「化石の荒野」の版間の差分
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2020年7月11日 (土) 12:16時点における版
『化石の荒野』(かせきのこうや)は、1975年に発表された西村寿行による日本のミステリー・アクション小説、およびこれを原作として1982年に製作された日本映画。
出版経緯
1975年に『野性時代』12月号に掲載、1976年に角川書店より出版。
映画
化石の荒野 | |
---|---|
監督 | 長谷部安春 |
脚本 | 丸山昇一 |
原作 | 西村寿行 |
製作 |
角川春樹 黒澤満[要曖昧さ回避](プロデューサー) 紫垣達郎(プロデューサー) |
出演者 |
渡瀬恒彦 浅野温子 夏木勲 |
音楽 | 萩田光雄 |
主題歌 | しばたはつみ「化石の荒野」 |
撮影 | 森勝 |
編集 | 鈴木晄 |
製作会社 |
角川春樹事務所 東映 |
配給 | 東映洋画 |
公開 | 1982年4月17日 |
上映時間 | 123分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 2億6000万円[1] |
1982年4月17日、全国東映洋画系公開。ドルビーステレオ、ビスタサイズ、カラー123分。角川春樹事務所と東映との提携作品。宣伝費に2億3000万円をかけたが、結果は角川映画史上記録的な不入りとなった[2][3]。
「西村寿行原作の映画はヒットしない」というジンクスが存在し、過去の西村寿行原作映画の興行成績は『君よ憤怒の河を渉れ』が配収2.4億円、『犬笛』が4.3億円、『黄金の犬』が2.8億円となっていた[4]。角川映画がこのジンクスを払拭できるかが注目されていた[4]。
6大都市(東京・川崎・横浜・大阪・京都・神戸)では1本立て公開されたが、地方では2本立てで公開された[4]。A級作品同士の組合せでなければ、2本立てにしても相乗効果は出ないと言う角川春樹が、2本立ての相手に選んだのが富士映画『窓からローマが見える』(池田満寿夫監督)だった[4]。池田監督の前作は『エーゲ海に捧ぐ』で配給収入は8.5億円(『レガシー』とのセットで10.5億円)[4]。今回が角川映画と富士映画の初の配給提携となった[4]。地方での2本立ての配給収入の按分は、都市部での1本立ての配給収入の比率で分けることになっていた[4]。
しかし、キネマ旬報は、『エマニエル夫人』の観客層と重なる興味本位の男性とヤング女性向けのソフトタッチのエロ映画『窓からローマが見える』と男性向けアクション映画である本作の組合せには公開前から疑問視していた[4]。製作サイドは配給収入20億円を目標としていたが、キネマ旬報は配収10億円を超えればヒットと予想していた[4]。
あらすじ
警視庁捜査一課の部長刑事・仁科草介は深夜、自宅マンションで突然三人組の男に襲われる。意識が回復すると、目の前には自らの拳銃で撃たれた外国人の死体が転がっていた。殺人の濡れ衣を着せられた仁科は、友人の新聞記者・峰島や、謎の美女・千沙らの協力を得て手配の網を掻い潜りながら事件を追うが、その背後にはオホーツクに消えた5トンの金塊を巡る巨大な陰謀が潜んでいた。
キャスト
- 仁科草介 - 渡瀬恒彦
- 雪江千沙 - 浅野温子
- 山沢雪彦 - 郷鍈治
- 田山恵子 - 范文雀
- 坂本英夫 - 大木実
- 平井剛一 - 田中明夫
- 吉宗和也 - 垂水悟郎
- 松木安男 - 加藤武
- 荒井記者 - 室田日出男
- 野川敬造 - 青木義朗
- 藤沢記者 - 角川春樹
- 岩下巡査 - 阿藤海
- 立花育子 - 竹田かほり
- 平井の手下 - 山西道広、成瀬正、友金敏雄、椎谷建治
- 記者 - 加藤大樹
- 高桑秘書 - 伊吹徹
- コマンド部隊 - 荻原紀、二家本辰巳
- 片山記者 - 江角英
- 浅井カメラマン - 片桐竜次
- ホステス - 竹井みどり
- 清水記者 - 鹿賀丈史
- 山崎巡査 - 宍戸錠
- 中臣晴義 - 佐分利信
- 峰島悟 - 川津祐介
- 中臣克明 - 夏木勲
- その他 - 遠藤征慈、重松収、伊藤紘、浜口竜哉、飯田浩幾、レオ・メネゲリー、氷室浩二、檀喧太、城野勝巳、戸塚孝、森岡隆見、郷内栄樹、高橋正昭、新井一夫、加々良一和輝、前島良行、国宗篤、速水隆、平井雅士、斉藤克美、堺美紀、内藤杏子
スタッフ
- 製作 - 角川春樹
- 原作 - 西村寿行(角川文庫版)
- 監督 - 長谷部安春
- 脚本 - 丸山昇一
- プロデューサー - 黒澤満、紫垣達郎
- 製作補 - 和田康作
- 撮影 - 森勝
- 照明 - 渡辺三雄
- 録音 - 福島信雅
- 音響効果 - 坂井三郎(東洋音響)
- 美術 - 中村州志
- 装飾 - 橋本俊雄
- 撮影効果 - 落合保雄
- 編集 - 鈴木晄
- 助監督 - 飛河三義、丸久夫
- 音楽監督 - 萩田光雄
- 企画製作 - 角川レコード
- サントラ盤 - コロムビア・レコード
- 音楽プロデューサー - 高桑忠男(東映音楽出版)
- 音楽プロデューサー補 - 大川裕
- スチール - 遠藤功成
- 記録 - 今村治子
- カー・スタント - 三石千尋とマイクスタントマンチーム
- 疑斗 - 高倉英二
- 製作宣伝 - 滝島留一
- 演技事務 - 飯塚滋
- 製作担当者 - 田中雅夫
- 美術制作 - 東映美術センター
- 衣裳 - 第一衣裳
- 録音スタジオ - にっかつスタジオセンター
- ステレオ光学録音 - 東宝映像、TKL-STEREO(東京現像所)
- 現像 - 東映化学
- 撮影協力 - 東亜国内航空、ダイワスポーツ
- 制作協力 - セントラル・アーツ
- 角川春樹事務所 = 東映提携作品
- 配給 - 東映
- 主題歌「化石の荒野」
「金塊探し」イベント
映画の公開に先立つ1982年4月11日、東京地区を対象として「暗号を解いて金塊(実際には1枚10万円相当の金貨10枚を10人分)を探そう」という宣伝イベントが実施された。このイベントは当日朝のラジオCMで最初のメッセージを流し、それを解いて国電に乗ると車内に次の場所(大井競馬場)を示すメッセージの広告が掲示されているというものであった[5]。角川書店はこの前年に「宝探し」の暗号を記したイギリスの絵本『仮面舞踏会』を翻訳刊行して話題を集めていた。当時の報道によると大井競馬場に来た参加者は1万8千人[5]。チェックポイントは7つ用意され、最終的な「金塊」の隠し場所は町田市に角川書店の系列会社が所有する「多摩文庫」であったが、そこに向かう専用バス(6台)を用意した最終チェックポイントの小田急小田原線鶴川駅には、主催者側が想定した500人を大きく上回る3000人の参加者が集まり、バスに乗りきれない事態になった[5]。一部の参加者は最後のバスを取り囲んだり前に座り込んだりして町田警察署から警察官50人が出動する騒ぎとなり、最終的に午後8時過ぎに主催者側が「別の日に違うルートで再度金塊探しを実施する」と釈明したことで収束した[5]。この騒ぎが起きる前に多摩文庫に到着した参加者(400人以上)によって8人分の金貨は回収されており、残る2人分を再実行用とした[5]。警察には事前にバスチャーターに関わる交通整理の依頼しか寄せられておらず、「金塊探し」の企画は伝えられていなかった[5]。
ビデオソフト
- VHS
- 1982年4月17日発売 / 品番 - VAF1117 / 発売 - ポニー / 販売 - 東映、東映ビデオ
- レーザーディスク
- 1987年8月21日発売 / 品番 - TLL2346 / 発売 - 角川春樹事務所 / 販売 - 東宝
- DVD
- 2004年1月28日発売 / 品番 - DABA-0457 / 発売 - 角川大映 / 販売 - ユニバーサルミュージック
脚注
- ^ 中川右介「資料編 角川映画作品データ 1976-1993」『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』角川マガジンズ、2014年、282頁。ISBN 4-047-31905-8。
- ^ 角川春樹「§12 鬼龍院花子の生涯」『試写室の椅子』角川書店、1985年9月10日、100頁。ISBN 4048831895。
- ^ 〔引用者註〕角川春樹は『試写室の椅子』の中で配給収入4億5000万円と書いているが、その『試写室の椅子』を参考資料の中の1冊としている中川右介著『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』の2億6000万円を敢えて採用した。
- ^ a b c d e f g h i 「興行価値 日本映画 成功するか大作2本立」『キネマ旬報』1982年(昭和57年)4月下旬号、キネマ旬報社、1982年、180 - 181頁。
- ^ a b c d e f 「『幻の金塊』探しに踊る 三千人殺到 混乱で中止」朝日新聞1982年4月12日23面