「内股」の版間の差分
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2017年2月24日 (金) 01:53時点における版
ただし、分類の詳細については歴史の項を参照のこと。
近代柔道では、背負投、大外刈、巴投と並んで最も人気な技のひとつである。
一般に手足の長い長身の選手に向いている技とされる。
概要
相手を腰に乗せ、股の間から足を跳ね飛ばして投げる技。
内股は地味な技が多い足技の中でも、ダイナミックと言える位、派手な技でありながら、簡単な割には相手が防げないというメリットがあり、大外刈と同様、試合で多く使われる。
右組の場合、相手を前方に崩し、前回りさばきから相手の内ももを自分の右太ももで跳ねあげるようにして投げる技。
跳ね上げる相手の内ももは左右どちらでもいいが、右内ももを跳ね上げたときに、自分の右足を曲げて外側のすねも使って投げる場合は跳腰となる[1]。
相撲では、掛け投げと呼ばれる。
以下の歴史の項にあるように技術的に「足技の内股」と「腰技の内股」の2つの理合が存在する[2]。
足技の内股
- 右組の場合、相手を右前方に崩しながら弧を描くように移動し、その円の中心を取って右ももで相手左内ももを払い上げて投げる。
- 跳ね上げると言うよりは遠心力で投げるという理合いとなり、投の形に見られる技法[2]。
- こちらの理合では相手右ももは(よほど股関節が柔らかくないと)跳ね上げられない。
- 試合では、先に足を相手の股に入れ、片足でケンケン(ケンケンパを)しながら相手の軸足を追い込んで投げるという技法(通称:ケンケン内股)も使われている。
- こちらのほうが小外掛などで返されるリスクが少ない[2]。
- 相撲でいうところの掛け投げはこちらに近く、相手がこらえた時には、まさにケンケン内股と同じく、ケンケンの状態になるため、「けんけん」と呼ばれている。
腰技の内股
- 右組の場合、相手を前方に崩し、前回りさばきから相手の腰に自分の腰をぶつけ腰に乗せながら、相手の内ももを自分の右太ももで跳ねあげるようにして投げる。
- 現在、単に内股といった場合、こちらの理合(内股と跳腰の中間の様な形の内股)を指すことが多い。
- 跳ね上げる相手のモモは左右どちらもあり得るが、右股を跳ね上げる場合は跳腰に近くなる。
- この現在、使われている(腰技の)内股は簡単に言えば、跳腰と内股の(腰技と足技の)中間ともいえる。
- 谷亮子と激戦を繰り広げた事で知られる中村淳子は、「安定させる事で、意図的ではない、悪いケンケン内股にならないようにする(中村は野瀬清喜の指導の下、内股と大外刈を会得し、得意技としたが、覚えたての当時、中村は下半身が安定していなかったという事もあったため。)という事と、左足を狙うと長身の相手に堪えられやすくケンケン内股になりやすい。」という理由から、右足を必ず狙って、内股を仕掛けていたという。
- また、手島奈美は右足を狙うと、「相手の重心が掛かった足なので、返されにくい(特に、すかされにくくなる)。」というメリットがあると語っている。
返し技
- 上記のように内股は練習・試合で頻繁に使われていることもあり、その分、返し技も多く存在する。
- 代表的なものとしては、内股すかし、内股返、掬投など多様な返し方も開発されている。
- 詳細は各項を参照のこと。
- ただし、内股の技の掛け方の工夫次第で返されるのを防げるだけでなく、特に、内股すかし、内股返等の後の先の技系の技は、そもそも難易度が高いため、決める事が難しい。
歴史
もともとは投の形に見られるように、手の使い方などは支釣込足にちかく、相手のタイミングをとらえることが重要という点で足技の技法であった。
明治末期から大正期になると、跳腰の流行があり[3]、その技術(原型である跳腰の形)を中野正三が導入し、跳腰の腰技の技術を足技に変化させた事で、現在に近い内股の技法ができあがった。
内股の技術が完成すると跳腰に取って代わるような形で広く普及し現在に至る[2]。
その一方でもともとの足技の内股を使う選手は殆どいなくなってしまった。
したがって、現在の内股は技術的には腰技の技法であるといえるが、本来、内股は足技であるため、技の分類上はかつての足技のままとなっている。
ただし、現在でも上記のケンケン内股などのように腰技の技術とは言えないものもある。
得意とする人物
脚注
- ^ 柏崎克彦 『決定版 柔道技名まるわかりBOOK』ベースボールマガジン社 2008年 ISBN 978-4-583-61508-0
- ^ a b c d 醍醐敏郎 『写真解説 講道館柔道投技 中』本の友社 1999年 ISBN 4-89439-189-9
- ^ 醍醐敏郎 『写真解説 講道館柔道投技 上』本の友社 1999年 ISBN 4-89439-188-0
外部リンク
- 内股|柔道チャンネル
- 内股
- 内股初編田辺勝5段
- 内股中編
- 内股後編