「花房山 (岐阜県)」の版間の差分
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2021年5月14日 (金) 00:27時点における版
花房山 | |
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小津権現山から望む冬の花房山 | |
標高 | 1,189.49[1] m |
所在地 |
日本 岐阜県揖斐郡揖斐川町 |
位置 | 北緯35度37分12.547秒 東経136度31分9.603秒 / 北緯35.62015194度 東経136.51933417度座標: 北緯35度37分12.547秒 東経136度31分9.603秒 / 北緯35.62015194度 東経136.51933417度[1] |
山系 | 越美山地 |
花房山の位置
| |
プロジェクト 山 |
花房山(はなぶさやま)は、両白山地南部[2](越美山地)の岐阜県揖斐郡揖斐川町にある標高1,189 mの山。
概要
濃尾平野から北西に小津三山の山並みを望むことができ[3]、その中央にある最高峰である。ぎふ百山の一つに選定されている[4]。ミズナラなどの落葉広葉樹林とスギ、ヒノキなどの植林地が混在する。周辺は岐阜県下では降水量が多い地域で冬には冠雪し、山麓ではシイタケやゼンマイが特産品である[5]。周辺の山域は「尾蔵谷休猟区」の指定を受けている[6]。南麓にはマンガンを産出していた花房鉱山があった[5][7]。南西山麓の揖斐川町東杉原は廃村となった[8]。その西隣の揖斐川町鶴見には、藤橋城と西美濃天文台がある。
登山道
北西山麓の廃村となった揖斐川町東杉原からの標高点(706 m地点)を通る北西の尾根に登山道が切り開かれていて[2][3][8]、痩せ尾根部の登山道脇などではイワウチワの群落があり春先に花が見られる。また南山腹にあるモレ谷林道から小津権現山との鞍部に至り、標高点(1,096 m地点)を通る尾根伝いのルートがある。モレ谷林道の終点付近から山頂方面から南東方向に枝分かれする尾根の藪の踏み跡をたどって登られることもある[2][9]。従来小津権現山と花房山間の稜線は藪に覆われていて歩行困難であったが、2012年頃に藪が刈り払われて小津権現山からの縦走が可能となった。登山適期は春と秋、新緑は5月初旬ごろで紅葉は10月下旬ごろ[3]、夏期などにはヤマビルに注意を要する。東海自然歩道が南山麓の揖斐川町小津を通っている[3]。花房山と雷倉の間の稜線は藪に覆われ登山道はなく、歩行困難である。奥美濃の多くの山には登山道がなく、花房山に登山道が開設される以前は残雪によって藪が抑えられている3-4月頃が登山適期とされていた[2][10]。山頂は見晴らしが良く、北側の眼下には徳山ダムを見下ろすことができ、能郷白山、白山、北アルプス、御嶽山などの山並みを望むことができる[3][8]。
地理
山の西側は揖斐郡の旧藤橋村、東側は旧久瀬村であった[2]。2005年(平成17年)1月31日に揖斐川町との合併により全域が揖斐川町に属する。山頂部で三方向からの尾根が合流する。
周辺の山
両白山地の西の主峰である能郷白山から南に延びる枝尾根上にあり[2]、北東に雷倉、南西に小津権現山がある。
山容 | 山名 | 標高 (m)[注釈 1][1][11] |
三角点等級 基準点名[1] |
花房山からの 方角と距離(km) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
高賀山 | 1,224.19 | 一等 「高賀山」 |
東 31.3 | 高賀三山 | |
冠山 | 1,256.57 | 三等 「冠山」 |
北北西 20.3 | 日本三百名山 | |
能郷白山 | 1,617.37 | 一等 「能郷白山」 |
北 15.8 | 日本二百名山 | |
雷倉 | 1,168.63 | ニ等 「矢谷」 |
北東 3.1 | 小津三山 | |
花房山 | 1,189.49 | 三等 「水飲」 |
0 | 小津三山の最高峰 | |
小津権現山 | 1,157.70 | 二等 「小津」 |
南西 3.4 | 小津三山 | |
金糞岳 | 1,317 | 西南西 18.2 | 滋賀県の第2高峰 | ||
伊吹山 | 1,377.33 | 一等 「伊吹山」 |
南南西 24.7 | 日本百名山 滋賀県の最高峰 |
源流の河川
西側に揖斐川が流れ、横山ダム(奥いび湖)の東北東7 kmに位置し[5]、その上流にある総貯水容量が日本最大の徳山ダムの南南東6 kmに位置する。以下の伊勢湾へ流れる揖斐川の支流の源流となる山である。
交通・アクセス
西山麓の揖斐川右岸沿いに国道417号が通り、南山麓の揖斐川町小津に岐阜県道268号神原西津汲線が通る。周辺の山域には、南山腹のモレ谷林道、南東山腹の高地谷林道などの林道が通る。
花房山からの展望
-
花房山から望む南側の展望
-
花房山から望む西側の展望
-
花房山頂上から望む北側の展望(徳山ダムと能郷白山)
脚注
注釈
- ^ 基準点の標高は、2014年の改定値を適用。
出典
- ^ a b c d “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2014年8月17日閲覧。
- ^ a b c d e f 日本山岳会 (2005)、1208頁
- ^ a b c d e f 島田 (2009)、92-93頁
- ^ 岐阜県山岳連盟 (1987)
- ^ a b c d 日本山名辞典 (1992)、422頁
- ^ “休猟区の指定”. 岐阜県 (2006年10月31日). 2013年11月17日閲覧。
- ^ 高木 (1987)、48頁
- ^ a b c 吉川 (2005)、90-91頁
- ^ 富永 (2005)、148-150頁
- ^ 高木 (1987)、46頁
- ^ “日本の主な山岳標高”. 国土地理院. 2013年11月17日閲覧。
- ^ 高木 (1987)、47頁
参考文献
- 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474。
- 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
- 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド・改訂版〉、2009年12月。ISBN 9784635023702。
- 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。
- 高木泰夫『奥美濃-ヤブ山登山のすすめ』ナカニシヤ出版、1987年10月。ISBN 4888480605。
- 富永豊『奥美濃とその周辺の山130山―ブナ林の山旅の記録』サンライズ出版、2005年2月。ISBN 488325268X。
- 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃〈上〉』風媒社、2005年3月。ISBN 4833101149。