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2020年2月15日 (土) 05:03時点における版

坪尻駅
駅舎(2017年3月23日)
坪尻駅の位置(徳島県内)
坪尻駅
つぼじり
Tsubojiri
D18 讃岐財田 (8.2 km)
(3.3 km) 箸蔵 D20
地図
所在地 徳島県三好市池田町西山
北緯34度3分14.53秒 東経133度49分25.23秒 / 北緯34.0540361度 東経133.8236750度 / 34.0540361; 133.8236750 (坪尻駅)
駅番号 D19
所属事業者 四国旅客鉄道(JR四国)
所属路線 土讃線
キロ程 32.1 km(多度津起点)
電報略号 ツリ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
2人/日
開業年月日 1950年昭和25年)1月10日
備考 無人駅
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坪尻駅(つぼじりえき)は、徳島県三好市池田町西山にある、四国旅客鉄道(JR四国)土讃線である。駅番号D19

四国に2つしかないスイッチバック駅の1つ(もう1つは同じ土讃線新改駅)である。徳島県と香川県の県境にある猪ノ鼻峠付近、標高272mの地点に位置し周辺には山林や川しかない。駅構造の関係から通過する普通列車もあり、秘境駅のひとつとされている。

駅構造

シーサス・クロッシングポイントがあった頃の坪尻駅(1983年

単式ホーム1面1線を有するスイッチバック式地上駅。1面1線のため、当駅で普通列車同士が行き違う場合はいずれかが必ず通過となる。本線通過制限速度は100km/hで、通過列車は、横の本線を高速で去っていく。

下り普通列車は引き上げ線に待避してから駅に進入する。上り普通列車は駅を出発して引き上げ線に待避したのち讃岐財田駅に向かう。ワンマン運転時、運転士は進行方向を変えるごとに必ず前方となる運転台へ移動する。

かつてはシーサス・クロッシングポイントが設置されていたが、JR化後の高速化改良工事により撤去され、現在の形となった。

阿波池田駅管理の無人駅。駅舎の入口に掲げられている駅名板には駅名の上に『秘境の駅』と書かれた貼り紙が加えられている。待合室には発車時刻表、10分以上停車する列車の時刻表に加え定期列車の通過時刻表も掲示されている。通過時刻表は踏切にも掲示されている。また駅ノート2008年5月15日に地元の町づくり団体から寄贈された駅スタンプも待合室内に置かれていたが、2010年2月10日に紛失していることが判明[1]。その2ヶ月後に青森県津軽線中沢駅で発見された[2]。しかしその8年後に当たる2018年8月に、再び駅スタンプが無くなっていることが判明し、今回も盗難に遭ったと見られている[3]。4ヶ月以上経過した2019年1月現在も見つかっていないことから、2代目の駅スタンプが新製され、設置された[4]

なおこの待合室は各方向の戸が引き戸式で閉めることができるので、虫の侵入を防ぐことができる。

利用状況

平均1日2人(2016年度)

駅から徒歩で30分ほど山道を登った所に木屋床(こやとこ)という集落があり、開業当時は通学客や野菜の行商に出る人などで賑わっていた。しかし、集落付近に道路が整備されたため、駅を利用する住民はほとんど居なくなった[5]

1997年6月20日放送の朝日放送(ABCテレビ)製作の『探偵!ナイトスクープ』では、番組に寄せられた「この駅の乗降客数を調べてほしい」という依頼で、調査が行われた[6]。その際の乗降客数は24時間で、一組の夫婦が駅から出かけ、駅へ帰ってきた「のべ4人」だった。鉄道ルポ漫画『鉄子の旅』の作者達が2003年9月にこの駅を訪れた際には、「30分くらい歩いたところに」住んでいる77歳の老人と遭遇したことが描かれている[7]

2010年6月2日に放送されたテレビ朝日系列のバラエティ番組『ナニコレ珍百景』で、「利用者が1人しか居ない駅」として紹介された。その1人とは『探偵!ナイトスクープ』で紹介された夫婦の夫の方である。その後2014年6月4日に放送された同番組で、その男性は体調を崩し入院中のため利用していないが、駅を見にくる他の利用者がいると紹介された[8]

2016年9月14日に放送されたフジテレビ系列のバラエティ番組『世界の何だコレ!?ミステリー 日本の謎を大調査SP/消えた秘宝が徳島に眠る?』において、当駅開業当初は1日平均20名の利用者がおり、現在はある意味面白い駅として、全国から利用者がいることが証言されている[9]

1998年放送のテレビアニメセンチメンタルジャーニー』の第3話「七瀬優 星降る夜の天使」にてストーリーの冒頭で当駅が登場したことがあり、熱心な同作品のファンの訪問(聖地巡礼)により利用客が微増していた時期があった。

駅周辺

駅前にはかつて雑貨店があったが、現在は廃屋となって放置されている。

鮎苦谷川沿いの谷に駅が位置するため、車では近づくことができず、到達手段は徒歩のみである。駅舎を出ると、東側・西側にそれぞれ山道が1本ずつあり、駅舎の南側にある踏切[10]を東側へ渡って10 - 20分程度歩くと国道32号に、西側へ行くと市道に出る。ただし、山道にはゴミが散乱していたり倒木がある場合がある。また、降雨時や雨上がりは地面がぬかるんでおり、ごく一部を除いて柵がないため崖下に落ちる危険性もある。季節によってはマムシハチが出ることもある。

当駅は近隣住民の請願によって駅に昇格したものの、国道32号より駅までの600mの道は、近隣住民による手作りであることが『世界の何だコレ!?ミステリー』で証言されている。

なお、駅が立地しているのは、元は鮎苦谷川(州津川)の川底だった場所である。建設に際して、敷地を確保するため水を流すトンネルを掘削して川の流路を変えた上で川底を埋め立て、駅(当時は信号場)が設置された[11]。線路を通すためにトンネルで川を迂回させた場所は当駅の前後にも1カ所ずつあり、そのうちの1つは坪尻駅より多度津側のトンネルを出た車窓の西側に見える。

バス路線

国道にある駅入口付近の道路標識の建っている場所に、四国交通路線バス野呂内線・坪尻バス停がある。当駅に停車する普通列車は少ないため、箸蔵駅もしくは阿波池田駅との間の移動については、時間帯によってはバス便を利用する方が早く到達できる。坪尻 〜 阿波池田バスターミナルまで20分程度、運賃は2017年4月現在480円。

歴史

ギャラリー

隣の駅

四国旅客鉄道
土讃線
讃岐財田駅 (D18) - 坪尻駅 (D19) - 箸蔵駅 (D20)

脚注

  1. ^ 徳島新聞「寄せ書きノート9冊なくなる」”. 徳島新聞 (2009年4月24日). 2009年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月1日閲覧。
  2. ^ 不可解な旅…土讃線坪尻駅で盗難のスタンプ青森に 読売新聞 2010年4月25日
  3. ^ 無人の「秘境駅」スタンプ、盗難か 8年前も持ち去られ 朝日新聞 2018年12月17日
  4. ^ 坪尻駅スタンプ 苦渋の新調”. YOMIURI ONLINE(読売新聞) (2019年1月8日). 2019年1月8日閲覧。
  5. ^ 所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ! 2014年4月4日放送回 - gooテレビ番組
  6. ^ ロケ実績一覧(徳島県ロケーション・サービス)
  7. ^ 単行本第2集収録・第16旅
  8. ^ 「ナニコレ珍百景」2014年6月4日放送回 - gooテレビ番組
  9. ^ 「世界の何だコレ!?ミステリー」2016年9月14日放送回 - gooテレビ番組
  10. ^ 遮断桿が設けられており、通行の際は自力で前に押し出す。
  11. ^ 徳島新聞「土讃線いま昔」 Archived 2014年9月3日, at the Wayback Machine.
  12. ^ 豫讃線 鉄道停車場一覧. 昭和9年12月15日現在
  13. ^ 官報. 1929年04月20日
  14. ^ 官報. 1950年01月09日
  15. ^ 交通新聞 2010年1月14日
  16. ^ 「絶景!土讃線秘境トロッコ号」デビュー!巡るめく四国 四国地区観光公式サイト

関連項目

外部リンク