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=== 音楽一家に生まれる ===
=== 音楽一家に生まれる ===
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=== 中央音楽院とカーティス音楽院で学ぶ ===
=== 中央音楽院とカーティス音楽院で学ぶ ===
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== 演奏スタイルと評価 ==
== 演奏スタイルと評価 ==
超絶技巧を要する曲を弾きこなすだけでなく,深い洞察力や新鮮な解釈,情緒的な表現においても評価されている<ref name=":6" /><ref name=":7" /><ref name=":10" />。2015年には[[ロサンゼルス・タイムズ]]において,彼女の「軽快で輝かしい鍵盤の類まれなる演奏({{Lang-en|nonchalant, brilliant keyboard virtuosity}})は、偉大なピアニストでもあった[[セルゲイ・プロコフィエフ|プロコフィエフ]]を,そしてかの伝説的な[[ウラディミール・ホロヴィッツ|ホロヴィッツ]]ですら嫉妬させただろう」と評された<ref name="dg_bio" /><ref name=":6" /><ref>{{Cite web|author=|website=[[Los Angeles Times]]|date=|url=https://www.latimes.com/entertainment/la-et-cm-yuja-bringuier-review-20150709-column.html|title=Review: Pianist Yuja Wang sets off fireworks of her own at the Bowl|accessdate=2020-12-07|publisher=}}</ref>。
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* [http://www.opus3artists.com/artists/yuja-wang Profile of Yuja Wang] on Opus3 Artists site
* [http://www.opus3artists.com/artists/yuja-wang Profile of Yuja Wang] on Opus3 Artists site
* [http://www.tokafi.com/15questions/15-questions-to-yuja-wang/ Interview with Yuja Wang]
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2020年12月7日 (月) 12:19時点における版

王 羽佳
ユジャ・ワン(2012年)
基本情報
中国語 王 羽佳
漢語拼音 Wáng Yǔjiā
生誕 (1987-02-10) 1987年2月10日(37歳)[1]
中華人民共和国の旗 中国北京市
英語名 Yuja Wang
職業 ピアニスト
ジャンル クラシック音楽
担当楽器 ピアノ
レーベル ドイツ・グラモフォン
教育 カーティス音楽院卒業
公式サイト http://www.yujawang.com/
テンプレートを表示

ユジャ・ワン (中国語: 王 羽佳、Yuja Wang、1987年2月10日 - )は、中国出身の世界的なクラシックピアニスト。6歳からピアノを習い始め[1],北京の中央音楽学院フィラデルフィアカーティス音楽院で学ぶ[1][2]。2000年代後半より世界の名だたる指揮者やオーケストラと共演,ドイツ・グラモフォンでの録音もおこない、技巧、表現、公演におけるカリスマ性ともに高く評価されている[1][3]。また,グラモフォン賞などいくつもの賞を受賞している[1][4]。おもなレパートリーとしてはラフマニノフプロコフィエフラヴェルスクリャービンといった近現代音楽が挙げられるが、ベートーヴェンシューマンモーツァルトバッハなどのバロック・古典・ロマン派の作曲家にも取り組んでいる[1][5]

来歴

ユジャ・ワン

音楽一家に生まれる

1987年2月10日北京の音楽一家に生まれる[1]。父親はパーカッショニスト、母親はダンサー[5]。両親の結婚祝いのピアノでメロディに親しみはじめ、6歳からピアノのレッスンを受けている[1]。母からはダンサーとなることを望まれていたが,体が硬かったため、挫折したという[5]。また、パーカッショニストだけでなく譜面起こしの仕事もしていた父はリズムに厳しく、完璧であることを求められたとも語っている[5]

中央音楽院とカーティス音楽院で学ぶ

7歳のときより3年間北京の中央音楽学院にて学んだ[2]。14歳のとき(1999年)に奨学金を得て,カナダカルガリーマウント・ロイヤル・カレッジ英語版におけるモーニング・サイド・ミュージック・サマー・プログラムに当時最年少で参加[6][7]2001年にはスタインウェイ・アーティストに選ばれている[8][3]。15歳よりアメリカ合衆国フィラデルフィアカーティス音楽院にてゲイリー・グラフマンに師事、2008年に卒業[2]

2002年に,アスペン音楽祭のコンチェルト・コンペティションで優勝を果たし,翌年デイヴィッド・ジンマン指揮のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の共演でヨーローッパ・デビューを果たした[7][9].2005年には,ラドゥ・ルプの代役としてピンカス・ズーカーマン指揮の国立芸術センター管弦楽団と共演し,メジャー・コンサート・デビューを果たしている[10][7]

アルゲリッチの代役公演、DGとの契約

カーティス音楽院在学中の2007年3月、マルタ・アルゲリッチの代役としてシャルル・デュトワ指揮のボストン交響楽団と共演し[11]、20歳で世界的な名声を獲得した[3]2009年ドイツ・グラモフォンと契約[10]。同年、ロレックスの文化大使に選ばれる[3]2011年カーネギー・ホールでソロ・リサイタル・デビュー公演[12]

その後の活躍

2011年以降も,大御所から若手まで数多くの指揮者のもと世界各地の名だたるオーケストラと共演[注釈 1]2017年以降,マーラー室内管弦楽団[13]およびヨーロッパ室内管弦楽団[14]において弾き振りもおこなっている[1][3]。ドイツ・グラモフォンでのスタジオおよびライブでの協奏曲,室内楽,独奏曲の録音も継続的におこなっており[注釈 2],複数の賞を獲得している[注釈 3]

演奏スタイルと評価

超絶技巧を要する曲を弾きこなすだけでなく,深い洞察力や新鮮な解釈,情緒的な表現においても評価されている[3][10][14]。2015年にはロサンゼルス・タイムズにおいて,彼女の「軽快で輝かしい鍵盤の類まれなる演奏(英語: nonchalant, brilliant keyboard virtuosity)は、偉大なピアニストでもあったプロコフィエフを,そしてかの伝説的なホロヴィッツですら嫉妬させただろう」と評された[1][3][15]

公演におけるドラマティックで活気あふれるカリスマ的な魅力についても,耳の肥えた聴衆からクラシック初心者まで幅広く好評を博している[1][3][12]。タイトなミニスカートハイヒールで演奏に臨むことでも知られており,エルベ・レジェ英語版ボディ・コンシャスなドレスやクリスチャン・ルブタンのピンヒールなどを好んでいる[16][17].躍動的な演奏は,アスリートさながらと評されることもある[18][19]

リサイタルにおいては、しばしば直前まで数度に渡って演奏曲目を変更することでも知られている[5][20]

作曲家や他の音楽家について

幼少時、母がチャイコフスキーの《白鳥の湖》のリハーサルをしているのを見た経験が,ロシアの作品への愛着へと繋がっている[1][5]。また、ポリーニルービンシュタインの弾くショパンフルトヴェングラー指揮のベートーヴェンなどロマン派にも録音で親しんだ[5]

2013年のスタンウェイによるインタビューでは、プロコフィエフラフマニノフスクリャービンといったロシアの作曲家の情熱的で多彩な魅力について語るとともに、ベートーヴェンモーツァルトバッハなどのドイツ古典派以前の作品についてはじっくりと腰を据えて徹底的に取り組みたいと、両者をロック・コンサートと講義の違いに例えて語っている。いずれにしても譜読みには時間を掛け,基本的なアプローチは変わらないが,ものになるまでどれだけ時間がかかるかは作曲家によって異なるという[5].2018年のイギリス版ヴォーグ誌によるインタビューにおいても、「作曲家は作品を書くのに多くの時間を費やしたのだから,私たちがそれを何年もかけて解読するのは正しいこと」であると述べている[1]

2019年のインタビューで,チェリストゴーティエ・カプソンについて,相手がなにも言わずとも一緒に呼吸するだけで自然に音楽が流れ,そのような他の音楽家は亡きクラウディオ・アバドだけであったと語っている[9]

クラシック音楽以外では,キース・ジャレットレディオヘッドブラック・アイド・ピーズザーズスティング を好きなミュージシャンとして挙げている[5]

ディスコグラフィー

タイトル

発売年、レーベル

備考

収録曲
第1回 仙台国際音楽コンクール 入賞者記念アルバム[21]

2001年音楽之友社

  • CD1 #3 –# 6、ワン・ユーチィア名義
  • 予選での演奏
ソナタ&エチュード[22]

2009年DG

トランスフォーメーション[22]

2010年、DG

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニ狂詩曲[22]

2011年、DG

ラフマニノフ
ファンタジア[22]

2012年 、DG

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番[22]

2013年 、DG

Summer in February[25]

2013年,DG

  • ベンジャミン・ウォルフィッシュ:映画『2月の夏英語版』のサウンドトラック
ラヴェル:ピアノ協奏曲集[22]

2015年 、DG

ベルリン・リサイタル[22]

2018年 、DG

The Berlin Recital – Encores[25]

2018年,DG

  • ライブ配信
  • ダウンロード,ストリーミング配信のみ
ブルー・アワー[25]

2019年,DG

ショパン、フランク[27]

2019年,エラート

Rachmaninov: Cello Sonata in G Minor, Op. 19[25]

2020年,DG

ジョン・アダムズ:Must The Devil Have All The Good Tunes?[22]

2020年 、DG

主な受賞歴

主な演奏歴

2000年代

来日公演

2000年代

2010年代

主な共演者

出典(特記のない場合)[1][3][4]

クルト・マズアロリン・マゼールクラウディオ・アバドロジャー・ノリントンデイヴィッド・ジンマン[7][9]シャルル・デュトワユーリ・テミルカーノフダニエル・バレンボイムマイケル・ティルソン・トーマスピンカス・ズーカーマン[10]ヴァレリー・ゲルギエフマンフレート・ホーネック[32]アントニオ・パッパーノフランツ・ウェルザー=メストヤープ・ヴァン・ズヴェーデンダニエレ・ガッティキリル・ペトレンコヤニック・ネゼ=セガンミッコ・フランクピエタリ・インキネングスターボ・ドゥダメルミルガ・グラジニーテ=ティーラリオネル・ブランギエ

*は弾き振りを含むことを意味する。

ヨーロッパ

イギリス

ロンドン交響楽団ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団ヨーロッパ室内管弦楽団*,バーミンガム市交響楽団アカデミー室内管弦楽団

ドイツ

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団マーラー室内管弦楽団*, シュターツカペレ・ベルリンミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

その他

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団パリ管弦楽団ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団ルツェルン祝祭管弦楽団スペイン国立管弦楽団サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団

アジア

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団中国フィルハーモニー管弦楽団英語版香港フィルハーモニー管弦楽団NHK交響楽団

北アメリカ

国立芸術センター管弦楽団[10]サンフランシスコ交響楽団ロサンジェルス・フィルハーモニックダラス交響楽団ヒューストン交響楽団シカゴ交響楽団デトロイト交響楽団クリーヴランド管弦楽団ボストン交響楽団ピッツバーグ交響楽団ニューヨーク・フィルハーモニックフィラデルフィア管弦楽団ワシントン・ナショナル交響楽団

南アメリカ

シモン・ボリバル交響楽団

多国籍

YouTubeシンフォニー・オーケストラ英語版

ソリスト

レオニダス・カヴァコスヴァイオリン),マティアス・ゲルネバリトン),マーティン・グラビンガー英語版パーカッション),ゴーティエ・カプソンチェロ

脚注

  1. ^ 主な共演者の節を参照.
  2. ^ ディスコグラフィーの節を参照.
  3. ^ 主な受賞歴の節を参照

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Yuja Wang | Biography”. Deutsche Grammophon (2018年9月). 2020年12月7日閲覧。
  2. ^ a b c d BIOGRAPHY - ユジャ・ワン | Yuja Wang”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2020年12月7日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i Yuja Wang”. Boston Symphony Orchestra | bso.org. 2020年12月7日閲覧。
  4. ^ a b c d アーティスト | ユジャ・ワン”. KAJIMOTO. 2020年12月7日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i ベン・フィネーン (2013年). “I Have That Blood Yuja Wang”. Steinway & Sons. スタインウェイ・アンド・サンズ. 2020年12月7日閲覧。
  6. ^ Yuja Wang - Persons”. St. Petersburg Academic Philharmonia. サンクトペテルブルク・フィルハーモニア. 2020年12月7日閲覧。
  7. ^ a b c d e Freedman, Geraldine. “Pianist Wang enjoys unpredictable schedule”. The Daily Gazette. 2020年12月7日閲覧。
  8. ^ Yuja Wang”. Steinway & Sons. 2020年12月7日閲覧。
  9. ^ a b c Kustanczy, Catherine (2019年12月6日). “Yuja Wang: "I Respond To Something On The Spot"”. The Opera Queen. 2020年12月7日閲覧。
  10. ^ a b c d e ドイツ・グラモフォン 、ユジャ・ワン(王 羽佳/Yuja Wang)と専属録音契約締結”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN (2009年1月7日). 2020年12月7日閲覧。
  11. ^ a b Westphal, Matt (2007年5月5日). “Martha Argerich Cancels This Week's Appearances with Boston Symphony”. Playbill. 2020年12月7日閲覧。
  12. ^ a b Perspectives: Yuja Wang”. Carnegie Hall. 2020年12月7日閲覧。
  13. ^ Across Europe with Yuja Wang - Tour Diary”. Mahler Chamber Orchestra. 2020年12月7日閲覧。
  14. ^ a b The COE and Yuja Wang”. Chamber Orchestra of Europe. 2020年12月7日閲覧。
  15. ^ Review: Pianist Yuja Wang sets off fireworks of her own at the Bowl”. Los Angeles Times. 2020年12月7日閲覧。
  16. ^ ユジャ・ワンがアップルストアに登場、「好きなファッションは、自分に自信を持たせてくれる」| Daily News”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク、Billboard IP Holdings (2015年11月12日). 2020年12月7日閲覧。
  17. ^ Sky Canaves (2019年8月18日). “Rimowa Taps Chinese Pianist Yuja Wang for Latest Campaign”. Jing Daily. Herlar, LLC. 2020年12月7日閲覧。
  18. ^ 特集/ラインナップ ユジャ・ワンがやってきた”. CLASSICA JAPAN. 2020年12月7日閲覧。
  19. ^ ラヴェル:ピアノ協奏曲 [SHM-CD][CD] - ユジャ・ワン”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2020年12月7日閲覧。
  20. ^ Tommasini, Anthony (2020年5月20日). “Does Knowing What You’re Hearing Matter?”. The New York Times. 2020年12月7日閲覧。
  21. ^ 第1回仙台国際音楽コンクール~入賞者記念アルバム [2CD]”. CDJournal. 2020年12月6日閲覧。
  22. ^ a b c d e f g h DISCOGRAPHY - ユジャ・ワン”. Universal Music Japan. 2020年12月6日閲覧。
  23. ^ Young Artist of the Year”. Gramophone. 2020年12月6日閲覧。
  24. ^ a b c d Yuja Wang | Artist”. GRAMMY.com. 2020年12月6日閲覧。
  25. ^ a b c d Discography of Yuja Wang”. Deutsche Grammophon. 2020年12月7日閲覧。
  26. ^ a b Gramophone Classical Music Awards 2019: the winners revealed!”. Gramophone. 2020年12月7日閲覧。
  27. ^ Gautier Capucon / ゴーティエ・カピュソン「CHOPIN, FRANCK / ショパン、フランク(UHQCD)」”. Warner Music Japan. 2020年12月7日閲覧。
  28. ^ 第1回ピアノ部門”. 仙台国際音楽コンクール公式サイト. 2020年12月7日閲覧。
  29. ^ Learn More About Yuja Wang: Gilmore Young Artist”. The Gilmore. Irving S. Gilmore International Keyboard Festival. 2020年12月7日閲覧。
  30. ^ Young Artist of the Year”. Gramophone. 2020年12月7日閲覧。
  31. ^ Artist of the Year 2017: Yuja Wang”. MusicalAmerica. 2020年12月7日閲覧。
  32. ^ A Grand Finale with Yuja Wang - Pittsburgh | Official Ticket Source | Heinz Hall | Fri, Jun 7 - Sun, Jun 9, 2013”. Pittsburgh Symphony Orchestra. 2020年12月7日閲覧。

外部リンク