コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「地質時代」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
es:Escala temporal geológica#Escala de tiempo geológico2012-5-29 23:00 (UTC) の翻訳で詳細表を更新。
タグ: サイズの大幅な増減
m Cite webにおける引数修正・アーカイブ追加もしくはテンプレート変更
 
(60人の利用者による、間の185版が非表示)
1行目: 1行目:
{{顕生代}}
{{地質時区分 概略}}
'''地質時代'''(ちしつじだい、{{Lang-en-short|Geologic time scale; Geological age}})とは、約46億年前の[[地球]]の誕生から現在までの内、直近数千年(地域によって異なる)の記録の残っている[[歴史時代|有史時代]]([[歴史]]時代)<ref>{{kotobank|歴史時代}}</ref>以前のことで地質学的な手法でしか研究できない時代の事である<ref>{{kotobank|地質時代}}</ref>。歴史の本来の意味は、[[文字]]で記録された[[人類]]に関わる過去の出来事の事であり<ref>{{kotobank|歴史}}</ref>、文字で記録されていないさらに時を遡る人類に関わる時代は[[先史時代]]と呼ばれている<ref>{{kotobank|先史時代}}</ref> 。


地質時代における各時代区分は「'''地質年代'''」とも呼ばれ、また地質年代は地質時代と同義にも扱われる<ref>{{kotobank|地質年代}}</ref>。
'''地質時代'''(ちしつじだい、Geologic time scale, Geological age)とは、約46億年前の[[地球]]の誕生から現在までの内、直近数千年の記録の残っている[[有史時代]](歴史)以前のことである。


地球の年齢46億年超の内、有史時代(数千年)は万分のであり、地球の年齢の99.9999%は地質時代である。
[[地球の年齢]]46億年超の内、有史時代(数千年)は約100万分の1であり、地球の年齢の99.9999%は地質時代である。前述の地質時代の定義から、地質時代は地球の年齢から有史時代を除いた部分であるが、現実には有史時代の長さは地質時代における誤差範囲よりはるかに小さく、有史時代(現在を含む)は[[新生代]]/[[第四紀]]/[[完新世]]/[[メガラヤン]]に含まれる。各地質時代区分の開始年代(基底年代)は何百万年前(Mya)と表現されるが、その基点は西暦2000年と定義されている。

地質時代は、比較的情報量が多く研究が進んでいる直近の<ref group=注釈>地質学のスケールで</ref>「顕生代」(約5億年)、顕生代と比較すると生物化石に乏しくなるが[[微化石]]や[[生痕化石]]などが研究対象になる「原生代」(約20億年)、生物化石はほとんどなくなり研究対象が主に地層や岩石となる「太古代(始生代)」(約40億年)と、地球上で岩石や結晶などの直接証拠が少なく月の石や隕石などの情報から推察されている「冥王代」(約45億年)の4つの時代に区分されている。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[File:Geological-time-spiral ja.png|thumb|left|地質学時標図<ref group="注釈">[[アメリカ地質調査所]](USGS)作成のこの図は一般向け広報資料で、地質時代区分と基底年代は最新の情報ではない。更新依頼がUSGSに出されてはいる。[[:en:Talk:Geologic time scale#Spiral graphic |英版のノート]]より。</ref>]]
[[File:TectonicReconstructionGlobal3.gif|thumb|顕生代における大陸の生成。(後半で反転)<br>1:カンブリア紀 - 2:オルドビス紀 <br>3:シルル紀 - 4:デボン紀 - 5:石炭紀<br>6:ペルム紀 - 7:三畳紀 - 8:ジュラ紀 <br>9:白亜紀 - 10:古第三紀 - 11:新第三紀 ]]
137億年前の宇宙誕生([[ビッグバン]])から91億年後の46億年前(3分の1相当)に[[太陽系]]に地球が誕生した。この数十億年に渡る地球の歴史を考察する場合、地球誕生から、月の形成、海洋誕生、大陸の形成分裂、造山運動・火山活動、巨大隕石の衝突、気候変動などの天文学的・地学的な絶対年代区分とは異なった、時代を発掘された化石や地層等から相対的に区分する手法が用いられており、これを地質時代と呼ぶ。この地質時代区分は地球史絶対年代とは異なるが、絶対年代上の重要事象の結果として多くの生物相の変化が起きたわけであり、地質時代と絶対年代に定義の差はあるが、相関性はある<ref>滋賀県立琵琶湖博物館
[http://www.lbm.go.jp/satoguti/geology/geoseminor4th.html 「地質時代区分と絶対年代」] 閲覧2012-4-7</ref>。


138億年前の宇宙誕生([[ビッグバン]])から3分の2経過した今から46億年前に[[太陽系]]に地球が誕生した。この数十億年に渡る地球の過去を考察する場合、地球誕生から、[[月]]の形成、[[海洋]]誕生、大陸の形成分裂、[[造山運動]]・[[火山活動]]、巨大隕石の衝突、気候変動などの天文学的・地学的な絶対年代区分とは異なった、時代を発掘された化石や地層等から相対的に区分する手法が用いられており、これを地質時代と呼ぶ。この地質時代区分は地球史絶対年代とは異なるが、絶対年代上の重要事象の結果として多くの[[生物相]]の変化が起きたわけであり、地質時代と絶対年代に定義の差はあるが、相関性はある<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.lbm.go.jp/satoguti/geology/geoseminor4th.html |title=地質時代区分と絶対年代 |publisher=滋賀県立琵琶湖博物館 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130120062509/http://www.lbm.go.jp/satoguti/geology/geoseminor4th.html |archivedate=2013-01-20 |url-status=dead|url-status-date=2018-03-15}}<!-- 2012年4月7日閲覧だったようなので、2012年4月7日以降で最古のアーカイブを追加しました。 --></ref>。
時代区分の定義、名称や基底年代等に関しては絶えず見直されており、また合意に至っていないものも多々ある。特に地質・化石情報の乏しい先カンブリア代については絶対年代で区分している。これらは[[国際地質科学連合]](IUGS)、[[万国地質学会]](IGC)、[[国際第四紀学連合]](INQUA)、[[国際層序委員会]] (ICS)、 [[万国地質学会議]](IGS)等で検討され、批准されてきている。

当記事では公式・暫定を含め国際地質科学連合および国際層序委員会の資料に基づき記述する。


地球の過去は岩石や地層の中に封じ込められており、幾重にも亘る地層には、本の頁のように、地球の過去の事件やその時代の[[生物]]などが記録されている。これらの地層は、含まれる岩石や化石の[[放射年代測定]]により年齢を推定することが出来る。こうして地層の頁を紐解き、岩石という原子時計を測り、含まれる化石を見出すことにより地球の過去を知ることが可能となる。
[[File:Phanerozoic Biodiversity ja.svg|thumb|300px|顕生代の生物多様化と大量絶滅]]
{{Main|古生物学|層序学}}
地質時代の区分は発見される化石によるため、各時代はそれら生物の時代とも言え、その絶滅が時代を区分している。言い換えれば地質時代は生物の繁栄と絶滅の記録である<ref>鹿児島県地学会
地質時代の区分は発見される化石によるため、各時代はそれら生物の時代とも言え、その絶滅が時代を区分している。言い換えれば地質時代は生物の繁栄と絶滅の記録である<ref>鹿児島県地学会
[http://kagosimatigakukai.web.fc2.com/4_knowl/2_hysto/hy_index.html 「地質時代」] 閲覧2012-4-7</ref>。
[http://kagosimatigakukai.web.fc2.com/4_knowl/2_hysto/hy_index.html 「地質時代」] 閲覧2012-4-7</ref>。
一部の例外を除き各紀の境界では[[大量絶滅]]が発生している。
一部の例外を除き各紀の境界では[[大量絶滅]]が発生している。右図参照

== 地質時代研究の歴史 ==
詳細は[[地質学の歴史]]および{{仮リンク|古生物学の歴史|en|history of paleontology}}を参照。

[[古代]]から[[中世]]にかけて現生生物とはかけ離れた化石の発見から古生物の存在や、貝の化石が海から離れた場所で見つかることから現在の陸地が昔は海であった可能性などの推察があった。一方で、化石は生物起源ではない変わった形の岩石であり、『[[創造論]]』に基づいた時代認識が[[近世]]まで続いていた。近世に入り[[ルネサンス]]を経て[[自然科学]]の発展が始まり[[近代]]につながる[[地球科学]]の各分野が誕生した。

; 16世紀
* 1548年、「[[鉱物学]]の父」と呼ばれるドイツの[[ゲオルク・アグリコラ]]が『化石の本性について』を出版し、化石は生物に類似した形になった鉱物ではなく、生物起源であると発表した。
* 1555年、スイスの[[博物学]]者[[コンラート・ゲスナー]]が化石を図入りで記載した『化石の全種類について』を出版した。

; 17世紀
* 1669年、デンマーク人の[[ニコラウス・ステノ]]がイタリアの[[トスカーナ]]地方の化石や地層について記述した地質学の先駆的な著書である『固体の中に自然に含まれている固体についての論文への序文』を出版、[[地層累重の法則]]を提唱し、[[層序学]]の基礎を作る。
: 17世紀から18世紀にかけて化石が[[大洪水]]([[天変地異説]])による過去の生物の遺骸であるとの認識が広まる<ref name=NyankoSensei>Dino Club [http://www.dino.or.jp/shiba/geohist/geohist04.html 「自然の認識と産業革命」] </ref>。

; 18世紀
* 1709年、スイスの[[ヨハン・ヤーコブ・ショイヒツァー]]が植物化石をまとめた『洪水植物誌』を出版した。
* 1735年、「分類学の父」と呼ばれるスウェーデンの[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]が『自然の体系』を出版、[[分類学]]の基礎を作る。
* 1759年、[[イタリア]]の[[地質学者]]{{仮リンク|ジョヴァンニ・アルドゥイノ|en|Giovanni Arduino (geologist)}}が、イタリアの南アルプスの地層の分析から地質時代を第一紀(化石の出ない時代)、第二紀(化石が出るが現生生物とは遙かに異なる)、[[第三紀]](現生生物に近い生物の化石が出る時代)に分類した。後に第四紀が追加されるが、その後の研究の進展から第一・第二紀は使われなくなり、第三紀は古第三紀と新第三紀に分割され、第三紀は使われなくなった。
: 18世紀後半になると[[産業革命]]に伴う鉱山開発から岩石や化石に関する関心も高まり、地質学や[[古生物学]]の基礎が形作られる<ref name=NyankoSensei/>。
* ドイツの地質学者[[アブラハム・ゴットロープ・ウェルナー]]が[[鉱物分類法]]・[[構造地質学]]の基礎を築く。[[水成論]](水成岩起源説)を提唱した。
* 1795年、イギリスの[[ジェイムズ・ハットン]]が『地球の理論(Theory of the Earth)』を出版、[[斉一説]]および[[火成論]]を提唱、地殻運動の証拠となる「[[不整合 (地質学)|不整合]]」を発見。

; 19世紀
* 1809年、フランスの博物学者[[ジャン=バティスト・ラマルク]]が『動物哲学』を出版し、[[軟体動物]]化石の研究から[[進化論]]を提唱した。
* 「英国地質学の父」、「[[層位学]]の父」と呼ばれる[[ウィリアム・スミス (地質学者)|ウィリアム・スミス]]が[[地層累重の法則]]と[[示準化石]]による年代決定法([[地層同定の法則]])を編み出し、イギリスの地質図(1815年)を作った。
* 1831年、フランスの博物学者[[ジョルジュ・キュヴィエ]]が『骨化石の研究』を出版した。[[比較解剖学]]の創始者。
* 1859年、[[チャールズ・ダーウィン]]が『[[種の起源]]』を発表し進化論を提唱する。

; 20世紀
* 1912年、ドイツの[[気象学者]][[アルフレート・ヴェーゲナー]]が[[大陸移動説]]を提唱した。
* 1922年、ソ連の化学者[[アレクサンドル・オパーリン]]が[[化学進化説]]を提唱した。
* 1929年、[[松山基範]]が、東アジア各地の岩石の[[残留磁気]]の測定結果から[[地磁気|地球磁場]]の[[地磁気逆転|反転説]]を提唱した<ref group="注釈">発表当時は残留磁場の異常は落雷によるものと見なされており、松山の発表は全く注目されなかった。松山の没後、海洋底の磁場測定結果から地磁気逆転が頻発していたことが判明し、[[海嶺#海洋底拡大|海洋底拡大]] - [[大陸移動説]] - [[プレートテクトニクス]]へと繋がる。松山が発見した磁気逆転期は[[松山‐ブリュンヌ逆転]]と名付けられた。</ref>。
: 1940年代に[[質量分析法|質量分析器]]が開発され、50年代に[[放射性炭素年代測定]]が始まる。
* 1960年代代後半に[[プレートテクトニクス]]が確立。
* 1975年、米国の{{仮リンク|ウィリアム・ハートマン|en|William Kenneth Hartmann}}と{{仮リンク|ドナルド・R・デイヴィス|en|Donald R. Davis (astronomer)}}が月の生成に関する[[ジャイアント・インパクト説]]を再提唱。
* 1980年、恐竜絶滅の[[KT境界|隕石衝突説]]が提唱され、1991年に衝突跡が[[チクシュルーブ・クレーター]]と特定された。
* 1992年、[[雪玉地球]]仮説が提唱された。

; 21世紀
* [[縞状鉄鉱床]]の研究や[[炭素]]・[[硫黄]]などの[[同位体]]の分析から提唱されている{{仮リンク|質量非依存同位体分別効果|en|Mass-independent fractionation}}<ref>{{Cite journal|和書
|author = 掛川武
|date = 2003
|title = 太古代海洋における硫酸還元菌の活動と生息環境
|journal = 地学雑誌
|volume = 112
|issue = 2
|pages = 218-225
|url = http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf112-2/p218-225.pdf
|format = PDF
|accessdate = 2012-10-18
}}</ref>に関連し{{仮リンク |大酸化イベント|en|Great Oxygenation Event}}と呼ばれる[[遊離酸素]]濃度の急激な上昇が研究されている。


== 定義 ==
== 定義 ==
区分の仕方は大きくは古い方から[[冥王代]]、[[太古代]]、[[原生代]]、[[顕生代]]の4つの[[累代]]、さらに細かく[[代 (地質学) | 代]]、[[紀]]、[[世]]、[[期]]と分類されている。これらの区分は化石帯区分と呼ばれ、地層や化石の研究から導きだされたものである。これらの時代区分は動物化石を基に分類されているので、植物相の変異とはズレがある。また第四紀に関しては[[ヒト属]]の時代という区分である。
[[File:Geological time spiral.png|thumb|地質学時標図]]
{{地質時代の単位}}
区分の仕方は大きくは[[代 (地質学) | 代]]、さらに[[紀]]、[[世]]、[[期]]と細かく分類されている。これらの区分は化石帯区分と呼ばれ、地層や化石の研究から導きだされたものである。これらの時代区分は動物化石を基に分類されているので、植物相の変異とはズレがある。また第四紀に関しては[[人類]]の時代という区分である。
地球年代学({{Lang-en-short | Geochronology}}、[[地質年代学]]とも)で定義する累代、代、紀、世、期に相応する地層を[[層序学]]({{Lang-en-short | stratigraphy}})および地質年代層序学({{Lang-en-short | chronostratigraphy}})では累界、界、系、統、階と呼ぶ。また地球年代学で言う前期、中期、後期に対しては下部、中部、上部となる。右の表を参照。


時代区分の定義、名称や基底年代等に関しては絶えず見直されており、また合意に至っていないものも多々ある。これらは[[国際地質科学連合]](IUGS)、{{仮リンク|国際第四紀学連合|en|International Union for Quaternary Research}}(INQUA)、[[国際層序委員会]](ICS)等で検討され、4年ごとに開催される[[万国地質学会議]]({{Lang-en-short | International Geological Congress}})で批准されてきている。
== 生物界の変遷 ==
おおまかな生物界の変遷は、[[冥王代]]における生命の誕生、[[始生代]]の[[原核生物]]時代から[[原生代]]の[[真核生物]]時代を経て、動物界では、[[古生代]]の[[カンブリア紀]]と[[オルドビス紀]]の[[無脊椎動物]]時代、[[シルル紀]]から[[デボン紀]]の魚類時代、[[石炭紀]]と[[ペルム紀]]の[[両生類]]時代、[[中生代]]の[[三畳紀]]、[[ジュラ紀]]、[[白亜紀]]の[[爬虫類]]時代、[[新生代]]の[[哺乳類]]時代に区分されている。一方植物界では古生代のカンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀の[[藻類]]・[[菌類]]時代、デボン紀、石炭紀、ペルム紀中頃までの[[シダ植物]]時代、ペルム紀中頃からジュラ紀、白亜紀中頃までの[[裸子植物]]時代、以降現在までが[[被子植物]]時代と区分されている<ref>岩手県立総合教育センター [http://www1.iwate-ed.jp/tantou/kagaku/esdb/tishitujidai.html 「地質時代」] 閲覧2012-4-7</ref>。


時代区分は化石すなわち過去の生物相に拠るものであり地域毎に特性がある。よって細かい時代区分では各大陸での様相は均一ではなく、異なった区分が提唱されることもあり、それらをすり合わせる事が国際層序委員会の主な活動の一つである。
== 地質時代の大まかな区分==
{{色}}
国際層序委員会のICS2010版<ref>国際層序委員会{{PDFlink|[http://www.stratigraphy.org/ics%20chart/09_2010/StratChart2010.pdf 「ICS2010版」]}} 閲覧2012-5-26</ref>に準拠して、地質時代の区分を概説する。時代区分の配色は国際地質科学連合公認の[[世界地質図委員会]]が指定する色<ref>世界地質図委員会 (CGMW) [[http://ccgm.free.fr/icones/Charte%20strat08_verso.jpg 「地質学会公認の色」]]閲覧2012-5-27</ref>を採用。(注:この節の表では、開始年代の値について誤差は記入せず中央値のみを記載する。)


当記事では公式・暫定を含め国際地質科学連合(IUGS)および国際層序委員会(ICS)の資料に基づき記述する。
:''時代区分の詳細は次節「[[地質時代#地質時代区分の詳細]]」を参照''


=== 年代の定義 ===
{| class="wikitable" style="text-align:center"
{{main|国際標準模式層断面及び地点}}
|+ 地質時代の区分
時代区分の開始年代(基底年代)は、主にその区分に属する岩石や化石の放射年代測定によって統計誤差を伴った年代数値が割り出されているが、新生代の新第三紀以降の年代数値は、放射年代測定の結果と良く適合し、[[気候変動]]を説明出来る日射量の変動サイクル([[ミランコビッチ・サイクル]])による[[絶対年代]]である天文年代で定義されている。また地層・岩石や化石試料の乏しい原生代以前に関しては、端数の無い大まかな天文年代で定義されている<ref name="JGS_nendai">兼岡一郎 (2011) [http://www.geosociety.jp/faq/content0322.html 「地質年代表における年代数値」]日本地質学会、閲覧2012-5-31</ref>。
|-
! 開始年代<br>(年前) !! 累代 !! 代 !! style="width:7em" |紀 !! style="width:3em" |世 !! 概要
|-
| valign="bottom" | <small>1万1700年</small> || style="background-color:rgb(154,217,221)" rowspan="16" | [[顕生代]] || style="background-color:rgb(242,249,29)" rowspan="7" | [[新生代]] || style="background-color:rgb(249,249,127)" rowspan="2" | [[第四紀]] || style="background-color:rgb(254,242,224)" | [[完新世]] || rowspan="2" | <small>人類の時代。更新世末に、大規模な絶滅。[[氷期]]と[[間氷期]]の繰り返し。大規模な[[氷河]]。[[日本海]]が拡がり、弓状の[[日本列島]]となる<ref>琵琶湖博物館[http://www.lbm.go.jp/satoguti/geology/geoseminor5th.html 「日本列島の成立」]閲覧2012-4-21</ref>。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>259万年</small> || style="background-color:rgb(255,242,174)" | [[更新世]]
|-
| valign="bottom" | <small>533万年</small> || style="background-color:rgb(255,230,25)" rowspan="2" | [[新第三紀]] || style="background-color:rgb(255,255,153)" | [[鮮新世]] || <small>[[パナマ地峡]]形成、[[ヒマラヤ]]山脈上昇、寒冷化、[[氷床]]発達。[[ヒト]]の祖先誕生。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>2303万年</small> || style="background-color:rgb(255,255,0)" | [[中新世]] || <small>生物相はより現代に近づく。アフリカがユーラシア大陸と繋がったことで両大陸間の拡散。インド大陸衝突。孤立している南アメリカとオーストラリアは、異なった動物相。日本海となる[[地溝帯]]が細長い海となり島(古日本列島)が誕生。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>3390万年</small> || style="background-color:rgb(253,154,82)" rowspan="3" | [[古第三紀]] || style="background-color:rgb(253,192,122)" | [[漸新世]] || <small>大規模な[[海退]]。[[哺乳類]]の進化・大型化。日本列島に当たる部分は大陸の一部、後に日本海となる地溝帯が拡大。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>5580万年</small> || style="background-color:rgb(253,180,108)" | [[始新世]] || <small>現存哺乳類のほとんどの[[目 (分類学)|目(もく)]]が出現。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>6550万年</small> || style="background-color:rgb(253,167,95)" | [[暁新世]] || <small>アフリカ、南アメリカ、南極大陸は分離。ヨーロッパと北アメリカはまだ陸続き。インドは巨大な島。絶滅した恐竜の後の哺乳類、魚類の放散進化。植物は、白亜紀に引き続き[[被子植物]]が栄え、この時代にほぼ現代的な様相</small>
|-
| style="white-space:nowrap" valign="bottom" | <small>1億4550万年</small> || style="background-color:rgb(103,192,141)" rowspan="3" | [[中生代]] || style="background-color:rgb(127,198,202)" | [[白亜紀]] || 2 || <small>ジュラ紀から白亜紀の境目に大きな絶滅などはなく、白亜紀も長期にわたり温暖で湿潤な気候が続いた。恐竜の繁栄と絶滅。哺乳類の進化、[[真鳥類]]の出現。後期にかけて各大陸が完全に分かれ配置は異なるが現在の諸大陸の形になる。末期に小惑星の衝突によると想定される[[K-T境界]]の大量絶滅。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>1億9960万年</small> || style="background-color:rgb(52,178,201)" | [[ジュラ紀]] || 3 || <small>[[パンゲア大陸]]が[[ローラシア大陸]]、[[ゴンドワナ大陸]]へ分かれ始め、後期にはゴンドワナ大陸も分裂を開始。絶滅を生き残った恐竜が栄えた。被子植物の出現。[[有袋類]]、[[始祖鳥]]出現。ジュラ紀は現在より高温多湿で、動物・植物はともに種類が増え、大型化していった。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>2億5100万年</small> || style="background-color:rgb(129,43,146)" | <font color="white">[[三畳紀]]</font> || 3 || <small>パンゲア超大陸、平原化、砂漠化。気温上昇、低酸素化。恐竜の出現。紀末に76%が大量絶滅。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>2億9900万年</small> || style="background-color:rgb(153,192,141)" rowspan="6" | [[古生代]] || style="background-color:rgb(240,64,40)" | [[ペルム紀]] || 3 || <small>[[ユーラメリカ大陸]]とゴンドワナ大陸が衝突し、さらには[[シベリア大陸]]も衝突しパンゲア大陸へ。[[単弓類]]の出現。紀末に95%以上の生物種が絶滅。[[P-T境界]]</small>
|-
| valign="bottom" | <small>3億5920万年</small> || style="background-color:rgb(103,165,153)" | [[石炭紀]] || 6 || <small>ゴンドワナ大陸、ローレンシア大陸、バルチック大陸、ユーラメリカ大陸。シダ植物の繁栄、昆虫の繁栄、爬虫類の出現。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>4億1600万年</small> || style="background-color:rgb(203,140,55)" | [[デボン紀]] || 3 || <small>[[両生類]]の出現、[[シダ植物]]、[[種子植物]]の出現。紀末に海洋生物種の82%が絶滅した。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>4億4370万年</small> || style="background-color:rgb(179,225,182)" | [[シルル紀]] || 4 || <small>昆虫類や最古の陸上植物が出現</small>
|-
| valign="bottom" | <small>4億8830万年</small> || style="background-color:rgb(0,146,112)" | [[オルドビス紀]] || 3 || <small>[[オウムガイ]]の全盛期で[[三葉虫]]のような[[節足動物]]や[[筆石]]のような[[半索動物]]が栄えた。[[甲冑魚]]のような魚類が登場。紀末に85%の種の大量絶滅。</small>
|-
| valign="bottom" | <small>5億4200万年</small> || style="background-color:rgb(127,160,86)" | [[カンブリア紀]] || 4 || <small>海洋が地球上のほぼ全てを覆い尽くす、動物門のほとんどすべてが出現したと考えられている。「[[カンブリア爆発]]」と呼ばれる急激な生物多様化。</small>
|-
| || style="background-color:rgb(247,53,99)" rowspan="10" | [[原生代]] || style="white-space:nowrap" style="background-color:rgb(254,179,66)" rowspan="3" | [[新原生代]] || style="background-color:rgb(254,217,106)" | [[エディアカラ]] || || <small>[[多細胞生物]]の出現。[[エディアカラ生物群]] 紀末に大量絶滅。</small>
|-
| || style="background-color:rgb(254,204,92)" | [[キオゲニアン]] || || [[スノーボールアース]]
|-
| valign="bottom" | <small>10億年</small> || style="background-color:rgb(254,191,78)" | [[トニアン]] || || <small>[[ロディニア超大陸]]の分裂開始。</small>
|-
| || style="background-color:rgb(253,180,98)" rowspan="3" | [[中原生代]] || style="background-color:rgb(254,217,154)" | [[ステニアン]] || || rowspan="3" | <small>ロディニア超大陸の形成。</small>
|-
| || style="background-color:rgb(253,204,138)" | [[エクタシアン]] ||
|-
| valign="bottom" | <small>16億年</small> || style="background-color:rgb(253,192,122)" | [[カリミアン]] ||
|-
| || style="background-color:rgb(247,67,112)" rowspan="4" | [[古原生代]] || style="background-color:rgb(248,117,167)" | [[スタテリアン]] || || rowspan="4" | <small>大陸がはじめて安定した。最初の超大陸([[ヌーナ大陸]])出現か? [[光合成]]によりエネルギーと酸素を作り出す微生物、[[シアノバクテリア]]の繁栄。大部分の嫌気性微生物の消滅。[[真核生物]]の出現。</small>
|-
| || style="background-color:rgb(247,104,152)" | [[オロシリアン]] ||
|-
| || style="background-color:rgb(247,91,137)" | [[リィアキアン]] ||
|-
| valign="bottom" | <small>25億年</small> || style="background-color:rgb(247,79,124)" | [[シデリアン]] ||
|-
| || style="background-color:rgb(240,4,127)" rowspan="4" | [[始生代]] || style="background-color:rgb(249,155,193)" colspan="2" | 新始生代 || || rowspan="4" | <small>初期に[[細菌]]の祖先と[[古細菌]]類の祖先が誕生し、全生物の共通祖先が現れたと推定されている。[[藍藻]](シアノバクテリア)の出現。始生代の微生物の化石([[微化石]])がいくつか見つかっている。</small>
|-
| || style="background-color:rgb(247,104,169)" colspan="2" | 中始生代 ||
|-
| || style="background-color:rgb(244,68,159)" colspan="2" | 古始生代 ||
|-
| valign="bottom" | <small>40億年</small> || style="background-color:rgb(218,3,127)" colspan="2" | 暁始生代 ||
|-
| valign="bottom" | <small>46億年</small> || style="background-color:rgb(174,2,126)" colspan="3" | <font color="white">[[冥王代]]</font> || || <small>地球誕生、月の形成([[ジャイアント・インパクト説]])、隕石の[[後期重爆撃期]]。地殻と原始海洋ができ、有機化合物の化学進化の結果、最初の生命が誕生したと考えられている。40億年前の岩石や44億年前の結晶が見つかっている。</small>
|}


== 地質時代タイムスケール ==
== 地球環境変遷 ==
[[File:Pangaea to present.gif|thumb|left|300px|顕生代後半の大陸の推移 左上より<br>ペルム紀末頃(2.25億年前) - 三畳紀末頃(2億年前) - ジュラ紀末頃(1.5億年前) - 白亜紀末頃(6500万年前) - 現在]]
[[地学]]では、ヒューマンスケール(人間的尺度)とは大きく異なった地質時代の長さを直感的に理解するために、地質時代を1年や1日の棒チャートやパイチャートに割り当てて表示する手法がしばしば採用される。ここでは、46億年を1年に見立てた棒チャートとして表示する。(注:時代区分の記述の無い枠では、カーソルを当てると吹き出しで名称が表示される。なお画面の横幅が1280px以下では、各図の上・中・下段の時代区分の枠の取り合いに多少のズレが生じる可能性がある。[[ノート:地質時代|ノート]]参照)
地球誕生以来、多くの重大事象が起き、初期の地球環境はかなり極端であったと予想されている。45.5億年前の[[月]]が出来る原因となったと思われる[[ジャイアント・インパクト説|天体との衝突]]があり、地球の[[自転]]速度は月誕生直後では一日が5-8時間で、月は地球から1.5-2万キロ(現在は38万キロ)と近くにあり<ref>知泉Wiki [http://www.tisen.jp/tisenwiki/?%C3%CF%B5%E5 「だんだんと遅くなる地球」] 閲覧2012-10-26、仮リンク-参考情報</ref><ref name=kokuritutenmondai_F319>国立天文台 [http://moonstation.jp/ja/qanda/F319 「Q&A 昔の月は近かった」] 閲覧2012-10-26、仮リンク-参考情報</ref>、非常に大きな[[潮汐力]]であった。その後徐々に1日が長くなると同時に、月が離れていった<ref>国立天文台 [http://moonstation.jp/ja/qanda/F320 「Q&A 月がなぜ離れていく」] </ref>。(8.5億年前頃(新原生代)には一日は20.1時間で一年は435日であった<ref>葛生化石館 [http://wiki.livedoor.jp/kasakiborantia/d/%BA%C7%B8%C5%A4%CE%B2%BD%C0%D0%A1%A1%A5%B9%A5%C8%A5%ED%A5%DE%A5%C8%A5%E9%A5%A4%A5%C8 「最古の化石 ストロマトライト」] 閲覧2012-10-26</ref>。)
<!--第1図 1億年の長さを15とする。45.5億年=690px。ただしCell幅は後付けしたCellspacing=1を加えて、各段との整合性を保つ為に端数を強制改変しています。-->
41億年前から38億年前の間には[[後期重爆撃期]]と呼ばれる多くの[[天体衝突]]があり、初期の地球環境は何度も破壊された。以降も直径10㎞を超える[[小惑星]]を含めた[[隕石]]の[[クレーター#地球|衝突]]があり環境を激変させた。
<!--HTML構文となっています。これはパイプ構文で作成した場合、セル幅などの調整がうまく行かなかった為です。セル内のテキストもHTML構文の方が表示しやすい。もしパイプ構文に変更される場合はセル幅の表示がうまくいくか確認して下さい。-->
<!--グラフに加筆される場合は、「ノート#実際の時間のグラフ の節の差し替えについて」の節もよく参照してみてください-->
<TABLE>
<caption>'''第1図 地球誕生から現在まで'''</caption>
<TR>
<TD rowspan=3>地<br>球<br>誕<br>生</TD>
<TD NOWRAP>
<TABLE CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:rgb(247,67,112)" WIDTH=610 TITLE="先カンブリア代" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 10pt">'''先カンブリア時代'''</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(154,217,221)" WIDTH=84 TITLE="顕生代" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 10pt">'''顕生代'''</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
<TD rowspan=3>現<br>在</TD>
</TR>


地球誕生直後は[[マグマ]]で覆われていたが、比較的早期に冷えて固まり42億年前には既に海洋が形成されていた事が、発見された岩石情報から推定されている<ref>大阪市立自然史博物館 [http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2011kaseki/virtual/history/precambrian01.html 「地球と生命の誕生」] </ref>。40億年前(太古代の初め)には[[地温勾配]]は現在の3倍程で、25億年前には2倍程になり<ref>Stanley, Steven M. (1999). Earth System History. New York: W.H. Freeman and Company. pp. 297–301. ISBN 0-7167-2882-6</ref>、地球が冷え地殻が形成され、[[マントル]]の対流により[[超大陸]]の形成分裂が繰り返され、火山活動・造山活動もそれに伴い引き起こされた。25億年前にはそれまでの海底での[[火成活動]]から、大規模な陸上での火山活動が起きた。
<TR>
<TD NOWRAP>
<TABLE CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:rgb(174,2,126)" WIDTH=113 TITLE="冥王代" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 9pt">'''冥王代'''</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(240,4,127)" WIDTH=195 TITLE="始生代" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 9pt">'''始生代'''</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(247,53,99)" WIDTH=300 TITLE="原生代" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 9pt">'''原生代'''</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(153,192,141)" WIDTH=44 TITLE="古生代" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">古生</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(103,192,141)" WIDTH=28 TITLE="中生代" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">中生</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(242,249,29)" WIDTH=10 TITLE="新生代" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">新</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
</TR>


[[太陽]]の明るさは40億年前には現在の70-75%と冷たい太陽であったが<ref>[[ネイチャー]] Nature Japan [http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=77349 「気候: 冷たい太陽」]閲覧2012-6-21</ref>、温室効果ガスによると考えられ気温は現在とほぼ同じであった<ref>Nature Japan [http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=10197 「始生代初期の微生物によるメタン生成に対する流体包有物からの証拠」]閲覧2012-6-21</ref>。[[地磁気]]は32億年前には現在の50%ぐらいで初期の地球大気を[[太陽風]]から守っていた<ref>Nature Asia [http://www.natureasia.com/japan/microbiology/highlights/article.php?i=55494 「ケイ酸塩単結晶に記録された32億年前の地球磁場強度」]閲覧2012-6-21</ref>。地磁気の逆転は何度も起きている。幾度もの[[氷河時代]]が訪れており特に強い氷河時代には赤道付近まで凍結する[[雪玉地球]]の状態であったと推定されている。これらの[[気候変動]]により数百メートルの幅で[[海水準変動]]が起きた。
<TR>
<TD NOWRAP>
<TABLE CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:silver" WIDTH=58 TITLE="1月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''1月'''</font></TD>
<TD style="background-color:grey" WIDTH=52 TITLE="2月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''2月'''</font></TD>
<TD style="background-color:silver" WIDTH=58 TITLE="3月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''3月'''</font></TD>
<TD style="background-color:grey" WIDTH=57 TITLE="4月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''4月'''</font></TD>
<TD style="background-color:silver" WIDTH=58 TITLE="5月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''5月'''</font></TD>
<TD style="background-color:grey" WIDTH=57 TITLE="6月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''6月'''</font></TD>
<TD style="background-color:silver" WIDTH=58 TITLE="7月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''7月'''</font></TD>
<TD style="background-color:grey" WIDTH=58 TITLE="8月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''8月'''</font></TD>
<TD style="background-color:silver" WIDTH=57 TITLE="9月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''9月'''</font></TD>
<TD style="background-color:grey" WIDTH=58 TITLE="10月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''10月'''</font></TD>
<TD style="background-color:silver" WIDTH=57 TITLE="11月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''11月'''</font></TD>
<TD style="background-color:grey" WIDTH=58 TITLE="12月" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">'''12月'''</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
</TR>
</TABLE>
:元旦に地球が誕生し、直後に月が分離。2月末にかけて、原始海で化学反応により生命の素が出現する。3月から6月初旬にかけて細菌や古細菌が誕生し、藍藻が出現。6月から11月中旬にかけては、藍藻が繁栄して酸素濃度が急上昇し、同時に大陸が形成される。11月16日以降、カンブリア爆発と呼ばれる生物多様化が起こり、11月26日に陸上植物や昆虫が出現。その後、繁栄と絶滅を繰り返して、12月15日から26日にかけて恐竜の時代となり、恐竜が12月26日に絶滅した後は、哺乳類が繁栄する時代になる。


[[File:Oxygenation-atm ja.svg|thumb|300px|酸素濃度の推移。<br>地質時代のほぼ中間で大酸化イベントと呼ばれる大量の酸素放出が起き、それまでの還元環境から酸化環境となり、好気性生物の出現、その後の生物の陸上進出を可能にした。]]
<!--グラフに加筆される場合は、「ノート#実際の時間のグラフ の節の差し替えについて」の節もよく参照してみてください-->
また地学的事象との複合作用であるが、生物起源の地球環境の変化も起きており、その最たるものが24.5-18.5億年前の大酸化イベントと呼ばれる遊離酸素の大量供給である。推定では現在の大気中の酸素の約10倍の酸素がこの期間に供給され<ref name="CPS">[[惑星科学研究センター]]{{PDFlink|[https://www.cps-jp.org/~mosir/pub/2011/2011-07-12/01_tajika/lecture03/pub-web/20110713_tajika_03.pdf 「大気の進化と酸素」]}} 閲覧2012-6-21</ref>(数倍から20倍とも<ref>東京大学大学院・新領域創成科学研究科・杉田研究室[https://www.astrobio.k.u-tokyo.ac.jp/contents/reserch/23.html 「全球凍結(スノーボールアース)と酸素大気の形成」]閲覧2012-6-21</ref>)、様々な酸化物を生成すると同時に大気中の酸素濃度がゼロから現在の10%<ref name="Heinrich">Heinrich D Holland[[王立協会]] {{PDFlink|[http://rstb.royalsocietypublishing.org/content/361/1470/903.full.pdf ''The oxygenation of the atmosphere and oceans'']}} 閲覧2012-6-21</ref>(1%とも<ref>東京大学大学院新領域創成科学研究科[http://www.k.u-tokyo.ac.jp/news/20111011press.html 「酸素は地球にいつどのように登場したのか -酸素大気形成のタイミングとメカニズムを解明-」]閲覧2012-6-21</ref>)以上になった。8-3億年前にも大気中酸素濃度の急上昇が起きており石炭紀末には最大で現在の1.7倍になったと考えられている<ref name="Heinrich"/>。
<!--第2図 顕生代5.7億年=570px-->
約4億8830万 - 4億4000万年前頃にオゾン層が形成され生物の陸上進出が可能となる。
<TABLE>
<caption>'''第2図 顕生代の内訳'''</caption>
<TR>
<TD align="right" rowspan=3>新原生代<br>エディアカラ紀<br><small>11/16午前6時35分</small></TD>
<TD NOWRAP>
<TABLE CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:rgb(153,192,141)" WIDTH=328 TITLE="古生代" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 10pt">'''古生代'''</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(103,192,141)" WIDTH=189 TITLE="中生代" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 10pt">'''中生代'''</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(242,249,29)" WIDTH=66 TITLE="新生代" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 10pt">'''新生代'''</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
<TD rowspan=3>現<br>在</TD>
</TR>


== 生物界の変遷 ==
<TR>
[[File:Tree of life ja.svg|thumb|300px|生物の[[系統樹]]<br>冥王代には原始生命体が出現した。太古代に現生生物の共通祖先が出現した。共通祖先から3ドメインである真性細菌、古細菌、真核生物へと分岐した。]]
<TD NOWRAP>
生物相はその生育環境である前述の地球環境に大きく依存している。地球誕生数億年後の[[冥王代]]末期に[[有機化合物]](生命前駆物質)の[[生命の起源#化学進化説|化学進化]]により[[原始生命体]]誕生。[[太古代]]に地球生物の[[共通祖先]]から[[真性細菌]]と[[古細菌]]へ分岐、そして[[原核生物]]が誕生した。地質時代の前半分は遊離酸素の無い還元環境における嫌気性生物の時代であった。その後起きた大酸化イベントでは多くの嫌気性生物は絶滅し、酸化環境下での好気性生物の時代となった。
<TABLE CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:rgb(127,160,86)" WIDTH=60 TITLE="カンブリア紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">カンブ</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(0,146,112)" WIDTH=71 TITLE="オルドビス紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">オルド</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(179,225,182)" WIDTH=35 TITLE="シルル紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">シルル</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(203,140,55)" WIDTH=46 TITLE="デボン紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">デボン</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(103,165,153)" WIDTH=73 TITLE="石炭紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">石炭</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(240,64,40)" WIDTH=38 TITLE="ペルム紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">ペルム</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(129,43,146)" WIDTH=44 TITLE="三畳紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">三畳</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(52,178,201)" WIDTH=62 TITLE="ジュラ紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">ジュラ</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(127,198,202)" WIDTH=81 TITLE="白亜紀" align=center><FONT color=white style="FONT-SIZE: 8pt">白亜</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(253,154,82)" WIDTH=42 TITLE="古第三紀" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">古第三</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(255,230,25)" WIDTH=21 TITLE="新第三紀" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">新</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(249,249,127)" WIDTH=3 TITLE="第四紀" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">・</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
</TR>


[[原生代]]には初期の大酸化イベントを境に[[真核生物]]の時代となり[[有性生殖]]が始まり、[[多細胞生物]]が誕生した。[[古生代]]の初期には[[カンブリア爆発]]で海洋生物で堅い外骨格をまとった無脊椎動物が出現した。動物界では、[[カンブリア紀]]と[[オルドビス紀]]の[[無脊椎動物]]時代、[[シルル紀]]には昆虫の陸上進出があり、[[デボン紀]]の[[脊椎動物]]である魚類時代、[[石炭紀]]と[[ペルム紀]]の[[両生類]]時代、[[中生代]]の[[三畳紀]]、[[ジュラ紀]]、[[白亜紀]]の[[爬虫類]]時代、[[新生代]]の[[哺乳類]]時代に区分されている。一方植物界では古生代のカンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀の[[藻類]]・[[菌類]]時代(シルル紀に植物が陸上侵出した)、デボン紀、石炭紀、ペルム紀中頃までの[[シダ植物]]時代、ペルム紀中頃からジュラ紀、白亜紀中頃までの[[裸子植物]]時代、以降現在までが[[被子植物]]時代と区分されている<ref>岩手県立総合教育センター [http://www1.iwate-ed.jp/tantou/kagaku/esdb/tishitujidai.html 「地質時代」] 閲覧2012-4-7</ref>。
<TR>
{{main|生命の起源|進化}}
<TD NOWRAP><TABLE CELLSPACING=1 CELLPADDING=0 WIDTH=100% HEIGHT=16>
<TR>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:grey" WIDTH=186><font color=white>11/16</font></TD>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:silver" WIDTH=62><font color=white>12/1</font></TD>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:grey" WIDTH=62><font color=white>6</font></TD>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:silver" WIDTH=62><font color=white>11</font></TD>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:grey" WIDTH=62><font color=white>16</font></TD>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:silver" WIDTH=62><font color=white>21</font></TD>
<TD ALIGN=LEFT style="background-color:grey" WIDTH=74><font color=white>26</font></TD>
</TR>
</TABLE></TD>
</TR>
</TABLE>
:顕生代は、質と量においてある程度の化石情報があり、いわゆる“見える”時代であって、11月16日以降に相当する。


== 地質時代の区分 ==
<!--グラフに加筆される場合は、「ノート#実際の時間のグラフ の節の差し替えについて」の節もよく参照してみてください-->
時代区分の詳細は {{see|地質時代区分表 (詳細)}}
<!--第3図における完新世は計算上は幅は1%以下であるが表示上1%としている。-->
<TABLE WIDTH=100%>
<caption>'''第3図 新生代の内訳'''</caption>
<TR>
<TD align="right" rowspan=3>中生代・白亜紀<br>セノニアン世<br><small>12/26 午後6時51分</small></TD>
<TD NOWRAP>


国際層序委員会による地質系統・地質年代表 (International Stratigraphic Chart) 2015年1月版(以降 ICS2015 と略)<ref>国際層序委員会 (ICS) {{PDFlink|[http://www.stratigraphy.org/ICSchart/ChronostratChart2015-01.pdf ''International Stratigraphic Chart'']}} 閲覧2015-05-25</ref>に準拠して、地質時代の区分を概説する。時代区分名に関してはICS2018/07に基づく<ref>日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/uploads/fckeditor//name/ChronostratChart_jp.pdf 「International Chronostratigraphic Chart (国際年代層序表) v2018/07」] </ref>。
<TABLE WIDTH=100% CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:rgb(253,154,82)" WIDTH=64% TITLE="古第三紀" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 10pt">古第三紀</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(255,230,25)" WIDTH=32% TITLE="新第三紀" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 10pt">新第三紀</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(249,249,127)" WIDTH=4% TITLE="第四紀" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">四</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
<TD rowspan=3>現<br>在</TD>
</TR>


すべての階層の基底年代について、[[GSSP]]によって定義する作業が継続されている。2013年1月にICSが発行したISC2013では基底年代が大幅に書き換わり、2015年、2016年と改訂が続いている。また、おおよその数値を意味する波線(~)は継続して使用されている。その後も改訂作業は続いており、ICSからは随時改訂版が発表されている状況である。[[地質時代区分表 (詳細)]]も同様にISC2013年版の内容に準拠した上で、その後の改訂の内容を反映させるべく記事の更新作業が続いている。なお、地質時代区分の日本語名称に関しては、詳細表も含め、2015年4月に改訂された日本地質学会のガイドライン<ref name="GSJ0062">日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/name/content0062.html 「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2015年4月改訂版」] 閲覧2015-10-29</ref>による{{refnest|group=注釈|地質年代の日本語名称については、JIS A 0204:2012「地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示」により、表記法が定められている<ref>{{Cite jis|A|0204|2012|name=地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示}}</ref><ref>日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/name/content0126.html 「JISに定められた地質年代の日本語表記」]閲覧2014-12-30</ref>。それによると、地質時代の名称は、同規格の表7に示された名称を用いるが、表7に示されていない世及び期については、対応する英文名の読みをそのままカタカナで書き下ろし、その後ろに時代の単位を添えて表示する、としている。}}
<TR>
<TD NOWRAP>
<TABLE width=100% CELLSPACING=1 HEIGHT=16 cellpadding=0>
<TR>
<TD style="background-color:rgb(253,167,95)" WIDTH=14% TITLE="暁新世" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 9pt">暁新世</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(253,180,108)" WIDTH=34% TITLE="始新世" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 9pt">始新世</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(253,192,122)" WIDTH=16% TITLE="漸新世" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 9pt">漸新世</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(255,255,0)" WIDTH=28% TITLE="中新世" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 9pt">中新世</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(255,255,153)" WIDTH=4% TITLE="鮮新世" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 8pt">鮮</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(255,242,174)" WIDTH=3% TITLE="更新世(洪積世)" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">・</font></TD>
<TD style="background-color:rgb(254,242,224)" WIDTH=1% TITLE="完新世(沖積世)" align=center><FONT style="FONT-SIZE: 6pt">・</font></TD>
</TR>
</TABLE>
</TD>
</TR>


{{色}}
<TR>
時代区分の配色は国際地質科学連合公認の[[世界地質図委員会]]発行の''Geologic Time Scale 2008'' で用いられている色<ref>世界地質図委員会 (CGMW) [http://ccgm.free.fr/icones/Charte%20strat08_verso.jpg ''Geologic Time Scale 2008''] 閲覧2012-5-27</ref>{{dead link|date=2018年10月}}<ref>[[パデュー大学]] Engineering [https://engineering.purdue.edu/Stratigraphy/charts/rgb.html Standard Color Codes for the Geological Time Scale] </ref><ref>{{Cite journal|和書
<TD NOWRAP>
|author = 鹿野和彦|author2 = 星住英夫|author3 = 巖谷敏光|author4 = 酒井彰|author5 = 山元孝広|author6 = 牧本博
<TABLE CELLSPACING=1 CELLPADDING=0 WIDTH=100% HEIGHT=16>
|author7 = 久保和也|author8 = 柳沢幸夫|author9 = 奥村公男
<TR>
|title = 地質図に用いる用語,記号,模様,色及び凡例の表示に関する基準とその解説
<TD style="background-color:silver" WIDTH=5% TITLE="12/26 6:51pm"></TD>
|journal = 地質調査所月報
<TD style="background-color:grey" WIDTH=19% TITLE=""><font color=white>12/27</font></TD>
|volume = 51
<TD style="background-color:silver" WIDTH=19% TITLE=""><font color=white>28</font></TD>
|issue = 12
<TD style="background-color:grey" WIDTH=19% TITLE=""><font color=white>29</font></TD>
|pages = 657-678
<TD style="background-color:silver" WIDTH=19% TITLE=""><font color=white>30</font></TD>
|url = http://www.gsj.jp/Pub/Bull/vol_51/51-12_04.pdf
<TD style="background-color:grey" WIDTH=19% TITLE=""><font color=white>31</font></TD>
|format = PDF
</TR>
|year = 2000
</TABLE>
|publisher = [[地質調査総合センター]]
</TD>
|accessdate = 2012-6-3
</TR>
}}</ref>に拠った<ref group="注釈">英語の記事では公式の色では読みづらいからと少数の議論参加者の多数決の結果独自の色の使用が始まっている。日本語版では整合性を保つため、公式の色を採用する。よって英語版の地質時代関連の記事の邦訳掲載に際しては、色使用がある場合は日本語版で使用のものと同一か確認が必要である。なお英語版による色記述がRGBコードやウェッブカラーの直書きでは無く[[Template:Period_color]]によるものであれば、色コードを日本語版のマスターデータから引いてくるので統一性は保たれる。</ref>。
</TABLE>


またこの節の表では、開始年代の値について誤差は記入せず中央値のみを記載している。
:新第三紀・鮮新世は12月31日午後1時47分から、第四紀・更新世は午後7時から、完新世(右端)は午後11時58分50秒以降となる。大晦日の夜7時には人類の祖先が誕生した。24時3分27秒前にネアンデルタール人が絶滅。西暦(2000年)は最後の14秒である。


{{地質時代区分表 (概略)}}
<!--上記のグラフに加筆される場合は、「ノート#実際の時間のグラフ の節の差し替えについて」の節もよく参照してみてください-->


== 地質時代区分詳細 ==
== 地質時代のタイムスケール ==
[[地学]]では、ヒューマンスケール(人間的尺度)とは大きく異なった地質時代の長さ(時間)を直感的に理解するために、地質時代を1年や1日の帯グラフ(左図)やパイチャート(右図)に割り当てて表示する手法がしばしば採用される。
以下の区分表はICS2010版に準拠し改定、同資料の年代は「A Geologic Time Scale 2004」と「The Concise Geologic Time Scale 2008」による。
<gallery caption="地質時代のタイムスケール" widths="240px" heights="240px" perrow="2">
File:Earth Calendar.jpg|帯グラフの割合はICSのv2013/01による。
File:地球時計.svg|パイの割合は古い時代区分によるもので、最新の左図の割合とは異なる。詳細は図の解説を参照。
</gallery>
以下に、46億年を1年に見立てた帯グラフ(左図)を解説する。46億年を365日で割ると、1日は1260万年、1時間は52万5千年、1分は8752年、1秒は146年に相当する。人生70年は0.5秒弱である。対して宇宙の年齢は3年に相当する。


[[File:Earth Calendar 1.jpg|500px| right|Earth Calendar 1]]
<!--下の区分表詳細に使っている色は世界地質図委員会が指定している[http://ccgm.free.fr/icones/Charte%20strat08_verso.jpg RGBコード]である。-->
; 先カンブリア時代(322日)
元日に地球が誕生し、1月5日に月が分離。2月17日にかけて、原始海で化学反応により生命の素が出現する。以降6月初旬にかけて細菌や古細菌が誕生し、藍藻が出現。6月から11月中旬にかけては、藍藻が繁栄して酸素濃度が急上昇し、同時に大陸が形成される。11月19日以降が顕生代で、質と量においてある程度の化石情報があり、いわゆる“見える”時代である。
{{-}}
[[File:Earth Calendar 2.jpg|400px| right|Earth Calendar 2]]
; 顕生代(約43日)
生物多様化(カンブリア爆発)が起こり、11月26日には生物が陸上へ進出。12月15日から26日にかけて恐竜の時代、続いて哺乳類の時代。
{{-}}
[[File:Earth Calendar 3.jpg|320px| right|Earth Calendar 3]]
; 新生代(約5日)
:鳥類・哺乳類が繁栄する。12月27日ごろから[[霊長類]]([[サル目]])の[[人類の進化|適応分散(進化)]]が始まる。29日ごろ[[ヒト上科]]と[[オナガザル上科]]に分岐、31日の午前6時ごろ[[ヒト族]]と[[ゴリラ族]]へ分岐、正午ごろ[[ヒト亜族]]と[[チンパンジー亜族]]に分岐。
{{-}}
[[File:Earth Calendar 4.jpg|256px| right|Earth Calendar 4]]
; 第四紀(約5時間)
:: 大晦日の夜7時に[[ヒト属]](Homoと呼ばれる人類の祖先)が現れ[[原人]]-[[旧人]]-[[新人]]と適応分散した。20時半ごろにジャワ原人、23時42分ごろ[[ミトコンドリア・イブ]]、午前零時3分前に[[ネアンデルタール人]]が絶滅。ギザのピラミッドが作られたのが23時59分30秒ごろで、西暦2000年は最後の13.7秒に相当する。
{{-}}


== 地質時代区分の改定履歴 ==
{| class="wikitable" border="3" style="text-align:center"
<!-- 地質学会公式の改定に基づく記事の変更に関しては、読者の混乱を解消し理解の助けになるように、最新の情報で上書き更新するだけではなく、ここに改定履歴を明記してください。また、過去の地質時代の関連記事の更新履歴が[[プロジェクト‐ノート:地球科学#地質系統・年代の日本語名]]にあるので参照。-->
|+地質時代区分表 詳細
近世に鉱物資源探査に伴い地質学が発展し、同時に新旧の地層を研究する層序学の研究が進んできた。これらの研究は継続されており、地層区分や開始年代の見直しも随時行われている。18世紀には化石の出る地層(顕生代)と出ない地層(先カンブリア時代)、そして化石の出ない無生物の地層を「第一紀」、現生生物とは異なった化石の「第二紀」、現生生物とほぼ同じ生物化石の出る地層「第三紀」と大きく区分されていたが、その後の調査研究の進捗に伴い細かく区分され再定義され続けている。付け加えて国際定義の日本語化に関しては定義の変遷も見られる。Wikipedia内の多岐にわたる地質時代関連記事の更新も随時行われているが、新旧の記述が混在しているのが現状である<ref group="注釈">例えば「第三紀」の再定義による呼称の廃止は20世紀末期から議論され、2008年頃に正式に公式用語から除外されたが、10年後の2018年でも「第三紀(Tertiary)」の表記は主に図表を中心に残っている。また2018年7月にはArcheanの和名をArcheozoic由来の「始世代」から「太古代」に改訂されたが、教科書・専門書などを含めた書籍情報の更新には時間を要する。図表などへテキストが画像として書き込まれている場合は「検索・置換」では処理出来ないため、それらの図表の作り直しが必要となる。</ref>。
! style="width:2em" | ・
! style="width:2em" | 累代
! style="width:2em" | 代
! colspan="2" style="width:6em" | 紀
! 世
! 期
! style="white-space:nowrap" | 開 始 年 代<br>百万年
! 注釈
|-
| rowspan="100" |
| rowspan="100" style="background:rgb(154,217,221)" title="顕生代 (Phanerozoic)" | 顕<br>生<br>代
| rowspan="22" style="background:rgb(242,249,29)" title="新生代 (Cenozoic)" | 新<br>生<br>代
| colspan="2" style="background:rgb(249,249,127)" rowspan="5" title="第四紀 (Quaternary)" | 第<br>四<br>紀
| style="background:rgb(254,242,224)" | 完新世 <br>(Holocene)
| style="background:rgb(254,242,224)" |
| valign="bottom" style="background:rgb(254,242,236)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>0.0117</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(255,242,174)" | 更新世 <br>(Pleistocene)
| style="background:rgb(255,242,211)" | 後期更新世 (Upper)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,242,211)" | <small>0,126</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,242,199)" | [[イオニアン]] (“Ionian")
| valign="bottom" style="background:rgb(255,242,199)" | <small>0.781</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,242,186)" | [[カラブリアン]] (Calabrian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,242,186)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>1.806</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,237,179)" | [[ゲラシアン]] (Gelasian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,237,179)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>2.588</small>
|
|-
| colspan="2" style="background:rgb(255,230,25)" rowspan="8" title="新第三紀 (Neogene)" | 新<br>第<br>三<br>紀
| rowspan="2" style="background:rgb(255,255,153)" | 鮮新世 <br>(Pliocene)
| style="background:rgb(255,255,191)" | [[ピアセンジアン]] (Piacenzian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,191)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>3.600</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,255,191)" | [[ザンクリアン]] (Zanclian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,191)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>5.332</small>
|
|-
| rowspan="6" style="background:rgb(255,255,0)" | 中新世 <br>(Miocene)
| style="background:rgb(255,255,115)" | [[メッシニアン]] (Messinian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,115)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>7.246</small>
| |
|-
| style="background:rgb(255,255,102)" | [[トートニアン]] (Tortonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,102)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>11.608</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,255,89)" | [[サーラバリアン]] (Serravallian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,89)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>13.82</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,255,77)" | [[ランギアン]] (Langhian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,77)" | <small>15.97</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,255,65)" | [[バーディガリアン]] (Burdigalian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,65)" | <small>20.43</small>
|
|-
| style="background:rgb(255,255,51)" | [[アキタニアン]] (Aquitanian)
| valign="bottom" style="background:rgb(255,255,51)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>23.03</small>
|
|-
| rowspan="9" colspan="2" style="background:rgb(253,154,82)" title="古第三紀 (Paleogene)" | 古<br>第<br>三<br>紀
| rowspan="2" style="background:rgb(253,192,122)" | 漸新世 <br>(Oligocene)
| style="background:rgb(254,230,170)" | [[チャッティアン]] (Chattian)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,230,170)" | <small>28.4±0.1</small>
| |
|-
| style="background:rgb(254,217,154)" | [[ルペリアン]] (Rupelian)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,217,154)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>33.9±0.1</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(253,180,108)" | 始新世 <br>(Eocene)
| style="background:rgb(253,205,161)" | [[プリアボニアン]] (Priabonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(253,205,161)" | <small>37.2±0.1</small>
| |
|-
| style="background:rgb(253,192,145)" | [[バートニアン]] (Bartonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(253,192,145)" | <small>40.4±0.2</small>
|
|-
| style="background:rgb(252,180,130)" | [[ルテシアン]] (Lutetian)
| valign="bottom" style="background:rgb(252,180,130)" | <small>48.6±0.2</small>
|
|-
| style="background:rgb(252,167,115)" | [[ヤプレシアン]] (Ypresian)
| valign="bottom" style="background:rgb(252,167,115)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>55.8±0.2</small>
|
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(253,167,95)" | 暁新世 <br>(Paleocene)
| style="background:rgb(253,191,111)" | [[サネティアン]] (Thanetian)
| valign="bottom" style="background:rgb(253,191,111)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>58.7±0.2</small>
|
|-
| style="background:rgb(254,191,101)" | [[セランディアン]] (Thanetian)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,191,101)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>~61.1</small>
|
|-
| style="background:rgb(253,180,98)" | [[ダニアン]] (Danian)
| valign="bottom" style="background:rgb(253,180,98)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>65.5±0.3</small>
|
|-
| rowspan="30" style="background:rgb(103,197,202)" title="中生代 (Mesozoic)" | 中<br>生<br>代
| rowspan="12" colspan="2" style="background:rgb(127,198,78)" title="白亜紀 (Cretaceous)" | 白<br>亜<br>紀
| rowspan="6" style="background:rgb(166,216,74)" | [[後期白亜紀|後期]] <br>(Upper)
| style="background:rgb(242,250,140)" | [[マストリヒシアン]](Maastrichtian)
| valign="bottom" style="background:rgb(242,250,140)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>70.6±0.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(230,244,127)" | [[カンパニアン]] (Campanian)
| valign="bottom" style="background:rgb(230,244,127)" | <small>83.5±0.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(217,239,116)" | [[サントニアン]] (Santonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(217,239,116)" | <small>85.8±0.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(204,233,104)" | [[コニアシアン]] (Coniacian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,233,104)" | <small>~88.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(191,227,93)" | [[チューロニアン]] (Turonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,227,93)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>93.6±0.8</small>
|
|-
| style="background:rgb(179,222,83)" | [[セノマニアン]] (Cenomanian)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,222,83)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>99.6±0.9</small>
|
|-
| rowspan="6" style="background:rgb(140,205,87)" | [[前期白亜紀|前期]] <br>(Lower)
| style="background:rgb(204,234,151)" | [[アルビアン]] (Albian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,234,151)" | <small>112.0±1.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(191,228,138)" | [[アピチアン]](Aptian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,228,138)" | <small>125.0±1.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(179,223,127)" | [[バレミアン]] (Barremian)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,223,127)" | <small>130.0±1.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(166,217,117)" | [[オーテリビアン]] (Hauterivian)
| valign="bottom" style="background:rgb(166,217,117)" | <small>~133.9</small>
|
|-
| style="background:rgb(153,211,106)" | [[バランギニアン]] (Valanginian)
| valign="bottom" style="background:rgb(153,211,106)" | <small>140.2±3.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(140,205,96)" | [[ベリアシアン]] (Berriasian)
| valign="bottom" style="background:rgb(140,205,96)" | <small>145.5±4.0</small>
|
|-
| rowspan="11" colspan="2" style="background:rgb(52,178,201)" title="ジュラ紀 (Jurassic)" | ジ<br>ュ<br>ラ<br>紀
| rowspan="3" style="background:rgb(179,227,238)" | 後期 <br>(Upper)
| style="background:rgb(217,241,247)" | [[チトニアン]] (Tithonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(217,241,247)" | <small>150.8±4.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(204,236,244)" | [[キンメリッジアン]] (Kimmeridgian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,236,244)"| <small>~155.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(191,231,241)" | [[オックスフォーディアン]] (Oxfordian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,231,241)"| <small>161.2±4.0</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(128,207,216)" | 中期 <br>(Middle)
| style="background:rgb(191,231,229)" | [[カロビアン]] (Callovian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,231,229)"| <small>164.7±4.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(179,226,227)" | [[バトニアン]] (Bathonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,226,227)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>167.7±3.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(166,221,224)" | [[バジョシアン]] (Bajocian)
| valign="bottom" style="background:rgb(166,221,224)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>171.6±3.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(154,217,221)" | [[アーレニアン]] (Aalenian)
| valign="bottom" style="background:rgb(154,217,221)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>175.6±2.0</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(66,174,208)" | <font color="white">前期 <br>(Lower)</font>
| style="background:rgb(153,206,227)" | [[トアルシアン]] (Toarcian)
| style="background:rgb(153,206,227)" | <small>183.0±1.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(128,197,221)" | [[プリンスバッキアン]] (Pliensbachian)
| valign="bottom" style="background:rgb(128,197,221)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>189.6±1.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(103,188,216)" | [[シネムーリアン]] (Sinemurian)
| valign="bottom" style="background:rgb(103,188,216)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>196.5±1.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(78,179,211)" | <font color="white">[[ヘッタンギアン]] (Hettangian)</font>
| valign="bottom" style="background:rgb(78,179,211)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]] <font color="white"><small>199.6±0.6</small></font>
|
|-
| rowspan="7" colspan="2" style="background:rgb(129,43,146)" title="三畳紀 (Triassic)" | <font color="white">三<br>畳<br>紀</font>
| rowspan="3" style="background:rgb(189,140,195)" | 後期 <br>(Upper)
| style="background:rgb(227,185,219)" | [[レーティアン]] (Rhaetian)
| valign="bottom" style="background:rgb(227,185,219)" | <small>203.6±1.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(214,170,211)" | [[ノーリアン]] (Norian)
| valign="bottom" style="background:rgb(214,170,211)"| <small>216.5±2.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(201,155,203)" | [[カーニアン]] (Carnian)
| valign="bottom" style="background:rgb(201,155,203)"| [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>~228.7</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(177,104,177)" | <font color="white">中期 <br>(Middle)</font>
| style="background:rgb(201,131,191)" | [[ラディニアン]] (Ladinian)
| valign="bottom" style="background:rgb(201,131,191)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>237.0±2.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(188,117,183)" | [[アニシアン]] (Anisian)
| valign="bottom" style="background:rgb(188,117,183)"| <small>~245.9</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(152,57,153)" | <font color="white">前期 <br>(Upper)</font>
| style="background:rgb(176,81,165)" | <font color="white">[[オレネキアン]] (Olenekian)</font>
| valign="bottom" style="background:rgb(176,81,165)" | <font color="white"><small>~249.5</small></font>
|
|-
| style="background:rgb(164,70,159)" | <font color="white">[[インデュアン]] (Induan)</font>
| valign="bottom" style="background:rgb(164,70,159)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<font color="white"><small>251.0±0.4</small></font>
|
|-
| rowspan="48" style="background:rgb(153,192,141)" title="古生代 (Paleozoic)" | 古<br>生<br>代
| rowspan="9" colspan="2" style="background:rgb(240,64,40)" title="ペルム紀 (Permian)" | ペ<br>ル<br>ム<br>紀
| rowspan="2" style="background:rgb(251,167,148)" | 後期?<br> (Lopingian)
| style="background:rgb(252,192,178)" | <small>[[チャンシンギアン]] (Changhsingian)</small>
| valign="bottom" style="background:rgb(252,192,178)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>253.8±0.7</small>
| <small>長興世?</small>
|-
| style="background:rgb(252,180,162)" | <small> (Wuchiapingian)</small>
| valign="bottom" style="background:rgb(252,180,162)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>260.4±0.7</small>
| <small>呉家坪世?新世前葉?</small>
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(251,116,92)" | 中期? <br>(Guadalupian)
| style="background:rgb(251,154,133)" | [[Capitanian]] (Capitanian)
| valign="bottom" style="background:rgb(251,154,133)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>265.8±0.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(251,141,118)" | [[Wordian]] (Wordian)
| valign="bottom" style="background:rgb(251,141,118)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>268.0±0.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(251,128,105)" | [[Roadian]] (Roadian)
| valign="bottom" style="background:rgb(251,128,105)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>270.6±0.7</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(239,88,69)" | 前期?<br> (Cisuralian)
| style="background:rgb(227,135,118)" | [[クングーリアン]] ((Kungurian)
| valign="bottom" style="background:rgb(227,135,118)" | <small>275,6±0,7</small>
|
|-
| style="background:rgb(227,123,104)" | [[アルチンスキアン]] (Arttinskian)
| valign="bottom" style="background:rgb(227,123,104)" | <small>284.4±0.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(227,111,92)" | [[サクマーリアン]] (Sakmarian)
| valign="bottom" style="background:rgb(227,111,92)" | <small>294.6±0.8</small>
|
|-
| style="background:rgb(227,99,80)" | [[アッセリアン]] (Asselian)
| valign="bottom" style="background:rgb(227,99,80)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>299.0±0.8</small>
|
|-
| rowspan="7" style="width:2em" style="background:rgb(103,165,153)" title="石炭紀 (Carboniferous)" | 石<br>炭<br>紀
| rowspan="4" style="background:rgb(153,194,181)" | [[ペンシルベニア紀|ペ<br>ン<br>シ]]
| rowspan="2" style="background:rgb(191,208,186)" | <small>後期 (Upper)</small>
| style="background:rgb(204,212,199)" | [[グゼーリアン]] (Gzehlian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,212,199)" | <small>303.4±0.9</small>
|
|-
| style="background:rgb(191,208,197)" | [[カシモービアン]] (Kasimovian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,208,197)" | <small>307.2±1.0</small>
|
|-
| style="background:rgb(166,199,183)" | <small>中期 (Middle)</small>
| style="background:rgb(199,203,185)" | [[モスコビアン]] (Moscovian)
| valign="bottom" style="background:rgb(199,203,185)" | <small>311.7±1.1</small>
|
|-
| style="background:rgb(140,190,180)" | <small>前期 (Lower)</small>
| style="background:rgb(153,194,181)" | [[バシキーリアン]] (Bashkirian)
| valign="bottom" style="background:rgb(153,194,181)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>318.1±1.3</small>
|
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(103,143,102)" | [[ミシシッピー紀|ミ<br>シ<br>シ]]
| style="background:rgb(179,190,108)" | <small>後期 (Upper)</small>
| style="background:rgb(191,194,107)" | [[サープクホビアン]] (Serpukhovian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,194,107)" | <small>328.3±1.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(153,180,108)" | <small>中期 (Middle)</small>
| style="background:rgb(166,185,108)" | [[ビゼーアン]] (Visean)
| valign="bottom" style="background:rgb(166,185,108)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>345.3±2.1</small>
|
|-
| style="background:rgb(128,171,108)" | <small>前期 (Lower)</small>
| style="background:rgb(140,176,108)" | [[トルネージアン]] (Tournaisian)
| valign="bottom" style="background:rgb(140,176,108)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>359.2±2.5</small>
|
|-
| rowspan="7" colspan="2" style="background:rgb(203,140,55)" title="デボン紀 (Devonian)" | デ<br>ボ<br>ン<br>紀
| rowspan="2" style="background:rgb(241,225,157)" | <small>後期 <br>(Upper)</small>
| style="background:rgb(242,237,197)" | [[ファメニアン]] (Fammennian)
| valign="bottom" style="background:rgb(242,237,197)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>374.5±2.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(242,237,173)" | [[フラスニアン]] (Frasnian)
| valign="bottom" style="background:rgb(242,237,173)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>385.3±2.6</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(241,200,104)" | <small>中期 <br>(Middle)</small>
| style="background:rgb(241,225,133)" | [[ジベーチアン]] (Givetian)
| valign="bottom" style="background:rgb(241,225,133)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>391.8±2.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(241,213,118)" | [[アイフェリアン]] (Eifelian)
| valign="bottom" style="background:rgb(241,213,118)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>397.5±2.7</small>
|
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(229,172,77)" | <small>前期 <br>(Lower)</small>
| style="background:rgb(229,208,117)" | [[エムシアン]] (Emsian)
| valign="bottom" style="background:rgb(229,208,117)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>407.0±2.8</small>
|
|-
| style="background:rgb(229,196,104)" | [[プラギアン]] (Pragian)
| valign="bottom" style="background:rgb(229,196,104)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>411.2±2.8</small>
|
|-
| style="background:rgb(229,183,90)" | [[ロッコビアン]] (Lochkovian)
| valign="bottom" style="background:rgb(229,183,90)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>416.0±2.8</small>
|
|-
| rowspan="8" colspan="2" style="background:rgb(179,225,182)" title="シルル紀 (Silurian)" | シ<br>ル<br>ル<br>紀
| style="background:rgb(230,245,225)" | [[プリドリ]] (Pridoli)
| style="background:rgb(230,245,225)" |
| valign="bottom" style="background:rgb(230,245,225)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>418.7±2.7</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(191,230,207)" | [[ラドロウ]] <br>(Ludlow)
| style="background:rgb(217,240,223)" | [[ルドフォーディアン]] (Ludfordian)
| valign="bottom" style="background:rgb(217,240,223)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>421.3±2.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(204,236,221)" | [[ゴースディアン]] (Gorstian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,236,221)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>422.9±2.5</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(179,225,194)" | [[ウェンロック]] <br>(Wenlock)
| style="background:rgb(204,235,209)" | ホーメリアン? (Homerian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,235,209)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>426.2±2.4</small>
|
|-
| style="background:rgb(191,230,195)" | [[シェインウッディアン]] (Sheinwoodian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,230,195)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>428.2±2.3</small>
|
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(153,215,179)" | [[ランドベリ]] <br>(Landovery)
| style="background:rgb(191,230,207)" | [[テリチアン]] (Telychian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,230,207)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>436.0±1.9</small>
|
|-
| style="background:rgb(179,225,194)" | [[アエロニアン]] (Aeronian)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,225,194)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>439.0±1.8</small>
|
|-
| style="background:rgb(179,225,194)" | [[ラッダニアン]] (Rhuddanian)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,225,194)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>443.7±1.5</small>
|
|-
| rowspan="7" colspan="2" style="background:rgb(0,146,112)" title="オルドビス紀 (Ordovician)" | <font color="white">オ<br>ル<br>ド<br>ビ<br>ス<br>紀</font>
| rowspan="3" style="background:rgb(127,202,147)" | 後期 <br>(Upper)
| style="background:rgb(166,219,171)" | (Hirnantian)
| valign="bottom" style="background:rgb(166,219,171)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>445.6±1.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(153,214,159)" | [[Katian]]
| valign="bottom" style="background:rgb(153,214,159)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>455.8±1.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(140,208,148)" | [[Sandbian]]
| valign="bottom" style="background:rgb(140,208,148)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>460.9±1.6</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(77,180,126)" | 中期 <br>(Middle)
| style="background:rgb(116,198,156)" | [[Darriwilian]]
| valign="bottom" style="background:rgb(116,198,156)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>468.1±1.6</small>
|
|-
| style="background:rgb(102,192,146)" | [[Dapingian]]
| valign="bottom" style="background:rgb(102,192,146)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>471.8±1.6</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(26,157,111)" | <font color="white">前期 <br>(Lower)</font>
| style="background:rgb(65,176,135)" | <font color="white">[[Floian]]</font>
| valign="bottom" style="background:rgb(65,176,135)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>478.6±1.7</small>
|
|-
| style="background:rgb(51,169,126)" | <font color="white">[[Tremadocian]]</font>
| valign="bottom" style="background:rgb(51,169,126)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>488.3±1.7</small>
|
|-
| rowspan="10" colspan="2" style="background:rgb(127,160,86)" title="カンブリア紀 (Cambrian)" | カ<br>ン<br>ブ<br>リ<br>ア<br>紀
| rowspan="3" style="background:rgb(179,224,149)" | <br>(Furongian)
| style="background:rgb(230,245,201)" | 第10期 (Stage 10)
| valign="bottom" style="background:rgb(230,245,201)" | <small>~492*</small>
|
|-
| style="background:rgb(217,240,187)" | 第9期 (Stage 9)
| valign="bottom" style="background:rgb(217,240,187)" | <small>~496*</small>
|
|-
| style="background:rgb(204,235,174)" | (Paibian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,235,174)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>~499</small>
|
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(166,207,134)" | 第三世 <br>(Series 3)
| style="background:rgb(204,223,170)" | (Guzhangian)
| valign="bottom" style="background:rgb(204,223,170)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>~503</small>
|
|-
| style="background:rgb(191,217,157)" | (Drumian)
| valign="bottom" style="background:rgb(191,217,157)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>~506.5</small>
|
|-
| style="background:rgb(179,212,146)" | 第5期 (Stage 5)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,212,146)" | <small>~510*</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(153,192,120)" | 第二世 <br>(Series 2)
| style="background:rgb(179,202,142)" | 第4期 (Stage 4)
| valign="bottom" style="background:rgb(179,202,142)" | <small>~515*</small>
|
|-
| style="background:rgb(166,197,131)" | 第3期 (Stage 3)
| valign="bottom" style="background:rgb(166,197,131)" | <small>~521*</small>
|
|-
| rowspan="2" style="background:rgb(140,176,108)" | <br>(Terreneuvian)
| style="background:rgb(166,186,128)" | 第2期 (Stage 2)
| valign="bottom" style="background:rgb(166,186,128)" | <small>~528*</small>
|
|-
| style="background:rgb(153,181,117)" | (Fortunian)
| valign="bottom" style="background:rgb(153,181,117)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>542.0±1.0</small>
|
|-
| rowspan="15" style="background:rgb(247,67,112)" title="先カンブリア代 (Precambrian)"| 先<br>カ<br>ン<br>ブ<br>リ<br>ア<br>代
| rowspan="10" style="background:rgb(247,53,99)" title="原生代 (Proterozoic))" | 原<br>生<br>代
| rowspan="3" style="background:rgb(254,179,66)" title="新原生代 (Neoproterozoic)" | 新<br>原<br>生
| colspan="4" style="background:rgb(254,217,106)" | エディアカラ (Ediacaran)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,217,106)" | [[file:Clavo dorado.svg|8px]]<small>~635</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(254,204,94)" | キオゲニアン (Cryogenian)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,204,94)" | <small>850</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(254,191,78)" | トニアン (Tonian)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,191,78)" | <small>1000</small>
|
|-
| rowspan="3" style="background:rgb(253,180,98)" title="中原生代 (Mesoproterozoic)" | 中<br>原<br>生
| colspan="4" style="background:rgb(254,217,154)" | ステニアン (Stenian)
| valign="bottom" style="background:rgb(254,217,154)" | <small>1200</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(253,204,138)" | エクタシアン (Ectasian)
| valign="bottom" style="background:rgb(253,204,138)" | <small>1400</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(253,192,122)" | カリミアン (Calymmian)
| valign="bottom" style="background:rgb(253,192,122)" | <small>1600</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(247,67,112)" title="古原生代 (Paleoproterozoic)" | 古<br>原<br>生<br>代
| colspan="4" style="background:rgb(248,117,167)" | スタテリアン (Statherian)
| valign="bottom" style="background:rgb(248,117,167)" | <small>1800</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(247,104,152)" | オロシリアン (Orosirian)
| valign="bottom" style="background:rgb(247,104,152)" | <small>2050</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(247,91,137)" | リィアキアン (Rhyacian)
| valign="bottom" style="background:rgb(247,91,137)"| <small>2300</small>
|
|-
| colspan="4" style="background:rgb(247,79,124)" | シデリアン (Siderian)
| valign="bottom" style="background:rgb(247,79,124)"| <small>2500</small>
|
|-
| rowspan="4" style="background:rgb(240,4,127)" title="始生代 (Archean)" | 始<br>生<br>代
| colspan="5" style="background:rgb(249,155,193)" | ネオアーキアン (Neoarchean)
| valign="bottom" style="background:rgb(250,167,200)" | <small>2800</small>
|
|-
| colspan="5" style="background:rgb(247,104,169)" | メゾアーキアン (Mesoarchean)
| valign="bottom" style="background:rgb(248,129,181)" | <small>3200</small>
|
|-
| colspan="5" style="background:rgb(244,68,159)" | パレオアーキアン (Paleoarchean)
| valign="bottom" style="background:rgb(246,104,178)" | <small>3600</small>
|
|-
| colspan="5" style="background:rgb(218,3,127)" | イオアーキアン (Eoarchean)
| valign="bottom" style="background:rgb(230,29,140)" | <small>4000</small>
|
|-
| colspan="6" style="background:rgb(174,2,126)" | <font color="white">冥王代 (Hadean)</font>
| valign="bottom" style="background:rgb(174,2,126)" | <font color="white"><small>~4600</small></font>
| Hadeanは非公式の名称である。
|}
注)
* カンブリア紀の米印の付いている年代は非公式の数値である。 
* 顕生代とエディアカラ紀の基底年代は Global Boundary Stratotype Section and Point (GSSP[[file:Clavo dorado.svg|8px]])に基づく。それ以前の先カンブリア代の基底年代はGlobal Standard Stratigraphic Age (GSSA)の絶対年代に基づく。
* 古生代カンブリア紀における未定義の区分は暫定的に通番がふってある。


; 新生代の定義に関する議論
{{main|新生代#第四紀の区分定義決定までの議論}}


; 第三紀は非公式
1989年に[[国際地質科学連合]](IUGS)は[[新生代]]を{{lang|en|Paleogene}}([[古第三紀]]), {{lang|en|Neogene}}([[新第三紀]]), {{lang|en|Quaternary}}(第四紀)の3つの紀からなるものとし、{{lang|en|Tertiary}}(第三紀)の語を正式な用語から外した<ref name="OMN2011">{{Cite web|和書|url=http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2011kaseki/virtual/history/mesozoic04.html|title=化石のこばなし 生物の大量絶滅—P/T境界とK/Pg境界|work= 第42回特別展大化石展|date=2011|publisher=[[大阪市立自然史博物館]]|accessdate=2017-05-24}}</ref>。2008年には、第三紀が正式に非公式用語となった<ref>kotobank - 小学館・日本大百科全書(ニッポニカ) [https://kotobank.jp/word/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E7%B4%80-91165#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 「第三紀」] </ref>。


; 第四紀の開始年代
=== 注 ===
2010年には、人類の時代と定義されている第四紀は、それ以前の時代区分であった新第三紀・鮮新世・ジェラシアン(ジェーラ期)が組み込まれ開始年代が180万年前から約260万年前へと大幅に遡った<ref>日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/name/content0057.html 「第四紀下限変更に伴う諸問題検討に関する報告」] </ref>。
{{更新|date=2012年5月}}
1) 北米では、石炭紀をペンシルベニア紀とミシシッピー紀に分けている。


; 開始年代の改定
2) 過去四半世紀の研究で先カンブリア時代の地質学的・古生物学的な見方が大きく変化したが、そもそも地質学的証拠に乏しい時代であるため、年代区分を定義する正確な用語はまだ定まっていない。ここでは
2014年から2016年にかけては年代値の多くに修正がなされてきている<ref name=KaiRireki>日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/name/content0163.html 「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン_改訂履歴」] </ref>。


; 完新世の細分化と太古代を公認
: 原生代前期(Paleoproterozoic)
2018年7月には第四紀・完新世の細分化やカンブリア紀の統/世で番号で呼ばれていたものの一部が命名された。また「Archean」の時代区分を、未使用となっている「Archeozoic」由来の「始生代」としていたが「 太古代」へ変更し「太古代(始生代)」と表記することに決定されている<ref name=KaiRireki/>。
: 中期(Mesoproterozoic)
: 後期(Neoproterozoic)


; 複雑な日本語表記<ref>日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/name/content0126.html JISに定められた地質年代の日本語表記] </ref>
という分類を用いたが、
この他新生代の古第三紀および新第三紀の名称の変更や、同じく新生代の各期の名称についても議論が継続されている。


JISにおける地質年代の日本語表記の基本方針、引用<ref name=JAHyoki>日本地質学会 [http://www.geosociety.jp/name/content0126.html 「JISに定められた地質年代の日本語表記」] </ref>
Cambridge University Press, 1990年による
JISに定める地質年代の日本語表記の基本方針は、International Chronostratigraphic Chartにある地質年代単元名の英語読み(英語での一般的な発音)をそのままカタカナ表記にし,末尾に年代単元あるいは層序単元を示す世/統,期/階を添える。たとえばBashkirianの場合,年代を示す場合はバシキーリアン期,対応する層序単元を示す場合はバシキーリアン階となる。
: [[ヒューロニアン]] 'Huronian'(2450 ~ 2200 Ma)
: [[アニミキアン]] 'Animikian'(2200 ~ 1650 Ma)
: [[リフェアン]] 'Riphean'(1650 ~ 800 Ma)
: [[スターティアン]] 'Sturtian'(800 ~ 610 Ma)
: [[ヴァランガー]] 'Varanger'(610 ~ 590 Ma)
: [[エディアカラ紀|エディアカラ]] 'Ediacara'(590 ~ 570 Ma)


また各紀・世・期の名称の邦訳も地名の名詞化/形容詞化?~~アンとし、それに時代区分を付記する方針になったが、慣例から旧称(地名+紀)のまま残されているものもある。カンブリア紀、ペルム紀、ジュラ紀などは、方針に従えばカンブリアン紀、ペルミアン紀、ジュラシック紀等となるべきものである。
Geological Society of America, 1999年による
: Early Proterozoic (2500 ~ 1600 Ma)
: Middle Proterozoic (1600 ~ 900 Ma)
: Late Proterozoic (900 ~ 543 Ma)


ウィキペディア日本語版における単語使用記事数を検索すると(2018年10月)エディアカラン 23件、エディアカラ 82件となっている。
といった用語も使われている。また原生代初期・末期という用語も頻繁に使われるが、どの用語を用いるかは各人に任されているのが現状である。また、原生代・ 始生代・冥王代をまとめて先カンブリア時代(Precambrian)として扱うことも多い。


また地名の中には中国の地名がいくつかあるが、日本地質学会の日本語表記の基本方針はInternational Chronostratigraphic Chartにある地質年代の英語綴りの発音<ref group="注釈">現地語と英語で綴りや発音が異なっていても英語の発音をとる。</ref>をカタカナ表記する事になっているので漢字で表記されることはない。
3) 年代は、資料によって若干の差があり、正確ではない。これは主に[[放射線年代測定]]の不確実さによるものである。<!-- で、・・・ *印を付けた年代は・・・-->


改定の詳細については日本地質学会の「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン_改訂履歴」<ref name=KaiRireki/>を参照。
4) 古生物学者たちは、しばしば地質学的な年代ではなく、動物年代を参照している。ここでの専門語はきわめて複雑である<ref>[http://flatpebble.nceas.ucsb.edu/ The Paleobiology Database]の記事「GSSP(Global Stratigraphic Section and Point)」を参照</ref>。


=== 国際年代層序表の改訂履歴 ===
5) 慣習的には、新生代の中の第三紀-第四紀あるいは古第三紀-新第三紀-第四紀といった「紀」は、中生代や古生代の「代」と同等のものとして用いられる。
公式の国際年代層序表(略称: ICSチャート)は、国際層序委員会から発行される。日本地質学会ではそれを基に時代区分名・注意書きなどを和訳し発表している。日本地質学会による和訳発表には時間を要しており、国際層序委員会による最新バージョンとは異なっている場合もある。以下に国際層序委員会に情報を記する。
国際層序委員会(International Commission on Stratigraphy、略称: ICS )では、2008年以降の各チャートおよび2012年以降の改訂履歴をまとめている。
; これまでの国際年代層序表<ref>International Commission on Stratigraphy 国際層序委員会 [http://www.stratigraphy.org/index.php/ics-chart-timescale Chart] </ref>
掲載バージョン<ref group=注釈>後述の13年以降の改訂履歴に記録のあるバージョンの中には記載されていないバージョンもある。</ref>: 2008, 2009, 2010, 2012, 2013/01, 2014/02, 2014/10, 2015/01, 2016/04, 2016/10, 2017/02, 2018/07. 2018年10月時点では国際層序委員会による最新バージョンは2018/08であるが日本地質学会の最新の和訳チャートは 2018/07で最新の変更が反映されていない。


; 国際層序委員会による「ICS chart 2012 August」以降の改訂履歴のまとめ<ref>International Commission on Stratigraphy [http://www.stratigraphy.org/ICSchart/ChangeLog2012-2013-2014-2015-2016-2017-2018.txt Change Log] </ref>
以下の変更件数は2018年10月17日時点で。ICSチャートは2012年以降年1-3回発行されている(年平均2回発行)。発行履歴は以下:
** version 2012: 2012年8月のブリスベンで開催された第34回万国地質学会議(IGC)にて配布。
** ICS chart v.2013/01
** ICS chart v.2013/Episodes
** ICS chart v.2014/02
** ICS chart v.2014/10
** ICS chart v.2015/01
** ICS chart v.2016/04: 第35回万国地質学会議(ケープタウン)にて配布。
** ICS chart v.2016/10
** ICS chart v.2016/12
** ICS chart v.2017/02
** ICS chart v.2018/07: 日本地質学会の和訳の最新の版(2018年10月17日時点)
** ICS chart v.2018/08
* 追加GSSP(Global Boundary Stratotype Section and Point, 国際標準模式層断面及び地点): 11件
* GSSA(Global Standard Stratigraphic Age, 国際標準層序年代)変更および削除: 2件
* 基底年代の変更: 26件
* その他のチャートの記述変更履歴


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
{{Reflist}}


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
* {{Cite book|和書
|author = [[国立天文台]]編
|editor=国立天文台|editor-link=国立天文台
|title = [[理科年表]] 平成20年
|title = [[理科年表]] 平成20年
|url = http://www.rikanenpyo.jp/
|url = https://web.archive.org/web/20060703125140/http://www.rikanenpyo.jp/
|year = 2007
|year = 2007
|publisher = [[丸善]]
|publisher = [[丸善]]
860行目: 233行目:
|pages =
|pages =
}}
}}
* {{Cite book|和書|author= J. G. オッグ|coauthors= G. M. オッグ・F. M. グラッドシュタイン|translator= 鈴木寿志|title= 要説 地質時代|origyear= 2008|year= 2012|publisher= 京都大学学術出版会|isbn=978-4-87698-599-9}}:J.G. Ogg; Gabi Ogg, F.M. Gradstein (2008) の訳書。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Geologic time scale}}
* [[地球史年表]]
* [[地球史年表]]
* [[先史時代]] - [[紀元前11千年紀以前]]
* [[累代]] - [[代 (地質学)|代]](界) - [[紀]](系) - [[世]](統) - [[期]](階)
* [[累代]] - [[代 (地質学)|代]](界) - [[紀]](系) - [[世]](統) - [[期]](階)
* [[太陽系の形成と進化]] - [[地球#歴史]] - [[月の地質年代尺度]]
* [[プレートテクトニクス]] - [[プルームテクトニクス]]
* {{仮リンク|大酸化イベント|en|Great Oxygenation Event}}
* [[海洋無酸素事変]]
* [[気候変動]]
** [[地球寒冷化]] - [[氷河時代]]
** [[地球温暖化]]
** [[海水準変動]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Geologic time scale}}
* {{Cite web
* {{Cite web|和書
|author = 仲田崇志
|author = 仲田崇志
|date = 2009-10-29
|date = 2009-10-29
876行目: 259行目:
|accessdate = 2011-02-15
|accessdate = 2011-02-15
}}
}}
* [http://www.stratigraphy.org/ International Commission on Stratigraphy]

{{地質時代}}
{{地質時代}}
{{地球}}
{{地球}}
884行目: 265行目:
{{Chronology}}
{{Chronology}}


{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ちしつしたい}}
{{DEFAULTSORT:ちしつしたい}}
[[Category:地質時代|*]]
[[Category:地質時代|*]]
889行目: 271行目:
[[Category:地球史]]
[[Category:地球史]]
[[Category:地球科学の一覧]]
[[Category:地球科学の一覧]]

{{Link FA|eo}}
{{Link FA|pl}}
{{Link GA|de}}

[[af:Geologiese tydperke]]
[[ar:مقياس زمني جيولوجي]]
[[ast:Escala de los tiempos xeolóxicos]]
[[bn:ভূতাত্ত্বিক সময়]]
[[br:Skeul amzervezhioù douarouriezhel]]
[[ca:Taula dels temps geològics]]
[[cs:Geologický čas]]
[[cy:Cyfnodau daearegol]]
[[da:Geologisk tidsskala]]
[[de:Geologische Zeitskala]]
[[el:Γεωλογικός χρόνος]]
[[en:Geologic time scale]]
[[eo:Geologia temposkalo]]
[[es:Geología histórica]]
[[et:Geokronoloogiline skaala]]
[[eu:Garai geologiko]]
[[fa:مقیاس زمانی زمین‌شناسی]]
[[fi:Geologinen ajanlasku]]
[[fr:Échelle des temps géologiques]]
[[gl:Xeoloxía histórica]]
[[he:לוח הזמנים הגאולוגי]]
[[hi:भूवैज्ञानिक कालगणना]]
[[hr:Geološko razdoblje]]
[[ht:Echèl tan jeyolojik]]
[[hu:Földtörténeti időskála]]
[[id:Skala waktu geologi]]
[[is:Jarðsögutímatal]]
[[it:Scala dei tempi geologici]]
[[ka:გეოქრონოლოგიური სკალა]]
[[kk:Геохронология шәкілі]]
[[kn:ಭೂರಚನಶಾಸ್ತ್ರದ ಯುಗಗಳು]]
[[ko:지질 시대]]
[[la:Aevum geologicum]]
[[lb:Geologesch Zäitskala]]
[[lt:Geologinė laiko skalė]]
[[ltg:Geologiskuo laika skala]]
[[mn:Геологийн цаг тоолол]]
[[ms:Skala masa geologi]]
[[nl:Geologische tijdschaal]]
[[nn:Geologisk tidsskala]]
[[no:Geologisk tidsskala]]
[[pl:Tabela stratygraficzna]]
[[pt:Escala de tempo geológico]]
[[ro:Eră geologică]]
[[ru:Геохронологическая шкала]]
[[sah:Геохронология]]
[[sh:Geološka kronologija]]
[[simple:Historical geology]]
[[sk:Chronostratigrafická tabuľka]]
[[sl:Geološka časovna lestvica]]
[[sq:Historia gjeologjike e Tokës]]
[[sr:Геолошка доба]]
[[sv:Geologisk tidsskala]]
[[th:ธรณีกาล]]
[[tr:Jeolojik devir]]
[[uk:Геохронологічна шкала]]
[[ur:ارضیاتی وقت]]
[[vi:Niên đại địa chất]]
[[vls:Geologische tydschoale]]
[[wa:Trevéns djeyolodjikes]]
[[wuu:地质年代]]
[[zh:地质年代]]

2024年9月13日 (金) 09:00時点における最新版

地質時代区分 概略[* 1][* 2]
累代 基底年代
Mya[* 3]
顕生代 新生代 第四紀 2.58
新第三紀 23.03
古第三紀 66
中生代 白亜紀 145
ジュラ紀 201.3
三畳紀 251.902
古生代 ペルム紀 298.9
石炭紀 358.9
デボン紀 419.2
シルル紀 443.8
オルドビス紀 485.4
カンブリア紀 541
原生代 新原生代 エディアカラン 635
クライオジェニアン 720
トニアン 1000
中原生代 ステニアン 1200
エクタシアン 1400
カリミアン 1600
古原生代 スタテリアン 1800
オロシリアン 2050
リィアキアン 2300
シデリアン 2500
太古代(始生代) 新太古代 2800
中太古代 3200
古太古代 3600
原太古代 4000
冥王代 4600
  1. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  2. ^ 基底年代の更新履歴
  3. ^ 百万年前。

地質時代(ちしつじだい、: Geologic time scale; Geological age)とは、約46億年前の地球の誕生から現在までの内、直近数千年(地域によって異なる)の記録の残っている有史時代歴史時代)[1]以前のことで地質学的な手法でしか研究できない時代の事である[2]。歴史の本来の意味は、文字で記録された人類に関わる過去の出来事の事であり[3]、文字で記録されていないさらに時を遡る人類に関わる時代は先史時代と呼ばれている[4]

地質時代における各時代区分は「地質年代」とも呼ばれ、また地質年代は地質時代と同義にも扱われる[5]

地球の年齢46億年超の内で、有史時代(数千年間)は約100万分の1であり、地球の年齢の99.9999%は地質時代である。前述の地質時代の定義から、地質時代は地球の年齢から有史時代を除いた部分であるが、現実には有史時代の長さは地質時代における誤差範囲よりはるかに小さく、有史時代(現在を含む)は新生代/第四紀/完新世/メガラヤンに含まれる。各地質時代区分の開始年代(基底年代)は何百万年前(Mya)と表現されるが、その基点は西暦2000年と定義されている。

地質時代は、比較的情報量が多く研究が進んでいる直近の[注釈 1]「顕生代」(約5億年)、顕生代と比較すると生物化石に乏しくなるが微化石生痕化石などが研究対象になる「原生代」(約20億年)、生物化石はほとんどなくなり研究対象が主に地層や岩石となる「太古代(始生代)」(約40億年)と、地球上で岩石や結晶などの直接証拠が少なく月の石や隕石などの情報から推察されている「冥王代」(約45億年)の4つの時代に区分されている。

概要

[編集]
地質学時標図[注釈 2]

138億年前の宇宙誕生(ビッグバン)から3分の2経過した今から46億年前に太陽系に地球が誕生した。この数十億年に渡る地球の過去を考察する場合、地球誕生から、の形成、海洋誕生、大陸の形成分裂、造山運動火山活動、巨大隕石の衝突、気候変動などの天文学的・地学的な絶対年代区分とは異なった、時代を発掘された化石や地層等から相対的に区分する手法が用いられており、これを地質時代と呼ぶ。この地質時代区分は地球史絶対年代とは異なるが、絶対年代上の重要事象の結果として多くの生物相の変化が起きたわけであり、地質時代と絶対年代に定義の差はあるが、相関性はある[6]

地球の過去は岩石や地層の中に封じ込められており、幾重にも亘る地層には、本の頁のように、地球の過去の事件やその時代の生物などが記録されている。これらの地層は、含まれる岩石や化石の放射年代測定により年齢を推定することが出来る。こうして地層の頁を紐解き、岩石という原子時計を測り、含まれる化石を見出すことにより地球の過去を知ることが可能となる。

顕生代の生物多様化と大量絶滅

地質時代の区分は発見される化石によるため、各時代はそれら生物の時代とも言え、その絶滅が時代を区分している。言い換えれば地質時代は生物の繁栄と絶滅の記録である[7]。 一部の例外を除き各紀の境界では大量絶滅が発生している。右図参照。

地質時代研究の歴史

[編集]

詳細は地質学の歴史および古生物学の歴史英語版を参照。

古代から中世にかけて現生生物とはかけ離れた化石の発見から古生物の存在や、貝の化石が海から離れた場所で見つかることから現在の陸地が昔は海であった可能性などの推察があった。一方で、化石は生物起源ではない変わった形の岩石であり、『創造論』に基づいた時代認識が近世まで続いていた。近世に入りルネサンスを経て自然科学の発展が始まり近代につながる地球科学の各分野が誕生した。

16世紀
  • 1548年、「鉱物学の父」と呼ばれるドイツのゲオルク・アグリコラが『化石の本性について』を出版し、化石は生物に類似した形になった鉱物ではなく、生物起源であると発表した。
  • 1555年、スイスの博物学コンラート・ゲスナーが化石を図入りで記載した『化石の全種類について』を出版した。
17世紀
17世紀から18世紀にかけて化石が大洪水天変地異説)による過去の生物の遺骸であるとの認識が広まる[8]
18世紀
  • 1709年、スイスのヨハン・ヤーコブ・ショイヒツァーが植物化石をまとめた『洪水植物誌』を出版した。
  • 1735年、「分類学の父」と呼ばれるスウェーデンのリンネが『自然の体系』を出版、分類学の基礎を作る。
  • 1759年、イタリア地質学者ジョヴァンニ・アルドゥイノ英語版が、イタリアの南アルプスの地層の分析から地質時代を第一紀(化石の出ない時代)、第二紀(化石が出るが現生生物とは遙かに異なる)、第三紀(現生生物に近い生物の化石が出る時代)に分類した。後に第四紀が追加されるが、その後の研究の進展から第一・第二紀は使われなくなり、第三紀は古第三紀と新第三紀に分割され、第三紀は使われなくなった。
18世紀後半になると産業革命に伴う鉱山開発から岩石や化石に関する関心も高まり、地質学や古生物学の基礎が形作られる[8]
19世紀
20世紀
1940年代に質量分析器が開発され、50年代に放射性炭素年代測定が始まる。
21世紀

定義

[編集]

区分の仕方は大きくは古い方から冥王代太古代原生代顕生代の4つの累代、さらに細かくと分類されている。これらの区分は化石帯区分と呼ばれ、地層や化石の研究から導きだされたものである。これらの時代区分は動物化石を基に分類されているので、植物相の変異とはズレがある。また第四紀に関してはヒト属の時代という区分である。

地球年代学層序学
地質年代区分 年代層序区分 定義数および概年数
累代 eon 累界 eonothem 4累代、各5億年以上
era erathem 10代、数億年程度
period system 22紀、数千万~数億年
epoch series 34世、数千万年
age stage 99期、数百万年
時代と層の対比
後期 late 上部 upper
中期 middle 中部 middle
前期 early 下部 lower

地球年代学(: Geochronology地質年代学とも)で定義する累代、代、紀、世、期に相応する地層を層序学: stratigraphy)および地質年代層序学(: chronostratigraphy)では累界、界、系、統、階と呼ぶ。また地球年代学で言う前期、中期、後期に対しては下部、中部、上部となる。右の表を参照。

時代区分の定義、名称や基底年代等に関しては絶えず見直されており、また合意に至っていないものも多々ある。これらは国際地質科学連合(IUGS)、国際第四紀学連合英語版(INQUA)、国際層序委員会(ICS)等で検討され、4年ごとに開催される万国地質学会議: International Geological Congress)で批准されてきている。

時代区分は化石すなわち過去の生物相に拠るものであり地域毎に特性がある。よって細かい時代区分では各大陸での様相は均一ではなく、異なった区分が提唱されることもあり、それらをすり合わせる事が国際層序委員会の主な活動の一つである。

当記事では公式・暫定を含め国際地質科学連合(IUGS)および国際層序委員会(ICS)の資料に基づき記述する。

年代の定義

[編集]

時代区分の開始年代(基底年代)は、主にその区分に属する岩石や化石の放射年代測定によって統計誤差を伴った年代数値が割り出されているが、新生代の新第三紀以降の年代数値は、放射年代測定の結果と良く適合し、気候変動を説明出来る日射量の変動サイクル(ミランコビッチ・サイクル)による絶対年代である天文年代で定義されている。また地層・岩石や化石試料の乏しい原生代以前に関しては、端数の無い大まかな天文年代で定義されている[10]

地球環境の変遷

[編集]
顕生代後半の大陸の推移 左上より
ペルム紀末頃(2.25億年前) - 三畳紀末頃(2億年前) - ジュラ紀末頃(1.5億年前) - 白亜紀末頃(6500万年前) - 現在

地球誕生以来、多くの重大事象が起き、初期の地球環境はかなり極端であったと予想されている。45.5億年前のが出来る原因となったと思われる天体との衝突があり、地球の自転速度は月誕生直後では一日が5-8時間で、月は地球から1.5-2万キロ(現在は38万キロ)と近くにあり[11][12]、非常に大きな潮汐力であった。その後徐々に1日が長くなると同時に、月が離れていった[13]。(8.5億年前頃(新原生代)には一日は20.1時間で一年は435日であった[14]。) 41億年前から38億年前の間には後期重爆撃期と呼ばれる多くの天体衝突があり、初期の地球環境は何度も破壊された。以降も直径10㎞を超える小惑星を含めた隕石衝突があり環境を激変させた。

地球誕生直後はマグマで覆われていたが、比較的早期に冷えて固まり42億年前には既に海洋が形成されていた事が、発見された岩石情報から推定されている[15]。40億年前(太古代の初め)には地温勾配は現在の3倍程で、25億年前には2倍程になり[16]、地球が冷え地殻が形成され、マントルの対流により超大陸の形成分裂が繰り返され、火山活動・造山活動もそれに伴い引き起こされた。25億年前にはそれまでの海底での火成活動から、大規模な陸上での火山活動が起きた。

太陽の明るさは40億年前には現在の70-75%と冷たい太陽であったが[17]、温室効果ガスによると考えられ気温は現在とほぼ同じであった[18]地磁気は32億年前には現在の50%ぐらいで初期の地球大気を太陽風から守っていた[19]。地磁気の逆転は何度も起きている。幾度もの氷河時代が訪れており特に強い氷河時代には赤道付近まで凍結する雪玉地球の状態であったと推定されている。これらの気候変動により数百メートルの幅で海水準変動が起きた。

酸素濃度の推移。
地質時代のほぼ中間で大酸化イベントと呼ばれる大量の酸素放出が起き、それまでの還元環境から酸化環境となり、好気性生物の出現、その後の生物の陸上進出を可能にした。

また地学的事象との複合作用であるが、生物起源の地球環境の変化も起きており、その最たるものが24.5-18.5億年前の大酸化イベントと呼ばれる遊離酸素の大量供給である。推定では現在の大気中の酸素の約10倍の酸素がこの期間に供給され[20](数倍から20倍とも[21])、様々な酸化物を生成すると同時に大気中の酸素濃度がゼロから現在の10%[22](1%とも[23])以上になった。8-3億年前にも大気中酸素濃度の急上昇が起きており石炭紀末には最大で現在の1.7倍になったと考えられている[22]。 約4億8830万 - 4億4000万年前頃にオゾン層が形成され生物の陸上進出が可能となる。

生物界の変遷

[編集]
生物の系統樹
冥王代には原始生命体が出現した。太古代に現生生物の共通祖先が出現した。共通祖先から3ドメインである真性細菌、古細菌、真核生物へと分岐した。

生物相はその生育環境である前述の地球環境に大きく依存している。地球誕生数億年後の冥王代末期に有機化合物(生命前駆物質)の化学進化により原始生命体誕生。太古代に地球生物の共通祖先から真性細菌古細菌へ分岐、そして原核生物が誕生した。地質時代の前半分は遊離酸素の無い還元環境における嫌気性生物の時代であった。その後起きた大酸化イベントでは多くの嫌気性生物は絶滅し、酸化環境下での好気性生物の時代となった。

原生代には初期の大酸化イベントを境に真核生物の時代となり有性生殖が始まり、多細胞生物が誕生した。古生代の初期にはカンブリア爆発で海洋生物で堅い外骨格をまとった無脊椎動物が出現した。動物界では、カンブリア紀オルドビス紀無脊椎動物時代、シルル紀には昆虫の陸上進出があり、デボン紀脊椎動物である魚類時代、石炭紀ペルム紀両生類時代、中生代三畳紀ジュラ紀白亜紀爬虫類時代、新生代哺乳類時代に区分されている。一方植物界では古生代のカンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀の藻類菌類時代(シルル紀に植物が陸上侵出した)、デボン紀、石炭紀、ペルム紀中頃までのシダ植物時代、ペルム紀中頃からジュラ紀、白亜紀中頃までの裸子植物時代、以降現在までが被子植物時代と区分されている[24]

地質時代の区分

[編集]

時代区分の詳細は

国際層序委員会による地質系統・地質年代表 (International Stratigraphic Chart) 2015年1月版(以降 ICS2015 と略)[25]に準拠して、地質時代の区分を概説する。時代区分名に関してはICS2018/07に基づく[26]

すべての階層の基底年代について、GSSPによって定義する作業が継続されている。2013年1月にICSが発行したISC2013では基底年代が大幅に書き換わり、2015年、2016年と改訂が続いている。また、おおよその数値を意味する波線(~)は継続して使用されている。その後も改訂作業は続いており、ICSからは随時改訂版が発表されている状況である。地質時代区分表 (詳細)も同様にISC2013年版の内容に準拠した上で、その後の改訂の内容を反映させるべく記事の更新作業が続いている。なお、地質時代区分の日本語名称に関しては、詳細表も含め、2015年4月に改訂された日本地質学会のガイドライン[27]による[注釈 4]

時代区分の配色は国際地質科学連合公認の世界地質図委員会発行のGeologic Time Scale 2008 で用いられている色[30][リンク切れ][31][32]に拠った[注釈 5]

またこの節の表では、開始年代の値について誤差は記入せず中央値のみを記載している。

地質時代の区分(概略)
開始年代
(年前)
累代 [注釈 6] 概要
1万1700年 顕生代 新生代 第四紀 完新世 人類の時代。更新世末に、大型哺乳類大規模な絶滅氷期間氷期の繰り返し。大規模な氷河日本海が拡がり、弓状の日本列島となる[33]
258万年 更新世
533万3000年 新第三紀 鮮新世 パナマ地峡形成、ヒマラヤ山脈上昇、寒冷化、氷床発達。ヒトの祖先誕生。
2303万年 中新世 生物相はより現代に近づく。アフリカがユーラシア大陸と繋がったことで両大陸間の拡散。インド大陸衝突。孤立している南アメリカとオーストラリアは、異なった動物相。日本海となる地溝帯が細長い海となり島(古日本列島)が誕生。
3390万年 古第三紀 漸新世 気候変動による大規模な海退哺乳類の進化・大型化。日本列島に当たる部分は大陸の一部、後に日本海となる地溝帯が拡大。
5600万年 始新世 現存哺乳類のほとんどの目(もく)が出現。
6600万年 暁新世 アフリカ、南アメリカ、南極大陸は分離。ヨーロッパと北アメリカはまだ陸続き。インドは巨大な島。絶滅した恐竜の後の哺乳類、魚類の放散進化。植物は、白亜紀に引き続き被子植物が栄え、この時代にほぼ現代的な様相
1億4500万年 中生代 白亜紀 ジュラ紀から白亜紀の境目に大きな絶滅などはなく、白亜紀も長期にわたり温暖で湿潤な気候が続いた。恐竜の繁栄と絶滅。哺乳類の進化、真鳥類の出現。後期にかけて各大陸が完全に分かれ配置は異なるが現在の諸大陸の形になる。末期に小惑星の衝突が原因と推定されるK-T境界の大量絶滅。
2億130万年 ジュラ紀 パンゲア大陸ローラシア大陸ゴンドワナ大陸へ分かれ始め、後期にはゴンドワナ大陸も分裂を開始。絶滅を生き残った恐竜が栄えた。被子植物の出現。有袋類始祖鳥出現。ジュラ紀は現在より高温多湿で、動物・植物はともに種類が増え、大型化していった。
2億5217万年 三畳紀 パンゲア超大陸、平原化、砂漠化。気温上昇、低酸素化。恐竜の出現。紀末に76%が大量絶滅。
2億9890万年 古生代 ペルム紀 ユーラメリカ大陸とゴンドワナ大陸が衝突し、さらにはシベリア大陸も衝突しパンゲア大陸へ。単弓類の出現。紀末に95%以上の生物種が絶滅。シベリア洪水玄武岩が原因か。P-T境界
3億5890万年 石炭紀 ゴンドワナ大陸、ローレンシア大陸、バルチック大陸、ユーラメリカ大陸。シダ植物の繁栄、昆虫の繁栄、爬虫類の出現。
4億1920万年 デボン紀 両生類の出現、シダ植物種子植物の出現。紀末に海洋生物種の82%が絶滅した。
4億4340万年 シルル紀 昆虫類や最古の陸上植物が出現
4億8540万年 オルドビス紀 オウムガイの全盛期で三葉虫のような節足動物筆石のような半索動物が栄えた。甲冑魚のような魚類が登場。紀末に85%の種の大量絶滅。オゾン層形成。
5億4100万年 カンブリア紀 海洋が地球上のほぼ全てを覆い尽くす、動物門のほとんどすべてが出現したと考えられている。「カンブリア爆発」と呼ばれる急激な生物多様化。
6億3500万年 原生代 新原生代 エディアカラン 多細胞生物の出現。エディアカラ生物群 紀末に大量絶滅。6億年前に雪球地球
8億5000万年 クライオジェニアン 7億年前に雪球地球
10億年 トニアン ロディニア超大陸の分裂開始。
12億年 中原生代 ステニアン ロディニア超大陸の形成。大陸棚の拡大。シアノバクテリアの最盛期、酸素分圧(酸素濃度)が現在の10%以上まで上昇。真核生物の出現。代末に有性生殖発現。
14億年 エクタシアン
16億年 カリミアン
18億年 古原生代 スタテリアン 大陸がはじめて安定した(クラトン化)。最初の超大陸(ヌーナ大陸)出現か? 光合成により遊離酸素を放出する微生物シアノバクテリアの繁栄。大酸化イベント英語版による縞状鉄鉱層の形成。大部分の嫌気性微生物の消滅。ヒューロニアン氷期、22-23億年前に雪玉地球。全大陸にわたる造山活動。2回の最大級の小惑星衝突
20億5千万年 オロシリアン
23億年 リィアキアン
25億年 シデリアン
28億年 太古代(始生代) 新太古代(新始生代) 初期に全生物の共通祖先が現れ、細菌の祖先と古細菌の祖先が誕生したと推定されている。藍藻(シアノバクテリア)の出現。始生代の微生物の化石(微化石)がいくつか見つかっている。
32億年 中太古代(中始生代)
36億年 古太古代(古始生代)
40億年 原太古代(原始生代)
46億年 冥王代 地球誕生、月の形成(ジャイアント・インパクト説)、隕石の後期重爆撃期。地殻と原始海洋ができ、有機化合物(生命前駆物質)の化学進化の結果、原始生命体が誕生したと考えられている。40億年前の岩石や44億年前の結晶が見つかっている。

地質時代のタイムスケール

[編集]

地学では、ヒューマンスケール(人間的尺度)とは大きく異なった地質時代の長さ(時間)を直感的に理解するために、地質時代を1年や1日の帯グラフ(左図)やパイチャート(右図)に割り当てて表示する手法がしばしば採用される。

以下に、46億年を1年に見立てた帯グラフ(左図)を解説する。46億年を365日で割ると、1日は1260万年、1時間は52万5千年、1分は8752年、1秒は146年に相当する。人生70年は0.5秒弱である。対して宇宙の年齢は3年に相当する。

Earth Calendar 1
Earth Calendar 1
先カンブリア時代(322日)

元日に地球が誕生し、1月5日に月が分離。2月17日にかけて、原始海で化学反応により生命の素が出現する。以降6月初旬にかけて細菌や古細菌が誕生し、藍藻が出現。6月から11月中旬にかけては、藍藻が繁栄して酸素濃度が急上昇し、同時に大陸が形成される。11月19日以降が顕生代で、質と量においてある程度の化石情報があり、いわゆる“見える”時代である。

Earth Calendar 2
Earth Calendar 2
顕生代(約43日)

生物多様化(カンブリア爆発)が起こり、11月26日には生物が陸上へ進出。12月15日から26日にかけて恐竜の時代、続いて哺乳類の時代。

Earth Calendar 3
Earth Calendar 3
新生代(約5日)
鳥類・哺乳類が繁栄する。12月27日ごろから霊長類サル目)の適応分散(進化)が始まる。29日ごろヒト上科オナガザル上科に分岐、31日の午前6時ごろヒト族ゴリラ族へ分岐、正午ごろヒト亜族チンパンジー亜族に分岐。
Earth Calendar 4
Earth Calendar 4
第四紀(約5時間)
大晦日の夜7時にヒト属(Homoと呼ばれる人類の祖先)が現れ原人-旧人-新人と適応分散した。20時半ごろにジャワ原人、23時42分ごろミトコンドリア・イブ、午前零時3分前にネアンデルタール人が絶滅。ギザのピラミッドが作られたのが23時59分30秒ごろで、西暦2000年は最後の13.7秒に相当する。

地質時代区分の改定履歴

[編集]

近世に鉱物資源探査に伴い地質学が発展し、同時に新旧の地層を研究する層序学の研究が進んできた。これらの研究は継続されており、地層区分や開始年代の見直しも随時行われている。18世紀には化石の出る地層(顕生代)と出ない地層(先カンブリア時代)、そして化石の出ない無生物の地層を「第一紀」、現生生物とは異なった化石の「第二紀」、現生生物とほぼ同じ生物化石の出る地層「第三紀」と大きく区分されていたが、その後の調査研究の進捗に伴い細かく区分され再定義され続けている。付け加えて国際定義の日本語化に関しては定義の変遷も見られる。Wikipedia内の多岐にわたる地質時代関連記事の更新も随時行われているが、新旧の記述が混在しているのが現状である[注釈 7]

新生代の定義に関する議論
第三紀は非公式

1989年に国際地質科学連合(IUGS)は新生代Paleogene古第三紀), Neogene新第三紀), Quaternary(第四紀)の3つの紀からなるものとし、Tertiary(第三紀)の語を正式な用語から外した[34]。2008年には、第三紀が正式に非公式用語となった[35]

第四紀の開始年代

2010年には、人類の時代と定義されている第四紀は、それ以前の時代区分であった新第三紀・鮮新世・ジェラシアン(ジェーラ期)が組み込まれ開始年代が180万年前から約260万年前へと大幅に遡った[36]

開始年代の改定

2014年から2016年にかけては年代値の多くに修正がなされてきている[37]

完新世の細分化と太古代を公認

2018年7月には第四紀・完新世の細分化やカンブリア紀の統/世で番号で呼ばれていたものの一部が命名された。また「Archean」の時代区分を、未使用となっている「Archeozoic」由来の「始生代」としていたが「 太古代」へ変更し「太古代(始生代)」と表記することに決定されている[37]

複雑な日本語表記[38]

この他新生代の古第三紀および新第三紀の名称の変更や、同じく新生代の各期の名称についても議論が継続されている。

JISにおける地質年代の日本語表記の基本方針、引用[39]

 JISに定める地質年代の日本語表記の基本方針は、International Chronostratigraphic Chartにある地質年代単元名の英語読み(英語での一般的な発音)をそのままカタカナ表記にし,末尾に年代単元あるいは層序単元を示す世/統,期/階を添える。たとえばBashkirianの場合,年代を示す場合はバシキーリアン期,対応する層序単元を示す場合はバシキーリアン階となる。

また各紀・世・期の名称の邦訳も地名の名詞化/形容詞化?~~アンとし、それに時代区分を付記する方針になったが、慣例から旧称(地名+紀)のまま残されているものもある。カンブリア紀、ペルム紀、ジュラ紀などは、方針に従えばカンブリアン紀、ペルミアン紀、ジュラシック紀等となるべきものである。

ウィキペディア日本語版における単語使用記事数を検索すると(2018年10月)エディアカラン 23件、エディアカラ 82件となっている。

また地名の中には中国の地名がいくつかあるが、日本地質学会の日本語表記の基本方針はInternational Chronostratigraphic Chartにある地質年代の英語綴りの発音[注釈 8]をカタカナ表記する事になっているので漢字で表記されることはない。

改定の詳細については日本地質学会の「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン_改訂履歴」[37]を参照。

国際年代層序表の改訂履歴

[編集]

公式の国際年代層序表(略称: ICSチャート)は、国際層序委員会から発行される。日本地質学会ではそれを基に時代区分名・注意書きなどを和訳し発表している。日本地質学会による和訳発表には時間を要しており、国際層序委員会による最新バージョンとは異なっている場合もある。以下に国際層序委員会に情報を記する。 国際層序委員会(International Commission on Stratigraphy、略称: ICS )では、2008年以降の各チャートおよび2012年以降の改訂履歴をまとめている。

これまでの国際年代層序表[40]

掲載バージョン[注釈 9]: 2008, 2009, 2010, 2012, 2013/01, 2014/02, 2014/10, 2015/01, 2016/04, 2016/10, 2017/02, 2018/07. 2018年10月時点では国際層序委員会による最新バージョンは2018/08であるが日本地質学会の最新の和訳チャートは 2018/07で最新の変更が反映されていない。

国際層序委員会による「ICS chart 2012 August」以降の改訂履歴のまとめ[41]

以下の変更件数は2018年10月17日時点で。ICSチャートは2012年以降年1-3回発行されている(年平均2回発行)。発行履歴は以下:

    • version 2012: 2012年8月のブリスベンで開催された第34回万国地質学会議(IGC)にて配布。
    • ICS chart v.2013/01
    • ICS chart v.2013/Episodes
    • ICS chart v.2014/02
    • ICS chart v.2014/10
    • ICS chart v.2015/01
    • ICS chart v.2016/04: 第35回万国地質学会議(ケープタウン)にて配布。
    • ICS chart v.2016/10
    • ICS chart v.2016/12
    • ICS chart v.2017/02
    • ICS chart v.2018/07: 日本地質学会の和訳の最新の版(2018年10月17日時点)
    • ICS chart v.2018/08
  • 追加GSSP(Global Boundary Stratotype Section and Point, 国際標準模式層断面及び地点): 11件
  • GSSA(Global Standard Stratigraphic Age, 国際標準層序年代)変更および削除: 2件
  • 基底年代の変更: 26件
  • その他のチャートの記述変更履歴

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 地質学のスケールで
  2. ^ アメリカ地質調査所(USGS)作成のこの図は一般向け広報資料で、地質時代区分と基底年代は最新の情報ではない。更新依頼がUSGSに出されてはいる。英版のノートより。
  3. ^ 発表当時は残留磁場の異常は落雷によるものと見なされており、松山の発表は全く注目されなかった。松山の没後、海洋底の磁場測定結果から地磁気逆転が頻発していたことが判明し、海洋底拡大 - 大陸移動説 - プレートテクトニクスへと繋がる。松山が発見した磁気逆転期は松山‐ブリュンヌ逆転と名付けられた。
  4. ^ 地質年代の日本語名称については、JIS A 0204:2012「地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示」により、表記法が定められている[28][29]。それによると、地質時代の名称は、同規格の表7に示された名称を用いるが、表7に示されていない世及び期については、対応する英文名の読みをそのままカタカナで書き下ろし、その後ろに時代の単位を添えて表示する、としている。
  5. ^ 英語の記事では公式の色では読みづらいからと少数の議論参加者の多数決の結果独自の色の使用が始まっている。日本語版では整合性を保つため、公式の色を採用する。よって英語版の地質時代関連の記事の邦訳掲載に際しては、色使用がある場合は日本語版で使用のものと同一か確認が必要である。なお英語版による色記述がRGBコードやウェッブカラーの直書きでは無くTemplate:Period_colorによるものであれば、色コードを日本語版のマスターデータから引いてくるので統一性は保たれる。
  6. ^ 白亜紀以前は省略
  7. ^ 例えば「第三紀」の再定義による呼称の廃止は20世紀末期から議論され、2008年頃に正式に公式用語から除外されたが、10年後の2018年でも「第三紀(Tertiary)」の表記は主に図表を中心に残っている。また2018年7月にはArcheanの和名をArcheozoic由来の「始世代」から「太古代」に改訂されたが、教科書・専門書などを含めた書籍情報の更新には時間を要する。図表などへテキストが画像として書き込まれている場合は「検索・置換」では処理出来ないため、それらの図表の作り直しが必要となる。
  8. ^ 現地語と英語で綴りや発音が異なっていても英語の発音をとる。
  9. ^ 後述の13年以降の改訂履歴に記録のあるバージョンの中には記載されていないバージョンもある。

出典

[編集]
  1. ^ 歴史時代』 - コトバンク
  2. ^ 地質時代』 - コトバンク
  3. ^ 歴史』 - コトバンク
  4. ^ 先史時代』 - コトバンク
  5. ^ 地質年代』 - コトバンク
  6. ^ 地質時代区分と絶対年代”. 滋賀県立琵琶湖博物館. 2013年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  7. ^ 鹿児島県地学会 「地質時代」 閲覧2012-4-7
  8. ^ a b Dino Club 「自然の認識と産業革命」
  9. ^ 掛川武「太古代海洋における硫酸還元菌の活動と生息環境」(PDF)『地学雑誌』第112巻第2号、2003年、218-225頁、2012年10月18日閲覧 
  10. ^ 兼岡一郎 (2011) 「地質年代表における年代数値」日本地質学会、閲覧2012-5-31
  11. ^ 知泉Wiki 「だんだんと遅くなる地球」 閲覧2012-10-26、仮リンク-参考情報
  12. ^ 国立天文台 「Q&A 昔の月は近かった」 閲覧2012-10-26、仮リンク-参考情報
  13. ^ 国立天文台 「Q&A 月がなぜ離れていく」
  14. ^ 葛生化石館 「最古の化石 ストロマトライト」 閲覧2012-10-26
  15. ^ 大阪市立自然史博物館 「地球と生命の誕生」
  16. ^ Stanley, Steven M. (1999). Earth System History. New York: W.H. Freeman and Company. pp. 297–301. ISBN 0-7167-2882-6
  17. ^ ネイチャー Nature Japan 「気候: 冷たい太陽」閲覧2012-6-21
  18. ^ Nature Japan 「始生代初期の微生物によるメタン生成に対する流体包有物からの証拠」閲覧2012-6-21
  19. ^ Nature Asia 「ケイ酸塩単結晶に記録された32億年前の地球磁場強度」閲覧2012-6-21
  20. ^ 惑星科学研究センター「大気の進化と酸素」 (PDF) 閲覧2012-6-21
  21. ^ 東京大学大学院・新領域創成科学研究科・杉田研究室「全球凍結(スノーボールアース)と酸素大気の形成」閲覧2012-6-21
  22. ^ a b Heinrich D Holland王立協会 The oxygenation of the atmosphere and oceans (PDF) 閲覧2012-6-21
  23. ^ 東京大学大学院新領域創成科学研究科「酸素は地球にいつどのように登場したのか -酸素大気形成のタイミングとメカニズムを解明-」閲覧2012-6-21
  24. ^ 岩手県立総合教育センター 「地質時代」 閲覧2012-4-7
  25. ^ 国際層序委員会 (ICS) International Stratigraphic Chart (PDF) 閲覧2015-05-25
  26. ^ 日本地質学会 「International Chronostratigraphic Chart (国際年代層序表) v2018/07」
  27. ^ 日本地質学会 「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2015年4月改訂版」 閲覧2015-10-29
  28. ^ JIS A 0204:2012「地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示」日本産業標準調査会経済産業省
  29. ^ 日本地質学会 「JISに定められた地質年代の日本語表記」閲覧2014-12-30
  30. ^ 世界地質図委員会 (CGMW) Geologic Time Scale 2008 閲覧2012-5-27
  31. ^ パデュー大学 Engineering Standard Color Codes for the Geological Time Scale
  32. ^ 鹿野和彦、星住英夫、巖谷敏光、酒井彰、山元孝広、牧本博、久保和也、柳沢幸夫 ほか「地質図に用いる用語,記号,模様,色及び凡例の表示に関する基準とその解説」(PDF)『地質調査所月報』第51巻第12号、地質調査総合センター、2000年、657-678頁、2012年6月3日閲覧 
  33. ^ 琵琶湖博物館「日本列島の成立」 閲覧2012-4-21
  34. ^ 化石のこばなし 生物の大量絶滅—P/T境界とK/Pg境界”. 第42回特別展大化石展. 大阪市立自然史博物館 (2011年). 2017年5月24日閲覧。
  35. ^ kotobank - 小学館・日本大百科全書(ニッポニカ) 「第三紀」
  36. ^ 日本地質学会 「第四紀下限変更に伴う諸問題検討に関する報告」
  37. ^ a b c 日本地質学会 「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン_改訂履歴」
  38. ^ 日本地質学会 JISに定められた地質年代の日本語表記
  39. ^ 日本地質学会 「JISに定められた地質年代の日本語表記」
  40. ^ International Commission on Stratigraphy 国際層序委員会 Chart
  41. ^ International Commission on Stratigraphy Change Log

参考文献

[編集]
  • 国立天文台 編『理科年表 平成20年』丸善、2007年。ISBN 978-4-621-07902-7https://web.archive.org/web/20060703125140/http://www.rikanenpyo.jp/ 
  • J. G. オッグ、G. M. オッグ・F. M. グラッドシュタイン 著、鈴木寿志 訳『要説 地質時代』京都大学学術出版会、2012年(原著2008年)。ISBN 978-4-87698-599-9 :J.G. Ogg; Gabi Ogg, F.M. Gradstein (2008) の訳書。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
  • 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. きまぐれ生物学. 2011年2月15日閲覧。