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2021年9月28日 (火) 09:18時点における版

広州地下鉄
ロゴマーク
基本情報
中華人民共和国の旗 中華人民共和国
所在地 広東省広州市仏山市
種類 地下鉄
開業 1997年6月28日
所有者 広州市
運営者 広州地鉄集団有限公司
公式サイト www.gzmtr.com/ (簡体字中国語)(英語)
詳細情報
総延長距離 514.8 km
路線数 14路線
駅数 234駅(乗換駅は二重計算せず)
輸送人員 30.26億人(2018年)
1日利用者数 829.03万(2018年平均)
1156.94万(2019年12月31日記録
保有車両数 3,082両
軌間 1,435 mm (標準軌)
電化方式

直流1,500V 架空電車線方式
直流1,500V 第三軌条方式
交流600V 第三軌条方式

[1]
最高速度 120 km/h
通行方向 右側通行
路線図
路線図
2021年時点の広州地下鉄路線図
テンプレートを表示
広州地下鉄
各種表記
繁体字 廣州地鐵
簡体字 广州地铁
拼音 Guăngzhōu Dìtiě
発音: グァンジョウ ディーティエ
広東語発音: Gwong2 zau1 dei6 tit3
英文 Guangzhou Metro
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広州地下鉄(こうしゅうちかてつ、簡体字: 广州地铁; 繁体字: 廣州地鐵英語: Guangzhou Metro)は中華人民共和国広東省広州市にある[2]地下鉄である。


概要

広州地下鉄は14路線、234駅、総延長514.8kmの路線網を有する。中国では北京、上海に次いで3番目に規模が大きく、世界でも3番目に規模が大きい都市鉄道である。広州市民にとっても最も主要な交通手段の一つであり、2018年は累計乗車人員が30億人を超えた。道路交通渋滞を解消するため、大規模な新線が次々と建設されており、2023年までに地下鉄の総路線距離が800kmを超える予定である。また広州市から跨いで隣接の都市である仏山市にも仏山地下鉄1号線が開通しているが、実質的に広州地下鉄の一部として一体運用もしている。

広州地下鉄のスローガンは、「全程为你(日訳:全旅程はあなたのために)」(2013年12月28日 - 現在)で、多数の場所でロゴが使用されている。以前に使用されていたスローガンは、「地铁,为广州提速(日訳:地下鉄は、広州を加速させる)」(1992年11月21日 - 2010年8月)ならびに「新生活干线(日訳:新生活のメインルート)」(2010年8月 - 2013年12月28日)。

路線

営業中

路線名 営業区間 駅数 営業キロ 開業日 車両長 編成数
1号線 西塱 (101) - 広州東站 (116) 16駅 18.5km 1997年6月28日 22m 6両
2号線 広州南站 (201) - 嘉禾望崗 (224) 24駅 31.8km 2002年12月29日 22m 6両
3号線 番禺広場 (301) - 天河客運站 (316) 16駅 65.31km 2005年12月26日 19m 6両
体育西路 (311) - 機場北 (330) 14駅
4号線 南沙客運港 (401) - 黄村 (424) 23駅 56.25km 2005年12月26日 17m 4両
5号線 滘口 (501) - 文沖 (524) 24駅 31.9km 2009年12月28日 17m 6両
6号線 潯峰崗 (601) - 香雪 (632) 31駅 41.7km 2013年12月28日 17m 4両
7号線 広州南站 (701) - 大学城南 (709) 9駅 18.6km 2016年12月28日 19m 6両
8号線 滘心 (801) - 万勝囲 (828) 15駅 17.6km 2002年12月29日 22m 6両
9号線 飛鵝嶺 (901) - 高増 (911) 11駅 20.1km 2017年12月28日 19m 6両
13号線 魚珠 (1301) - 新沙 (1311) 11駅 28.3km 2017年12月28日 22m 8両
14号線 嘉禾望崗 (1401) - 東風 (1413) 13駅 53.4km 2017年12月28日 19m 6両
新和 (1408) - 鎮龍 (1422) 10駅 21.8km
21号線 員村 (2101) - 増城広場 (2121) 21駅 61.5km 2018年12月28日 19m 6両
広仏線 新城東 (GF01) - 瀝滘 (GF25) 25駅[3](広州市内10駅) 39.6km(広州市内 18.1km) 2010年11月3日 19m 4両
APM線 広州塔 (APM01) - 林和西 (APM09) 9駅 4.0km 2010年11月8日 13m 2両
合計 234駅 514.8km

建設・計画中

建設・計画中線路
3号線東延線(番禺広場駅海傍駅、9.55km。建設中[4]、2023年開通予定)
4号線官橋駅計画中
5号線東延線(文沖駅黄埔客運港駅、9.8km。建設中[4]、2023年開通予定)
6号線沙河駅(建設中)
7号線西延線(美的大道駅広州南駅、13.64km。建設中、2021年開通予定)
7号線二期(大学城南駅水西北駅、19.9km。建設中[4]、2022年開通予定)
10号線石牌橋駅西塱駅、19.4km。建設中[4]、2023年開通予定)
11号線(環状線、42.4km。建設中、2023年開通予定)
12号線潯峰崗駅大学城南駅、37.6km。建設中[4]、2023年開通予定)
13号線二期(朝陽駅魚珠駅、33.8km。建設中、2022年開通予定)
14号線二期(嘉禾望崗駅広州火車站駅。建設中[4]、2023年開通予定)
15号線(南沙環状線、蕉門駅南沙客運港駅 — 蕉門駅。計画中)
16号線(新塘 — 茘城北。計画中)
17号線(紫坭 — 広汽基地。計画中)
18号線(広州東駅 — 万頃沙駅。建設中)
19号線(穂塩路 — 奥体東。計画中)
20号線(遠期計画)
22号線白鵝潭駅 — 万頃沙駅。建設中)

歴史

広州地下鉄路線の発展(年別)

料金体系

珠江新城新交通システム線を除いて距離に応じた距離別運賃制となっている。珠江新城新交通システム線は一律2元である。

初乗りは2元で、4kmまで乗車できる。4kmから12kmまでは4km毎に、12kmから24kmまでは6km毎に1元が加算される。24km以上は8km毎に1元が加算される。乗車駅から下車駅までの間に経路が複数ある場合は、最短経路となる距離で運賃が計算される。一体運用の仏山地下鉄に乗り換えた際もそのまま広州地下鉄の利用した距離として通算される。

地下鉄構内の時間制限は270分(4時間30分)であり、時間超過後に入場していた場合は出場時に最高運賃(22元)が科される。

キロ程 運賃(人民元)
初乗り4km 2
4 - 8 km 3
8 - 12 km 4
12 - 18 km 5
18 - 24 km 6
24 - 32 km 7
32 - 40 km 8
40 - 48 km 9
48 - 56 km 10
56 - 64 km 11
64 - 72 km 12
72 - 80 km 13
80 - 88 km 14
88 - 96 km 15
96 - 104 km 16
104 - 112 km 17

乗車方法

IC乗車券(トークン)

自動券売機で硬貨状のIC乗車券(トークン)を購入し、自動改札機から入場する。乗車券は下車時回収され、再び使用される。1回券のほかに、繰り返しチャージして使える非接触IC型プリペイドカード「羊城通」も販売されている。 また、広州地下鉄と一体運用している仏山地下鉄でも使用することが可能であり、仏山市内では「羊城通」の仏山版として「広仏通」も販売されている。 どちらとも「嶺南通」として互換しており、広州・仏山の両市内で使用ができるカードとなっている。 「嶺南通・○○通」として発行されているカードなら深圳市東莞市などの広東省の他都市のカードでもそのまま互換されているが、ただし通常の嶺南通の役割がない旧式の深圳通のみのカードは対応していない。

2017年9月26日、全国の地下鉄で初めて銀聯カード情報を登録したApple Payで、自動改札機に直接タッチして乗車できるようになった[5]

  • フリーパス
    • 一日票(20元)・三日票(50元)が発売されている。それぞれ24時間、72時間有効となり、仏山地下鉄を含む広州地下鉄全ての路線で利用が可能となっている。

車両

利用状況

2018年度の一日平均輸送人員は829.03万人、一キロあたりの輸送人員は2.11万人である。輸送人員は中国全土の地下鉄で北京地下鉄、上海軌道交通に次いで3番目に多い。2010年度に中国初の都市間連絡地下鉄となる仏山地下鉄1号線が開業し、広州市の西側に隣接する仏山市と都市連絡鉄道としての機能も果たす。

最も輸送人員が多い路線は3号線である。広州のオフィス街、繁華街、住宅地を南北に縦断しており、更には空港連絡鉄道としての機能も果たしている。しかし、6両編成のB型車両(車両長が19m)で運行しているため一日を通して最も混雑する路線であり、ラッシュ時に入場規制を実施する駅も3号線が最多である。

最も乗車人員が多い駅は体育西路駅であり、乗換客を含めた乗車人員はおよそ50万人である。乗降人員に換算すると100万人であり、これは東京の大手町駅に匹敵する。

近年の路線別利用状況は以下のとおりである。

  • 特記のない場合、3号線は本線と支線の合算した値。

路線別特定日輸送人員

広州地下鉄の路線別特定日乗車人員(単位:万人)
集計日 曜日 1号線 2号線 3号線 4号線 5号線 6号線 7号線 8号線 9号線 13号線 14号線 21号線 広仏線 APM線 広州地下鉄計 備考
2012年05月01日 火曜日 684 労働節
2013年05月01日 水曜日 750 労働節
2014年05月01日 木曜日 794.2 労働節
2014年12月31日 水曜日 144.0 164.3 207.8 40.8 129.5 74.5 71.2 22.1 6.8 861.3
2015年12月31日 木曜日 879.1
2016年05月01日 日曜日 897.3 労働節
2017年01月01日 日曜日 96 17.9 38.5 873.8
2017年04月28日 金曜日 121 154 229 130 905.3
2017年04月30日 日曜日 908.3
2017年09月30日 土曜日 121 159.5 235 137 102 941.2
2017年12月31日 日曜日 244 50.8 105.3 18.32 17.05 1.41 40 1002.57
2019年03月01日 金曜日 114 161 254 134 21.7 1024.1
2019年04月30日 火曜日 1049
2019年06月06日 木曜日 113.03 166.1 259.4 139.1 16.6 16.7 26.9 4.5 1062
2019年09月12日 木曜日 117 171 268 147 105 1113.13
2019年09月30日 月曜日 113.7 175.3 270.4 144.5 104.3 1113.4
2019年12月31日 火曜日 275.9 55.6 148.5 115.3 87.8 27.3 67.4 1156.94

年次別一日平均輸送人員

広州地下鉄の一日平均乗車人員(単位:万人)
年次 1号線 2号線 3号線 3号線(北線) 4号線 5号線 6号線 7号線 8号線 9号線 13号線 14号線 21号線 広仏線 APM線 広州地下鉄計
2003年 33.48
2004年 44.86
2005年 58.5
2006年 76.9
2007年 130.13
2008年 163.66
2009年 184.99
2010年 323.57
2011年 450.59
2012年 507.13
2013年 562.73
2014年 624.08
2015年 109.83 128.99 99.34 56.58 30.07 98.55 61.23 55.36 15.98 3.51 659.43
2016年 106.24 127.95 105.94 67.11 32.02 105.21 67.57 0.14 61.77 23.87 3.89 702
2017年 104.02 131.96 118.38 74.72 37.39 109.10 79.30 16.32 64.57 13.54 12.78 1.62 29.37 4.43 767.8
2018年 103.65 134.60 122.23 81.66 39.09 115.51 83.88 21.18 66.62 10.67 11.05 18.78 5.41 32.92 4.90 829.03
2019年 101.03 143.49 131.80 87.14 42.17 118.43 87.02 23.60 62.87 12.69 13.58 20.22 3.84 53.03 4.81 905.7

一日平均乗車人員上位10位

  • 乗車人員は乗換人員を含む。
広州地下鉄の駅別乗車人員上位10位[6][7]
順位 駅名 路線 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 所在地 備考
1 体育西路駅 1号線・3号線・3号線(北線) 556,700 549,500 446,400 490,800 473,600 広州市天河区 2019年4月30日の乗車人員:628,000人
2 珠江新城駅 3号線・5号線 402,000 391,400 334,500 341,400 308,900 広州市天河区 2019年4月30日の乗車人員:448,000人
3 嘉禾望崗駅 2号線・3号線・14号線 384,600 241,500 186,600 200,400 179,200 広州市白雲区 2019年4月30日の乗車人員:479,000人
4 公園前駅 1号線・2号線 344,900 356,100 312,500 361,200 365,600 広州市越秀区
5 客村駅 3号線・8号線 280,900 314,400 280,700 291,400 264,300 広州市海珠区
6 広州駅 2号線・5号線 274,400 270,000 228,600 256,300 251,500 広州市越秀区
7 昌崗駅 2号線・8号線 273,700 314,300 292,300 295,400 276,400 広州市海珠区
8 車陂南駅 4号線・5号線 212,200 201,900 174,200 177,400 168,500 広州市天河区
9 燕塘駅 3号線(北線)・6号線 193,800 186,000 161,100 広州市天河区
10 海珠広場駅 2号線・6号線 184,500 184,300 170,100 181,300 187,200 広州市越秀区
- 楊箕駅 1号線・5号線 181,600 174,200 広州市越秀区

不祥事・議論

車内放送

広州地下鉄では、列車が駅に着く際に、北京語広東語および英語の車内放送が順次に放送される。しかし、駅名や乗り替え・安全に関する放送だけが3言語で放送される一方、それ以外の放送は北京語しかない。この件に対し、広州地下鉄は営業に応じて必要な調整を行う予定だとコメントした。[8]

セキュリティー強化措置

2017年8月9日、広州地下鉄はセキュリティ強化措置(2017-2020)に関する入札書をインターネットで公表した。該当入札書によると、広州地下鉄は約26億7000万元を投資し、855のセキュリティチェック装置を調達し、12,000人のセキュリティ検査官を雇用するよう計画を立てたが、具体的な措置を公表しなかった[9]。この入札募集は公表時間の8時間後に一時停止された。当時、広州地下鉄の輸送人員が国内で一番高いため、一度セキュリティチェックがアップグレードされると、トラフィックに負担をかけるとマスコミに予測された[10]

2017年10月10日から2017年11月30日にかけて、広州地下鉄ではセキュリティ措置が段階的に強化されるが[11]、セキュリティチェック実行の初日、体育西路駅滘口駅東山口駅などの駅では不具合が頻出し、入構混雑時間が最長1時間続き、乗客から不満の声が出た。化粧水などの液体・スプレーは持ち入り禁止とされたため、一部の駅では補償なしで液体・スプレーを接収したことが報告された。

2018年5月13日、広州地下鉄設計研究所は、当日から5月30日にかけて指定機構に構外セキュリティーチェックルームの設計募集を公表し、既有の駅出入口の改装、および未開業駅に新しいセキュリティーチェックルームの追加に関して計画を立てた。この募集に対して公金浪費の批判コメントが集中し炎上状態となっていた[12]

脚注

  1. ^ 城际轨道直通穗莞深惠 广佛地铁设九座换乘站 (中国語). Guangzhou Daily. (2008年6月24日). http://gz.house.sina.com.cn/news/2008-06-24/08493819041.html 2010年10月29日閲覧。 
  2. ^ 仏山地下鉄(現在は1号線のみ)も含めれば仏山市も含む。
  3. ^ 仏山市内の駅を含む。
  4. ^ a b c d e f “史无前例!广州地铁6线齐开工!逛吃逛吃福利地图已双手递上!”. 南方网. (2018年11月19日). http://news.southcn.com/nfplus/yyl/content/2018-11/19/content_184145715.htm 
  5. ^ 全国首次实现地铁所有站点直接过闸 银联手机闪付全面支持广州地铁使用Apple Pay直接过闸 - 中国銀聯 2017年9月25日
  6. ^ 2016年客运量排名前十的车站 2018年4月6日閲覧
  7. ^ 广州地铁客流量統計報道 2018年4月6日閲覧
  8. ^ 针对地铁报站名风波,昨日地铁再作澄清———免费播报站名不能捆绑商业机构”. 新快報 (2012年6月15日). 2014年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月16日閲覧。
  9. ^ 耗资26.7亿!广州地铁将实行全面安检 雇用1.2万名安检员”. 新快报. 2018年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月10日閲覧。
  10. ^ 地铁安检升级,如何提高通行效率”. 新快报. 2018年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月11日閲覧。
  11. ^ 广州地铁10月10日起逐步升级安检
  12. ^ 广州地铁将推行站外安检?正在对外征集设计方案 陈泽云 梁怿韬 金羊网 2018-05-13

外部リンク