986
- トーマス・ハーディ『ハーディ短篇集』新潮文庫 1957、のち改版
- 新版『呪われた腕―ハーディ傑作選』村上柴田翻訳堂・新潮文庫 2016
- ジャック・アイアムズ『のぞかれた窓』東京創元社(クライム・クラブ)1959
- サマセット・モーム『太平洋 モーム短篇集』(新潮文庫) 1960、のち改版、他に「全集15」新潮社
- アガサ・クリスティ『アクロイド殺害事件』(世界推理名作全集6 中央公論社) 1960、のち嶋中文庫
- ダシール・ハメット『血の収穫』(世界推理名作全集10 中央公論社)1960、のち文庫、嶋中文庫
- ドロシー・L・セイヤーズ『疑惑 アリババの呪文』短編(世界推理名作全集8 中央公論社)1960、のち嶋中文庫、グーテンベルク21
- ロレンス・ダレル『黒い本』(中央公論社)1961、のち中公文庫(改版)
- エミリー・ブロンテ『嵐が丘』(中央公論社、世界の文学)1963、のち文庫
- シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』(中央公論社、世界の文学 新集)1968
- トマス・ハーディ『テス / アリシアの日記 / 呪われた腕 / 妻ゆえに 世界文学全集』(河出書房新社) 1968
- ヘンリー・ミラー『ネクサス』(集英社、世界文学全集) 1965、のち新版。他に「読書の自由の擁護」
- ジョン・アップダイク『農場』(河出書房新社) 1969、新版1977
- アラン・シリトー『長距離走者の孤独』 丸谷才一共訳(集英社) 1969、のち新潮文庫(改版)、集英社文庫
- アラン・シリトー『屑屋の娘』橋口稔共訳(集英社) 1969、のち文庫
- ヘンリー・ミラー『南回帰線』(講談社) 1970、のち講談社文庫、講談社文芸文庫
- ヘンリー・ミラー『わが生涯の日々』(講談社) 1971
- テネシー・ウィリアムズ『呪い』(志村正雄共訳、白水社) 1972、のち白水Uブックス
- カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』(新潮文庫) 1972、のちグーテンベルク21
- エドガー・アラン・ポー『ポオ小説全集』(創元推理文庫 全4巻) 1974。訳者の一人、元は「全集」東京創元社
- カール・サンドバーグ『サンドバーグ詩集』(安藤一郎共訳、新潮文庫) 1974
- アラン・シリトー『華麗なる門出』(集英社) 1974
- 『世界の文学19 シリトー』(集英社)1976。他は「長距離走者」
- ジョン・ブレイン『朝までいっしょに』(集英社) 1977
- ウォルター・デ・ラ・メア『魔法のジャケット』(旺文社ジュニア図書館) 1977
- テッド・ヒューズ『クジラがクジラになったわけ』(篠原勝之絵、旺文社ジュニア図書館) 1979、岩波少年文庫 2001
- クライヴ・キング『ごみすて場の原始人』(スズキコージ画、旺文社創作児童文学) 1980
- キング『南へ行った町』(藤原邦久絵、旺文社創作児童文学) 1982
- アラン・シリトー『悪魔の暦』(集英社)1983
- ヘレン・ピアス、マイケル・フォアマン絵『ニョロロンとガラゴロン』(講談社の翻訳絵本) 1984
- D・H・ロレンス『ロレンス短篇集』(編訳、岩波文庫) 1986.1
- ジョン・ゴールズワージー『りんごの木 / 人生の小春日和』(岩波文庫) 1986.12
- スーザン・ヒル『黒衣の女』(ハヤカワ文庫) 1987、のち改版
- ライマン・フランク・ボーム、牧野鈴子絵『オズのまほうつかい』各(講談社のおはなし童話館15) 1991.8
- 『イギリス民話集』(編訳、岩波文庫) 1991.10
- 『カポーティ短篇集』(編訳、ちくま文庫) 1997.2
- ウィリアム・ハドソン『緑の館 熱帯林のロマンス』(ちくま文庫) 1997.12
- 『対訳 英米童謡集』(編訳、岩波文庫) 1998.8
- ホリー・ケラー『ファルファリーナとマルセル』(岩波書店 大型絵本) 2006