エピジェネティクス
エピジェネティクス(英語:epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である[1][2]。ただし、歴史的な用法や研究者による定義の違いもあり、その内容は必ずしも一致したものではない[3]。
多くの生命現象に関連し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)・胚性幹細胞(ES細胞)が多様な器官となる能力(分化能)、哺乳類クローン作成の成否と異常発生などに影響する要因(リプログラミング)、がんや遺伝子疾患の発生のメカニズム、個体レベルの記憶などの解明にもかかわっている。
概要
遺伝形質の発現は、セントラルドグマ説[4][5]で提唱されたようにDNA複製→RNA転写→タンパク質への翻訳→形質発現の経路により、DNAに記録されている遺伝情報が表現型として実現した結果とされてきた。セントラルドグマにおける形質の変化とは、遺伝情報の変化であり、その記録媒体であるDNA塩基配列の変化が原因となっている。レトロウイルスやレトロトランスポゾンによるRNAからDNAへの情報の還元という例外を含みながらも、従来の分子生物学・遺伝学ではセントラルドグマに基礎においた研究が行われてきた[6]。
しかしながら、先天的には同じ遺伝情報、つまり同じゲノム(DNA塩基配列)であっても、細胞レベルあるいは個体レベルの形質の表現型が異なる例もまれではない。
たとえば動物では、単細胞である受精卵から発生し、胚の全能性幹細胞はさまざまな多能性細胞系列となり、さらに器官ごとに異なった細胞に分化し、それぞれの器官・細胞は異なる機能を分担している。この過程で細胞は、分化の経歴と存在する部位に依存して、ある遺伝子を阻害する一方で、他のある遺伝子は活性化している[8]。また一卵性双生児やクローン動物、あるいは挿し木や球根・地下茎などの栄養生殖で増殖した植物でも、遺伝子型は同一にもかかわらず個体間に違いが認められることが多い。
このような例は、細胞レベルではシグナル伝達による細胞間の応答反応、個体レベルでは環境と遺伝の相互作用によって主に説明がなされていた。しかしながら、細胞がどのように経歴を「記憶」するのか、個体間の表現型の差がどのように生じるは、遺伝子機能の面からは明らかにされていない部分があった。
1942年にコンラッド・H・ウォディントンは、「遺伝物質からはじまり最終的な生物を形づくるすべての制御された過程」言い換えると「遺伝子が表現型を作るために周辺環境とどのように相互作用するのか」を表現するために、「エピジェネティクス」という用語を作成した[2][9]。その後、エピジェネティクスは、DNA塩基配列の変化を伴わない後天的な遺伝子制御の変化を主な対象とした研究分野となり、各種生物のゲノムの解読が進んだ2000年代以降、エピジェネティクス研究が盛んになってきている。
前述の通り「エピジェネティクス」の内容は普遍的に定義されたものではない[3]。しかしながら、狭い意味で使われる場合は、表1に示す各種の過程のうち染色体クロマチンを構成するDNAのメチル化およびヒストンの化学的修飾などクロマチンリモデリングによる遺伝子の発現制御の変化を指す[10]。
この場合、DNA塩基配列の変化つまり突然変異と、エピジェネティック(=エピジェネティクス的)制御とは独立である。それらは、同一個体内での組織の違いあるいは個体発生・細胞分化の時間軸上の違いで生じる変化である。
しかしそれらと異なり、変化した表現型が個体の世代を超えて受け継がれる「エピジェネティック遺伝」の例も見出されており、研究が進められている[11][12]。これは、ある生物におけるエピジェネティックな変化がそのDNAの基本構造を変えることができるかどうかというラマルキズム型の問題を提起する(後述の進化参照)。
ヒストン構造に影響する変化(後述) | |
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DNAメチル化 | DNAメチル化あるいは脱メチル化により、塩基配列情報自体には変化なく遺伝子発現のオン/オフが切り替わる |
ヒストンの化学的修飾 | メチル化・アセチル化・リン酸化などの修飾によってヌクレオソーム中のヒストンに物理化学的な変化がおき、遺伝子発現に直接的(シス型制御)あるいは間接的(トランス型制御)に影響する |
クロマチンリモデリング(再構築・再構成) | ヒストン修飾およびリモデリング因子(一部はDNAメチル化に影響する[13])の影響を受け、ヘテロクロマチンとユークロマチンの切り替えのような(だけではないが)、遺伝子発現に影響が出るクロマチン構造の変化 |
ヒストンコード仮説[解説 1] | 複数のヒストン修飾が関連しあって、特定の遺伝子発現を制御を記録(コード)しているという仮説 |
細胞レベルの変化(後述) | |
細胞記憶(ブックマーキング) | 細胞自体が経歴・位置に依存した遺伝子発現状態を維持していること |
リプログラミング[解説 2] | 細胞(細胞核)の記憶を初期化すること(分化能を失った体細胞が分化能を再獲得するために必要とする過程) |
ゲノムインプリンティング | 哺乳類などの配偶子で雄雌それぞれ特異的なDNAメチル化がなされ、受精後の個体で父性・母性の遺伝子の使い分けがなされること |
X染色体の不活性化 | 哺乳類では性染色体であるX染色体の本数が雌雄で異なるため(雌2本・雄1本)、1本のX染色体の活性を残して他のX染色体の遺伝子発現を抑制すること |
単為生殖と動物のクローン化に影響する技術的限界 | ゲノムインプリンティングの解除と再設定、および細胞核のリプログラミングが影響を与える |
その他 | |
位置効果[解説 3] | 遺伝子が存在する位置の上流域の構造が与える発現抑制あるいは発現活性化の効果 |
母性効果 | 母体の状態に依存する効果 |
催奇形物質の影響 | 催奇性物質の中にはDNA塩基配列自体の変異ではなく、エピジェネティック効果で異常をもたらすものがある(後述) |
発がん過程 | 発がんには複数の遺伝子の変異が必要とされるが、その中にはエピジェネティックな発現制御が異常化した遺伝子も存在する(後述) |
プリオンによる遺伝制御 | 真菌類では突然変異発生を抑える役割を持つプリオンが存在する(後述) |
パラ変異[解説 4] | 特定のヘテロ接合型対立遺伝子の組が子孫の表現型に影響を与えること |
トランスベクション効果[解説 5] | |
遺伝子サイレンシング |
語源・定義・派生用語
語源
1942年にウォディントンは、エピジェネティクスと言う語を「後成説(epigenesis)」と「遺伝学 (genetics)」 のかばん語として造語した。後成説は、胚発生における初期全能性状態から細胞の分化を記述するのに使われるようになった古い用語[解説 6]である(歴史的背景については前成説も参照のこと)。ウォディントンが造語した1942年当時は、物質的な遺伝子の本体と遺伝におけるDNAの役割は知られていなかった[解説 7]。遺伝情報が表現型を作るために周辺環境とどのように相互作用するのかという概念のモデルとして、彼はこの造語を使った[9]。形式上からいえば、エピジェネティクスは「エピ (ギリシア語: επί 越えた, 上の, 外の)」「ジェネティクス(英語:genetics 遺伝学)」との合成と見ることもできる。
複数の定義の違い
一般的にエピジェネティクスとは、下記のリッグス(1996年)の定義のように理解されている[2]。しかしながら、いくつかの定義あるいは説明が存在し、結果として、何を意味するべきかについては議論がある[3]。
- 「遺伝物質からはじまり最終的な生物を形づくるすべての制御された過程」(ウォディントン, 1942年)[9]
- 「同一遺伝子型の細胞が異なる表現型を細胞分裂を越えて維持していること」の説明(Nanney, 1958年)[14][15]
- 「複雑な生物の発育中における遺伝子活性の時間的·空間的制御機構の研究」(ホリデー, 1990年)[16]
- 「DNA配列の変化では説明できない体細胞分裂および/または減数分裂に伴う遺伝子機能における遺伝的な変化の研究」(リッグス, 1996年)[1][2]
- 「変化した活性状態を記録・信号伝達または継続させるような染色体領域の構造適応」(バード, 2007年)[17]
ホリデー(1990年)の定義によれば、エピジェネティクスという用語は、DNA配列以外の生物の発育に影響を与えるものを記述するために使用できることになる。必ずしも遺伝(細胞分裂前の状態を分裂後にも継承)するわけではないヒストン修飾を定義に含め、「遺伝性」という条件を回避したバード(2007年)のような定義も存在する。バードによる定義は、複数細胞世代にわたる安定した変化だけではなくDNA修復または細胞周期相に関連した一時的変更をも含めるものであるが、他方では膜構造およびプリオンなどに関するものを、それらが染色体機能に影響しない限り排除している。そのような再定義は普遍的には受け入れられていないため、エピジェネティクスの定義は依然として論争の対象となっている[3]。
DNAメチル化とクロマチンリモデリングはエピジェネティックな制御で中心的な役割を果たす。一般的に単語「エピジェネティクス」は「後成的な遺伝子制御の継承」の同義語として使われる。しかし、クロマチンリモデリングは常に継承されるわけではなく、またエピジェネテックな遺伝のすべてがクロマチンリモデリングを伴うわけでもないとして、(バードの定義と同様の視点で)この同義語化を問題視する場合もある[18]。
派生用語
「遺伝学」への単語の類似性は多くの対応した用語を生み出している。「エピゲノム」は「ゲノム」に対応した単語であり、細胞の全体的なエピジェネティックな状態をいう[解説 8]。遺伝暗号(遺伝コード)に対応した用語「エピジェネティックコード」は、異なる細胞において異なる表現型を作り出す一連のエピジェネティックな機能を意味する。
発生・進化とのかかわり
発生
エピジェネティックな変化、特にDNAメチル化とクロマチンリモデリングを通しての体細胞のエピジェネティックな継承は、多細胞真核生物の発生において非常に重要である。いくつかの例外を除いてゲノムのDNA塩基配列自体は変化しないが、細胞は異なる種類へと分化し、異なる機能を実行し、環境あるいは細胞間のシグナルに対して異なる反応をする。したがって個体が発生するとき、形態形成因子は、エピジェネティックな継承様式で細胞に「記憶」を与えながら、遺伝子を活性化あるいは不活性化する[8]。
プラナリアやヒトデ類のように断片から個体を再生できる動物もいる一方で、哺乳類のように分化後の細胞は分化能を失う動物もある。これは細胞の経歴を反映した細胞記憶によるエピジェネティックな変化であると考えられている。植物は、動物と同じようにクロマチンリモデリングなどのエピジェネティックなメカニズムを多く利用している[19][20][21][22]。しかし、植物細胞は哺乳類などとは異なり、分化後の組織も全能性を維持している。このことから、ある種の植物細胞は、環境および細胞を取り巻く位置情報を用いて、それまでの細胞記憶を使わないように切り替えができるという仮説を提示する研究者もいる[23]。
哺乳類の発生と分化能
哺乳類の発生に関わるエピジェネティックな機構の代表例として、X染色体の不活性化、ゲノムインプリンティングおよびリプログラミング(初期化・再プログラム化)による分化能の再獲得が挙げられる。
- X染色体の不活性化
- 哺乳類では、性染色体であるX染色体の本数が雌雄で異なる(雌2本・雄1本)。雄では1本のX染色体のみで生存に必要な遺伝子発現をまかなっているが、雌では発生初期に2本のX染色体の双方から過剰に遺伝子が発現すると着床直後に死に至る[24]。これを避ける遺伝子量補償として、2本以上のX染色体を持つ個体は[解説 9]、1本のX染色体の活性を残して他のX染色体の遺伝子発現を抑制する[25]。このとき不活性化される染色体は条件的ヘテロクロマチンとなり、分裂期でなくとも顕微鏡観察可能な形態をとる(バー小体)。X染色体の不活性化では、エピジェネティックな機構としてDNAメチル化 [24]、ヒストン修飾(H3K27トリメチル化ほか)、特異的な非翻訳性RNA(Xist)の転写および染色体への結合[26]が同時に関与している。
- ゲノムインプリンティング
- 哺乳類では、配偶子形成の過程で雄雌の性別に従った特異的なDNAメチル化がおきる。このDNAメチル化は配偶子ゲノムから受精卵に引き継がれ、受精後の個体で父性・母性の遺伝子の使い分けがなされる。雌雄それぞれのプリンティングを受ける遺伝子は、同じ染色体領域に集中かつ偏在し、クラスターを形成している[24]。遺伝子がインプリンティングされる意義については解明されていないが[27]、胚発生時に雌雄双方の遺伝子が必要になる。そのため哺乳類では自然条件下での単為生殖が不可能となっている[27]。なお、インプリンティング状態を人為操作することによって、雌ゲノムのみから単為発生したマウスが作成されている[28]。
- リプログラミング
- 両生類においては、1950年代には胚細胞の核を、1960年代には体細胞の核を除核卵に移植することで個体発生させクローンを得ることができていた[29][30]。これらでは移植により細胞核がリプログラミングされることを示している[31]。一方、哺乳類でも核移植クローンの作成が試みられたが、1980年代に行われた生殖細胞の核の移植では発生が停止することが示され、それがゲノムインプリンティング機構の発見につながった[29]。1997年には体細胞核移植によるクローン羊「ドリー」の誕生が報告され、その後は他の哺乳類でも体細胞クローン個体作成が相次いだ。しかしながら、体細胞クローンは個体作成効率も数パーセント以下と低く、誕生したクローン個体に異常が観察されることが問題視されている[32][33][34]。このような体細胞クローンの表現型異常は、有性生殖によって後代に伝えられないことから、エピジェネティックな要因によるものと考えられている[35][36]。なお、体細胞クローンではゲノムインプリンティングは核供与親から継承するのに対して、ES細胞クローンの場合はゲノムインプリンティングの不具合による個体の異常が起きるものと考えられている[37]。
進化
エピジェネティックなメカニズムは細胞分化で重要な役割を果たし、その役割は進化過程でもたらされてきたものである[38]。一般的には、多細胞生物におけるエピジェネティクスは、生物が生殖する際にエピジェネティックパターンの再設定を伴った、分化に関与するメカニズムであると考えられている。しかしながら、たとえばトウモロコシにおけるパラ変異現象のように、世代間エピジェネティック遺伝の観察例も存在する。このような多世代エピジェネティック表現型は数世代を超えると失われるが、多世代エピジェネティクスは進化および適応の別の側面かもしれないことに変わりはない。体細胞とは系列的に分かれている生殖細胞系列は動物に固有であり、植物や微生物ではエピジェネティックな遺伝がはるかに一般的であると予想されている。これらの効果は現代的進化仮説の標準的な概念の枠組みに変更を強いるかもしれない[39]。
エピジェネティックな機能は、可逆的な表現型の変動を可能にすることによって、生物種の短期的な適応において重要な役割を果たしている可能性がある。DNAの領域に関連付けられたエピジェネティックな機能の変更が、多世代の時間的規模で、特定遺伝子の発現および抑制をする表現型間の切り替えを可能にする[40]。該当する領域のDNA塩基配列が変化しない場合、この変化は可逆的である。生物は、特定遺伝子の変異発生率を制御するエピジェネティックな機能と関連する異なった変異率を利用できるものと、推測されている[40]。興味深いことに最近の分析の結果、シトシン脱アミノ化酵素である APOBEC/AID遺伝子ファミリーのメンバーが、同様の分子メカニズムを使って、遺伝的およびエピジェネティクス的な遺伝を同時に仲介することができると示唆されている[41]。
進化のエピジェネティクスは、予定されたもの(=規定路線で進むもの)と確率的なもの(=不確定要素を含むもの)に分けられる。予定されたエピジェネシス(後成的発生・後成的形態形成)は、DNA中の構造変化からタンパク質の機能的な変異への一方向の動きである。ここでの「予定」は、展開が筋書き化され予測可能であることを意味する。他方、確率的エピジェネシスは、経験および外部形成発育との双方向の構造-機能の発達である[42]。
エピジェネティックな変化はまた、環境暴露に対応して生じることが観察されている。たとえば、いくつかの栄養補助剤を与えられたマウスは、毛皮の色・体重・がん発症傾向を左右するアグーチ遺伝子の発現に影響するエピジェネティックな変化がある[43][44]。
ヒトのエピジェネティクス
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エピジェネティクス的な過程は、DNA・RNA・タンパク質の各段階において作用するので、医学的応用において多くの潜在的な可能性を持っている[45]。
インプリンティング関連疾患
いくつかのヒト疾患は、生殖細胞の特定遺伝子座のエピジェネティック・パターンが父親と母親とで異なる現象であるゲノムインプリンティングと関連している[46]。ヒト疾患の中で最もよく知られているインプリンティングの例はアンジェルマン症候群とプラダー・ウィリー症候群である。両者は、同じ遺伝的変異(15番染色体長腕(15q)の部分欠失あるいは片親性ダイソミー)よって引き起こされるものであり、変異が両親のどちらから由来したかに依存して発症する疾患である[47][48]。これらは15q染色体領域にインプリンティングが存在し、両症候群に関与する遺伝子構成がヘミ接合型[解説 10]であるので、通常とは異なって父性あるいは母性の1種類の対立遺伝子で支配される。同様にBeckwith–Wiedemann症候群は、11番染色体領域(11p15)のゲノムインプリンティングの異常によって頻繁に引き起こされる[49]。
がんと発達異常
催奇性との関連
がん発生を増加させる多くの物質が、エピジェネティックな発がん性物質として考えられているが、それらは変異原としての活性を持たない。例としては、ジエチルスチルベストロール、オルト亜ヒ酸イオン、ヘキサクロロベンゼン、ニッケル化合物が含まれる。
多くの催奇形物質はエピジェネティックなメカニズムにより胎児への特異的効果を発揮する[50][51]。エピジェネティックな効果は、影響を受けた子どもの生涯を通して催奇形性物質の効果を維持するかもしれない。しかし、母親でなく父親が暴露した場合の影響、影響を受けた胎児の次の胎児への直接の影響、およびエピジェネティックな効果が観察された個体の子孫への影響などは、一般的には理論的な根拠および実例の欠如によって否定されている[52]。
がんにおけるDNAメチル化
DNAメチル化は遺伝子転写の重要な調節要因であり、異常なDNAメチル化が予定外の遺伝子サイレンシングに関連することが大量の証拠によって実証されている。それらの遺伝子は、プロモーター領域に高レベルの5-メチルシトシンがあり、転写において抑制されている。DNAメチル化は胚発生時に不可欠であり、体細胞ではDNAメチル化のパターンは一般的に高い忠実度を持って娘細胞に伝わる。異常なDNAメチル化パターンは、ヒトの多くの悪性腫瘍と関連しており、正常組織と比較して過剰メチル化あるいは低メチル化という2つの様式で見つかる。過剰メチル化は、がん抑制遺伝子のプロモーター領域を介して転写を抑制する主要なエピジェネティックな修飾の一つである。過剰メチル化は、通常、プロモーター領域におけるCpGアイランドで行われ、遺伝子の不活性化に関連している。広範囲の低メチル化はまた、過剰メチル化と異なるメカニズムを介してがん発生や進行に関与している[53]。
がんにおけるヒストンH2Aバリアント
H2Aファミリーのヒストンバリアントは、クロマチン構造を変えることにより多くの核内プロセスを制御する重要な役割を持ち、哺乳類において高度に保存されている。重要性を持つH2Aバリアントの一つであるH 2A.Xは、ゲノムの完全性を回復するためにDNA修復タンパク質のリクルートを促進して、DNAのダメージを監視する。別のバリアントH2A.Zは、遺伝子の活性化および抑制の双方で重要な役割を持つ。高レベルのH2A.Z発現は、多くのがんで広範に検出され、細胞増殖とゲノムの不安定性とに非常に関連している[53]。
がん治療
エピジェネティックな医薬品は、放射線療法や化学療法など現在受け入れられている治療法に対して、置き換え可能あるいは補助な療法であるかもしれないし、これら現在の治療法の効果を高めることができるかもしれないということを、近年の研究は示している[54]。ヒストン構造変化による前がん領域およびがん抑制シーケンスのエピジェネティックな制御が、がんの形成と進行に影響するということが示されてきた[55]。
主にヒストンアセチル基転位酵素(HAT) とヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC)に焦点を当てて医薬品開発が進められており、HDAC阻害剤である新医薬品ボリノスタットの市場への導入が含まれている[56]。HDACは、口腔扁平上皮がんの進行に不可欠な役割を果たすことが示されている[55]。
双生児研究
二卵性双生児と一卵性双生児の両方を含む最近の研究では、ヒトでのエピジェネティックな影響のいくつかの証拠をもたらしている[57][58][59]。
肥満
2011年には、ヒトのエネルギー恒常性においてmRNAのメチル化が重要な役割を持つことが示された。肥満に関連するFTO遺伝子が、RNAのN6-メチルアデノシンを脱メチル化することができると示された[60]。
各種生物におけるエピジェネティクス
真正細菌
真正細菌は、DNA-タンパク質相互作用のエピジェネティックな制御のため、複製後のDNAメチル化を広く利用する。真正細菌はエピジェネティックな信号として、DNAのシトシンのメチル化よりむしろ、DNAのアデニンのメチル化を利用する。DNAアデニンメチル化は、大腸菌・サルモネラ属・ビブリオ属・エルシニア属・ヘモフィルス属・ブルセラ属などの生物体内の細菌の病原性で重要となる。アルファプロテオバクテリアでは、アデニンのメチル化は、細胞周期を制御し、DNA複製と遺伝子転写とを同伴させる。
ガンマプロテオバクテリアでは、アデニンメチル化は、DNA複製・遺伝担体分離・DNAミスマッチ修復・バクテリオファージのパッケージング・転位酵素活性・遺伝子発現制御のための信号を提供する[61][62]。
真菌
糸状菌アカパンカビ Neurospora crassaは、シトシンメチル化の制御と機能を理解するのに重要なモデル系である。この生物では、DNAメチル化は、RIP(反復配列誘発性点突然変異)と呼ばれるゲノム防御システムの痕跡(突然変異が起きた形跡)と関連しており、転写伸長を阻害することにより遺伝子発現を抑制している[63]。
酵母プリオンのPSIは、翻訳終結因子の立体構造の変化によって生成され、その後、娘細胞に継承される。これは悪条件下で生存の優位性を提供することができ、単細胞生物が環境ストレスに迅速に対応できるようにするエピジェネティック制御の一例である。プリオンは、ゲノムの変更なしで表現型の変化を誘導することができるエピジェネティックな作用物質としてみなすことができる[62]。
メカニズム
細胞記憶として知られるようになった役割を果たす数種類のエピジェネティックな遺伝機構がある[64]。しかしながら、前述の定義の不一致により、下記に示すすべてがエピジェネティクスの例として、普遍的に受け入れられている訳ではない。
DNAメチル化とクロマチンリモデリング
細胞または個体の表現型は、その遺伝子が転写された状態の影響を受ける。遺伝子の転写状態が細胞間や個体間で引き継がれるならば、エピジェネティックな効果を生じることになる。遺伝子発現の調節にはいくつかの層がある。遺伝子を調節する一つの方法は、クロマチンのリモデリング(再構築・再構成)を介して行われる。クロマチンは、ヒストンにDNAが巻き付いた複合体である。もしDNAがヒストンに巻き付いている状態が変われば、クロマチンリモデリングがおき、遺伝子発現もまた変化する。クロマチンリモデリングは主に二つのメカニズムを通して達成される:
- 第1の方法はヒストンを構成するアミノ酸の翻訳後修飾である。ヒストンはアミノ酸の長い鎖で構成されている。その鎖の中のアミノ酸が変化すれば、ヒストンの形状が変化することがある。DNAは複製の間、完全に巻き付いているわけではない。複製前には非修飾のヒストンと会合していたDNAでも、複製後は修飾されたヒストンに会合して新たなクロマチン構造をとることができる。これら修飾されたヒストンは、細胞が分化状態を維持して、幹細胞に戻らないことを確実にする。
- 第2の方法は、DNAへのメチル基付加であり、おもにCpG部位におけるシトシンから5-メチルシトシンへの変換による。5-メチルシトシンはグアニンと対を作る際に、通常のシトシンとほぼ同様に行動する。しかし、ゲノムの一部領域は他領域よりも高度にメチル化され、その領域は転写活性がより低下する傾向がある。哺乳類では、シトシンのメチル化により、雌雄どちらの親からの遺伝であるかを染色体に標識し、その標識が生殖細胞系列から接合子(受精卵)に引き継がれる(ゲノムインプリンティング)。
細胞がDNAメチル化で分化を維持する方法は、それがヒストン形状(翻訳後修飾)で分化を維持する場合よりも判りやすい。基本的に特定の酵素(例えばDNAメチル基転移酵素 DNMT1など)がメチル化されたシトシンに対して高い親和性を持っている。この酵素はDNAの「ヘミメチル(メチルシトシンが2本鎖DNAの片方だけ)」の部分に到達した場合、その酵素はもう片方のDNA鎖をメチル化する。
ヒストン修飾は、アミノ酸配列全体を通して発生するが、構造化されていないヒストンのN末端(ヒストンテールと呼ばれる)が特に高頻度で修飾される(左図)。これらの修飾には、アセチル化、メチル化、ユビキチン化、リン酸化およびSUMO化が含まれる。アセチル化は、これらの修飾で最もよく研究されている。たとえば、ヒストンアセチル基転移酵素(HAT)によるヒストンH3のテールのK9とK14のリジン[解説 11]のアセチル化は、一般的に転写能力と相関している(表2)。
アセチル化が「活発な」転写と関係するというのは、生物物理学的に妥当であると考えられている。ヒストンは通常は末端で正に帯電した窒素をもち、DNA骨格の負に帯電したリン酸基とリジンが結合できる。アセチル化は、ヒストンの正に帯電したアミン基を置換する。これは正の荷電を除去し、ヒストンからDNAを解離させる。これが発生すると、SWI/SNF様複合体や他の転写因子は、転写が起きるようにDNAに接近することができるようになる。これがエピジェネティックな機能の「シス」モデルである。言い換えれば、ヒストンテールの変化はDNAからRNAへの転写に直接影響を及ぼす。
エピジェネティックな機能のもう一つのモデルは「トランス」モデルである。このモデルでは、ヒストンテールへの変更は、DNAに間接的に作用する。たとえばリジンのアセチル化は、クロマチン修飾酵素や基本的な転写機構との結合部位を作成することがある。
修飾の種類 | ヒストン / 被修飾アミノ酸残基[解説 11] | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
H3 | H4 | H2B | |||||
H3K4 | H3K9 | H3K14 | H3K27 | H3K79 | H4K20 | H2BK5 | |
モノメチル化 | 活性化[65] | 活性化[66] | 活性化[66] | 活性化[66][67] | 活性化[66] | 活性化[66] | |
ジメチル化 | 抑制[68] | 抑制[68] | 活性化[67] | ||||
トリメチル化 | 活性化[69] | 抑制[66] | 抑制[66] | 活性化[67] 抑制[66] |
抑制[68] | ||
アセチル化 | 活性化[69] | 活性化[69] |
修飾が関連因子のための結合モジュールとして作用するという考え方は、ヒストンのメチル化により裏付けされている。ヒストンH3リジンK9のメチル化は、長い間、恒常的な転写不活性クロマチン(構造的ヘテロクロマチン)と関連付けられてきた。転写抑圧的なタンパク質HP1におけるクロモドメイン(メチル-リジン特異的結合ドメイン)が、K9メチル化領域にHP1を導くことが明らかにされてきた。メチル化に対するこの生物物理学的モデルに反論するように見える一例は、リジンK4におけるヒストンH3のトリメチル化が強く転写活性化に関連付けられていることである(完全な活性化に必要)。この例ではトリメチル化は、固定された正電荷をヒストンテールに導入するであろう。
ヒストンリジンメチル基転位酵素(KMT)は、ヒストンH3およびH4のパターンでこのメチル化活性を担っていることが示されている。この酵素はSETドメイン(Suppressor of variegation, Enhancer of zeste, Trithorax)と呼ばれる触媒活性部位を利用している。SETドメインは遺伝子活性の調整に関与する130アミノ酸配列である。このドメインはヒストンテールに結合し、ヒストンのメチル化を引き起こすことが示されている[70]。
異なるヒストン修飾は異なる方法で機能するようである。あるポジションでのアセチル化は、異なるポジションでのアセチル化と異なって機能しているようである。また、同時に複数の修飾が起きているようであり、これらの修飾はヌクレオソームの挙動を変えるのに共同して作用しているようである。体系的で再現性のある方法による複数の動的な修飾による遺伝子制御の概念は、ヒストンコード仮説と呼ばれる[71][72]。
DNAメチル化は、反復配列にしばしば発生し、トランスポゾンの発現および移動性を抑制するのに役に立っている[73]。5-メチルシトシンがチミジンへと自発的に脱アミノ化(酸素による窒素の置換)するので、メチル化されていないままであるCpGアイランドを除いては、CpG部位は頻繁に変異しゲノム中の頻度が減る。このタイプのエピジェネティックな変化は、恒久的な遺伝的変異[解説 12]の頻度を直接増やすポテンシャルがある。DNAメチル化パターンは、少なくとも3つの独立したDNAメチル基転位酵素(DNMT1, DNMT3A, DNMT3B, マウスにおいてはどれか一つの欠失でも致死[74])の複雑な相互作用によって、環境要因に反応して採用され変更されることが知られている。DNMT1は体細胞の中で最も豊富なメチル基転位酵素であり[75]、DNA複製部位に局在し[76]、ヘミメチル化されたDNAでは10-40倍の指向性を持ち、増殖細胞核抗原 (PCNA)と相互作用する[77]。
ヘミメチル化DNAを優先的に修飾することにより、DNMT1はDNA複製後に新しく合成された鎖にメチル化のパターンを移す。そのためDNMT1は、しばしば「保守」メチル基転位酵素と呼ばれる[78]。DNMT1は、適切な胚発生・刷り込みおよびX染色体不活性化のために不可欠である[74][79]。
ヒストンH3とH4はまた、ヒストンリジン脱メチル化酵素(KDM)を使用した脱メチル化を介して操作されうる。この最近同定された酵素は、十文字ドメイン(JmjC)と呼ばれる触媒活性部位を持っている。十文字ドメインが複数の補因子を使ってメチル基をヒドロキシル化して除去したとき、脱メチル化が起きる。十文字ドメインは、メチル基を1-3個持つ基質を脱メチル化することが可能である[80]。
染色体領域は、DNA配列を変えることなく、安定した遺伝する二者択一の状態をとることができ、結果として二つの安定した状態で遺伝子発現が可能となる[68]。エピジェネティックな制御はしばしば、ヒストンの二者択一である共有結合修飾と連携している。広範囲の染色体領域の安定性と遺伝性は、正のフィードバックを伴い、そこでは修飾されたヌクレオソームが近くのヌクレオソームを同様に修飾する酵素を採用すると、しばしば考えられている。
RNAによる制御
非翻訳性RNAについての近年の発見と評価によれば、エピジェネティックな遺伝子制御に関わるであろうRNAが存在することが示唆されている[81]。また、低分子干渉RNAの中には、標的となるプロモーターのエピジェネティック調節を経由して、転写レベルの遺伝子発現を調節するものがある[82]。
遺伝子は転写可能になった後に、その遺伝子自身の転写活性にフィードバックするRNAを転写することがある。たとえば、Hnf4およびMyoDは、それらがコードするタンパク質の転写因子活性を通して、自分自身を含めた多くの肝臓や筋肉特異的遺伝子の転写をそれぞれ促進する。その他のエピジェネティックな変化は、異なるスプライシング型のRNAの生成あるいは二本鎖RNAの形成(RNA干渉)によって仲介される。遺伝子が転写可能にされた細胞の子孫は、遺伝子活性化の元になった刺激が存在しなくなった後でさえも、この活性を継承する。
プリオン
プリオンは感染可能なタンパク質の形態である。一般に、タンパク質は異なる細胞機能を受け持つ個別のユニットに立体構造をとる。一部のタンパク質は、複数の立体構造をとるように変化でき、その一例としてプリオンがある。プリオンは多くの場合、感染症(伝達性海綿状脳症)の関連で言及される。しかしながら、より一般的には、同じアミノ酸配列のタンパク質を自然状態から感染性立体構造へ触媒的に変換するタンパク質をプリオンと定義する。この後者の意味合いにおいてプリオンは、ゲノムの変更なし表現型の変化を誘導することができるエピジェネティックな媒介物と見ることができる[83]。
菌類のプリオンは、引き起こされる感染性表現型がゲノムの変更なしで遺伝されうるため、エピジェネティクス的と考えられている。1965年と1971年に出芽酵母で発見されたPSI+とURE3は、二つの最も研究されているこのタイプのプリオンである[84][85]。プリオンは、凝集中のタンパク質の表現型を転換させる効果を持つことができ、オリジナル型のタンパク質の活性を低下させる。PSI+細胞では、(翻訳の終結に関与している PSI+の正常型タンパク質)Sup35pの消失が、リボソームの高率の終止コドンの読み飛ばしと他の遺伝子のナンセンス突然変異の抑制をする効果を引き起こす[86]。Sup35がプリオンを形成する能力は、進化的に保存された形質かもしれない。これは、PSI+状態に切り替え、早期終止コドン変異させ、通常は機能していない遺伝的特徴を発現させる適応的優位性を酵母に与えている可能性がある[87][88]。
構造の継承
テトラヒメナやゾウリムシといった繊毛虫では、遺伝的に同一な細胞が、細胞表面の繊毛の並びのパターンの継承される違いを示す。実験的に変えられたパターンは娘細胞に伝達されうる[89]。既存の構造は新しい細胞構造のテンプレートとして機能するようである。このような継承のメカニズムは不明であるが、理由として想定されるのは、多細胞生物にもある新しい構造を作るために既存の細胞構造を利用することである[90][91][92]。
注釈および資料
解説
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- ^ ライフサイエンス辞書『リプログラミング』 。「体細胞の核がES細胞に初期化される現象」
- ^ ライフサイエンス辞書『位置効果』 。「挿入される染色体上の位置による遺伝子発現変動や斑入り現象」
- ^ ライフサイエンス辞書『パラ変異』 。「対立遺伝子の一方が他方を恒久的に変える非メンデル型突然変異」
- ^ ライフサイエンス辞書『トランスベクション効果』 。「相同染色体がペアリングした際に片側のエンハンサーが反対側の対立遺伝子の転写を活性化すること」
- ^ オックスフォード英語辞典によれば :
また、同辞典の解説も有用であるので引用する:W. HarveyによりExercitationes (1651年) 148ページおよびEnglish Anatomical Exercitations (1653年) 272ページで使われている。その単語は、「あるものの外側に出芽して加わった部分 “Ipartium super-exorientium additamentum”」の意味を説明していた。「後成説」 生殖の過程において、生育のみだけではなく連続した付加によって胚(幼生物)が存在するようになるという理論。(中略) 対立する説は以前は「進展理論 “theory of evolution”」として知られていたが、あいまいさを避けるため、現在では主に「前成説」、ときには「箱詰め」理論あるいは「入れ子」理論として語られる。 - ^ オズワルド・アベリーらの肺炎球菌形質転換の実験で、DNAが遺伝情報を担う物質であることが示唆されたのは1944年である。
- ^ ライフサイエンス辞書『エピゲノム』 。「DNAメチル化等による生後の染色体機能変化」
- ^ 通常はXX個体は雌である。しかし、XXYのように過剰なX染色体を持つ雄および雌も過剰なX染色体を不活性化する。特に有名なものは三毛猫の雄の例である。
- ^ ライフサイエンス辞書『ヘミ接合性・半接合性』 。「二倍体中に対をなさない染色体がある状態」
- ^ a b ヒストンH3のアミノ酸配列(一次構造)のN末端から9番目、14番目のリジン(Kはリジン残基のアルファベット1文字表記)をH3K9, H3K14のように表記する。他のヒストンタンパク質とアミノ酸残基組み合せでも同様の表記を用いる。
- ^ 日本人類遺伝学会では、"mutation"の訳語を旧来の「突然変異」から「変異」に変更した。
脚注
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- D.アリス、T.ジェニュワイン、D.ラインバーグ 共編 著、堀越正美 監訳 編『エピジェネティクス』(初版)培風館、2010年4月30日(原著2007年)。ISBN 978-4-563-07807-2。
- 石野史敏「ゲノムインプリンティングとホ乳類の進化」(PDF)『生命誌ジャーナル』2003年冬号(39号)、2012年11月21日閲覧。
邦文資料(雑誌特集記事)
- 『化学と生物』 「セミナー室・エピジェネティクスの展開」シリーズより(日本農芸化学会)
- 服部奈緒子、大鐘潤、塩田邦郎「エピジェネティクス」(PDF)『化学と生物』第44巻第12号、2006年、841-50頁、2012年11月20日閲覧。「正誤表」(PDF)第45巻第1号。
- 中園幹生、三好健太郎、松永幸大「ヒストン修飾による植物の環境応答」(PDF)『化学と生物』第45巻第1号、2007年、51-7頁、2012年11月21日閲覧。
- 星野敦、木下哲「反復配列・DNAメチル化により制御される植物の生命現象」(PDF)『化学と生物』第45巻第2号、2007年、119-25頁、2012年11月21日閲覧。
- 『蛋白質 核酸 酵素』第47巻 第13号「特集・クローン動物の頻発異常とエピジェネティクス」(2002年)より
- 河野友宏、佐々木裕之、中辻憲夫「序論」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第47巻第13号、2002年、1785-7頁、2012年11月21日閲覧。
- 井上貴美子、越後貫成美、持田慶司、小倉淳郎「体細胞クローンマウスの異常」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第47巻第13号、2002年、1789-96頁、2012年11月21日閲覧。
- 角田幸雄、加藤容子「クローンウシにおける核の初期化と頻発異常」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第47巻第13号、2002年、1797-1803頁、2012年11月21日閲覧。
- 下澤律浩、小野由紀子、河野友宏「クローンマウスの異常は子孫に伝達しない」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第47巻第13号、2002年、1810-5頁、2012年11月21日閲覧。
- 金児-石野知子、幸田尚、石野史敏「クローンマウスにおけるエピジェネティクス」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第47巻第13号、2002年、1816-21頁、2012年11月21日閲覧。
- 佐々木裕之「ゲノムインプリンティング,X染色体不活性化とDNAメチル化」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第47巻第13号、2002年、1822-8頁、2012年11月21日閲覧。
- 『蛋白質 核酸 酵素』第53巻 第7号「特集・エピジェネティクスの制御機構」(2008年)より
- 佐々木卓、佐瀬英俊、角谷徹仁「シロイヌナズナを用いたDNAメチル化制御機構の研究」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第53巻第7号、2008年、809-14頁、2012年11月21日閲覧。
- 岡野陽介、三木大介、島本功「植物のRNAiとエピジェネティクス」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第53巻第7号、2008年、815-22頁、2012年11月21日閲覧。
- 尼川裕子、佐渡敬「マウス胚発生におけるX染色体の不活性化と再活性化」『蛋白質核酸酵素』第53巻第7号、2008年、830-5頁、2012年11月21日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 雑誌特集記事
- 『化学と生物』 「セミナー室・エピジェネティクスの展開」シリーズ日本農芸化学会(本文参照外)
- 今村拓也「Noncoding RNAによるエピジェネティック制御」(PDF)『化学と生物』第45巻第3号、2007年、211-8頁、2012年11月21日閲覧。
- 八木慎太郎、塩田邦郎「エピゲノム解析技術」(PDF)『化学と生物』第45巻第4号、2007年、265-72頁、2012年11月21日閲覧。
- 『蛋白質 核酸 酵素』第53巻 第7号「特集・エピジェネティクスの制御機構」(2008年)共立出版(本文参照外)
- 中山潤一「高次クロマチンの形成機構とエピジェネティック制御」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第53巻第7号、2008年、801-8頁、2012年11月21日閲覧。
- 末武勲、田嶋正二「ゲノムDNAのメチル化修飾の形成と維持の機構」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第53巻第7号、2008年、823-9頁、2012年11月21日閲覧。
- 金児-石野知子、石野史敏「ゲノムインプリンティングと進化」(PDF)『蛋白質核酸酵素』第53巻第7号、2008年、836-43頁、2012年11月21日閲覧。
- 『化学と生物』 「セミナー室・エピジェネティクスの展開」シリーズ日本農芸化学会(本文参照外)
- 関連文献検索
- 共立出版『蛋白質 核酸 酵素』オンライン閲覧可能掲載記事一覧 2012年11月1日閲覧
- J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)登録関連文献 2012年11月1日閲覧
- その他
- 日本エピジェネティクス研究会
- 国立がん研究センター研究所 (2009年10月23日). “エピジェネティクスとは?”. 2012年11月14日閲覧。