誘拐
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誘拐(ゆうかい、英語: kidnapping)とは、他人を騙して誘い出して連れ去ること[1]。「かどわかし」[2]とも言う。
日本の法律用語
→詳細は「略取・誘拐罪」を参照
日本の法律用語としての「誘拐」とは、欺く行為や誘惑を手段として、他人の身柄を自己の実力的支配内に移すことを言う。暴行脅迫を用いた連れ去りを「誘拐」と呼ぶのは本来誤りだが(あらゆる国語辞典で「誘拐」に強制的なニュアンスは見られない)、マスコミにおいては、意思に反して無理矢理連れ去ること(拉致)に関しても「誘拐」という言葉が用いられ、日常用語でもそのような傾向が見られる。
刑法学上、偽計によるものと暴行脅迫によるものを総合した概念は、「拐取」(かいしゅ)である[要出典]。[注 1]
誘拐事件
世界における誘拐
- 1924年 - シカゴ富豪子息偽装誘拐殺人事件(レオポルドとローブ事件)
- 1932年 - リンドバーグ愛児誘拐事件
- 1983年 - イギリスの名馬シャーガーが身代金目的で誘拐される。
- 1986年 - 三井物産マニラ支店長誘拐事件
- 1997年 - 梶原一騎愛娘誘拐殺人事件
- 1999年 - キルギス日本人誘拐事件
- 2001年 - コロンビア邦人副社長誘拐事件
- 2004年 - イラク日本人人質事件
- 2008年 - イエメン日本人観光客誘拐事件
- 2008年 - エチオピア医師誘拐事件
日本における誘拐
警察庁によると、第二次世界大戦後に起きた身代金目的誘拐事件は、2006年(平成18年)6月時点で288件。このうち、被害者が殺害された事件は34件。被疑者(容疑者)が逮捕されず未解決となっているのは8件で、それ以外はすべて解決している。また、未解決の8件でも犯人が身代金搾取に成功した例は1件もない。うち58件は、捜査当局と報道機関の間で報道協定が締結されていた。
- 1946年(昭和21年)3月14日 - 日本帝国工業専務令嬢誘拐事件 - 戦後初の誘拐となった事件
- 1946年(昭和21年)8月23日 - 盛岡市中学生誘拐殺人事件
- 1946年(昭和21年)9月17日 - 住友家令嬢誘拐事件 - 戦後初の公開捜査となった事件。なお、犯人は上記帝国工業専務令嬢誘拐事件と同一犯である。
- 1955年(昭和30年) - トニー谷長男誘拐事件
- 1957年(昭和32年) - 少年誘拐ホルマリン漬け事件
- 1960年(昭和35年) - 雅樹ちゃん誘拐殺人事件
- 1962年(昭和37年) - 北海道洋裁学校女子生徒誘拐殺人事件
- 1963年(昭和38年) - 吉展ちゃん誘拐殺人事件
- 1963年(昭和38年) - 狭山事件 - 冤罪の疑いが指摘されている。
- 1964年(昭和39年) - 仙台幼児誘拐殺人事件
- 1965年(昭和40年) - 新潟デザイナー誘拐殺人事件
- 1965年(昭和40年) - 女子高生籠の鳥事件 - ストックホルム症候群との関連性がある稀有な誘拐事件。
- 1969年(昭和44年) - 江東区小5女児誘拐殺人事件
- 1973年(昭和48年) - 金大中事件
- 1974年(昭和49年) - 津川雅彦長女誘拐事件
- 1978年(昭和53年) - アベック失踪事件
- 1978年(昭和53年) - 日立女子中学生誘拐殺人事件
- 1979年(昭和54年) - 札幌オンライン身代金誘拐事件
- 1979年(昭和54年)〜 - 北関東連続幼女誘拐殺人事件
- 1980年(昭和55年) - 宝塚市学童誘拐事件
- 1980年(昭和55年) - 富山・長野連続女性誘拐殺人事件
- 1980年(昭和55年) - 山梨幼児誘拐殺人事件
- 1980年(昭和55年) - 名古屋女子大生誘拐殺人事件
- 1981年(昭和56年) - 山梨主婦誘拐殺人事件
- 1984年(昭和59年) - 泰州くん誘拐殺人事件
- 1984年(昭和59年) - 江崎グリコ社長誘拐事件 - 未解決となった身代金目的の誘拐事件
- 1984年(昭和59年) - 佐賀相互銀行社長誘拐事件
- 1985年(昭和60年) - 芦屋市幼児誘拐事件
- 1986年(昭和61年) - 裕士ちゃん誘拐殺人事件
- 1987年(昭和62年) - 熊本大学生誘拐殺人事件
- 1987年(昭和62年) - 高崎市男児誘拐殺人事件 - 戦後唯一未解決となった身代金目的の誘拐殺人事件。
- 1989年(昭和64年、平成元年) - 豊橋小2女児誘拐殺人事件
- 1988年(昭和63年)〜1989年(昭和64年、平成元年) - 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件
- 1993年(平成5年) - 埼玉大学学長誘拐事件
- 1993年(平成5年) - 甲府信金OL誘拐殺人事件
- 2000年(平成12年) - 横浜小2男児誘拐事件
- 2000年(平成12年) - 新潟少女監禁事件
- 2002年(平成14年) - 群馬女子高生誘拐殺人事件
- 2003年(平成15年) - 長崎男児誘拐殺人事件
- 2003年(平成15年) - 新城市会社役員誘拐殺人事件
- 2006年(平成18年) - 渋谷女子大生誘拐事件
- 2013年(平成25年) - 田園調布女子中学生誘拐事件
- 2014年(平成26年)〜2016年(平成28年) - 朝霞市女子中学生誘拐事件[3]
脚注
- 注
- ^ 日本語の文学上も辞書的な意味でも「誘拐」と「略取」の意味と使い分けは、法律用語とほぼ同様である。
- 出典
関連項目
→「Category:誘拐を題材とした作品」も参照