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スノーフォール

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スノーフォール
デリック・スミスの勝負服
欧字表記 Snowfall
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2018年2月9日[1]
死没 2022年1月11日(4歳没)
ディープインパクト[1]
ベストインザワールド[1]
母の父 Galileo[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1][注 1]
馬主 デリック・スミス
ジョン・マグナー夫人
マイケル・テイバー[1]
調教師 エイダン・オブライエン[1]
競走成績
生涯成績 14戦5勝[1]
WBRR L120 / 2021年[3]
勝ち鞍
G1 オークスステークス 2021年
G1 アイリッシュオークス 2021年
G1 ヨークシャーオークス 2021年
G3 ミュージドラステークス 2021年
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スノーフォール:Snowfall)は、日本で生産、アイルランドで調教された競走馬。2021年オークスステークスアイリッシュオークスヨークシャーオークスの勝ち馬である[1]

生い立ち

本馬の母であるベストインザワールドはアイルランドの重賞1勝馬[4]で、所有者の Roncon, Chelston Ire & Wynattによって日本のノーザンファームに預託されていた[5]

戦績

この項の出典は、特記なき限りRacing Post[6]による。

2歳(2020年)

6月10日、ナヴァン競馬場で行われた未勝利戦でシーミー・へファーナンを背にデビューするが、同じオブライエン厩舎のフレネティック、マザーアースに敗れて3着。続く未勝利戦は1番人気に推されるが8着に敗れた。ウェイン・ローダンに乗り替わりとなった7月19日、カラ競馬場での未勝利戦ではゴール前1ハロンで先頭に立ち、2着のシスターロゼッタに半馬身差をつけて初勝利を挙げた。

次いでシルバーフラッシュステークス(愛G3)で重賞に初挑戦するも、スタートで出遅れて4着に敗れた。中1週でデビュタントステークス(愛G2)に出走、残り2ハロンで先頭に立つが失速し5着。9月のモイグレアスタッドステークス(愛G1)では2番手でレースを進めたが、最終直線で脱落し9着に沈んだ。

フィリーズマイル取り違え事件 

10月9日に行われたフィリーズマイルに、スノーフォールは僚馬のマザーアースと共に出走した。このレースで両馬のゼッケンと騎乗予定騎手が入れ替わっており、スノーフォールは3位入線したかと思われていたが実際に3位入線したのはマザーアースで、スノーフォールは8位入線であった。この件について英国競馬統括機構(BHA)は、実際の入線順(3着マザーアース、8着スノーフォール)としてレースを確定させると発表した[7]

3歳(2021年)

年明け初戦としてミュージドラステークス(G3)にライアン・ムーア騎乗で出走し、勝利。重賞初制覇となった[8]。 続いて出走したオークスステークスには、ランフランコ・デットーリを背に3番人気で出走。直線で馬群から抜け出し、残り400mほどで先頭に立つとそのまま後続を突き放し、2着のミステリーエンジェルにレース史上最大着差[注 2]である16馬身もの差をつけ優勝[9]。鞍上のデットーリに 「私は多くのクラシックを勝ちましたが、これほど簡単だったことはありませんでした」「熱いナイフでバターを切るような感覚になった」と言わしめた[5][10]

7月17日にはアイリッシュオークスに出走。単勝オッズ1.29倍の圧倒的人気を背に受け[11]、前走と同様に最終直線で進出を開始、後続を完全に突き放し、2着のディヴァインリーに8.1/2馬身差をつけ圧勝した[12]。イギリス・アイルランドのオークス両制覇は史上15頭目であり、A.オブライエン調教師にとっては6度目のアイリッシュオークス勝利となった[13]

初めての古馬との対戦となった8月19日ヨークシャーオークスでは、後方2番手から約900mの直線の半ばで先頭に立っていたワンダフルトゥナイトを交わして先頭に躍り出ると、最後方から追い込んできたアルバフローラに4馬身差をつけて勝利し、ミュージドラステークスからの4連勝を達成した。勝ちタイムは2分26秒61で、前年優勝馬のラヴのタイムより4秒70、前々年優勝馬のエネイブルより3秒29速いものであった[14]

9月12日にヴェルメイユ賞に出走。道中は5番手でレースを進め、直線では外に持ち出して追い上げるも先行し抜け出したティオーナに届かず1馬身半差の2着に敗れた。 騎乗したデットーリは位置取りが後ろ過ぎた、道中のペースが遅く上がり勝負の展開になってしまったという2点を敗因として挙げた[15]

10月3日にかねてより目標としていた凱旋門賞にヨークシャーオークス以来となるライアン・ムーア鞍上で出走。道中は後方で待機し、直線伸びを見せるも6着に敗戦[16]。続いて中1週で英チャンピオンズフィリーズ&メアズステークスに単勝オッズ1.7倍の1番人気で出走するも、ヨークシャーオークスで下したアルバフローラ及びエシェーダの伸び比べの前に3着に敗れた。レース後オブライエン師は、「恐らく今年はこれで終わりだろう」と述べた[17][18]

ヨーロッパの年度代表表彰であるカルティエ賞において最優秀3歳牝馬に選出された[19]

4歳(2022年)

チャンピオンズフィリーズ&メアズステークス以降は休養に入っていたが、年が明けた2022年1月11日、骨盤の故障により安楽死処分となったことが伝えられた[20]。オブライエン調教師によると事故が起きたのは数週間前、厩務スタッフが餌を与えた一時間後に見回りに行ったところ馬房内で立てずにいるところを発見され、その後骨盤の骨折が判明したという[21]。獣医による治療の甲斐なく状態が悪化してしまい、安楽死の処置がなされた[21]。4歳没。

競走成績

以下の情報は、netkeiba.com[1]およびSky Sports[22]による。

競走日 競馬場 競走名

人気 着順 騎手 距離馬場 タイム 着差 1着馬(2着馬)
2020. 06.10 ナヴァン 未勝利戦 14 14 2人 3着 S.ヘファナン 芝1150m(良) 3 3/4 Frenetic
06.28 カラ 未勝利戦 9 9 1人 8着 S.ヘファナン 芝1400m(稍) 9 1/2 Aunty Bridy
07.19 カラ 未勝利戦 10 9 1人 1着 W.ローダン 芝1400m(稍) 1:27.31 -1/2 (Sister Rosetta)
08.06 レパーズタウン シルバーフラッシュS G3 8 9 2人 4着 W.ローダン 芝1400m(良) 5 1/4 Shale
08.22 カラ デビュタントS G2 8 8 5人 5着 W.ローダン 芝1400m(重) 11 1/4 Pretty Gorgeous
09.13 カラ モイグレアスタッドS G1 13 10 7人 9着 W.ローダン 芝1400m(良) 9 3/4 Shale
10.09 ニューマーケット フィリーズマイル G1 10 5 8人 8着 W.ビュイック 芝1600m(重) 1 Pretty Gorgeous
2021. 05.12 ヨーク ミュージドラS G3 7 7 4人 1着 R.ムーア 芝2051m(稍) 2:15.18 -3 3/4 (Noon Star)
06.04 エプソム オークスS G1 14 10 3人 1着 L.デットーリ 芝2420m(稍) 2:42.67 -16 (Mystery Angel)
07.18 カラ アイリッシュオークス G1 8 7 1人 1着 R.ムーア 芝2400m(稍) 2:34.36 -8 1/2 (Divinely)
08.20 ヨーク ヨークシャーオークス G1 7 7 1人 1着 R.ムーア 芝2385m(良) 2:26.61 -4 (Albaflora)
09.12 ロンシャン ヴェルメイユ賞 G1 7 2 1人 2着 L.デットーリ 芝2400m(良) 1 1/2 Teona
10.3 ロンシャン 凱旋門賞 G1 14 15 4人 6着 R.ムーア 芝2400m(重) 5 Torquator Tasso
10.16 アスコット 英チャンピオンズフィリーズ&メアズS G1 8 8 1人 3着 R.ムーア 芝2390m(稍重) 4 Eshaada

血統表

スノーフォール血統 (血統表の出典)
父系 サンデーサイレンス系

ディープインパクト
2002 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

*ベストインザワールド
Best In The World
2013 鹿毛
Galileo
1998
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Urban Sea Miswaki
Allegretta
母の母
Red Evie
2003
Intikhab Red Ransom
Crafty Example
Malafemmena Nordico
Martinova
母系(F-No.) (FN:1-m)
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×4・5
  • 母ベストインザワールドの全姉(本馬の伯母)に凱旋門賞などG1競走3勝のFoundがいる[8]

脚注 

注釈

  1. ^ 母馬所有者はRoncon, Chelston Ire & Wynatt[2]
  2. ^ これまでの最大着差はサンプリンセスが1983年に記録した12馬身差だった。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 競走馬情報 Snowfall”. netkeiba.com. 2021年6月5日閲覧。
  2. ^ スノーフォール(Snowfall) | 競馬データベース”. JRA-VAN ver.World. 2021年8月22日閲覧。
  3. ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
  4. ^ 繁殖馬情報 Best In The World”. Racing Post. 2021年6月5日閲覧。
  5. ^ a b “【英・オークス】ディープインパクト産駒スノーフォールが16馬身差圧勝!/海外競馬レース結果”. netkeiba.com. (2021年6月5日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=188691 2021年6月5日閲覧。 
  6. ^ 競走馬情報 Snowfall”. Racing post. 2021年6月5日閲覧。
  7. ^ “馬の取り違え発生の英G1フィリーズマイル、最終着順が確定”. JRA-VAN Ver.World (JRAシステムサービス). (2020年10月24日). https://world.jra-van.jp/news/N0008018/ 2021年6月5日閲覧。 
  8. ^ a b “ディープ産駒スノーフォールが英オークス前哨戦を快勝、名牝ファウンドの姪”. (2021年5月13日). https://world.jra-van.jp/news/N0008986/ 2021年6月10日閲覧。 
  9. ^ 【英オークス】ディープ産スノーフォール16馬身差V”. ZBAT!競馬. 産経新聞 (2021年6月6日). 2021年7月5日閲覧。
  10. ^ "【英・オークス】デットーリ騎手「熱いナイフでバターを切るかのよう」スノーフォールの16馬身差圧勝に". netkeiba.com 競馬ニュース. 株式会社ネットドリーマーズ. 5 June 2021. 2021年6月5日閲覧
  11. ^ 英オークス圧勝のディープ娘スノーフォールが土曜の愛オークス出走へ!”. 極ウマ. 日刊スポーツ (2021年7月14日). 2021年7月18日閲覧。
  12. ^ 【愛オークス】ディープインパクト産駒スノーフォール、今日も8.1/2馬身差の大楽勝!”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2021年7月18日). 2021年7月18日閲覧。
  13. ^ ディープ産駒スノーフォール、またしても圧勝で英・愛オークス両制覇”. JRA-VAN Ver.World. JRAシステムサービス (2021年7月18日). 2021年7月21日閲覧。
  14. ^ “【英・ヨークシャーオークス】ディープ娘スノーフォール今日も完勝!好時計で初対戦の古馬撃破/海外競馬レース結果”. netkeiba.com. (2021年8月20日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=191665 2021年8月20日閲覧。 
  15. ^ スノーフォールまさかの2着、ヴェルメイユ賞でスローペースに泣く”. JRA-VAN Ver.World. JRAシステムサービス (2021年9月13日). 2021年9月14日閲覧。
  16. ^ “【仏・凱旋門賞結果】13番人気のトルカータータッソが大金星!クロノジェネシス7着、ディープボンド14着”. netkeiba.com. (2021年10月4日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=193784 2021年11月9日閲覧。 
  17. ^ “【英チャンピオンズF&MS】スノーフォール3着敗戦、前走最下位エシャーダが戴冠”. netkeiba.com. (2021年10月17日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=194474 2021年11月9日閲覧。 
  18. ^ “スノーフォール、G1英チャンピオンズフィリーズ&メアズSで完敗”. JRA-VAN Ver.World (日本中央競馬会). (2021年10月17日). https://world.jra-van.jp/news/N0009837/ 2021年11月10日閲覧。 
  19. ^ 【カルティエ賞】スノーフォールが欧州最優秀3歳牝馬に 年度代表馬はセントマークスバシリカ | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年11月11日閲覧。
  20. ^ Aidan O'Brien speaks of 'massive loss' after the death of top filly Snowfall” (英語). racingpost.com (2022年1月11日). 2022年1月12日閲覧。
  21. ^ a b 【海外競馬】スノーフォールが安楽死 オブライエン師「彼女を眠りにつかせるほかなかった」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年1月12日閲覧。
  22. ^ Snowfall (JPN)”. 2021年6月27日閲覧。


外部リンク