冠山 (岐阜・福井県境)
冠山 | |
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冠山林道から望む冠山 | |
標高 | 1,256.57[1] m |
所在地 |
日本 岐阜県揖斐郡揖斐川町 福井県今立郡池田町 |
位置 | 北緯35度46分47秒 東経136度24分34秒 / 北緯35.77972度 東経136.40944度座標: 北緯35度46分47秒 東経136度24分34秒 / 北緯35.77972度 東経136.40944度[2] |
山系 | 両白山地(越美山地) |
冠山の位置
| |
プロジェクト 山 |
冠山(かんむりやま)は、両白山地南部の越美山地の岐阜県と福井県にまたがる標高1,256 mの山である。揖斐川及び九頭竜川支流の足羽川の源流となる山で、冠山峠がその分水嶺となっている。
概要
[編集]鋭く尖った冠型の特徴のある山容[3]を冠山林道(林道冠山線)からも望むことができる。日本各地には同様な烏帽子形の特異な山容の冠山があり、その山容が山名の由来となっている[4][5]。岐阜と福井の県境の冠山峠には両自治体の石碑(美濃国揖斐川町、美濃国徳山村、美濃国藤橋村、越前国池田町)があり、冠山及び金草岳の登山口になっている。冠山の山頂直下には国道417号冠山峠道路の長大トンネルである冠山トンネル(延長4,834 m)、シタ谷沿いの山麓に塚宮ケ原トンネル(延長1,238 m)が建設されている[6]。
岐阜県側の山腹はかつてはブナ林であったが、第二次世界大戦後にほとんどが伐採された[7]。「日本三百名山」[3]、「ぎふ百山」[8]、「21世紀に残したい日本の自然100選」[4][9]のひとつに選定されている。
登山道
[編集]南側のシタ谷から南面の岩壁を登攀する難コースなどの3ルートは廃道となった[5][10]。林道冠山線開設後に冠山峠から登山道が整備されて、約1時間ほどで登頂できるようになった[7][10][11]。冠山峠から尾根づたいにいくつかの少ピークを越えてブナの原生林の中を進むルートである。山頂直下の北側は冠平(かんむりだいら)と呼ばれる平坦地で遭難碑がある。1955年(昭和30年)11月6日に沢沿いのルートで福井銀行員24名が遭難し、うち2名が死亡した事故の慰霊碑である[4]。周辺はクマザサに覆われ、ニッコウキスゲ、コバイケイソウなどの花が見られる平坦地で[7]、正面には冠山頂上がそびえる。山頂部の北側の岩肌の急斜面にはロープが設置されていて、山頂には三等三角点(点名「冠山」)[1]が設置されている。奥美濃唯一の岩峰である山頂は人が10人ほど座れる程度であるが、遮るものがなく360°の展望が得られる[12]。下りの所要時間はおよそ45分[7]。山頂周辺ではイワカガミ、ササユリ、タテヤマリンドウ、ホンシャクナゲなどの花も見られる[4][7][12]。
地理
[編集]周辺の主な山
[編集]両白山地南部の越美山地の山である。西側にある金草岳との鞍部に冠山峠がある。
山容 | 山名 | 標高 (m)[1][2] |
三角点等級 基準点名[1] |
冠山からの 方角と距離(km) |
備考 |
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白山 | 2,702.14 | 一等 「白山」 |
北東 52.9 | 日本百名山 | |
荒島岳 | 1,523.37 | 一等 「荒島山」 |
北東 24.4 | 日本百名山 | |
能郷白山 | 1,617.37 | 一等 「能郷白山」 |
東 9.7 | 日本二百名山 | |
冠山 | 1,256.57 | 三等 「冠山」 |
0 | 日本三百名山 | |
金草岳 | 1,227.09 | 二等 「塚奥山」 |
西 4.5 | ||
三周ヶ岳 | 1,292.01 | 一等 「三周岳」 |
南西 14.5 | ||
花房山 | 1,189.49 | 三等 「水飲」 |
南南東 20.3 | 小津三山の最高峰 | |
小津権現山 | 1,157.70 | 二等 「小津」 |
南南東 21.7 | 小津三山 |
源流の河川
[編集]以下が主な源流の河川で、揖斐川は太平洋へ、他は日本海へ流れる。
周辺の峠
[編集]- 冠山峠 - 林道冠山線、山頂から西北西1.8 kmに位置する。標高1,041.9 m[13]。
- 檜尾峠(桧尾峠)[7] - 山頂から西北西3.4 kmに位置する(冠山峠と金草岳の中間付近)。
- 温見峠 - 国道157号、山頂から東9.9 kmに位置する。標高1,017.2 m[13]。
交通・アクセス
[編集]- ハピラインふくい今庄駅が、山頂の西19.0 kmにある[14]。
- 養老鉄道養老線揖斐駅が、山頂の南南東37.4 kmにある。
- 北陸自動車道今庄インターチェンジが、山頂の西20 kmにある。
- 西山腹を林道冠山線が通る。周辺は特別豪雪地帯であり[3]、林道冠山線は積雪期に閉鎖される。冠山峠道路開通前は国道417号の分断区間を結んでいた[6]。
- 山頂直下を国道417号冠山峠道路の冠山トンネル(延長4,834 m)が通る[6]。通年通行可能。
冠山周辺の風景
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冠山峠から望む冠山
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冠山林道から望む冠山
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冠平から望む冠山
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冠山方面から望む金草岳と冠山峠
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金草岳方面から望む冠山
脚注
[編集]- ^ a b c d “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2020年2月2日閲覧。
- ^ a b “日本の主な山岳標高(岐阜県の山)”. 国土地理院. 2020年2月2日閲覧。
- ^ a b c 日本三百名山 (1997)、232頁
- ^ a b c d 福井県の山 (2010)、58-59頁
- ^ a b 新日本山岳誌 (2005)、1209-1210頁
- ^ a b c 『一般国道417号 冠山峠道路』国土交通省近畿地方整備局 福井河川国道事務所 。
- ^ a b c d e f 岐阜県の山 (2009)、100-101頁
- ^ ぎふ百山 (1987)、66-67頁
- ^ “日本の自然100選”. 森林文化協会 (1983年1月1日). 2017年8月15日閲覧。
- ^ a b 日本の山1000 (1992)、525頁
- ^ 岐阜の山旅 (2005)、103-104頁
- ^ a b 名古屋周辺の山 (2010)、260-261頁
- ^ a b 『岐阜県 山のグレーディング(裏面)』岐阜県庁防災課、2021年11月1日 。
- ^ 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月、151頁。ISBN 4-385-15403-1。
参考文献
[編集]- 岐阜県山岳連盟『復刻 ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月15日。ISBN 4-905958-47-4。
- 『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年10月1日。ISBN 4-635-09025-6。
- 毎日新聞社 編『日本三百名山』毎日新聞社、1997年3月25日。ISBN 4-620-60524-7。
- 『冠山・自然観察の手引き』福井県自然保護センター、1997年3月 。
- 柚本寿二『越前・若狭魅力の日帰り40山』北国新聞社、2000年4月、86-88頁。ISBN 4-8330-1104-2。
- 吉川幸一『増補改訂版 こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃〈上〉』風媒社〈Fubaisha guide book〉、2005年3月。ISBN 4-8331-0114-9。
- 日本山岳会『新日本山岳誌 : 日本山岳会創立100周年記念出版』ナカニシヤ出版、2005年11月1日。ISBN 4-7795-0000-1。
- 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月16日。ISBN 978-4-635-02370-2。
- 宮本数男『改訂版 福井県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2010年3月15日。ISBN 978-4-635-02369-6。
- 『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月26日。ISBN 978-4-635-18017-7。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 地図閲覧サービス(冠山) - 国土地理院
- 冠山 (岐阜県揖斐川町)
- 冠山 (福井県池田町)
- 冠山 (福井県池田町 いけだ農村観光協会)