二ッ森山 (岐阜県)
二ッ森山 (岐阜県) | |
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苗木城址から望む二ッ森山 双耳峰(左:西峰と右:東峰) | |
標高 | 1,223.49[注釈 1][1] m |
所在地 |
日本 岐阜県中津川市、加茂郡白川町 |
位置 | 北緯35度34分18.72秒 東経137度24分1.26秒 / 北緯35.5718667度 東経137.4003500度座標: 北緯35度34分18.72秒 東経137度24分1.26秒 / 北緯35.5718667度 東経137.4003500度[2] |
山系 | 美濃三河高原[3] |
二ッ森山の位置
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プロジェクト 山 |
二ッ森山(ふたつもりやま)は、岐阜県中津川市[注釈 2] と加茂郡白川町とにまたがる標高1,223.5 mの山[2][3][4]。美濃三河高原の二ッ森山地の主峰[3]。
概要
[編集]付知川の右岸に位置し、二ッ森山地の主峰[3]。古記録では「二ッ盛山」と表記されている[3]。東峰と西峰からなり、東から望むと[5] 双耳峰であることが山名の由来[3]。本峰の西峰には二等三角点(点名が「二ッ森」、標高1,223.49 m)が設置されている[1]。東峰は「東森山」と呼ばれている[6]。三角点の標石は、山頂の巨石に埋め込まれている[3][5]。山麓には南北朝時代の史跡が多い[4]。岐阜県山岳連盟により、ぎふ百山の一つに選定されている[7]。山域はヒノキの植林地として利用されている[8]。ベニドウダンが分布し、山頂のトチ、クヌギ、イタヤカエデ、ブナなどの大木も多い[9]。山頂の南西約1 km(標高1,100 m)にミズナラの巨木(やや傾斜地に生育していて、幹周6.9 m、樹高25 m)があり、1967年(昭和42年)6月14日に『薬研洞の大ナラ』(やけんぼらのおおなら)として、岐阜県の天然記念物の指定を受けている[10]。東山腹の二ツ森林道沿線に自生する『ハナノキ(二ツ森)』が、1983年(昭和48年)11月3日に旧福岡町の天然記念物の指定を受け、中津川市の天然記念物を受けている[11]。平成13-17年度にかけて、森林居住環境事業(林業地域総合整備事業)の一つとして、北東面の二ッ森山林道の周辺(7合目付近)に二ッ森フォレストパーク(児童公園)と遊歩道が整備された[12][13]。
氷餅の池
[編集]山頂の北東約300 mの登山道付近に「氷餅の池」があり[8]、1973年(昭和48年)11月3日に恵那郡福岡町の史跡に指定され、その後中津川市の史跡に指定されている[14]。1723年(享保8年)に苗木藩6代領主遠山友将が、氷餅の製造場所を高峰山から本山への移転を命じた[14]。百姓204人により、山道作り、小屋かけ、井戸掘りを行い、2日間でこの池を完成したと伝えられている[14]。
登山
[編集]日帰り登山の対象となる山[15]。代表的な登山道である切越峠からの登山ルート(無雪期・天候良好時)が、岐阜県による「岐阜県 山のグレーディング」で、技術的難易度が「ランクA/(A-E)」(低い)、体力度が「2/1-10」(小程度、日帰りが可能)とされている[15]。山頂の北側には休憩所となる東屋とモニュメント[8] が設置されていて、御嶽山、中央アルプス、南アルプスなどが望める[6]。山頂の巨石は展望台となっていて、恵那山や笠置山などを望むことができる[6]。二ッ森山林道より少し上部の林道の福岡側登山口には、トイレ、水場と駐車場[8] が設置されている[6]。東森山の山頂直下には東屋が設置されている[6]。北尾根上の標高点1,160 mのピークには、「福岡町天然記念物ダナのシャクナゲ群生地」の標示がある[6]。主な登山ルートを以下に示す。
- 切越峠 - (北尾根) - 標高点1,160 mのピーク - コウモリへの岩分岐 - 大ナラへの分岐 - 二ッ森山[3][6][9]
- 二ッ森山林道(福岡側登山口) - 東峰と西峰との鞍部 - 二ッ森山[3]
- 切越峠 - (岐阜県道70号白川福岡線) - 奥新田林道 - コウモリ岩の入口 - コウモリ岩 - コウモリ岩への分岐 - 大ナラへの分岐 - 二ッ森山[16]
- 切越峠 - (岐阜県道70号白川福岡線) - 奥新田林道 - 大ナラ登山口 - 大ナラ - 大ナラへの分岐 - 二ッ森山[16]
地理
[編集]周辺の山
[編集]御嶽山の南南東36.4 km、恵那山の北西22.8 kmに位置する[2]。周辺の主要な山を下表に示す[2]。
山容 | 山名 | 標高(m) [注釈 3][1][17] |
三角点等級 基準点名[1] |
二ッ森山からの 方角と距離(km) |
備考 |
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御嶽山 | 3,067 | 一等 「御岳山」(3,063.61) |
北北西 36.4 | 日本百名山 ぎふ百山 | |
奥三界岳 | 1,810.69 | 三等 「奥三階」 |
北東 15.6 | 日本三百名山 ぎふ百山 | |
二ッ森山 | 1,223.49 | 二等 「二ツ森」 |
0 | ぎふ百山 | |
岩山 | 923.31 | 三等 「岩山」 |
南南東 2.8 | 続ぎふ百山 | |
笠置山 | 1,127.97 | 二等 「御笠置」 |
南西 8.3 | ぎふ百山 | |
恵那山 | 2,191 | 一等 「恵那山」(2,190.28) |
南東 22.8 | 日本百名山 ぎふ百山 |
源流の河川
[編集]以下の木曽川水系の河川の源流となる山で、伊勢湾へ流れる[2]。
周辺の峠
[編集]- 切越峠 - 標高約880 m。山頂から北側に延びる尾根上にある高時山(標高1,085.7 m)との鞍部。山頂の北北西2.2 kmに位置し、岐阜県道70号白川福岡線が通る。
- 遠ヶ根峠 - 標高797 m。山頂から西側に延びる尾根上にある鞍部。山頂の西3.8 kmに位置し、岐阜県道72号恵那蛭川東白川線が通る。
交通・アクセス
[編集]北山麓に岐阜県道70号白川福岡線、山域の西側に岐阜県道72号恵那蛭川東白川線、山域の東側に国道257号が通る[2]。水土保全機能強化総合モデル事業の一環として[5]、東山腹を巻く二ッ森林道が敷設されている[3]。切越峠には登山者用の駐車場がある[8]。西山腹に岐阜県道70号白川福岡線から奥新田林道が敷設されている[9]。
二ッ森山の風景
[編集]北西側の白川町黒川の岐阜県道70号白川福岡線沿いからは本山を望むことができる[8]。東側の中津川市の山麓からは、双耳峰の山容が望める[9]。
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南側から望む恵那峡ワンダーランド、二ッ森山(左奥)と岩山(右奥)
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西方の加茂郡白川町側の岐阜県道70号白川福岡線から望む二ッ森山
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東方の中津川市側から望む二ッ森山
二ッ森山からの眺望
[編集]ウィキメディア・コモンズには、二ッ森山から眺望に関するカテゴリがあります。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “地理院地図(電子国土Web)・「二ッ森山」”. 国土地理院. 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 日本山岳会 (2005)、1134頁
- ^ a b c 徳久 (1992)、456頁
- ^ a b c d 山と溪谷社 (1992)、518頁
- ^ a b c d e f g 西山 (2015)、116-117頁
- ^ 岐阜県山岳連盟 (1987)
- ^ a b c d e f 島田 (2009)、120-121頁
- ^ a b c d 吉川 (2003)、124-125頁
- ^ “薬研洞の大ナラ”. 岐阜県. 2018年1月24日閲覧。
- ^ “中津川市の指定文化財”. 中津川市. 2021年3月2日閲覧。
- ^ “【ふるさと再発見!】福岡・二ッ森山”. 中津川市. 2018年1月24日閲覧。
- ^ “恵那北部地区” (PDF). 林野庁. 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b c “氷餅の池”. 中津川市. 2018年1月24日閲覧。
- ^ a b “岐阜県山のグレーディング、登山ルート別難易度評価表” (PDF). 岐阜県. pp. 1. 2021年9月2日閲覧。
- ^ a b 与呉 (2010)、192-193頁
- ^ “日本の主な山岳標高”. 国土地理院. 2018年1月24日閲覧。
参考文献
[編集]- 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474。
- 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
- 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド・改訂版〉、2009年12月。ISBN 9784635023702。
- 西山秀夫『東海周辺 週末の山登り ベスト120』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイドNEXT〉、2015年2月5日。ISBN 978-4635014540。
- 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。
- 山と溪谷社 編『日本の山1000』山と溪谷社、1992年8月。ISBN 4635090256。
- 与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月。ISBN 9784635180177。
- 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃』風媒社〈下〉、2003年1月。ISBN 4833100975。