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'''野沢 協'''('''野澤 協'''、のざわ きょう、[[1930年]]([[昭和]]5年)[[2月1日]]<ref>『現代日本人名録』</ref>- [[2015年]]([[平成]]27年)[[11月18日]]<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASHCP5J0LHCPUCVL00F.html 元東京都立大教授の野沢協さん死去] 朝日新聞 2015年11月21日</ref>)は、日本の[[フランス文学者]]。17・18世紀フランス思想史を専攻。[[神奈川県]]鎌倉市生まれ。[[1953年]](昭和28年)[[東京大学]]文学部仏文科卒。[[1962年]]から[[1990年]]まで、[[東京都立大学]]人文学部仏文科助手、助教授、教授。[[1990年]]から[[2001年]]まで、[[駒澤大学]]外国語部教授。 |
'''野沢 協'''('''野澤 協'''、のざわ きょう、[[1930年]]([[昭和]]5年)[[2月1日]]<ref>『現代日本人名録』</ref>- [[2015年]]([[平成]]27年)[[11月18日]]<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASHCP5J0LHCPUCVL00F.html 元東京都立大教授の野沢協さん死去] 朝日新聞 2015年11月21日</ref>)は、日本の[[フランス文学者]]。17・18世紀フランス思想史を専攻。[[神奈川県]]鎌倉市生まれ。[[1953年]](昭和28年)[[東京大学]]文学部仏文科卒。[[1962年]]から[[1990年]]まで、[[東京都立大学 (1949-2011)]]人文学部仏文科助手、助教授、教授。[[1990年]]から[[2001年]]まで、[[駒澤大学]]外国語部教授。 |
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1960年代には[[白水社]]〈文庫クセジュ〉などで、[[社会科学]]方面の著作翻訳を多く手がけたが、1970年代以降、フランス[[啓蒙主義]]の研究に邁進。[[ポール・アザール]]の大著『ヨーロッパ精神の危機』(クローデル賞受賞)やグレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源』などを次々に訳す。さらに70年代後半からライフワークともいえる『[[ピエール・ベール]]著作集』の個人全訳([[法政大学出版局]])に着手。1997年に完結し、同年度の[[日本翻訳文化賞]](第34回)を受賞した。 |
1960年代には[[白水社]]〈文庫クセジュ〉などで、[[社会科学]]方面の著作翻訳を多く手がけたが、1970年代以降、フランス[[啓蒙主義]]の研究に邁進。[[ポール・アザール]]の大著『ヨーロッパ精神の危機』(クローデル賞受賞)やグレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源』などを次々に訳す。さらに70年代後半からライフワークともいえる『[[ピエール・ベール]]著作集』の個人全訳([[法政大学出版局]])に着手。1997年に完結し、同年度の[[日本翻訳文化賞]](第34回)を受賞した。 |
2020年3月24日 (火) 23:26時点における版
野沢 協(野澤 協、のざわ きょう、1930年(昭和5年)2月1日[1]- 2015年(平成27年)11月18日[2])は、日本のフランス文学者。17・18世紀フランス思想史を専攻。神奈川県鎌倉市生まれ。1953年(昭和28年)東京大学文学部仏文科卒。1962年から1990年まで、東京都立大学 (1949-2011)人文学部仏文科助手、助教授、教授。1990年から2001年まで、駒澤大学外国語部教授。
1960年代には白水社〈文庫クセジュ〉などで、社会科学方面の著作翻訳を多く手がけたが、1970年代以降、フランス啓蒙主義の研究に邁進。ポール・アザールの大著『ヨーロッパ精神の危機』(クローデル賞受賞)やグレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源』などを次々に訳す。さらに70年代後半からライフワークともいえる『ピエール・ベール著作集』の個人全訳(法政大学出版局)に着手。1997年に完結し、同年度の日本翻訳文化賞(第34回)を受賞した。
母方の祖父は田邊新之助、母方の叔父は田辺元であり、1歳年上の兄は東京大学農学部卒、元京都大学名誉教授の野澤(沢)謙であった。脚本家野沢尚は、謙の長男で甥に当たる。
著作
- 『荒野にて――野沢協評論集成』 法政大学出版局 2018
- 『夜の果てへ――野澤協全詩集』 法政大学出版局 2019
訳書
- セルジュ・ユタン『英米哲学入門』白水社 文庫クセジュ 1959
- G.V.ルグロ『ファーブル伝』(平岡昇共訳)白水社 1960、のち新版
- セク・トゥーレ『アフリカの未来像』正続(小出峻と共訳)理論社 1961
- トロッキー『わが生涯』(栗田勇・澁澤龍彦・浜田泰三と共訳、林茂名義)現代思潮社 1961、のち新版
- ラペルーサ『死海写本』白水社 文庫クセジュ 1962
- リヒャルト・レヴィンゾーン『心臓 この未知なるもの』(中山毅と共訳)理論社 1963
- ルイ・ボダン『知識人』白水社 文庫クセジュ 1963
- シュレ=カナール『黒アフリカ史 その地理・文明・歴史』理論社 1964
- アニー・クリジェル『インターナショナルの歴史 1864-1943年』(秋沢勝と共訳)白水社 文庫クセジュ 1965
- マドレーヌ・リフォ『"ベトコン"の戦士たち』理論社 1965
- クロード・フォーラン『アメリカの黒人』(山口俊章と共訳)白水社 文庫クセジュ 1967
- ル・フェーヴル『中央アジア自動車横断』(宮前勝利と共訳)白水社 1967、新版1981ほか
- ポール・ニザン『トロイの木馬』新日本出版社 1967
- ドルバック『キリスト教暴露』現代思潮社 1968
- アンドレ・ドクフレ『革命と反革命』白水社 文庫クセジュ 1969
- 『ポール・ニザン著作集9 妻への手紙』高橋治男共訳 晶文社 1969
- ジャン・ドフラーヌ『フランスの左翼 1789年から今日まで』白水社 文庫クセジュ 1972
- ポール・アザール『ヨーロッパ精神の危機 1680-1715』法政大学出版局・叢書ウニベルシタス、1973、新装版2015
- 『デカルト著作集4』白水社 1973、新版1993ほか
- ギュスターヴ・ジェフロワ『幽閉者 ブランキ伝』(加藤節子と共訳)現代思潮社 1973、新装版・現代思潮新社 2013
- アレクサンドル・コイレ『コスモスの崩壊 閉ざされた世界から無限の宇宙へ』白水社 1974、新装版1999
- ベルンハルト・グレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源 教会とブルジョワジー』法政大学出版局 1974
- 『シャトレ哲学史4 啓蒙時代の哲学』(監訳)白水社 1976、新装版1998
- モーリス・ドベス/ガストン・ミアラレ編『現代教育科学2』波多野完治・手塚武彦・滝沢武久監訳(共訳)白水社 1977
- 『ピエール・ベール著作集1 彗星雑考』法政大学出版局 1978
- 『ピエール・ベール著作集2 寛容論集』法政大学出版局 1979
- ジャン・カスー『1848年 二月革命の精神史』、法政大学出版局 1979
- 『ディドロ著作集2』(共訳)法政大学出版局 1980
- アンドレ・リシュタンベルジェ『十八世紀社会主義』法政大学出版局 1981、オンデマンド版2012
- 『ピエール・ベール著作集3 歴史批評辞典1』法政大学出版局 1982
- 『ピエール・ベール著作集4 歴史批評辞典2』法政大学出版局 1984
- 『ピエール・ベール著作集5 歴史批評辞典3』法政大学出版局 1987
- 『ピエール・ベール著作集6 彗星雑考 続』法政大学出版局 1989
- 『ディドロ著作集3』(共訳)法政大学出版局 1989
- 『ピエール・ベール著作集7 後期論文集1』法政大学出版局 1992
- 『啓蒙のユートピアⅠ』法政大学出版局 1996
- ドニ・ヴェラス『セヴァランブ物語』(田中良知と共訳)、クロード・ジルベール「カレジャヴァまたは合理人の島の物語」(小林浩と共訳)、シモン・ティソ・ド・パト「ジャック・マッセの旅と冒険」
- 『啓蒙のユートピアⅢ』、ドン・デシャン「道徳考」 法政大学出版局 1997
- 『ピエール・ベール著作集8 後期論文集』法政大学出版局 1997
- 『ピエール・ベール著作集補巻 宗教改革史論』法政大学出版局 2004
- ピエール・デ・メゾー『ピエール・ベール伝』法政大学出版局 2005
- 『ドン・デシャン哲学著作集』法政大学出版局 2007
- 『啓蒙のユートピアⅡ』法政大学出版局 2008
- ラッセ侯爵『しあわせ王国記』、マブリ『フォシオン対談』(貴田晃と共訳)、ティフェーニュ・ド・ラ・ロッシュ『ガリジェーヌ物語またはダンカンの覚書』(橋本克己と共訳)
- 『啓蒙の地下文書 1・2』 法政大学出版局 2008-11 監訳
- 『ピエール・ベール関連資料集』全4巻、法政大学出版局 2010-2015 編訳
- 1 抵抗と服従、2(上下) 寛容論争集成、補巻 良心の自由
参考
注
- ^ 『現代日本人名録』
- ^ 元東京都立大教授の野沢協さん死去 朝日新聞 2015年11月21日
外部リンク
- 子安宣邦「もう一つのフランスー野沢協氏追悼」(2016年4月30日)