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「ペンテコステ派」の版間の差分

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{{参照方法|date=2009年5月}}
'''ペンテコステ派'''とは、[[キリスト教]][[プロテスタント]]の内、礼拝中などに「[[聖霊のバプテスマ]]」と称して[[異言]](いげん)と呼ばれる意味不明の奇声を上げたり、[[預言]](神のお告げを語ること)などに重点を置く諸派である。また、[[悪霊追い出し]]や、病気を治す等の[[奇跡]]を重んじている。
{{キリスト教}}
'''ペンテコステ派'''(ペンテコステは)は、[[キリスト教]]の[[プロテスタント]]教会のうち、[[メソジスト]]、[[ホーリネス教会]]のなかから1900年頃にアメリカで始まった聖霊運動、つまりペンテコステ運動(Pentecostalism)からうまれた教団、[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]の総称ないし俗称。この教派、教団に属する教会を'''ペンテコステ教会'''という。[[大韓民国|韓国]]の牧師・[[趙鏞基]](チョー・ヨンギ)の[[純福音派]]もこの流れに属する。
<!--
その運動は、1世紀の使徒時代を起源とする。主に、[[新約聖書]]・[[使徒行伝]](あるいは使徒の働き)2章に語られている教会の誕生がユダヤ人のペンテコステの祭([[五旬節]])の最中であったところを起源とする。このときに、聖霊の満たしの体験がこのペンテコステの祭の最中であったため、これを[[ペンテコステ]]の体験と称することがある。この日に3120人がペンテコステの体験をし、キリスト教会の素となったと考えられている。-->
== ペンテコステ運動の歴史とペンテコステ教会の成立 ==
[[ファイル:William J. Seymour.jpeg|left|150px|thumb|ウィリアム・シーモア]]
[[ファイル:Charlesparham.gif|150px|thumb|チャールズ・F・バーハム]]


原始キリスト教を中心としたペンテコステ派と同等の教義を教え実行していた教派は、聖書の時代から世界中の様々なところに存在してきた。
あまりにも狂信的なため、プロテスタントの[[福音派]]や社会派などにはペンテコステ派を[[異端]]視する者が多い。
<!-- ベンジャミン・アーウィンがバプテスト教会から、ホーリネス教会に移った後、J.フレッチャーの書物によって、聖霊の火による第三の御業を主張するようになった。この第三の御業には、叫び、すすり、泣き、[[異言]]、エクスタシーが伴うのが特徴。アーウィンの運動はアメリカ中西部、南部に広がって行った。
[[1859年]]にペンテコステ教会の最初の教会、Fire Baptized Holiness Churchが誕生した。-->


近代ペンテコステ運動は、[[1901年]]に[[カンザス州]][[トピカ (カンザス州)|トピカ]]のベテル聖書学院で行われた年末年始の祈祷会で、指導者である[[チャールズ・パーハム|チャールズ・F・バーハム]]をはじめ神学生のほとんどがいわゆる「[[聖霊のバプテスマ]]」を体験し、[[異言]]で神をほめたたえたことが契機となった。バーハムは、テキサス州の[[ヒューストン]]に聖書学校を移転して、その学生でもあった牧師の[[ウィリアム・シーモア]]が[[1906年]]、アメリカの[[ロサンゼルス]]のアズサ通りで集会を行ったところ、集会中に聴衆である信徒のなかに「聖霊のバプテスマ」を受け、[[エクスタシー]]状態に陥り、異言を語る現象が起こった。このことがロサンゼルスの新聞に掲載されて、全米に広まった。<ref>共立基督研究所編『宣教ハンドブック』p.242</ref>
[[カトリック]]内にも、ペンテコステ派に似た活動をするグループが存在する。
このようなペンテコステ運動のいわゆる[[リバイバル]]集会は、3年にわたってロサンゼルスのアズサ通りにある伝道館、メソジスト教会などの教会堂を借りながら続けられ、その間にアメリカ各地のみならず隣国の[[カナダ]]や海を越えたイギリスなどからも集会へ集う参加者がいた。そのような参加者があかしすることによって世界中に広められた。そして、1914年に[[アッセンブリーズ・オブ・ゴッド]]教団が生まれたのを皮切りに、[[フォースクエア福音教会]]、[[ユナイテッド・ペンテコステ教会]]などの各教団が発足し運動が組織化され始めた。


ホーリネス教会の[[四重の福音]](しじゅうのふくいん)「[[新生 (キリスト教)|新生]]・[[聖化 (プロテスタント)|聖化]]・[[神癒]]・[[再臨]]」を修正して継承している。ホーリネスの「聖化」(きよめ)に相当するものは「聖霊の満たし」と表現し、聖霊に満たされた結果、宣教を進める力が与えられ、新約聖書([[使徒言行録]]、[[コリントの信徒への手紙一]])にある[[異言]]をともなう祈りをする、という信仰を持つ。
== 聖書中の異言 ==
[[イエス・キリスト]]が復活、昇天した後、弟子たちが[[聖霊]]に満たされて他国の言葉で話しだしたことが聖書には書かれている。([[使徒の働き]]2章)


この異言を[[ペンテコステ]]の出来事において[[使徒]]らに発現した[[聖霊]]の賜物(=[[カリスマ]])と同じものであるとする主張から、自らをペンテコステ派、その宣教運動を[[ペンテコステ運動]]と呼ぶようになった。
== 狭い門から入りなさい ==
[[マタイの福音書]]7章13節~23節を見ると、イエスは、預言や悪霊追い出しや奇跡を行って大勢の信者を集めるのは不法行為であり、そのようなことをする者は自分とは無関係だということを述べている。


神学者でありペンテコステ・カリスマ派の歴史学者である[[Vincent Synan]]博士はペンテコステ派を[[古典ペンテコステ]]Classical, [[ホーリネス系ペンテコステ]]Holiness, [[ワンネス]]Onenessの3種に区別しており、日本には3種全てが存在する。
== にせ預言 ==
預言で語られた言葉が、[[聖書]]の教えに反する内容ならば、それは聖霊によるものではない。二人の信徒の口から発せられた預言の内容が食い違う場合は、片方または両方がにせ預言である。


[[ファイル:Protestantbranches ja.svg|thumb|center|650px|[[プロテスタント]]諸教派([[聖公会]]、[[アナバプテスト]]を含む)の系統概略]]
悪霊によるにせの預言や、自作自演のにせ預言もあり得る。預言の全てが聖霊の作用による真の預言とは限らないのである。


== 異言 ==
ペンテコステ派の教会では、信徒や求道者などが異言を言うと聖霊のバプテスマを受けたと見なす。


== 教理 ==
だが、ある人は、誘われて行ったペンテコステ教会で「異言を言え」と言われ、仕方なく出鱈目に発声したところ褒められたという。このように異言を言う振りをすることも可能であり、周囲に合わせて、あるいは褒められたくて、または[[牧師]]に怒られたくなくて、出鱈目に発声したり、知っている外国語で何か言うなどして、異言を言っている振りをしている者も少なくないはずである。
[[ファイル:Laying on of hands.jpg|thumb|right|200px|ペンテコステ派の集会]]
{{main|ペンテコステ神学}}
=== 異言 ===
特色は聖霊の[[バプテスマ]]とそれに伴うしるしとしての[[異言]]を強調することである。
異言を伴う聖霊のバステスマ(マルコ福音書16章15~20節/使徒行伝2章1節~21節/ヨエル書2章28~32章/マタイ3章11節/などを参照)をキリストの教会に復興した「信仰復興(リバイバル)運動」であり、現在進行形の流れである。「[[後の雨運動|後の雨リバイバル]]」との評価(日本では[[奥山実]]その他によって評価されている)もある。


聖霊の(=聖霊による)バプテスマによって与えられる[[聖霊の賜物]]も強調される。「聖霊の賜物」とは、異言・異言の解き明かし・預言・いやし・奇蹟・悪霊の追い出しなどを行う力のことである。聖霊の賜物が用いられることによって、神の栄光が現されるという信仰である。
狂信的なペンテコステ教会と関わっていると異言の[[悪霊]]に取り付かれることがある。後で述べるが、この異言の悪霊に取り付かれると、にせの異言をすらすら言えるようになる。


ペンテコステ派の[[レーマ聖書学校]]の創立者であり、[[ヒーリング運動]]にも関わったケネス・ヘーゲンは、「異言は、おもに、私たちの祈りの生活で、神をほめたたえて礼拝する際に用いるための、神との個人的な交わりに関わる賜物なのです」と述べ、「公の場での異言の奉仕において用いられる」のは「少数の信者だけ」であると語っている<ref>『聖霊の九つの賜物』p.120 ケネス・E・ヘーゲン エターナル・ライフ・ミニストリーズ</ref>。
== 病気の治癒 ==
ペンテコステ系の集会ではよく見られる光景だが、大勢の人が見ている前で、牧師が病人のために祈ると、その病人は「治った」と宣言する。その結果「あの牧師に祈ってもらうと病気が治る」と評判になり、人が集まり、[[献金]]も集まることになる。


=== 神癒 ===
しかし、本当に病気が治ったとは限らない。病気が治っていないのに「治った」と宣言しているだけかも知れない。このようなときペンテコステ派の牧師は、病気が治っていなくても「治った」と宣言することを強要する傾向があるのだ。
{{main|神癒}}
聖書にはイエス・キリストが死人を生き返らせ、病をいやした記事がある。マタイ9章35節から[[福音宣教]]、ヤコブ5章14節の病人に油をぬって祈るようにとの聖句から、罪の赦しと病のいやしが結び付けられている。<ref>『ペンテコステ神学』p.188-191</ref>


== ペンテコステ派と音楽 ==
信者を集めるために、病気ではない人に病人の振りをさせておいて、祈った直後に元気に動き回らせ、奇跡が起こったように見せかける悪質な牧師もいると思われる。
現代の[[キリスト教]][[音楽]]はペンテコステ派の多大なる影響をうけている。多くのワーシップソング([[賛美歌]])や[[ゴスペル (音楽)|ゴスペル]]ソングはペンテコステ派の音楽家によって書かれている。また、世界を代表するワーシップリーダーの多くは、ペンテコステ派である。[[ヒルソング教会]]、ビンヤード、チャーチ・オン・ザ・ウェイ等のペンテコステ派の諸教会は、世界中で歌われている現代の[[賛美歌]]を多く書いている。日本でもこの傾向は同じで、ワーシップリーダー・[[小坂忠]]はペンテコステ派・フォースクエアゴスペル教団の牧師である。


== ペンテコステ派と教会成長 ==
また、牧師が大勢の見ている前で、車椅子に座った人のために祈ると、その人が立ち上がる場合がある。奇跡のように見えるが、健康な人を車椅子に座らせて連れてきたのかも知れない。立つことの困難な人を無理矢理立たせることも可能である。
[[ファイル:Hillsong01.JPG|250px|thumb|オーストラリアにあるペンテコステ派のメガ・チャーチ、ヒルソン教会に集まった信者]]
世界の多くの[[メガ・チャーチ]](会員2,000人以上の教会)はペンテコステ派あるいはその影響を多大に受けている教会である。世界最大の教会である[[ソウル特別市|ソウル]]・ヨイド純福音教会がその典型である。2006年に、[[共同通信社]]は、世界で最も成長しているキリスト教派はペンテコステ派だと発表している。


== キャサリン・クールマン ==
== 異言に関する諸派の見解 ==
ペンテコステ教会の成長の最大の功労者は、[[キャサリン・クールマン]]女史(1907-1976)である。高校中退という低学歴ながら、病人に神癒を施し、一億人の信徒を集めたことで知られる。
;「異言は全て聖霊のバプテスマ」と見なす
:ペンテコステ派の中で、かなり狂信的な者たちの見解である。福音派の中でもペンテコステ派を容認する者の中には、これに近い考え方の者がいる。


== 超教派の交わり ==
;「悪霊による異言や自作自演の異言もあるが、聖霊による本物の異言もある」と見なす
{{main|聖霊派|福音派}}
:普通の福音派はこのような立場である。ペンテコステ派の中にも悪霊による異言があることを認める者がいる。
[[日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団]]は[[福音派]]の[[日本福音同盟]](JEA)に加盟しており、[[超教派]]での交わりがある。
:福音派で、ペンテコステ派を容認する傾向の強い者は「殆どが聖霊による異言で、悪霊による異言や自作自演の異言はわずかである」と見なすが、ペンテコステ派を異端と見なす傾向の強い者は「聖霊による本物の異言はわずかで、殆どが悪霊による異言や自作自演の異言である」と考える。


1960年代にアメリカで始まった[[カリスマ運動]]や1980年代に起こった[[聖霊の第三の波]]に属する教団、運動、信徒等の集団を含めて、[[聖霊派]]と総括的に呼称される場合がある。
;「異言は悪霊によるものと自作自演だけである」と見なす
:福音派の中でペンテコステ派を毛嫌いしている者はこのように考える。


カリスマ運動が[[米国聖公会]]からはじまり、[[エキュメニズム|エキュメニカル派]]の[[メインライン・プロテスタント]]、[[ローマ・カトリック教会]]に広がっているのに対し、ペンテコステ派はウェスレアン系からはじまって独立した教派を構成しているのが異なる<ref>『リバイバルの源流を辿る』p.164-175</ref>。また、他の聖霊派からはカリスマ派は[[自由主義神学|リベラル派]]として否定的にみられることがある<ref>『[[ハーザー]]』2002年10月号</ref>。
;「異言は全て自作自演」と見なす
:社会派の中でペンテコステ的になっている一部のグループを除けば、社会派は、普通このような立場である。


== 日本におけるペンテコステ教会の歴史と現状 ==
;補足
=== 日本での宣教の歴史 ===
:諸派の見解は明確に分類できるものではないが、おおよそ上のようになると思われる。
アズサ街の働きはペンテコステ派の世界宣教のルーツとなり、多くの宣教師を世界中に送る結果となった。その中には日本のペンテコステ派の初期の宣教師達も含まれている。当時、アズサ街のあたりには3万人近くの日本人移民が居り、アズサ街で聖霊体験をした日本人達がいるといわれている。現在、アズサ街周辺は日本人町[[リトル・トーキョー]]として残されており、日米文化会館がこの教会の跡地に存在する。
更に、日本ですでに他教派に所属していた宣教師達がアズサ街の働きの影響を受けてペンテコステ派に改心した場合もある。


遅くとも1910年代には数人のペンテコステ派の宣教師が日本で宣教活動を初めていた。はじめは[[ペンテコステ教会]]を名乗り、その後日本聖書教会と改め、日本基督教団成立の際には、他のグループと共に第十部に所属。戦後に離脱して[[日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団]]を設立した。
:社会派や福音派の中には、ペンテコステ関係者を精神異常者と見なす者も少なくない。


戦乱、戦中の迫害や日本基督教団への吸収等で、戦前の細かい情報が明らかになっていない。
:聖霊による本物の異言を言う教会があっても、そこの信徒たちが「異言は全て聖霊のバプテスマだ」と考えて、悪霊によるにせ異言を言う他のペンテコステ関係者たちと無警戒に交わっていたら、異言の悪霊に取り付かれるのは時間の問題である。
[[1939年]]から伝道が始められ教団を形成していた日本ペンテコステ教団も戦中は解散を余儀なくされていた。[[1950年]]に宣教師の再来日で、同じ名前で再建された。


==== クート宣教師のペンテコステ教会への影響 ====
== 悪霊の異言 ==
日本、特に関西にあるペンテコステ派教団、単立教会や小さな群れの多くは、直接的か間接的に[[宣教師]]の[[レオナルド・クート]]師の影響を受けている場合が多い。クート自身については色々と意見があるが、クートのペンテコステ派内での影響を無視することはできない。
キリスト教にはイエスの時代から行われている[[悪霊追い出し]]というものがある。悪霊追い出しの経験を積んだ牧師によると「[[異言]]」と名乗る悪霊を追い出すことが、しばしばあるという。異言の悪霊を追い出すと、悪霊追い出しの対象となっていた者は異言を言うことができなくなる。また、ペンテコステ教会と関わったことがある人に取り付いている悪霊たちを一つ一つ追い出していくと、その中には、たいてい「異言」と名乗る悪霊がおり、それも追い出すことになるという。このことから、ペンテコステ教会における異言の多くは聖霊によるものなどではなく、悪霊によるものであることがわかる。


クートの影響の理由は、クートが戦前から生駒聖書学院で長年にわたり多くの伝道者を訓練したことと、多くの(アッセンブリーズ教団とフォースクエア教団以外の)アメリカのペンテコステ派宣教師はクートを頼って来日したからである。又、アメリカでも、クートは1940年代にインタナショナル・バイブル・カレッジ(当時、国際[[ユナイテッド・ペンテコステ教団]]所属)を[[テキサス州]][[サンアントニオ]]に建てており、多くの卒業生を日本に宣教師として送りだしている。それらの伝道者・宣教師は日本でのペンテコステ派の働きの中核として新しい教会を開拓し次世代の伝道者を指導していった為である。それらの新しい世代(クートの孫弟子やひ孫弟子)の中には既存の教団に入り中心的な働きをしている者もいる。
ペンテコステ教会の信徒には、[[うつ病]]、[[統合失調症]]、[[アルコール依存]]などの[[精神病]]を患う者や、[[自殺]](未遂を含む)をする者が非常に多い。


クートの影響を直接あるいは間接的に受けた教団は、日本ペンテコステ教団、日本福音ペンテコステ教団、チャーチ・オブ・ゴッド教団、ネクストタウンズクルセード、トータルクリスチャンチャーチ、日本[[ユナイテッド・ペンテコステ教団]]等である。その他にも関西を中心に多くの単立教会や群れがなんらかの影響を受けている。
また、元々精神病を患っていた者がペンテコステ教会と関わると、一時的に良くなって、そのために深入りし、後にもっと悪くなる場合が多い。


=== 現在の日本におけるペンテコステ派 ===
一時的に良くなる場合があるのは、ペンテコステ教会でも悪霊追い出しをしており、それもある程度は効果があるからである。特に悪霊追い出しのようなことをしていない場合でも、賛美歌を唄ったり聖書の朗読をするだけでも、多少は悪霊を追い出したり、悪霊の活動を弱める効果がある。
日本において現在活動中の教派(教団、連盟等)は、大まかに


* クートの影響を直接あるいは間接的に受けた、日本ペンテコステ教団、日本福音ペンテコステ教団、ネクスト・タウンズクルセード、トータルクリスチャンチャーチ、日本ユナイテッド・ペンテコステ教団等、又それらの教団から単立になった教会
しかし、すぐに異言の悪霊に取り付かれることになる。しかも、ペンテコステ教会では狂信的なことばかりしているので、一旦、出て行った悪霊たちも仲間の悪霊たちをを引き連れて戻って来て、共に住み着くことになる。更に、狂信的なことを続けていれば次々に悪霊たちが取り付くことになる。それらの結果、前よりももっと悪くなるのである。
* 影響を受けていない北米の教団(アッセンブリーズオブゴッド教団やフォースクエア教団等)
* 北欧の宣教団体の教会
* 韓国の教会がたち上げた教会([[純福音派]]等)
* 台湾系の真イエス教会とその影響を受けた教団
* 外国の教会が単立の形で宣教師を送り建て上げた単立教会
* 既存の伝統的教団である[[日本基督教団]]や[[日本バプテスト連盟]]に所属しているが、教義がペンテコステ派である教会
* 日本人が海外で影響を受けて帰国してはじめた教団・教会
* 元々既存の伝統教団に所属していたがペンテコステ派に改心した教団・教会(これらの中にはカリスマ派や第3の波に所属する場合もある)
* その他様々な理由で日本人が形成した単立あるいは独立した小さな群れとして活動をしている教会・教団が存在する


(注:上記は全体的に把握しやすいように分類されているため大まかであり、重複する場合がある)
== カトリック系の異言 ==
カトリック内部にも異言を言うグループが存在する。ペンテコステ派(プロテスタント)から見たら「異言を言うカトリック教徒は聖霊のバプテスマを受けたのだから、[[偶像礼拝]]などの罪を犯さなくなるはずだ」と想像しがちである。また、カトリック系の異言を言うグループに属する者も、プロテスタントとの交流の場などでは、便宜的に偶像礼拝に否定的な態度をとる場合が多い。


これらの事実をふまえペンテコステ派の[[教役者]](主に[[牧師]]、牧師夫人、教会内献身者、神学生等)を中心とした緩やかな交流組織である「日本ペンテコステ親交会」が創設され[[カトリック教会]]に所属する[[聖職者]]等様々な教派からの参加者がも見られ超教派的な働きを行っている. 又、個々の教会は単立であるが、親交を中心とした単立ペンテコステ教会フェローシップという物も存在する。
だが実際には、異言を言わない普通のカトリック教徒以上に[[マリア崇拝]]や、[[聖人崇拝]]にのめり込んでいく傾向があり、マリヤ像の前で跪いて異言を言ったり、マリヤ像の前で手をあげて異言を言っているというのが実情である。


== 日本でペンテコステ派に属する教団、教派、集団、集会 ==
また、マリヤ像やマリヤ崇拝に使う小物などを作って販売を始める者までいる。
* [[日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団]]、([[アッセンブリーズ・オブ・ゴッド]]の日本の団体)
* [[日本フォースクエア福音教団]]、([[国際フォースクエア伝道教会]]の日本の団体)
* [[日本チャーチ・オブ・ゴッド教団]](Church of God in Christの日本の団体)/神の教会
* 日本[[ユナイテッド・ペンテコステ教会]]
* [[日本オープン・バイブル教団]]
* [[トータル・クリスチャン・チャーチ]]
* [[イエス・キリスト福音の群]]
* [[神の家族キリスト教会]]
* [[日本ペンテコステ神之教会教団]]
* [[使徒の信仰伝道団]]
* [[純福音日本国内教会]]
* [[カルバリキリスト教団]]
*[[ジーザスライフハウスチャーチ]]
*[http://9614.org 東大阪キリスト教会]
* [[高知ペンテコステ教会]]
* [[His Call Church ヒズコールチャーチ]]
* [[日本福音ペンテコステ教団]]


== 批判 ==
これらを見ても「異言=聖霊のバプテスマ」などではなく、異言の多くは、異言の悪霊に取り付かれて奇声を発しているに過ぎないのだということがわかる。
外部からは、この派は一人一派の活動をするので、多くのグループが誕生したとみなされる<ref>『よくわかるキリスト教の教派』p.76</ref>。しかし、影響力のある指導者、教会が存在し、ペンテコステ派の教会は他の信仰を同じくする教会と交わりを持っているので、まったく別個の活動をしているわけではない。また、初期のペンテコステ運動は[[超教派]]の運動であり、ペンテコステ派としての教派形成後も、超教派的色彩が強く、教派としてはペンテコステ派に分類されないローマ・カトリックにも、ペンテコステ運動の影響を受けたグループが存在する。


=== 社会学的考察 ===
== 実在する外国語で語られる異言 ==
ペンテコステ運動は、その初期、アメリカ都市部の移民・移住者・低所得層の間に広まった。彼等は言語障壁により社会的に抑圧された階層であり、「超自然的に獲得した言語能力により自らを聖別する」「情緒表現を抑制せずむしろ鼓舞する」この運動の特徴が特に彼等にアピールした結果と考えられている。ペンテコステ運動の伝播を追跡すると、訛も含む言語障壁や経済格差の存在する地域で特に旺盛である(主に参考文献『宗教セクト』による)。
異言の多くは、意味のない発声であるが、まれに外国語である場合がある。言っている本人が学んだこともない外国語で異言が語られる場合もある。


しかし、現在ではペンテコステ派の成長の結果として全ての階層にペンテコステ派が見られる。日本中の多くのペンテコステ派教会には多くの上流階層の信者が集っており、これはその他の先進国でも同じ傾向にある。特にアメリカ、オーストラリア、韓国では社会的に影響力のある地位を持つペンテコステ派の信者も多数おり、又地域によってはペンテコステ派の教会が地域活動の中心になっている。
異言が実在する外国語であっても、それを理解できる者がおらず「実在する外国語である」と誰も気付かない場合も少なくないはずだが、その言語に詳しい者がその場にいたり、録音したものを後で聴いた場合などに、異言が実在する外国語で語られていたということが発覚することになる。


=== その他 ===
ここで「本人の学んだことのない外国語だから聖霊のバプテスマに違いない」と断定するのは早計である。その外国語の異言の内容は、たいてい神を冒涜する言葉や、卑猥な(性器や性行為に関する)言葉であり、語っているのは悪霊だとわかる。
[[奇跡]]や[[異言]]の賜物など、[[聖霊]]の働きを強調しすぎるという批判がある。


また、一部の既存のキリスト教教会の中には、この宗派を[[異端]]とみなしているところがある。
近年では[[カリスマ派]]の影響を受け[[預言]]を強調する傾向を持つ者もいるが、その内容が[[聖書]]の教理との協調性が疑問視されている場合がある。
聖書のコリント第一 13:8 では「愛は決して絶えません。それに対し預言[の賜物]があっても,それは廃され,異言があっても,それはやみ,知識があっても,それは廃されます。」と述べている。
異言や奇跡は初期クリスチャンを強め、他の言語を用いる人々への福音伝道の手助けとして使われ、のちにそれは「廃される」ということだった。


== 脚注 ==
'''なぜ悪霊が外国語を話せるのか?'''
{{reflist}}


== 参考文献 ==
悪霊は何千年も前から存在していた。その間、国々をさ迷い、様々な偶像に住み着いたり、何人もの人に取り付いたりしながら悪事を働いてきたわけである。
*[[大川修平]]『ペンテコステ神学』[[マルコーシュ・パブリケーション]]
*[[尾形守]]『リバイバルの源流を辿る』[[マルコーシュ・パブリケーション]]
* 今橋朗・徳善義和著『よくわかるキリスト教の教派』キリスト新聞社,1996
* 共立基督研究所編『宣教ハンドブックQ&A130(共立モノグラフNo.4)』いのちのことば社,1991 ISBN 4-264-01272-4
* 佐布正義「ペンテコステ運動」,宇田進、蔦田公義、鍋谷堯爾、山口昇他編『新キリスト教辞典』所収,いのちのことば社,1991 ISBN 4-264-01258-9
* D.W.バーディック『[[異言]]』聖書図書刊行会


* [[:en:Bryan R. Wilson|Bryan R. Wilson]]: ''Religious Sects: A Sociological Study'', (Weidenfeld & Nicolson, 1970).
外国人に取り付いたことがあれば、その国の言語を知っているのが当然である。
::([[ブライアン・R・ウィルソン]]著、池田昭訳『セクト―その宗教社会学』平凡社, 1972年:改訳『宗教セクト』恒星社厚生閣, 1991年、ISBN 4769907206)
*『聖霊のバプテスマ』ケネス・E・ヘーゲン エターナル・ライフ・ミニストリーズ ISBN 4900855685




== 関連項目 ==
== 異言の解き明かし ==
* [[ペンテコステ]]
* [[カリスマ運動]]
* [[聖霊の第三の波]]
* [[福音派]]
* [[キリスト教根本主義]]
* [[日本のプロテスタント教派一覧]]
* [[ヒーリング運動]]


== 外部リンク ==
異言の解き明かしと称して、異言を言っている者のそばに立ち、意味不明の発声である異言の意味を説明する者が時々いる。その異言が外国語であり、その外国語を知っている者が通訳をするというのならばともかく、ほとんどの異言は外国語でもない無意味な発声なのである。それをどうやって通訳するというのだろうか?
* [http://www.ag-j.org/ 日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団]
* [http://www.jpf21c.org/ 日本ペンテコステ親交会]
* [http://www.icfforum.com/ I.C.F. フォーラム (ペンテコステ系)]
* [http://search.kirisuto.info/index/dir_1_17/13/ Christ Info (ペンテコステ/超教派)]
* [http://www.japanupc.org 日本ユナイテッド・ペンテコステ教会]
*{{PDFlink|[http://jea.dtdns.net/jea_data/menu_contents/JEA%C1%ED%B2%F1%B4%D8%B7%B8/20070605_22%B2%F3%C2%E7%BA%E4%C2%C0%CF%BA_%C8%AF%C2%EA.pdf 『過去 20 年におけるペンテコステ神学の深化』]}}
{{Christ-stub}}


{{DEFAULTSORT:へんてこすては}}
これは福音派のアメリカ人宣教師から聞いたことなのだが、ある教会に、異言を言う者と異言の解き明かしをする者とがいて、異言を言う者は同じ発声を繰り返していただけなのに、解き明かしをする者は次々に違う説明を付けていたことがあったそうである。
[[Category:ペンテコステ]]
[[Category:キリスト教の運動]]
[[Category:プロテスタント]]
[[Category:キリスト教系新宗教]]
[[Category:福音派]]
[[Category:聖霊派]]


異言だけではなく、異言の解き明かしも疑う必要があるのだ。


<!--
== ごく一般的なプロテスタントと異端の見分け方 ==
最も明確かつ簡単なカルトの見分け方として、[[福音]](イエスキリストの贖罪と復活)・[[三位一体]]などの中心的教理と信仰を守っているか否かで判断するというのがある。福音や三位一体を認めていない教会は、たとえ聖霊のバステスマを標榜していようとも異端と看做す<ref>これはペンテコステ派で無くとも、リベラル派・福音派・聖霊派であっても当てはまる</ref>。


=== 聖霊派系統のカルト ===
{{DEFAULTSORT:へんてこすては}}
[[Category:キリ教]]
[[イエの御霊会教団]]
[[日本ユナイト・ペンテコステ教団]]
[[Category:聖書]]
[[サンビ教団]]
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* B.ウイルソン『宗教セクト』恒星社厚生閣
* M.ハーパー『[[カリスマ運動]]の流れ』生ける水の川
* P.ワグナー『[[聖霊の第三の波]]』暁書房
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2012年9月16日 (日) 14:56時点における版

ペンテコステ派(ペンテコステは)は、キリスト教プロテスタント教会のうち、メソジストホーリネス教会のなかから1900年頃にアメリカで始まった聖霊運動、つまりペンテコステ運動(Pentecostalism)からうまれた教団、教派の総称ないし俗称。この教派、教団に属する教会をペンテコステ教会という。韓国の牧師・趙鏞基(チョー・ヨンギ)の純福音派もこの流れに属する。

ペンテコステ運動の歴史とペンテコステ教会の成立

ウィリアム・シーモア
チャールズ・F・バーハム

原始キリスト教を中心としたペンテコステ派と同等の教義を教え実行していた教派は、聖書の時代から世界中の様々なところに存在してきた。

近代ペンテコステ運動は、1901年カンザス州トピカのベテル聖書学院で行われた年末年始の祈祷会で、指導者であるチャールズ・F・バーハムをはじめ神学生のほとんどがいわゆる「聖霊のバプテスマ」を体験し、異言で神をほめたたえたことが契機となった。バーハムは、テキサス州のヒューストンに聖書学校を移転して、その学生でもあった牧師のウィリアム・シーモア1906年、アメリカのロサンゼルスのアズサ通りで集会を行ったところ、集会中に聴衆である信徒のなかに「聖霊のバプテスマ」を受け、エクスタシー状態に陥り、異言を語る現象が起こった。このことがロサンゼルスの新聞に掲載されて、全米に広まった。[1] このようなペンテコステ運動のいわゆるリバイバル集会は、3年にわたってロサンゼルスのアズサ通りにある伝道館、メソジスト教会などの教会堂を借りながら続けられ、その間にアメリカ各地のみならず隣国のカナダや海を越えたイギリスなどからも集会へ集う参加者がいた。そのような参加者があかしすることによって世界中に広められた。そして、1914年にアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団が生まれたのを皮切りに、フォースクエア福音教会ユナイテッド・ペンテコステ教会などの各教団が発足し運動が組織化され始めた。

ホーリネス教会の四重の福音(しじゅうのふくいん)「新生聖化神癒再臨」を修正して継承している。ホーリネスの「聖化」(きよめ)に相当するものは「聖霊の満たし」と表現し、聖霊に満たされた結果、宣教を進める力が与えられ、新約聖書(使徒言行録コリントの信徒への手紙一)にある異言をともなう祈りをする、という信仰を持つ。

この異言をペンテコステの出来事において使徒らに発現した聖霊の賜物(=カリスマ)と同じものであるとする主張から、自らをペンテコステ派、その宣教運動をペンテコステ運動と呼ぶようになった。

神学者でありペンテコステ・カリスマ派の歴史学者であるVincent Synan博士はペンテコステ派を古典ペンテコステClassical, ホーリネス系ペンテコステHoliness, ワンネスOnenessの3種に区別しており、日本には3種全てが存在する。

プロテスタント諸教派(聖公会アナバプテストを含む)の系統概略


教理

ペンテコステ派の集会

異言

特色は聖霊のバプテスマとそれに伴うしるしとしての異言を強調することである。 異言を伴う聖霊のバステスマ(マルコ福音書16章15~20節/使徒行伝2章1節~21節/ヨエル書2章28~32章/マタイ3章11節/などを参照)をキリストの教会に復興した「信仰復興(リバイバル)運動」であり、現在進行形の流れである。「後の雨リバイバル」との評価(日本では奥山実その他によって評価されている)もある。

聖霊の(=聖霊による)バプテスマによって与えられる聖霊の賜物も強調される。「聖霊の賜物」とは、異言・異言の解き明かし・預言・いやし・奇蹟・悪霊の追い出しなどを行う力のことである。聖霊の賜物が用いられることによって、神の栄光が現されるという信仰である。

ペンテコステ派のレーマ聖書学校の創立者であり、ヒーリング運動にも関わったケネス・ヘーゲンは、「異言は、おもに、私たちの祈りの生活で、神をほめたたえて礼拝する際に用いるための、神との個人的な交わりに関わる賜物なのです」と述べ、「公の場での異言の奉仕において用いられる」のは「少数の信者だけ」であると語っている[2]

神癒

聖書にはイエス・キリストが死人を生き返らせ、病をいやした記事がある。マタイ9章35節から福音宣教、ヤコブ5章14節の病人に油をぬって祈るようにとの聖句から、罪の赦しと病のいやしが結び付けられている。[3]

ペンテコステ派と音楽

現代のキリスト教音楽はペンテコステ派の多大なる影響をうけている。多くのワーシップソング(賛美歌)やゴスペルソングはペンテコステ派の音楽家によって書かれている。また、世界を代表するワーシップリーダーの多くは、ペンテコステ派である。ヒルソング教会、ビンヤード、チャーチ・オン・ザ・ウェイ等のペンテコステ派の諸教会は、世界中で歌われている現代の賛美歌を多く書いている。日本でもこの傾向は同じで、ワーシップリーダー・小坂忠はペンテコステ派・フォースクエアゴスペル教団の牧師である。

ペンテコステ派と教会成長

オーストラリアにあるペンテコステ派のメガ・チャーチ、ヒルソン教会に集まった信者

世界の多くのメガ・チャーチ(会員2,000人以上の教会)はペンテコステ派あるいはその影響を多大に受けている教会である。世界最大の教会であるソウル・ヨイド純福音教会がその典型である。2006年に、共同通信社は、世界で最も成長しているキリスト教派はペンテコステ派だと発表している。

キャサリン・クールマン

ペンテコステ教会の成長の最大の功労者は、キャサリン・クールマン女史(1907-1976)である。高校中退という低学歴ながら、病人に神癒を施し、一億人の信徒を集めたことで知られる。

超教派の交わり

日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団福音派日本福音同盟(JEA)に加盟しており、超教派での交わりがある。

1960年代にアメリカで始まったカリスマ運動や1980年代に起こった聖霊の第三の波に属する教団、運動、信徒等の集団を含めて、聖霊派と総括的に呼称される場合がある。

カリスマ運動が米国聖公会からはじまり、エキュメニカル派メインライン・プロテスタントローマ・カトリック教会に広がっているのに対し、ペンテコステ派はウェスレアン系からはじまって独立した教派を構成しているのが異なる[4]。また、他の聖霊派からはカリスマ派はリベラル派として否定的にみられることがある[5]

日本におけるペンテコステ教会の歴史と現状

日本での宣教の歴史

アズサ街の働きはペンテコステ派の世界宣教のルーツとなり、多くの宣教師を世界中に送る結果となった。その中には日本のペンテコステ派の初期の宣教師達も含まれている。当時、アズサ街のあたりには3万人近くの日本人移民が居り、アズサ街で聖霊体験をした日本人達がいるといわれている。現在、アズサ街周辺は日本人町リトル・トーキョーとして残されており、日米文化会館がこの教会の跡地に存在する。 更に、日本ですでに他教派に所属していた宣教師達がアズサ街の働きの影響を受けてペンテコステ派に改心した場合もある。

遅くとも1910年代には数人のペンテコステ派の宣教師が日本で宣教活動を初めていた。はじめはペンテコステ教会を名乗り、その後日本聖書教会と改め、日本基督教団成立の際には、他のグループと共に第十部に所属。戦後に離脱して日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団を設立した。

戦乱、戦中の迫害や日本基督教団への吸収等で、戦前の細かい情報が明らかになっていない。 1939年から伝道が始められ教団を形成していた日本ペンテコステ教団も戦中は解散を余儀なくされていた。1950年に宣教師の再来日で、同じ名前で再建された。

クート宣教師のペンテコステ教会への影響

日本、特に関西にあるペンテコステ派教団、単立教会や小さな群れの多くは、直接的か間接的に宣教師レオナルド・クート師の影響を受けている場合が多い。クート自身については色々と意見があるが、クートのペンテコステ派内での影響を無視することはできない。

クートの影響の理由は、クートが戦前から生駒聖書学院で長年にわたり多くの伝道者を訓練したことと、多くの(アッセンブリーズ教団とフォースクエア教団以外の)アメリカのペンテコステ派宣教師はクートを頼って来日したからである。又、アメリカでも、クートは1940年代にインタナショナル・バイブル・カレッジ(当時、国際ユナイテッド・ペンテコステ教団所属)をテキサス州サンアントニオに建てており、多くの卒業生を日本に宣教師として送りだしている。それらの伝道者・宣教師は日本でのペンテコステ派の働きの中核として新しい教会を開拓し次世代の伝道者を指導していった為である。それらの新しい世代(クートの孫弟子やひ孫弟子)の中には既存の教団に入り中心的な働きをしている者もいる。

クートの影響を直接あるいは間接的に受けた教団は、日本ペンテコステ教団、日本福音ペンテコステ教団、チャーチ・オブ・ゴッド教団、ネクストタウンズクルセード、トータルクリスチャンチャーチ、日本ユナイテッド・ペンテコステ教団等である。その他にも関西を中心に多くの単立教会や群れがなんらかの影響を受けている。

現在の日本におけるペンテコステ派

日本において現在活動中の教派(教団、連盟等)は、大まかに

  • クートの影響を直接あるいは間接的に受けた、日本ペンテコステ教団、日本福音ペンテコステ教団、ネクスト・タウンズクルセード、トータルクリスチャンチャーチ、日本ユナイテッド・ペンテコステ教団等、又それらの教団から単立になった教会
  • 影響を受けていない北米の教団(アッセンブリーズオブゴッド教団やフォースクエア教団等)
  • 北欧の宣教団体の教会
  • 韓国の教会がたち上げた教会(純福音派等)
  • 台湾系の真イエス教会とその影響を受けた教団
  • 外国の教会が単立の形で宣教師を送り建て上げた単立教会
  • 既存の伝統的教団である日本基督教団日本バプテスト連盟に所属しているが、教義がペンテコステ派である教会
  • 日本人が海外で影響を受けて帰国してはじめた教団・教会
  • 元々既存の伝統教団に所属していたがペンテコステ派に改心した教団・教会(これらの中にはカリスマ派や第3の波に所属する場合もある)
  • その他様々な理由で日本人が形成した単立あるいは独立した小さな群れとして活動をしている教会・教団が存在する

(注:上記は全体的に把握しやすいように分類されているため大まかであり、重複する場合がある)

これらの事実をふまえペンテコステ派の教役者(主に牧師、牧師夫人、教会内献身者、神学生等)を中心とした緩やかな交流組織である「日本ペンテコステ親交会」が創設されカトリック教会に所属する聖職者等様々な教派からの参加者がも見られ超教派的な働きを行っている. 又、個々の教会は単立であるが、親交を中心とした単立ペンテコステ教会フェローシップという物も存在する。

日本でペンテコステ派に属する教団、教派、集団、集会

批判

外部からは、この派は一人一派の活動をするので、多くのグループが誕生したとみなされる[6]。しかし、影響力のある指導者、教会が存在し、ペンテコステ派の教会は他の信仰を同じくする教会と交わりを持っているので、まったく別個の活動をしているわけではない。また、初期のペンテコステ運動は超教派の運動であり、ペンテコステ派としての教派形成後も、超教派的色彩が強く、教派としてはペンテコステ派に分類されないローマ・カトリックにも、ペンテコステ運動の影響を受けたグループが存在する。

社会学的考察

ペンテコステ運動は、その初期、アメリカ都市部の移民・移住者・低所得層の間に広まった。彼等は言語障壁により社会的に抑圧された階層であり、「超自然的に獲得した言語能力により自らを聖別する」「情緒表現を抑制せずむしろ鼓舞する」この運動の特徴が特に彼等にアピールした結果と考えられている。ペンテコステ運動の伝播を追跡すると、訛も含む言語障壁や経済格差の存在する地域で特に旺盛である(主に参考文献『宗教セクト』による)。

しかし、現在ではペンテコステ派の成長の結果として全ての階層にペンテコステ派が見られる。日本中の多くのペンテコステ派教会には多くの上流階層の信者が集っており、これはその他の先進国でも同じ傾向にある。特にアメリカ、オーストラリア、韓国では社会的に影響力のある地位を持つペンテコステ派の信者も多数おり、又地域によってはペンテコステ派の教会が地域活動の中心になっている。

その他

奇跡異言の賜物など、聖霊の働きを強調しすぎるという批判がある。

また、一部の既存のキリスト教教会の中には、この宗派を異端とみなしているところがある。 近年ではカリスマ派の影響を受け預言を強調する傾向を持つ者もいるが、その内容が聖書の教理との協調性が疑問視されている場合がある。 聖書のコリント第一 13:8 では「愛は決して絶えません。それに対し預言[の賜物]があっても,それは廃され,異言があっても,それはやみ,知識があっても,それは廃されます。」と述べている。 異言や奇跡は初期クリスチャンを強め、他の言語を用いる人々への福音伝道の手助けとして使われ、のちにそれは「廃される」ということだった。

脚注

  1. ^ 共立基督研究所編『宣教ハンドブック』p.242
  2. ^ 『聖霊の九つの賜物』p.120 ケネス・E・ヘーゲン エターナル・ライフ・ミニストリーズ
  3. ^ 『ペンテコステ神学』p.188-191
  4. ^ 『リバイバルの源流を辿る』p.164-175
  5. ^ ハーザー』2002年10月号
  6. ^ 『よくわかるキリスト教の教派』p.76

参考文献

  • Bryan R. Wilson: Religious Sects: A Sociological Study, (Weidenfeld & Nicolson, 1970).
(ブライアン・R・ウィルソン著、池田昭訳『セクト―その宗教社会学』平凡社, 1972年:改訳『宗教セクト』恒星社厚生閣, 1991年、ISBN 4769907206)
  • 『聖霊のバプテスマ』ケネス・E・ヘーゲン エターナル・ライフ・ミニストリーズ ISBN 4900855685


関連項目

外部リンク