「アイドリング」の版間の差分
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== 機関 == |
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[[機関]]([[エンジン]])のアイドリングは、無[[負荷]]状態で最低限度の[[回転数]]で稼動し続けている状態 |
[[機関]]([[エンジン]])のアイドリングとは、無[[負荷]]状態で最低限度の[[回転数]]で稼動し続けている状態をいう。発生した[[エネルギー]]はエンジン内部の[[摩擦]]に拮抗しつつ、また[[潤滑]]・[[冷却]]のための循環[[ポンプ]]駆動などのために消費される。一般に動力機関が組み込まれた機器が、その主目的のために動力が使用されていない状況をアイドリング、アイドル状態と呼ぶ。 |
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[[自動車]]の信号待ちなどのアイドリングは燃費悪化や環境汚染の原因の一つとみなされ、[[アイドリングストップ]]システムが開発、搭載されている。 |
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必要以上のアイドリングは、[[エネルギー]]の無駄遣いであり、また[[騒音]]被害も引き起こすため、最小限に留めるべきである。近年の[[地球温暖化]]問題に鑑み、[[公営バス]]の中には、「[[停車時エンジン停止]](アイドリングストップ)」を[[標語#スローガン|スローガン]]として[[赤信号]]で停車している際にはエンジンキーをオフにするように心がけるところもある。ただし、再始動などによる損失も含めて総合的に判断される必要があるので、赤信号による停車時エンジン停止と一時駐車における停車時エンジン停止を同一に考えるのを疑問視する声もある。 |
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== コンピュータシステム == |
== コンピュータシステム == |
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[[コンピュータ]][[システム]] |
[[コンピュータ]][[システム]]では、待機状態を指してアイドル状態と呼ぶ。一般的にアイドル状態にあるコンピュータシステムは、システムを構成する回路や機器への電力供給がなされているが、情報処理が行われておらず、待機電力を消費している状態と言える。 |
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=== CPUにおけるアイドル状態 === |
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かつては、アイドル[[状態]]は無駄、損失でしかなく、[[CPU]]時間が100%に近い([[性能]]を限界いっぱいまで使い切る)システムが最良であると考えられていたが、コンピュータシステムの[[コストパフォーマンス|価格性能比]]が向上している今日では、[[並列化]]などにより[[ピーク]]時性能を維持しつつ、[[熱|発熱]]を抑えるという意図を持って、使われていない箇所をアイドル状態にするといった設計も採用されている。たとえば、[[マルチコア]]の[[マイクロプロセッサ]]において、負荷が軽い時には一部のコアの通電を切るなどの手法が採用されることがある。また、[[プリンター]]を通電状態に置きつつ動作を停止させ、復帰時に暖機運転を行うものも同様である。 |
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CPUにおける処理が停止しており、何らかのトリガによって稼働状態に遷移できる状態をアイドル状態と呼ぶ。一般的にCPUは稼働状態に比べてアイドル状態での[[消費電力]]は非常に小さい(ゼロにはならない)。継続して行われるべき[[処理]]がなく、また、停止状態から稼働状態への遷移に必要な時間的なロスよりも、CPUを稼働状態においたままの消費電力の無駄が問題となる場合、アイドル状態を積極的に利用する利点がある。多くのCPUアーキテクチャでは、停止命令(halt命令等)によってこの状態に遷移する。 |
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オペレーティングシステムとファームウェアは協調して動作し、実行すべきプログラムの有無や、周辺機器との入出力の有無などを監視し、必要に応じてCPUをアイドル状態と稼働状態の間で遷移させる。 |
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CPUのアイドリングは、CPUの動作を停止させた上で、[[主記憶装置|メモリ]]の内容は保持しておき、何らかのトリガによって早急に実行可能状態に遷移することが出来る状態を指す。動作時よりも停止時の方が[[消費電力]]がはるかに小さいため(ゼロにはならない)、継続して行われるべき[[処理]]が不要であり、かつ時間的なロスよりも消費電力のロスの方がより大きな問題になる場合、意図してこの状態に置く場合がある。停止命令(halt命令等)によってCPU動作を停止させることで、この状態に遷移する。[[スケジューラ]]によってあらかじめセットした[[タイマー]]によってCPU動作を再開させることで、停止状態からの回復が行われる。現代の高機能プロセッサでは、コア部分のみを停止させ、ソフトウェアからの指示により再開させられるなど、より高度な停止状態を備えている。[[オペレーティングシステム]]が[[ファームウェア]]と協調して動作することによりこの機能を実現している。たとえば、一定時間[[入力]]がない場合には自動的に停止状態になり、[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]や[[タブレット (コンピュータ)|タブレット]]の入力をファームウェアが検知してCPUを再開させるといった手法などがある。 |
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=== ネットワークにおけるアイドル状態 === |
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[[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]におけるアイドリングは、そのネットワークの[[使用権]]を誰ももっておらず、ネットワーク媒体には特殊信号を除き何も[[電気通信|通信]]が行われていない状態を指す。ネットワーク拡充において設計の精査を怠ると、アイドリング時間が増大し、費用対効果の点において無駄な[[投資]]として扱われることがある。単純に機器を高速化するよりも、多重化したり接続経路を変更したりする方が高い費用対効果が見込める場合があり、将来的な計画を踏まえた上で、採用すべきデザインを検討することになる。理論値よりも少ない量しかネットワークに信号を流せないのは、[[ホストコンピュータ|ホスト]]や[[端末]]の処理が遅くて経路上に信号を出せない、フレームを同時に送出することが多く通信権を得にくい、媒体の品質が悪くてエラー訂正が頻繁に起きるなど、理由は千差万別であるため、要因に応じて対策を講じる。 |
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[[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]におけるアイドル状態とは、ネットワーク媒体上でキャリア信号等を除き、有効な[[電気通信|通信]]が行われていない状態を指す。要求される通信量がネットワークの提供する帯域幅や速度に対して十分に少ない場合、アイドル状態にある時間が長くなる。 |
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多くの機器がネットワークを用いた通信を要求しているにもかかわらず、アイドリング時間が減少せずにネットワーク帯域が有効に消費されない状況が発生することがある。このような状況を発生させないためには、ネットワークトポロジ、接続されているデバイスのネットワーク制御アルゴリズム、コリジョンドメインの粒度等を適切に設計する必要がある。 |
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また、「ピーク時性能」と「平均応答時間」のいずれが重視されるべきかということは、通信の目的によって異なるため、ネットワーク設計において重要な検討事項となっている。たとえば、[[DTP]]などのように、限られた相手との間で大きなサイズのファイルの遣り取りを行う場合にはピーク時性能が高くなるよう設計し、受発注システムなどのように、確実な応答が期待される場合には応答時間に余裕を持たせるよう設計する。あくまで一例、当該分野であっても単純にそのまま適用されるわけではないので注意。必要とされている時にアイドリングが多発する、理論値では余裕があるはずなのに実効値が低いような状態は無駄が多いということであり、ネットワークの設計を見直す必要がある。 |
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== 一般作業工程 == |
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[[機械加工]][[工程]]においては、被加工品の持ち替えなどのために、連続加工工程の間に無加工状態を入れることをアイドリングを呼称することがある。例えば、[[金属]]のトランスファー複合[[プレス加工]]の場合、[[治具]]持ち替えなどのために一見、被加工部品に対し何もしていないような工程を設定する場合がある。勿論その工程には目的がある([[応力]]緩和・[[精度]]維持・捨て加工の準備など)が、[[動力]][[計算]]に反映されないところからアイドリングと呼ばれる。 |
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電子回路で動作の基準としてあらかじめ付加しておく電圧・電流・磁気のこと。この場合は一般的に[[バイアス]]と呼ばれる。 |
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2024年11月28日 (木) 22:15時点における最新版
アイドリング (idling) は、機械・設備・人員などが、主目的(推進など)に貢献せず、しかし稼働に即応できる様態を維持していること、あるいはそのための動作である。何もしていない状態を表す「アイドル(idle)」の現在進行形で、単にアイドルとも空ぶかしともいう。
同じ目的であるが、電子回路や磁気記録回路において、動作の基準としてあらかじめ回路に付加しておく電圧・電流・磁気等はアイドリング、アイドルとは言わずにバイアスと呼ばれる。
機関
[編集]機関(エンジン)のアイドリングとは、無負荷状態で最低限度の回転数で稼動し続けている状態をいう。発生したエネルギーはエンジン内部の摩擦に拮抗しつつ、また潤滑・冷却のための循環ポンプ駆動などのために消費される。一般に動力機関が組み込まれた機器が、その主目的のために動力が使用されていない状況をアイドリング、アイドル状態と呼ぶ。 自動車の信号待ちなどのアイドリングは燃費悪化や環境汚染の原因の一つとみなされ、アイドリングストップシステムが開発、搭載されている。
コンピュータシステム
[編集]コンピュータシステムでは、待機状態を指してアイドル状態と呼ぶ。一般的にアイドル状態にあるコンピュータシステムは、システムを構成する回路や機器への電力供給がなされているが、情報処理が行われておらず、待機電力を消費している状態と言える。
CPUにおけるアイドル状態
[編集]CPUにおける処理が停止しており、何らかのトリガによって稼働状態に遷移できる状態をアイドル状態と呼ぶ。一般的にCPUは稼働状態に比べてアイドル状態での消費電力は非常に小さい(ゼロにはならない)。継続して行われるべき処理がなく、また、停止状態から稼働状態への遷移に必要な時間的なロスよりも、CPUを稼働状態においたままの消費電力の無駄が問題となる場合、アイドル状態を積極的に利用する利点がある。多くのCPUアーキテクチャでは、停止命令(halt命令等)によってこの状態に遷移する。
オペレーティングシステムとファームウェアは協調して動作し、実行すべきプログラムの有無や、周辺機器との入出力の有無などを監視し、必要に応じてCPUをアイドル状態と稼働状態の間で遷移させる。
ネットワークにおけるアイドル状態
[編集]ネットワークにおけるアイドル状態とは、ネットワーク媒体上でキャリア信号等を除き、有効な通信が行われていない状態を指す。要求される通信量がネットワークの提供する帯域幅や速度に対して十分に少ない場合、アイドル状態にある時間が長くなる。
多くの機器がネットワークを用いた通信を要求しているにもかかわらず、アイドリング時間が減少せずにネットワーク帯域が有効に消費されない状況が発生することがある。このような状況を発生させないためには、ネットワークトポロジ、接続されているデバイスのネットワーク制御アルゴリズム、コリジョンドメインの粒度等を適切に設計する必要がある。
一般作業工程
[編集]機械加工工程においては、被加工品の持ち替えなどのために、連続加工工程の間に無加工状態を入れることをアイドリングを呼称することがある。例えば、金属のトランスファー複合プレス加工の場合、治具持ち替えなどのために一見、被加工部品に対し何もしていないような工程を設定する場合がある。勿論その工程には目的がある(応力緩和・精度維持・捨て加工の準備など)が、動力計算に反映されないところからアイドリングと呼ばれる。
電子回路
[編集]電子回路で動作の基準としてあらかじめ付加しておく電圧・電流・磁気のこと。この場合は一般的にバイアスと呼ばれる。