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2021年8月1日 (日) 05:09時点における版
いそ みつお 磯 光雄 | |||||
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別名義 | 小田川 幹雄、贄田 秀雄 | ||||
生年月日 | 1966年 | ||||
出生地 | 日本 愛知県 | ||||
職業 |
アニメーション監督 アニメーター アニメーション演出家 脚本家 | ||||
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磯 光雄(いそ みつお、1966年 - )は、日本のアニメ監督、アニメーター、脚本家、演出家。愛知県出身[1]。別名義として小田川 幹雄、贄田 秀雄がある。
人物・来歴
1980年代半ばからアニメーターとして活動を始め、ネオメディア、スタジオ座円洞、スタジオジブリ等を経てフリーに[1][2][3]。
アニメーターとして『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』、『おもひでぽろぽろ』、『紅の豚』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』など数多くの作品に参加。その徹底的にこだわった作画スタイルでアニメファンや業界から高い支持を受け、アニメの中で世界を構築できるクリエイターとして注目を集める[2][4][5]。尖鋭的で独創的な表現とハイレベルな作画技術によって1990年代以降のアニメシーンに多大な影響を与え、「漫画の世界に大友克洋以前以後という語られ方があるように、日本のアニメは磯光雄以前以後に分けられる」と評されることもある[6][7][8]。
科学礼賛のガンダムのメカフェチ的な世界観に手を染める一方で自然礼賛のスタジオジブリへ参加した経験もあるが、本人はガンダムもジブリも両方好きなので特に矛盾は感じていないという[6]。
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(1989年)の1話冒頭、原画を担当した北極基地襲撃のシーンで業界に衝撃を与え、注目を集める[5][8][9]。
TVシリーズ及び劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』(1995∼1996年、1997年)はアニメーターとしての代表的な仕事のひとつで、原画を描いている[10]。テレビシリーズでは第1話の使徒と国連軍との市街戦やシンジとミサトの出会いのシーン、そして第19話の覚醒したエヴァ初号機が使徒を捕食するシーンなどを[10][11][12]、旧劇場版ではアスカのエヴァ弐号機とエヴァ量産機のアクションシーンを担当している[4][10]。また原画のみならず、シリーズ全体に関わる設定のアイデアを出したり脚本を書いたり、第15話に登場する地下の巨人リリスのデザインを手がけたりしている[1][10][13]。
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)では、主人公・草薙素子の博物館での戦闘シーンを担当[14]。同作でも原画だけでなく、銃器デザインを担当した[1]。
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(2000年)では自身の原画パートにおいてビジュアルエフェクト(撮影と特殊効果)も兼任[1]。クリーチャーの原画を描いたほか、デジタルでの撮影処理まで担当するようになった[11]。
『ラーゼフォン』(2002年)では脚本のほか、初めて演出と絵コンテを担当[1]。またシリーズを通じてデジタルワークスの役職で腕を振るい、撮影や特殊効果、CGなどを駆使して作画や美術に手を加える仕事を始めた[11]。
2007年にNHKで放送されたテレビアニメ『電脳コイル』で監督デビュー[15]。原作と全話の脚本も担当し、その世界観を紡ぐオリジナル脚本で、SF作家として日本SF大賞や星雲賞を勝ち取った[1][6][16]。
2016年末にオリジナルアニメ企画『地球外少年少女』を誌上で発表。2018年より制作開始[16]。
作風
作画において、やることなすこと全てが独特で、「他のアニメーターが真似したくなるアニメーター」[12]。彼も既存の様々なアニメーションの影響を受けているはずだが、そのスタイルは今までのアニメ作画と別のところから発生したかと思うほどオリジナリティが強く、リアリティも動きから生じる快楽も強烈[10]。写実的な描き方だが、一方でアニメ的な格好よさを絶対に捨てないため、アニメーションとしての魅力が損なわれることはない[10][12]。また金田伊功、板野一郎、庵野秀明と進化してきたメカアニメーターの歴史で、次のエポックとなったのも磯である[10]。
撮影でのデジタル処理、CG、特殊効果など、作品を作るたびに独自の映像を作ろうと作画とは違う職種に挑戦し、また時代が進むにつれて使用するツールの面でも新しい挑戦をしている[11]。
飛び散る土を、その細かい断片をシルエットでまとめることでつなげて表現するやり方は皆こぞって真似したため、その後は当たり前になった[12]。また煙や爆発エフェクトのような抽象的で捉えどころのないものでも三次元的に動かせるということを日本で最初にアニメの原画で表現し始めた[12]。それらについては、その後のアニメーターたちが皆磯の影響下にあるとも言える[12]。
特徴としては、全てを原画で描いてコントロールしようとする[9][12]。変な中割りを出さないためにも無駄な中割りは要らない、なるべく全部原画で描いてしまうという発想[17]。磯自身はそれを「自分が発明した『フル3コマ』だ」と言っている[9]。フル3コマとは、中割りのある2コマよりも1秒当たりの原画の枚数は多くなるが、3コマの動きを中割りなしで全部原画で描くという事[17]。動きの密度という点では、最高のものと言える[17]。「2コマで中割りなし」では動きをコントロールしにくいし、それでいて描ける動きは、フル3コマとそれほど差がない[17]。1コマフルという事も原理的には考えられるが、それは実際には自分で自分の原画の中を割るだけの作業になってしまうために意味がなく、そもそも能力的にもスケジュール的にもそんなにたくさんの絵は描けない[17]。だから、3コマおきに、全て画をコントロールすれば、ほぼ描きたい動きの全てが描ける、というのがその考え方[17]。
作品
監督作品
アニメーション映画
- 地球外少年少女(2022年) - 原作・監督・脚本
テレビアニメ
- 電脳コイル(2007年) - 原作・監督・脚本・デジタルエフェクト、絵コンテ(OP、ED、1話、12話、17話、19話、26話)、原画(1話、4話、12話、26話)、美術設定(2話)
参加作品
テレビアニメ
- 忍者戦士飛影(1985年) - 原画(35話、40話)
- マシンロボ クロノスの大逆襲(1986年) - 原画(18話、38話)
- 機甲戦記ドラグナー(1987年) - 原画(29話、32話、36話)
- ゲゲゲの鬼太郎(1987年) - 原画(97話、99話、102話、104話)
- 魔神英雄伝ワタル(1987年) - 原画(27話)
- トランスフォーマー 超神マスターフォース(1988年) - 原画(6話、12話、18話、24話)
- ピーターパンの冒険(1989年) - 原画(20話)
- 海がきこえる(1993年) - 原画
- 新世紀エヴァンゲリオン(1995年) - 脚本(13話)、設定補(13話、15話)、原画(1話、19話、ビデオフォーマット版21話)
- るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(1996年) - OP原画
- ラーゼフォン(2002年) - 脚本(15話)、デジタルワークス、CGI(2話、3話)、AE/特効(4〜10話、12話、14〜26話)、絵コンテ(15話)、演出(15話)、原画(2話、15話)、動画(15話)
劇場アニメ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年) - 作画監督[注 1]、原画[注 2]
- おもひでぽろぽろ(1991年) - 原画
- 老人Z(1991年) - メカニックデザイン
- 紅の豚(1992年) - 原画
- 走れメロス(1992年) - 原画
- かっ飛ばせ!ドリーマーズ 〜カープ誕生物語〜(1994年) - レイアウト協力、原画
- ユンカース・カム・ヒア(1995年) - 原画[注 1]
- GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995年) - 銃器デザイン、原画
- MEMORIES 彼女の想いで(1995年) - 原画
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air(1997年) - 原画
- パーフェクトブルー(1998年) - 原画
- デジモンアドベンチャー (1999年) - 原画[注 1]
- BLOOD THE LAST VAMPIRE(2000年) - 原画、ビジュアルエフェクト
- COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年) - デジタルワークス[注 1]
- ラーゼフォン 多元変奏曲(2003年) - デジタルワークス
- キル・ビル(2003年) - 原画
- スチームボーイ(2004年) - 設定開発
- 宇宙ショーへようこそ(2010年) - 原画[注 1]
- ジョバンニの島(2014年) - 原画(ノンクレジット)
- 花とアリス殺人事件(2015年) - 作画協力
OVA
- 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(1989年) - 原画(1話、4話、5話)
- EXPLORER WOMAN RAY(1989年) - 原画(1話)
- 御先祖様万々歳!(1989年) - 原画(4話、6話)
- THE八犬伝(1990年) - 原画(1話)
- 雲のように風のように(1990年) - 原画
- 帝都物語(1991年) - 原画(2話)
- 夢枕獏 とわいらいと劇場 「骨董屋」(1991年) - 原画
- 帝都物語(1991年) - 原画
- ジョジョの奇妙な冒険(1993年) - 原画(13話[注 3])
- 超時空世紀オーガス02(1993年) - 原画(5話)
- ファイナルファンタジー(1994年) - エフェクト作画監督、原画
- ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日(1994年) - 原画(5話)
- おいら宇宙の探鉱夫(1994年) - 原画(2話)
- GOLDEN BOY さすらいのお勉強野郎(1995年) - 原画(4話)
- 電脳戦隊ヴギィ'ズ★エンジェル(1997年) - 原画[注 1](3話)
- 青の6号(1998年) - 原画(1話)
- フリクリ(2000年) - 原画(6話)
- ブレードランナー ブラックアウト2022(2017年) - 原画
ゲーム
受賞歴
- 平成19年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞(『電脳コイル』)
- 第7回東京アニメアワードTVアニメ部門優秀賞(『電脳コイル』)
- 第39回星雲賞メディア部門(『電脳コイル』)
- 第29回日本SF大賞(『電脳コイル』)
- 第13回アニメーション神戸賞個人賞
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g “【正式告知】C93で「磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2」が発売! 大ボリュームの384ページ!!”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2017年12月19日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b “「電脳コイル企画書 Coil The "META" ILLEGAL」著者紹介”. e-hon. 株式会社 トーハン (2008年10月). 2021年7月22日閲覧。
- ^ 磯光雄 [@IsoMitsuo] (2020年5月4日). "ジブリにいた当時..." X(旧Twitter)より2021年7月22日閲覧。
- ^ a b “もう一度作ってみたい―「シン・エヴァンゲリオン劇場版」メカ作画監督・金世俊インタビュー”. WebNewtype. KADOKAWA (2021年5月17日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b “『ポケ戦』の“神作画”にインスパイアされ、うねる波間を進撃するハイゴッグを立体化”. ORICON NEWS. オリコン (2020年3月20日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b c “科学とフィクション、その果てしなき「イタチごっこ」の行方”. WIRED. コンデナスト・パブリケーションズ (2020年6月20日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “神アニメーター・井上俊之が考える”本当にすごいアニメーター”とは?”. アニメ!アニメ!. 株式会社イード (2018年8月9日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b “ハイゴッグの戦闘シーンなど原画を多数収録!「磯光雄 ANIMATION WORKS vol.1」9月15日発売!”. 作品ニュース. 株式会社サンライズ (2017年8月21日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b c “animator interview 井上俊之(3)”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2000年12月5日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g “アニメ様の七転八倒 第46回 エヴァ雑記「第拾参話 使徒、侵入」”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2006年6月5日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b c d “アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第129号”. ニコニコチャンネル. ドワンゴ (2018年1月16日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g “もっとアニメを観よう 第5回 井上・今石・小黒座談会(5)”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2002年7月19日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “磯光雄監督の最新作「地球外少年少女」22年初春に公開予定 新スタジオ「Production +h.」で制作本格始動”. ORICON NEWS. 映画.com(カカクコムグループ) (2020年10月27日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “【連載】タニグチリウイチの「今のアニメを知るために」第2回:どこまでも虚構でどこまでも現実、押井守監督編”. IGN Japan. 産経デジタル (2020年7月26日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “電脳コイル・磯光雄の新作アニメ「地球外少年少女」発表! キャラデザは吉田健一”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ (2018年5月21日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b “「電脳コイル」の磯光雄、11年ぶり新作アニメで宇宙に取り残された少年少女描く”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2018年5月21日). 2021年7月22日閲覧。
- ^ a b c d e f “animator interview 井上俊之(4)”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2000年12月5日). 2021年7月22日閲覧。