コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

西予市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Urania (会話 | 投稿記録) による 2017年7月15日 (土) 03:02個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (指定->選定)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

せいよし ウィキデータを編集
西予市
西予市旗
西予市章
2004年11月28日制定
日本の旗 日本
地方 四国地方
都道府県 愛媛県
市町村コード 38214-1
法人番号 4000020382141 ウィキデータを編集
面積 514.34km2
総人口 32,515[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 63.2人/km2
隣接自治体 大洲市八幡浜市宇和島市
上浮穴郡久万高原町喜多郡内子町
北宇和郡鬼北町
高知県高岡郡檮原町
市の木 ブナ
市の花 レンゲソウ
他のシンボル 鳥 : ウグイス
魚 : アジ
昆虫 : ホタル
歌:いつの日も
西予市役所
市長 管家一夫
所在地 797-8501
愛媛県西予市宇和町卯之町三丁目434番地1
北緯33度21分45.5秒 東経132度30分39.1秒 / 北緯33.362639度 東経132.510861度 / 33.362639; 132.510861座標: 北緯33度21分45.5秒 東経132度30分39.1秒 / 北緯33.362639度 東経132.510861度 / 33.362639; 132.510861
外部リンク 西予市

西予市位置図

― 市 / ― 町

ウィキプロジェクト
大野ヶ原

西予市(せいよし)は、愛媛県の南西部に位置する

概要

愛媛県の南予地方に位置する西予市は2004年に東宇和郡4町(宇和町野村町城川町明浜町)と西宇和郡1町(三瓶町)の5町が新設合併して誕生した。旧5町のうち旧宇和町は江戸時代より宇和島藩宿場町として栄え、その中心部(卯之町)に残る歴史的景観は、重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。旧宇和町は現在でも西予市の中心として機能しており、卯之町には松山自動車道西予宇和インターチェンジがあるなど、比較的交通の利便性が高い[1]

海から山まで東西に長い市域をもっている。西は宇和海に接し、東部は四国カルストを擁する山地で高知県と境を接している。多様な地形ゆえ2013年に日本ジオパーク委員会から日本ジオパーク四国西予ジオパーク)の認定を受けた[1]

地理

「西予」について

「西予」とは愛媛県の旧国名)の西部地域を指す言葉である。

愛媛県は東予中予南予の3地域に分けられるが、天気予報の影響などにより「南予=宇和島」のイメージが強かった。そのため、八幡浜市大洲市喜多郡西宇和郡・旧東宇和郡(西予市成立で消滅)をあわせた広域市町村圏組合で、全体の地域を指す言葉として「西伊予」が発案され、観光キャンペーンや広報紙等に用いていた。また、八幡浜市・大洲市は天気予報で「西予」を設けてほしいという動きを起こしたが実現していない。

このため、地域全体を指す(はずであった)地域名をそのうちの一地域のみが称することに対して、当初の西予市以外の関係者には、抵抗感もあった。県内では同様の問題が東予市にもあったが、こちらは市町村合併により西条市の一部になった。

位置・地形

東宇和郡の全町(4町)と西宇和郡三瓶町とが合併したため、東西に横長い形をしている。東は高知県境の山々と接し、西は宇和海に面しており、その標高差は1,403m。その間に宇和盆地がある。

  • 山:碁石ヶ森(ごいしがもり)1,185m(大野ヶ原)、雨包山(あまつつみやま)1,111m(野井川)、大判山(おおばんざん)799m(鳥鹿野)、大野山(おおのざん)797m(白髭)、御在所山(ございしょやま)669m(高瀬)
  • 盆地:宇和盆地
  • 河川:宇和川肱川(上流域)
  • 湖沼:朝霧湖野村ダム湖)、鹿野川湖(鹿野川ダム湖上流域)

気候

冬季には2m以上積雪する高原(大野ヶ原)から、温暖な海岸部、2つのダムの影響で霧の多い盆地など、多様な気候である。台風の季節には海岸部では高潮、高波などによる被害、山間部では豪雨による土砂崩れの被害が多い。海岸部と大野ヶ原では気温が10度以上違う日もある。

地質

西予市の一帯はその大半が秩父帯に属している。城川町中津川地区には石灰岩の多い地域に流れる石灰成分が沈殿、堆積して形成された「トウファ」がある。長さ280mに達し日本最大級とされ、西予市文化財に指定されている。また日本三大カルストのひとつ、四国カルストの一部でもある大野ヶ原は緑の草原に白い石灰岩がとても美しい。小松には四国では最大級とされる洞窟、羅漢穴がある。人がたどり着ける長さは700m程度。

参考 西予市、西予市城川地質館

2014年3月14日午前2時6分に発生した伊予灘を震源(深さ約78キロ、マグニチュード6.2)とする地震で震度5強を記録した。

歴史

  • 2004年平成16年)4月1日東宇和郡宇和町野村町城川町明浜町西宇和郡三瓶町が合併し誕生。発足時の人口は約4万8,000人で、市役所は旧宇和町役場。
  • 2006年(平成18年)2月、市のシンボルとして、花=レンゲソウ、木=ブナ、鳥=ウグイス、魚=アジ、昆虫=ホタルを選定。
  • 2014年(平成26年)4月に「せいよ部マネージャー」を開始[2][3]
    • 合併10周年を迎え、市名は県内に定着してきたが、県外では知名度は低い。そこで同市のPRを行うために2013年に募集、メンバー7人を選び、広報活動を行う。[4]
  • 2014年10月に合併10周年を記念し、市の歌「いつの日も」を作成(歌:Yurica。 作詞:竹ノ内百合香 作曲:壱定護

行政

行政改革
もともと人口の多くない町が集まって、平成の合併推進方策に乗り、市への昇格要件の特例を適用して「市」となったため、人口規模に見合った行政力の向上と財政力の強化が課題である。特に、人口規模に比較して人員の多い職員の削減はまったなしの状況である。退職不補充ではとても間に合わないため、愛媛県内の市町ではトップを切って、退職金上積による優遇措置により、早期退職勧奨を行っている(2005年度から)。 また、旧町で活用してきた第三セクター7社の整理・統合も課題となる。

歴代市長

姉妹都市

旧:野村町時代にも姉妹都市であった。黒松内町は北限のブナ林で知られて、その縁。2006年平成18年)4月調印式。

経済

産業基盤は弱く、経済力は乏しい。

かつては、農村の物資の集散地として、宇和(卯之町)、野村等に集積があったが、特に野村については交通の発達や農村経済の疲弊と共に衰退している。宇和については、旧宿場町としての姿は歴史的町並みの残る中町以外では、むしろ沿道サービス業が発達し、近隣から買い物客等を集めている。経済は第一次産業が中心で、製造業の集積は乏しい。詳細はそれぞれの旧町のページ参照。

第一次産業

  • 柑橘類などが主に栽培されている。また畜産(ブタ、乳牛、肉用牛)も行われている。
  • 沿岸地域で柑橘類の栽培が盛んで、ウンシュウミカン(各地)のほか、イヨカン(明浜地域など)、ニューサマーオレンジ(三瓶地域)などが、栽培されている。石垣を積み重ねてつくられた果樹園は農村景観の形成に一役買っている。野村地域では畜産(乳牛)が営まれている。
  • 漁業ではハマチ養殖、ヒラメ養殖、真珠養殖、チリメンなどの養殖・漁獲が盛んに行われている。

第二次産業

  • 製塩、食品加工(水産練製品)、酒造、製材などが行われている。

第三次産業

本社を置く企業

工場・事業所を置く主要企業

地域

人口

西予市域は高度経済成長の時期にあたる1960年代以降、人口流出(社会減)による人口減少に見舞われていた。しかし、旧宇和町は交通の結節点という地の利を活かして東宇和郡における商業サービス業の拠点性を高めたことにより、1970年代以降は人口1万7000前後を維持していた。そのため、西予における旧宇和町の人口比率は上昇傾向にあり、1960年には旧5町で旧宇和町が占める人口比率は28.7%だったのが、2015年には42.6%にまで上昇した。2060年にはそれが65.0%に達するという予測もあり、今後も旧宇和町への人口集約が進むと予想されている[1]

2013年では、125人の社会減(転入920人,転出1045人)で、人口流出が起きている。首都圏京阪神との人口移動はほぼ釣り合っており、八幡浜・大洲など南予の主要都市に対しては社会増である。社会減の大部分は松山市との間で生じており、132人の転出超過が生じていた[1]

西予市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 61,009人
1975年(昭和50年) 57,528人
1980年(昭和55年) 56,175人
1985年(昭和60年) 54,804人
1990年(平成2年) 51,893人
1995年(平成7年) 49,022人
2000年(平成12年) 47,217人
2005年(平成17年) 44,948人
2010年(平成22年) 42,080人
2015年(平成27年) 38,919人
2020年(令和2年) 35,388人
総務省統計局 国勢調査より


教育

高等学校

宇和高等学校

中学校

特別支援学校

小学校

2009年3月31日、西予市・西予市教育委員会は市内に27校ある小学校の統廃合を進め、2021年度までに9校とする再編計画案をまとめ、発表した。9学校は、明浜、宇和上、宇和町、宇和下、野村、大野ヶ原、惣川、城川、三瓶の各校(仮称含む)であり、旧宇和町と旧野村町以外は旧町1学校とする再編案となっている。(旧野村町のうち大野ヶ原・惣川の2校は仮に近隣校に統廃合するとしても通学距離が極めて長距離とならざるを得ないためである)。

交通

卯之町駅

鉄道路線

伊予石城駅 - 上宇和駅 - 卯之町駅 - 下宇和駅
  • 中心となる駅:卯之町駅
旧宇和町の代表駅で、宇和島 - 松山の特急宇和海が必ず停車する。このため、松山などへの遠距離通勤者もよく利用しており、同駅付近には通勤者等が利用する広大な駐車場がある。なお合併前の旧5町のうち、合併時点で鉄道が通っていたのは旧宇和町のみである。

路線バス

道路

高速道路

インターチェンジ
22 西予宇和IC

一般国道

国道56号
国道197号
国道378号
国道441号

都道府県道

道の駅

主要施設

明浜地区

宇和地区

愛媛県歴史文化博物館

野村地区

城川地区

三瓶地区

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

開明学校(2001年平成13年)3月撮影)
米博物館(旧宇和町小学校校舎)
米博物館 60(109メートル)の廊下

西予市の観光・史跡・イベント情報に参照

名所

祭り・イベント

  • 乙亥大相撲相撲)毎年11月末九州場所明け後に乙亥会館で開催
  • 奥地の海のカーニバル(豚のロディオ、海上花火) - 8月13日
  • アドベンチャースクール(夏休み小中学生対象6泊7日高原キャンプ)
  • 宇和れんげ祭り - 4月29日
  • どろんこ祭り
  • かまぼこ板の絵展覧会
  • のむらダム祭り - 5月3日
  • カッパ祭り
  • トムソーヤプログラム(夏休み小学生対象2泊3日サイクリング)
  • 野村町愛護班ウォークラリー大会 - 毎年2月
  • Z-1グランプリ
  • わらぐろ

豚のロディオ問題

三瓶地域の地場産業である養豚の振興を名目に、1990年から西予市商工会が中心となり毎年開催しているイベントに対し[6]、国内外の動物愛護団体による抗議や、廃止を求める日本全国での署名活動に発展している問題[7][8][9]。西予市は2015年8月13日、例年通り同イベントを行った[10]。また、イベントの実行委員会を組織する西予市商工会は、あまりの重さに叫び声を上げ暴れ回る豚について「乗る人、観る人共に爆笑の渦となります」としている[6]

特産物

ひゅうが飯

人物

名誉市民

合併前の自治体から引継ぎ
旧町で「名誉町民」であった人のうち合併時に存命の人を新市の「名誉市民」として引き継いだ)
  • 田中恒利 - 旧明浜町名誉町民 元衆議院議員
  • 井関順二 - 旧野村町名誉町民 元東宇和郡医師会長、元野村町議
  • 増田純一郎 - 旧城川町名誉町民 元城川町長
  • 佐々木良一 - 旧三瓶町名誉町民 会社社長 映画チェーン「シネマサンシャイン」経営
西予市発足以降

特別栄誉賞受賞者

出身(出生地の)有名人

地名に関して

各節の表記において「旧○○町」という表現を幾度か用いているが、これはあくまで出身地等において該当する旧自治体名を明確にするためである。合併以前は4町の東宇和郡(宇和・野村・明浜・城川)と1町の西宇和郡(三瓶)だったが、「○○郡」と言う住所表記が合併後は5町すべてにおいて「西予市」になったものであり、郡表記が市表記になってもそれまでの町名は各町そのままである[11]

町外の人間に「宇和町は卯之町とも呼ぶ」「宇和町=卯之町」と誤解される場合があるが、西予市宇和町(うわちょう)という町の中の中心地域の名称が「卯之町(うのまち)」なだけで、これは○○町と言う表記の地名ゆえの紛らわしさによるものである。「西予市卯之町」という住居表示は存在しないため、卯之町にある住所は「西予市宇和町卯之町○丁目○の○○番地」等と記載するのが正しい。ただし、同町の小学校は宇和町小学校と表記して「宇和町(うわまち)小学校」と読む。

市外局番

全域で0894。ただし三瓶町とそれ以外の地域では単位料金区域 (MA)が異なる。

  • 宇和町・野村町・城川町・明浜町→宇和MA
  • 三瓶町→八幡浜MA

相互の通話・通信は隣接扱いとなり、ダイヤルする場合も市外局番からダイヤルする必要がある。

脚注

  1. ^ a b c d [file:///C:/Users/keigo-sasaki/Downloads/松大論集27-4-3-市川%20(1).pdf “「田園回帰1%論」の功罪”]. file:///C:/Users/keigo-sasaki/Downloads/松大論集27-4-3-市川%20(1).pdf 2017年1月15日閲覧。 
  2. ^ 日本経済新聞(2014年4月5日)
  3. ^ せいよ部マネージャー公式ホームページ
  4. ^ 『タウン情報まつやま』(2014年3月号)、エス・ピー・シー出版 pp. 7
  5. ^ 四国西予ジオパーク
  6. ^ a b 奥地の海のかーにばる(豚のロディオ) 西予市商工会(2015年8月14日閲覧)
  7. ^ PETA Asia-Pacificが西予市長宛に提出した要望書 PETA(2015年3月19日)2015年8月14日閲覧
  8. ^ 豚のロディオ - 奥地の海のかーにばる実行委員会「虐待とは考えていない」 アニマルライツセンター(2015年6月11日)2015年8月14日閲覧
  9. ^ 豚のロディオの廃止 Change.org(2015年8月14日閲覧)
  10. ^ 豚暴れ吹っトンだ 西予・三瓶「ロディオ」 愛媛新聞(2015年8月14日)2015年8月14日閲覧
  11. ^ 西予市の住所表示一覧

関連項目

  • ダウンタウン・ヒーローズ - 劇中に舞台となる松山高校は、西予市立宇和町小学校(当時は宇和町立宇和町小学校)を使用している。なお当時の校舎は建て替え前の旧校舎で、現在は旧校舎の一部が宇和町米博物館として移転・保存されている。

外部リンク