「盤嶽の一生」の版間の差分
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2020年12月23日 (水) 04:01時点における版
『盤嶽の一生』(ばんがくのいっしょう)は、第二次世界大戦前の大衆文学作家・白井喬二の代表的小説である。真っ正直で常に真実を追い求めては裏切られる侍、阿地川 盤嶽(あぢがわ ばんがく)を主人公にした複数の短篇物語で、1933年(昭和8年)に日活時代の山中貞雄監督により大河内伝次郎主演で映画化された。フィルムプリントは現存していない。本作のシナリオを元に映画やテレビドラマとしてリメイクされている。「盤獄」は誤り。
略歴・概要
映画のリメイク版は岸松雄と新藤兼人が共同で脚色し、松林宗恵監督により『がんばれ! 盤嶽』のタイトルで1960年(昭和35年)に公開された。宝塚映画製作、東宝配給、小林桂樹主演。
テレビシリーズは3度製作されている。1度目は1958年10月20日 - 同年11月10日にKRT(現:TBSテレビ)系列で毎週月曜21:15 - 21:45(武田薬品工業一社提供『ウロコ座』枠)に放送された。水島道太郎主演。全4回[1]。
2度目は1963年(昭和38年)2月6日 - 同年2月27日にNHKで毎週水曜日の20:00 - 20:30に放映された。嵐寛寿郎主演、全4回。
3度目は2002年(平成14年)3月5日 - 同年6月18日にフジテレビ系列で毎週火曜日の19:59 - 20:54に放映された。役所広司主演。第9話と第10話は地上波未放送であったが、2005年(平成17年)に時代劇専門チャンネルにて放映された。第1話と第2話は市川崑が監督を務めている。
映画
1933年6月15日公開。監督・脚色は山中貞雄、製作は日活、白黒、サイレント。
スタッフ・作品データ
- 製作 : 日活太秦撮影所
- 上映時間(巻数) : 12巻 / 2,595メートル
- フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.33:1) - サイレント映画
- 公開日 :
日本 1933年6月15日
- 配給 :
日活
- 初回興行 : 浅草・富士館
キャスト
- 阿地川盤嶽:大河内伝次郎
- 三輪嘉五郎:山本礼三郎
- 関屋献之助:芝田新
- 武富多平太:谷幹一
- たなやの若女房:吉野朝子
- 若主人:片岡左近
- 親父:實川延一郎
- 木ノ津親分:市川小文治
- 親分の娘:山田五十鈴
- 用心棒:山本冬郷
- 妹・お時さん:大倉千代子
- 医者龍伯:中村吉次
- 龍伯の娘:鈴村京子
- 正直忍斎:高勢実乗
- 地主佐兵衛:高木永二
テレビドラマ
1958年版
三木鮎郎脚本。
キャスト
1963年版
丸根賛太郎脚本。「浪曲ドラマ」という形をとっている。
キャスト
2002年版
概要
局のHPなどで何度も告知がされながらも実際にOAされるまで数年の月日を要したという曰くつきだが、内容はかつてよく見られた旅ものの時代劇である。ただし、この系統の作品でよく見られるお供の者が存在せず、レギュラーは盤嶽一人だけである。パターンとしては自らの刀を異常に愛している以外は普通の素浪人である盤嶽が毎回、色んな人の嘘に巻き込まれながら悪人を退治していくのが定番である。
収録されてから放送されるまでに時間があったためか、放映時点で既に亡くなっていた人物や芸能界を引退していた人物が幾人か出演している。
2016年2月2日に、全10話を収録したDVD-BOXが発売された(発売元は時代劇専門チャンネル(日本映画放送)、販売元はポニーキャニオン)。
キャスト
- 阿地川盤嶽:役所広司
スタッフ
- 原作:白井喬二
- 監督:市川崑、山下智彦、津島勝、田中幹人、林徹、三村晴彦、斎藤光正、原田真治、小笠原佳文
- 脚本:田村恵、久里子亭、古田求
- 音楽:谷川賢作
- ED:masumi「REMEMBER」
- 殺陣:宇仁貫三
- 現像・テレシネ:IMAGICAウェスト
- 制作協力:松竹京都映画
- 企画:能村庸一、西岡善信
- プロデューサー:遠藤龍之介、保原賢一郎、西村維樹
- 制作:フジテレビ、映像京都
放映リスト
回 | サブタイトル | 放映日 | ゲスト |
---|---|---|---|
1 | わが愛刀よ | 2002年3月5日 | 石倉三郎、うじきつよし、立川三貴、鈴木京香 |
2 | 絵図面の謎 | 2002年3月12日 | 安達祐実、高橋和也、ベンガル、上條恒彦、根岸季衣、井上博一、木下ほうか、曽我廼家文童、浅野ゆう子 |
3 | 津軽の男 | 2002年4月16日 | 渡辺典子、岡本信人、3代目江戸家猫八、宇崎竜童、粟津號、笹野高史、津村鷹志、鷲生功、金子研三、服部妙子、五月晴子 |
4 | みちづれ | 2002年4月30日 | 渡辺いっけい、升毅、六平直政、伊佐山ひろ子、森川正太、岩尾正隆、南野陽子 |
5 | 落としもの | 2002年5月14日 | 船越英一郎、阿南健治、火野正平、中江有里、住田隆、山本龍二、南條豊、青木卓司、坂本あきら、上岡龍太郎、田中邦衛 |
6 | 流れ者 | 2002年5月28日 | 伊藤かずえ、河原さぶ、遠藤憲一、髙嶋政宏、江口ナオ、八十田勇一、大川ひろし、神谷けいこ、吉本真由美、多賀勝一、大木こだま・ひびき |
7 | じゃじゃ馬馴らし | 2002年6月11日 | 中原果南、池内万作、井上肇、加藤正記、円堂耕成、大橋一三、赤羽秀之、永野典勝、黒部進、寺尾聰、中村梅之助、柴田善行、芝本正 |
8 | 男と女 | 2002年6月18日 | 石橋蓮司、広岡由里子、桃井かおり、國村隼、梨本謙次郎、田中規子、谷口高史、芦屋小雁 |
9 | げんこつ親分 | 2005年5月9日 時代劇専門チャンネル |
藤谷美紀、尾美としのり、佐藤B作、布施博、木下ほうか、仁科貴、かとうあつき、田山涼成、紅萬子、中谷由香、南方英二 |
10 | 二人ばんがく | 2005年5月10日 時代劇専門チャンネル |
益岡徹、神山繁、早坂好恵、佐藤有紀、伊藤洋三郎、竹本聡子、伊藤敏八、山口美也子、樋浦勉、頭師孝雄、 |
註
- ^ “盤嶽の一生”. テレビドラマデータベース. 2020年3月17日閲覧。
- ^ 1933年の#映画の出演者とは別人。
公式サイト
- 盤嶽の一生(1958年版) - テレビドラマデータベース
- 盤嶽の一生(1963年版) - テレビドラマデータベース
- 盤嶽の一生(2002年版) - テレビドラマデータベース
- 盤嶽の一生 - フジテレビによる公式サイト。
- 時代劇DVDインフォメーション - ポニーキャニオンによる公式サイト。