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'''山種美術館'''(やまたねびじゅつかん)は、[[東京都]][[渋谷区]][[広尾 (渋谷区)|広尾]]にある[[日本画]]専門の[[美術館]]<ref name=kotobank>{{Cite |
'''山種美術館'''(やまたねびじゅつかん)は、[[東京都]][[渋谷区]][[広尾 (渋谷区)|広尾]]にある[[日本画]]専門の[[美術館]]<ref name=kotobank>{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/-144160 |title=山種美術館(読み)やまたねびじゅつかん |website=[[コトバンク]] |author=[[ブリタニカ百科事典#日本語版|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典]] |accessdate=2018-07-18 }}</ref><ref name="about">{{Cite web|和書|url=http://www.yamatane-museum.jp/aboutus/profile.html|title=山種美術館について|website=山種美術館公式サイト|accessdate=2019-06-30}}</ref>。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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長期間の展示に弱い日本画を管理し、定期的に企画展を開催している。また、日本各地に所蔵作品の移転展示をしている。有名日本画家の作品や[[重要文化財]]を所蔵しており、作品の質は高いとされる{{要出典|date=2016年3月}}。 |
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その後、[[1998年]]([[平成]]10年)10月の[[三番町 (千代田区)|千代田区三番町]]への仮移転を経て、[[2009年]](平成21年)10月、現在地である[[広尾 (渋谷区)|渋谷区広尾]]に新築されたビル「ワイマッツ広尾」に移転した{{R|kotobank}}<ref name="about" />。建物は『美術館, 賃貸オフィス [山種美術館 / YMATS HIROO]』として、2010年度グッドデザイン賞受賞<ref>{{グッドデザイン賞受賞対象リンク|36741|受賞対象名-美術館, 賃貸オフィス [山種美術館 / YMATS HIROO]}}</ref>。 |
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[[速水御舟]]、[[川合玉堂]]、[[奥村土牛]]のコレクションをメインとして、近代・現代の日本画を中心に約1,800余点を所蔵している<ref>[http://www.yamatane-museum.jp/collection/index.html コレクション].山種美術館公式サイト</ref><ref>[http://www.yamatane-museum.jp/doc/gap-list-0406.pdf Google Art Project掲載作品リスト]</ref>。そのなかには、近世・江戸期の作品も含めて[[重要文化財]]に指定された作品が6点含まれている<ref>[http://www.yamatane-museum.jp/collection/collection.html 作品紹介].山種美術館公式サイト</ref>。また長期間の展示に弱い日本画を管理し、定期的に企画展を開催している。 |
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御舟コレクションの大部分は、[[安宅英一|安宅コレクション]]に由来し、[[安宅産業破綻]]に伴って、同社の最大の債権者であった[[住友銀行]]の[[樋口廣太郎]](当時・常務)が、山種美術館の運営母体である山種証券の[[山崎富治]](当時・社長)に購入を依願し<ref>{{Cite web|和書|title=私の履歴書復刻版 安宅合併頼み伊藤忠に日参 眠れぬ夜過ごす 元アサヒビール社長 樋口広太郎(21)|website=NIKKEI STYLE|publisher=[[日経BP|日経BP社]]|date=2017-04-06|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO14555500X20C17A3000000?channel=DF170320167060|accessdate=2018-11-07}}</ref>、[[1976年]](昭和51年)に美術館を運営する山種美術財団に有償一括譲渡されたものである<ref>『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』p.97</ref>。速水御舟の作品を好んだ山崎富治が入手していた作品に一括購入された105点を加えて、計120点のコレクションとなって以来、「御舟美術館」として親しまれてきた{{sfn|山﨑妙子|2016|p=5}}。 |
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広尾への移転開館10周年を記念して、2019年6月から8月まで「生誕125年記念 速水御舟」展が開催され、御舟コレクションの全作品が10年ぶりに公開された<ref>{{Cite news|url=https://www.fashion-press.net/news/49635|title=展覧会「生誕125年記念 速水御舟」東京・広尾で、重要文化財を含む“幻の画家”の120作品|date=2019-05-09|accessdate=2019-07-15|newspaper=FASHION PRESS|publisher=カーリン}}</ref>。 |
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ロゴマークは制作は佐藤卓、「日本画」と「YAMATANE」の2つの言葉を重ね合わせたものであり、色は東山魁夷の好んだ群青色を実際に使用された色絵の具から選んだもの、並べられる館名は[[安田靫彦]]による揮毫である。 |
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その後[[1998年]]([[平成]]10年)[[10月]]の[[千代田区]][[三番町 (千代田区)|三番町]]への仮移転を経て、[[2009年]](平成21年)10月、現在地である[[渋谷区]][[広尾 (渋谷区)|広尾]]に移転した{{R|kotobank}}。 |
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== 主な所蔵作品 == |
== 主な所蔵作品 == |
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[[File:Hayami Gyoshū - Camellia Petals Scattering.jpg|thumb|280px|速水御舟『名樹散椿図』]] |
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[[ファイル:Madaraneko by Takeuchi Seiho.jpg|thumb|220px|竹内栖鳳『斑猫』]] |
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[[File:Enbu by Hayami Gyoshu.jpg|thumb|180px|速水御舟『炎舞』]] |
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6件の重要文化財、[[速水御舟]]、[[川合玉堂]]、[[奥村土牛]]のコレクションをメインに、近代日本画を中心に所蔵している<ref>[http://www.yamatane-museum.jp/collection/ コレクション]</ref><ref>[http://www.yamatane-museum.jp/collection/collection.html コレクション]</ref><ref>[http://www.yamatane-museum.jp/doc/gap-list-0406.pdf Google Art Project掲載作品リスト]</ref>。約120点の御舟コレクションの殆どは、[[安宅英一|安宅コレクション]]に由来し、[[安宅産業破綻]]に伴って1976年(昭和51年)に山種美術財団に有償一括譲渡されたものである。 |
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'''近代日本画''' |
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* [[竹内栖鳳]] - 『班猫』(重要文化財) |
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* [[横山大観]] - 『作右衛門の家』、『心神』 |
* [[横山大観]] - 『作右衛門の家』、『心神』 |
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* [[下村観山]] - 『老松白藤』 |
* [[下村観山]] - 『老松白藤』 |
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* [[鏑木清方]] - 『伽羅』 |
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* [[小林古径]] - 『清姫・日高川』 |
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* [[村上華岳]] - 『裸婦図』(重要文化財) |
* [[村上華岳]] - 『[[裸婦図 (村上華岳)|裸婦図]]』(重要文化財) |
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* [[速水御舟]] - 『[[炎舞]]』(重要文化財)、『[[名樹散椿]]』(めいじゅちりつばき、重要文化財)、『翠苔緑芝』(すいたいりょくし) |
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* [[奥村土牛]] - 『鳴門』、『醍醐』 |
* [[奥村土牛]] - 『鳴門』、『醍醐』 |
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* [[安田靫彦]] - 『出陣の舞』 |
* [[安田靫彦]] - 『出陣の舞』 |
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* [[佐伯祐三]] - 『レストラン (オ・レヴェイユ・マタン)』 |
* [[佐伯祐三]] - 『レストラン (オ・レヴェイユ・マタン)』 |
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* [[佐藤太清]] - 『清韻』、『白鷺』 |
* [[佐藤太清]] - 『清韻』、『白鷺』 |
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ほかに[[院展]]、[[日展]]、[[創画展]]、無所属作家など多数。 |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
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* [[西川善文]]『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』[[講談社]]、2011年。 ISBN 978-4-06-216792-5 |
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* {{Cite book|和書|author2=山下裕二 (監修)|authorlink2=山下裕二|author=山﨑妙子 (山種美術館館長)|||author3=高橋美奈子 (山種美術館学芸部長)||date=2016-10-08|title=速水御舟の全貌 日本画の破壊と創造|year=2016|publisher=山種美術館|isbn=978-4-907492-12-0|ref=harv}|id={{NDLBibID|027726660}} }} |
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== 外部リンク == |
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* {{文化遺産オンライン美術館・博物館|所蔵品一覧=1|12306}} |
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* {{Google Arts and Culture partner|yamatane-museum}} |
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* [http://bunka.nii.ac.jp/museums/detail/12306 山種美術館] - [[文化遺産オンライン]] |
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* [https://artsandculture.google.com/partner/yamatane-museum 山種美術館] - Google Arts & Culture |
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[[Category:東京・ミュージアムぐるっとパス対象施設]] |
2024年12月9日 (月) 07:26時点における最新版
山種美術館 Yamatane Museum of Art | |
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美術館の所在するワイマッツ広尾 | |
施設情報 | |
愛称 | 御舟美術館 |
専門分野 | 日本画 |
館長 | 山﨑妙子 |
管理運営 | 公益財団法人山種美術財団 |
建物設計 | 日本設計 ランドスケープ = プランタゴ (田瀬理夫) |
延床面積 | 約650 m2(展示室) |
開館 | 1966年(昭和41年)7月 |
所在地 |
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
位置 | 北緯35度39分11秒 東経139度42分49秒 / 北緯35.65317度 東経139.7137度座標: 北緯35度39分11秒 東経139度42分49秒 / 北緯35.65317度 東経139.7137度 |
外部リンク |
www |
プロジェクト:GLAM |
山種美術館(やまたねびじゅつかん)は、東京都渋谷区広尾にある日本画専門の美術館[1][2]。
公益財団法人山種美術財団(理事長:山﨑妙子)によって管理・運営されている[3]。
概要
[編集]1966年(昭和41年)7月、証券会社・山種証券(現:SMBC日興証券)と同社創業者の山崎種二が蒐集した数百点に及ぶ美術コレクションを展観する国内初の日本画専門常設展示施設として、東京都中央区日本橋兜町に開館した[1][2]。
その後、1998年(平成10年)10月の千代田区三番町への仮移転を経て、2009年(平成21年)10月、現在地である渋谷区広尾に新築されたビル「ワイマッツ広尾」に移転した[1][2]。建物は『美術館, 賃貸オフィス [山種美術館 / YMATS HIROO]』として、2010年度グッドデザイン賞受賞[4]。
速水御舟、川合玉堂、奥村土牛のコレクションをメインとして、近代・現代の日本画を中心に約1,800余点を所蔵している[5][6]。そのなかには、近世・江戸期の作品も含めて重要文化財に指定された作品が6点含まれている[7]。また長期間の展示に弱い日本画を管理し、定期的に企画展を開催している。
御舟コレクションの大部分は、安宅コレクションに由来し、安宅産業破綻に伴って、同社の最大の債権者であった住友銀行の樋口廣太郎(当時・常務)が、山種美術館の運営母体である山種証券の山崎富治(当時・社長)に購入を依願し[8]、1976年(昭和51年)に美術館を運営する山種美術財団に有償一括譲渡されたものである[9]。速水御舟の作品を好んだ山崎富治が入手していた作品に一括購入された105点を加えて、計120点のコレクションとなって以来、「御舟美術館」として親しまれてきた[10]。
広尾への移転開館10周年を記念して、2019年6月から8月まで「生誕125年記念 速水御舟」展が開催され、御舟コレクションの全作品が10年ぶりに公開された[11]。
ロゴマークは制作は佐藤卓、「日本画」と「YAMATANE」の2つの言葉を重ね合わせたものであり、色は東山魁夷の好んだ群青色を実際に使用された色絵の具から選んだもの、並べられる館名は安田靫彦による揮毫である。
主な所蔵作品
[編集]近世絵画
近代日本画
- 竹内栖鳳 - 『班猫』(重要文化財)
- 横山大観 - 『作右衛門の家』、『心神』
- 下村観山 - 『老松白藤』
- 川合玉堂 - 『早乙女』
- 上村松園 - 『砧』、『春芳』、『牡丹雪』
- 鏑木清方 - 『伽羅』
- 小林古径 - 『清姫・日高川』
- 村上華岳 - 『裸婦図』(重要文化財)
- 速水御舟 - 『炎舞』(重要文化財)、『名樹散椿』(めいじゅちりつばき、重要文化財)、『翠苔緑芝』(すいたいりょくし)
- 奥村土牛 - 『鳴門』、『醍醐』
- 安田靫彦 - 『出陣の舞』
- 前田青邨 - 『蓮台寺の松陰』
- 川端龍子 - 『鳴門』
- 村上華岳 - 『裸婦図』
- 東山魁夷 - 『年暮る』
- 佐伯祐三 - 『レストラン (オ・レヴェイユ・マタン)』
- 佐藤太清 - 『清韻』、『白鷺』
アクセス
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. “山種美術館(読み)やまたねびじゅつかん”. コトバンク. 2018年7月18日閲覧。
- ^ a b c “山種美術館について”. 山種美術館公式サイト. 2019年6月30日閲覧。
- ^ “財団概要”. 山種美術館公式サイト. 2019年6月30日閲覧。
- ^ 受賞対象名-美術館, 賃貸オフィス [山種美術館 / YMATS HIROO] - GOOD DESIGN AWARD
- ^ コレクション.山種美術館公式サイト
- ^ Google Art Project掲載作品リスト
- ^ 作品紹介.山種美術館公式サイト
- ^ “私の履歴書復刻版 安宅合併頼み伊藤忠に日参 眠れぬ夜過ごす 元アサヒビール社長 樋口広太郎(21)”. NIKKEI STYLE. 日経BP社 (2017年4月6日). 2018年11月7日閲覧。
- ^ 『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』p.97
- ^ 山﨑妙子 2016, p. 5.
- ^ “展覧会「生誕125年記念 速水御舟」東京・広尾で、重要文化財を含む“幻の画家”の120作品”. FASHION PRESS (カーリン). (2019年5月9日) 2019年7月15日閲覧。
参考文献
[編集]- 西川善文『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』講談社、2011年。 ISBN 978-4-06-216792-5
- 山﨑妙子 (山種美術館館長)、山下裕二 (監修)、高橋美奈子 (山種美術館学芸部長)『速水御舟の全貌 日本画の破壊と創造』山種美術館、2016年10月8日。ISBN 978-4-907492-12-0。国立国会図書館書誌ID:027726660。