「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の版間の差分
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1995年秋から1996年春まで放送された同テレビアニメシリーズ、碇シンジを中心に主要登場人物の心の中を描いた『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』の第弐拾伍話と最終話を[[リメイク]]し、そのとき作品世界で実際には何が起きていたのかを描いて上映されたものである<ref group="注">テレビシリーズとは区別するために話数を[[漢字]]から[[アラビア数字]]表記に変え、[[アイキャッチ]]画面ではそれぞれ「EPISODE:25'」、「ONE MORE FINAL:」と表示された。</ref>。本作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結を迎えた。 |
1995年秋から1996年春まで放送された同テレビアニメシリーズ、碇シンジを中心に主要登場人物の心の中を描いた『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』の第弐拾伍話と最終話を[[リメイク]]し、そのとき作品世界で実際には何が起きていたのかを描いて上映されたものである<ref group="注">テレビシリーズとは区別するために話数を[[漢字]]から[[アラビア数字]]表記に変え、[[アイキャッチ]]画面ではそれぞれ「EPISODE:25'」、「ONE MORE FINAL:」と表示された。</ref>。本作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結を迎えた。 |
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当初は1997年春公開の『[[新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生]]』において上映される予定の内容であり、1997年夏には「完全新作の劇場版」が公開される予定であったが、『シト新生』におけるTV版リメイク部『REBIRTH』編の制作が間に合わず途中までの公開となり、同年夏に『REBIRTH』編を完成させたものとして本作が公開されることとなった(詳細は『[[新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生#概要]]』を参照)。なお、『REBIRTH』編で公開されていた部分については[[アフレコ]]、[[効果音|SE]]、[[ |
当初は1997年春公開の『[[新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生]]』において上映される予定の内容であり、1997年夏には「完全新作の劇場版」が公開される予定であったが、『シト新生』におけるTV版リメイク部『REBIRTH』編の制作が間に合わず途中までの公開となり、同年夏に『REBIRTH』編を完成させたものとして本作が公開されることとなった(詳細は『[[新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生#概要]]』を参照)。なお、『REBIRTH』編で公開されていた部分については[[アフレコ]]、[[効果音|SE]]、[[背景音楽|BGM]]の録り直しや、画面上での若干の修正、追加が行われている<ref>『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』のパンフレットより。</ref>。 |
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第25話『Air』(エアー)は、劇中BGMに使われている[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ]]作の『[[管弦楽組曲]]第3番第2曲』の「[[G線上のアリア]]」(Air)から。また第26話『まごころを、君に』は、 [[ダニエル・キイス]]の著作『[[アルジャーノンに花束を]]』が映画化された時の邦題「[[まごころを君に]]」からとられた。 |
第25話『Air』(エアー)は、劇中BGMに使われている[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ]]作の『[[管弦楽組曲]]第3番第2曲』の「[[G線上のアリア]]」(Air)から。また第26話『まごころを、君に』は、 [[ダニエル・キイス]]の著作『[[アルジャーノンに花束を]]』が映画化された時の邦題「[[まごころを君に]]」からとられた。 |
2021年11月23日 (火) 09:38時点における版
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air / まごころを、君に | |
---|---|
The End of Evangelion | |
監督 |
庵野秀明(総監督、26話監督) 鶴巻和哉(25話監督) |
脚本 | 庵野秀明 |
製作 |
角川歴彦 池口之夫 山賀博之 倉益琢眞 |
出演者 |
緒方恵美 三石琴乃 林原めぐみ 宮村優子 山口由里子 立木文彦 清川元夢 子安武人 結城比呂 長沢美樹 山寺宏一 石田彰 麦人 |
音楽 | 鷺巣詩郎 |
主題歌 |
LOREN & MASH 「THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-」 |
撮影 | 白井久男 |
編集 | 三木幸子 |
制作会社 | Production I.G、GAINAX |
製作会社 | EVA製作委員会[注 1] |
配給 |
東映 マンガ・エンターテイメント |
公開 | 1997年7月19日 |
上映時間 |
87分 第25話『Air』約46分 第26話『まごころを、君に』約40分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 24億7000万円[要出典] |
配給収入 | 14.5億円[1] |
前作 | シト新生 |
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(しんせいきエヴァンゲリオンげきじょうばん エアー まごころをきみに、英題:The End of Evangelion)は、1997年7月19日に全国東映・東急系で公開されたアニメーション映画。『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版第2弾で『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の続編である。
略称は「夏エヴァ」[2]、「EOE」[3][要ページ番号]。2007年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』発表以降、「旧劇」「旧劇場版」とも呼ばれる。
1998年3月7日には『シト新生』を再編集したものと本作品を合わせた『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に』が上映された[4]。
概要
1995年秋から1996年春まで放送された同テレビアニメシリーズ、碇シンジを中心に主要登場人物の心の中を描いた『新世紀エヴァンゲリオン』の第弐拾伍話と最終話をリメイクし、そのとき作品世界で実際には何が起きていたのかを描いて上映されたものである[注 2]。本作をもって『新世紀エヴァンゲリオン』は完結を迎えた。
当初は1997年春公開の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』において上映される予定の内容であり、1997年夏には「完全新作の劇場版」が公開される予定であったが、『シト新生』におけるTV版リメイク部『REBIRTH』編の制作が間に合わず途中までの公開となり、同年夏に『REBIRTH』編を完成させたものとして本作が公開されることとなった(詳細は『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生#概要』を参照)。なお、『REBIRTH』編で公開されていた部分についてはアフレコ、SE、BGMの録り直しや、画面上での若干の修正、追加が行われている[5]。
第25話『Air』(エアー)は、劇中BGMに使われているヨハン・ゼバスティアン・バッハ作の『管弦楽組曲第3番第2曲』の「G線上のアリア」(Air)から。また第26話『まごころを、君に』は、 ダニエル・キイスの著作『アルジャーノンに花束を』が映画化された時の邦題「まごころを君に」からとられた。
前売券は特典でオリジナルポスターが付いたものが発売された[6]。また『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の前売券も、未使用の分に限り使用可能な措置がとられている。公開2日前の7月17日には、よみうりホールにてテレビ東京系列試写会が開催された[6]。
ストーリー
第25話 Air(EPISODE:25’ Love is destructive.)
NERVによって全ての使徒は倒されたが、一時は無二の友とも信じた渚カヲルを第17の使徒・タブリスとして自らの手で殲滅しなければならなかった碇シンジは、精神的に追い詰められ生きようとする意志を失っていた。一方、ゼーレは人類のすべてを単体の生命へ還元し、神のもとへ回帰する人類補完計画=サードインパクトを発動しようとするが、自らが神に近い存在となって妻・碇ユイと再会しようとする碇ゲンドウはこれを拒否し、両者は決裂する。ゼーレはNERVの他支部すべてのMAGIコピーを用いたNERV本部のMAGIオリジナルへのハッキングを仕掛け、実質的なNERV本部の無力化とEVA初号機及び弐号機の確保を狙うが、ゲンドウは自らへの嫉妬からの反逆の咎で監禁していた愛人・赤木リツコに対しMAGIの防衛を厳命し、論理的ではないと自嘲しながらもこれを受諾したリツコによってハッキングは阻止された。ゼーレは次いで日本政府に「NERVこそが人類を絶滅させようとする陰謀の中心であった」という虚偽の情報を流し、戦略自衛隊(戦自)を動かすことでNERV本部の武力占拠を開始する。「人類絶滅を企図する重犯罪者」への措置として戦自による非戦闘員への無条件発砲すら許可される虐殺が繰り広げられ、施設が次々と破壊・占拠されていく中、シンジは戦自に発見されて殺されそうになるが、駆け付けた葛城ミサトに救出される。ミサトはシンジを叱咤しつつ、EVA初号機へ彼を送り届けようとするが、銃撃で致命傷を負い、シンジにEVAで戦うよう言い残して力尽きる。
一方、戦自から逃れるために病室からEVA弐号機のコクピットに移されていた廃人状態の惣流・アスカ・ラングレーは死の恐怖に震えていたが、弐号機のコアに母の魂が取り込まれていることに気付き、復活を遂げて弐号機で戦自部隊を壊滅させる。続いてゼーレの送り込んだEVA量産機9体にも善戦して全機を倒すが、弐号機は再生・復活を遂げた量産機が投擲した擬似ロンギヌスの槍で頭部を串刺しにされたうえ、活動限界を迎えたところへ群がった量産機により、鳥葬のように貪られていく。弐号機はアスカの憎悪と憤怒を糧に暴走を始めるが、量産機がさらに投擲した8本の槍によって完全に沈黙する。
一度はミサトの遺言に心を動かしたシンジであったが、戦自によって分厚い硬化ベークライトに固められ動かしようがなくなっていた初号機を見て再度意気消沈し、アスカと弐号機の危機を知らされても何もできずにいた。その時、あたかもシンジを叱咤するかのように無人の初号機がベークライトを割って起動する。初号機に導かれるままに出撃し、意を決して戦場を見据えたシンジの目に映ったものは、弐号機の肉片をついばみながら宙を飛び回る量産機の群れだった。凄惨な光景を目の当たりにしたシンジは、錯乱し絶叫する。
第26話 まごころを、君に(ONE MORE FINAL: I need you.)
戦自による攻撃への備えを、上司と部下の関係を解消し同じ人類の補完を目指す同志の関係に戻った冬月コウゾウに託して発令所を離れたゲンドウは、綾波レイとともにターミナルドグマへと向かうが、そこにはリツコが待っていた。MAGIへのハッキングを阻止した際に隠しコマンドを仕込んでいたリツコは、ゲンドウの夢が叶わんとするそのタイミングでそれを挫くべくNERV本部の自爆をMAGIに命じるが、MAGI3体の全会一致を必要とする自爆決議は自らと同じゲンドウの愛人だった母・赤木ナオコの「女としての部分」を移植された「カスパー」によって否決され、リツコはゲンドウによって射殺される。ゲンドウは自らの右手に移植した第1使徒アダムの肉体と共に、第2使徒リリスの魂を持つレイとの融合を試みるが、レイはそれを拒否し、アダムのみを取り込んでリリスと融合を果たす。その後、シンジの元に向かうが、シンジの絶望が引き金となり、彼を乗せたEVA初号機を依代として、ゼーレが意図する形でのサードインパクトが始まる。NERV本部が位置するジオフロントは、その真下に埋もれていた「黒き月」ごと浮上し、巨大化したリリスの眼前に移動する。リリスからアンチA.T.フィールドが世界中に放たれ、これによって個体の生命体としての姿を保てなくなった人類は次々と液状(L.C.L.)化し、その魂は黒き月に集められていく。
初号機はリリスに取り込まれ、シンジは人類が補完された世界で、自他の内面と向き合う。最後にレイとカヲルに再会し、サードインパクトの行く末を委ねられたシンジは、人類が単体の生命となることを望まず、個々として存在する従来の世界を望む。サードインパクトは中断され、崩壊していくリリスから出現した初号機は、ロンギヌスの槍と共に宇宙の彼方へ飛び去っていく。シンジは初号機の核に宿るユイの存在を知り、別れを告げる。
その後、L.C.L.の海が広がる世界の白い砂浜に一切の反応を示さないアスカと共に横たわっていたシンジは、補完された世界で最後まで自分を拒絶したアスカの首を絞めていくが、その最中に彼女から頬を撫でられる。アスカの真意に気づき、首を絞めるのを止めて嗚咽するシンジに、アスカは「気持ち悪い」と言い放つのだった。
劇中使用曲
- BWV1068『管弦楽組曲第3番』より「Air」(『G線上のアリア』) - 第25話挿入曲
- THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS- - 第25話終了後のタイトルロールにて使用[注 3]
- THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-(SHORT VERSION) - 第25話エンディングテーマ[注 4]
- Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ - 第26話挿入歌
- BWV147『心と口と行いと生活で』より「主よ、人の望みの喜びよ」 - 第26話挿入曲
- BWV147『心と口と行いと生活で』より「主よ、人の望みの喜びよ」(ストリングスバージョン) - 第26話エンディングテーマ[注 5]
スタッフ
- 企画・原作:GAINAX、庵野秀明
- 総監督:庵野秀明
- 監督・演出:鶴巻和哉(#25)、庵野秀明(#26)
- 製作:角川歴彦(角川書店)、池口頌夫(キングレコード)、山賀博之(ガイナックス)、倉益琢眞(テレビ東京)
- 製作補:中山晴喜(セガ・エンタープライゼス)、高橋豊(東映)
- 脚本:庵野秀明
- キャラクターデザイン:貞本義行(コミック:月刊少年エース連載/角川書店)
- メカニックデザイン:山下いくと、庵野秀明
- エヴァンゲリオンコンセプトデザイン:山下いくと
- エヴァシリーズデザイン:本田雄
- ビジュアルウォーターアーチスト:摩砂雪(#26)
- 絵コンテ:鶴巻和哉(#25)、樋口真嗣(#25・#26)、摩砂雪(#25)、庵野秀明(#26)、甚目喜一(#26)
- キャラクター作画監督:黄瀬和哉(#25)
- メカニック作画監督:本田雄(#25)
- 作画監督:鈴木俊二(#26)、平松禎史(#26)、庵野秀明(#26)
- 作画監督補佐:古川尚哉(#26)、吉成曜(#26)
- 演出助手:大塚雅彦、安藤健
- 特技監督:樋口真嗣(#26特殊制作班)
- 設定デザイン:黄瀬和哉、鶴巻和哉、庵野秀明
- 色彩設定:高星晴美
- 美術監督:加藤浩
- 撮影監督:白井久男
- 音響監督:田中英行
- 音響効果:野口透
- 音楽:鷺巣詩郎
- 編集:三木幸子
- 友情編集:薩川昭夫
- プロデューサー:石川光久、大月俊倫(NC)
- アニメーション制作:Production I.G、GAINAX
- 製作:EVA製作委員会(角川書店、Project Eva.、GAINAX、テレビ東京、セガ・エンタープライゼス、東映)
- 配給:東映
解説
劇場版では、テレビシリーズの第弐拾伍話と最終話では語られることのなかった、もう1つのエンディングを映像化している。使徒ではなくヒトの手によるサードインパクトの発動(無への回帰による贖罪と完全な単体生命への進化)を目指すゼーレと、それを阻止しようとするミサトたちの戦い、アダムとリリスの融合によってゼーレとは異なる人類の補完を目指すゲンドウなどが描かれ、戦略自衛隊によるNERV本部への強襲、ゼーレによるエヴァンゲリオン量産機の投入などが、過激な死の描写とともに描かれていく。その一方、テレビシリーズ第弐拾伍話と最終話同様にシンジの精神世界が描かれる。
プロデューサーの大月俊倫は「あまり言うとネタバレになっちゃうんですが(笑)12年前の『エヴァ』では、あの頃の社会状況や庵野さんの内面の問題があったりして、特に劇場版は世界が破滅して、シンジとアスカだけ生き残るという破滅的な形で終わりましたから、あの続きはありえないんですよ」とシンジとアスカのみが生存との製作側の認識を示している[7]。同様に劇場版主題歌「魂のルフラン」の歌詞についての及川眠子へのインタビューでも、「みんな死んじゃうから、というので輪廻をテーマにしたんです」、「魂のルフランはこれで終わりという歌ですから、新しい詞は書きようがないんですね。輪廻を出してしまったら次はないですよ。今度の映画ではみんな死んじゃったんでしょ」、「打ち合わせの時にみんな死んじゃうんですかって(庵野に)聞いたら、次が出来ないように殺しちゃうんです。もう疲れましたからって(笑)」と述べている。
また、大槻ケンヂとの対談でどういう話(テーマ)なのかと聞かれた際、庵野は「最終的には、いいじゃん、他人がいても、ということですね」と述べている[8]。
その他
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- キャッチコピーは「だから みんな、死んでしまえばいいのに…」「では、あなたは何故、ココにいるの?」「…ココにいても、いいの?」。
- 公開3週目以降、一部の映画館では「角川アニメフェスティバル'97」と題した同時上映形式に移行した(同時上映作品は『スレイヤーズぐれえと』や『天地無用!真夏のイヴ』)。
- 第25話ではEVA初号機のもとへ送り出されたシンジが、「やっぱり来るんじゃなかった……」と呟くセリフになる予定であったが、シンジ役の緒方恵美が「ミサトもアスカも皆も一生懸命に戦っていたのに、それはないでしょう」と庵野に話した結果、「だってエヴァに乗れないんだ。どうしようもないんだ。」とのセリフに変更された[9]
- 第26話の実写パートは、新宿ミラノ座(旧・新宿ミラノ1)[注 6]で撮影された。同じく商店街のシーンがあるが、こちらは千歳烏山駅前で撮影されたもの。
- 同じく第26話の実写パートで、ファンレターやインターネットの投稿、GAINAX SHOPへの落書きなどは、実際にGAINAXに送られた手紙や電子メール、パソコン通信、ウェブサイトの書き込みを元に、スタッフが作成したものである[11]。
- シンジ役の緒方恵美は、第26話のラストシーンにおけるシンジのアスカへの首絞めは、庵野の知人女性の体験談がモデルであると発言している[12][要ページ番号]。また、アスカ役の宮村優子は、最後のセリフ「気持ち悪い」に関して、当初は「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」という台詞だったが、リテイクを重ねてもOKが出ず、庵野監督から「もし宮村が一人で寝ていて、窓から知らない男が入ってきて、それに気づかず寝ていて、いつでも襲われるような状況だったにもかかわらず、寝ているところを観ながらオナニーされて…それをされたときに目が覚めたらなんて言う?」と聞かれ、その瞬間に「気持ち悪い」と思い「『気持ち悪い』ですかね」と答えた、との逸話を語っている[13]。
- テレビシリーズで副監督を務めていた摩砂雪は、本作の第26話では「ビジュアルウォーターアーチスト」という役職が充てられている。『新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集』第3巻・第4巻巻末に収録されたインタビューのプロフィールにその経緯が触れられているが、真偽は不明[注 7]。
- 2003年11月27日に発売されたテレビシリーズ版リニューアルDVDの第7巻・第8巻には、映像特典としてそれぞれに第25話・第26話の次回予告が収録されている。
- 「エヴァまつり」[注 8]の一環として、2014年8月25日深夜(8月26日未明)には日本テレビのローカル深夜映画枠『映画天国』で一部シーンのカットや差し替えを施した[14]『Air/まごころを、君に TV版』が地上波初放送された[15][16]。なお、J-CASTニュースによれば、表現の自主規制による改変箇所の多さや改変後の内容には、ファンだけでなくクリエイターからも非難の声が上がったという[17]。
- 2014年10月27日と同年10月30日には、第27回東京国際映画祭の企画である「庵野秀明の世界」において本作と『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)²』を組み合わせた上映時間160分におよぶ作品『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に』がTOHOシネマズ日本橋で上映された[18]。
- 2014年12月20〜31日に開催された新宿ミラノ座閉館記念イベント「新宿ミラノ座より愛をこめて 〜LAST SHOW〜」の上映作品の一つとして、21・25・30日に再上映が行われた。
- 2015年8月28日と同年8月29日には、『新世紀エヴァンゲリオン』Blu-ray BOXの発売を記念して本作とテレビシリーズ第壱話 - 第拾参話がTOHOシネマズ新宿で同時上映された[19]。
- 2021年1月8日から22日まで、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の公開に先駆け、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に』が再上映された。Blu-ray BOX収録のHDマスターを元にしたDCP上映で、本作の本格的な劇場公開は初上映以来23年ぶりとなる[4]。
劇場版第25話・第26話とビデオ版第25話・第26話
1998年、劇場版BOX(VHS・LD)に先行して発売されたテレビシリーズのビデオ版(VHS・LD)にはテレビシリーズ第弐拾伍話とビデオ版第25話[注 9]が、最終話とビデオ版第26話[注 10]が併行して収録された。後に発売されたDVD[注 11]にはテレビシリーズ第弐拾伍話・最終話とビデオ版第25話・第26話が併行して収録された。このビデオ版第25話・第26話の内容は劇場版第25話・第26話と同じであるが、劇場版とは異なる部分がある。
- テレビシリーズ第弐拾四話の終了後、第弐拾伍話の次回予告の後に第25話「Air」の次回予告がある[注 12][注 13]。
- テレビシリーズに併行して収録された第25話「Air」、第26話「まごころを、君に」はテレビシリーズの第弐拾伍話と最終話の同じ設定を使い、同じテーマを別の展開で描いてリテイクしたもの[20]となるため、オープニングで「劇場版」と表記されていない[注 14]。このため、アイキャッチの時の英語表記は「THE END OF EVANGELION」ではなく「NEON GENESIS EVANGELION」となっている。
- 第25話終了後のスタッフテロップが劇場版とビデオ版では異なる[注 15]。また、バックで流れる「THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-」の曲の長さも異なる[注 16]。
- ビデオ版第25話にはエンディングの後に第26話の次回予告がある[注 17]。
- 挿入歌「Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ」が流れる直前のアスカの台詞が劇場版第26話とビデオ版第26話では若干異なる[注 18]。
- 劇場版第26話では「終劇」とクレジットされて幕を閉じるが、ビデオ版第26話では「完」とクレジットされ、本編が終わるとエンディングに移行する[注 19][注 20]。
なお、ビデオ版第25話・第26話は2003年のDVDリニューアルに際してはテレビシリーズ第弐拾伍話と最終話に併行して収録されなくなったが、2015年8月26日に発売されたBlu-ray BOXにVHS・LD版に収録[注 21]されたビデオ版第25話・第26話がビデオフォーマット版として再収録された。ただし、VHS・LD版、およびリニューアル以前のDVD版の収録内容とは異なり、テレビシリーズ第弐拾伍話と最終話とは同時収録されていない[21]。
リリース
- VHS・LD
- DVD
- 新世紀エヴァンゲリオン Volume 7 - 1999年1月22日[注 24]
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 - 1999年9月22日
- 新世紀エヴァンゲリオン SECOND IMPACT BOX 下巻 - 2001年6月22日[注 25]
- NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX - 2003年6月25日
- 劇場版 NEON GENESIS EVANGELION-DEATH (TRUE)2:Air/まごころを君に - 2003年11月27日
- 劇場版 DTS COLLECTORS Edition - 2004年11月3日
- NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX〈復刻版〉 - 2007年4月23日
- NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX '07 EDITION〈廉価版〉 - 2007年8月1日
- 日テレ限定 新世紀エヴァンゲリオンDVDボックス
- UMD®Video 新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ-another cases-10周年記念メモリアルBOX
- (新世紀エヴァンゲリオン DEATH(TRUE)2・Air/まごころを、君に)
- Blu-ray
- CD
- THE END OF EVANGELION(シングル) - 1997年8月1日
- THE END OF EVANGELION(アルバム) - 1997年9月26日(再発:2004年12月22日)
- 書籍
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 フィルムブック「Air」 - 1997年10月
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 フィルムブック「まごころを、君に」 - 1997年11月20日
- 新世紀エヴァンゲリオン フィルムブック リミックス3 - 2000年11月
- Groundworks of Evangelion The Movie(全2巻) - 2001年10月26日~2002年1月18日
受賞歴
- 第21回日本アカデミー賞 話題賞・作品部門
- 第2回アニメーション神戸会場特別賞
- 第15回ゴールデングロス賞優秀銀賞
脚注
注釈
- ^ 角川書店、Project Eva.、GAINAX、テレビ東京、セガ・エンタープライゼス、東映
- ^ テレビシリーズとは区別するために話数を漢字からアラビア数字表記に変え、アイキャッチ画面ではそれぞれ「EPISODE:25'」、「ONE MORE FINAL:」と表示された。
- ^ 『Air/まごころを、君に TV版』(2014年8月25日深夜(26日未明)放送)では第26話終了後のタイトルロールにて「只今の唄」という表記で使用。
- ^ 収録:新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:13、新世紀エヴァンゲリオン Volume 7(※新世紀エヴァンゲリオン SECOND IMPACT BOX 下巻収録分を除く)、新世紀エヴァンゲリオンBlu-ray BOX NEON GENESIS EVANGELION Blu-ray BOX DISC 9、新世紀エヴァンゲリオンBlu-ray BOX STANDARD EDITION NEON GENESIS EVANGELION Blu-ray BOX STANDARD EDITION DISC 9
- ^ 収録:新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:14、新世紀エヴァンゲリオン Volume 7(※新世紀エヴァンゲリオン SECOND IMPACT BOX 下巻収録分を除く)、新世紀エヴァンゲリオンBlu-ray BOX NEON GENESIS EVANGELION Blu-ray BOX DISC 9、新世紀エヴァンゲリオンBlu-ray BOX STANDARD EDITION NEON GENESIS EVANGELION Blu-ray BOX STANDARD EDITION DISC 9
- ^ 2014年末をもって閉鎖。閉鎖の際、閉館記念上映のラインナップの一つとして本作も2014年12月21日、12月25日、12月30日に上映されている[10]
- ^ 内容は、摩砂雪がDEATH編制作終了後の残務処理を怠って海へ遊びに行ったことに激怒した庵野により、格下げされたというもの。
- ^ 『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)での『新劇場版』の3週連続放送。
- ^ 収録:新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:13
- ^ 収録:新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:14
- ^ 新世紀エヴァンゲリオン Volume 7 1999年1月22日発売のみ。
- ^ テレビシリーズのビデオ版と同じ30秒バージョンの次回予告。※DVDのリニューアル後は特典映像に転用。
- ^ 収録:新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:12(VHS・LD)、新世紀エヴァンゲリオン Volume 6(DVD)※新世紀エヴァンゲリオン SECOND IMPACT BOX 中巻収録分を除く。
- ^ 第25話のオープニングはテレビシリーズのアイキャッチ(「新世紀エヴァンゲリオン」)、第26話のオープニングは劇場版のオープニングと同じであるが、表記は「NEON GENESIS EVANGELION」となっている。
- ^ 劇場版ではオレンジ色のスタッフテロップ(第25話・第26話の2話分)が下から上へ螺旋状にスクロールしていくのに対し、ビデオ版では白色のスタッフテロップ(第25話のみ)が赤い雪が舞う中を下から上へスクロールしていく。
- ^ 劇場版はフルバージョン。ビデオ版はショートバージョン。
- ^ テレビシリーズのビデオ版と同じ30秒バージョンの次回予告。※DVDのリニューアル後は特典映像に転用。
- ^ 劇場版第26話では「イヤ」と台詞が入るが、ビデオ版第26話では台詞は消え、代わりに左上に縦書きで「イヤ」の字幕が出る。
- ^ 白色のスタッフテロップ(第26話のみ)が白い雪が舞う中を下から上へスクロールしていく。曲は「主よ、人の望みの喜びよ」(ストリングスバージョン)。
- ^ VHS・LD版ではエンディング終了後に『ラブ&ポップ』の予告を収録。
- ^ 新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:13、Genesis 0:14
- ^ テレビシリーズ第弐拾伍話「終わる世界」とビデオ版第25話「Air」を収録。
- ^ テレビシリーズ最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」とビデオ版第26話「まごころを、君に」を収録。
- ^ テレビシリーズ第弐拾伍話・最終話とビデオ版第25話・第26話を収録。
- ^ 劇場版のみ収録。新世紀エヴァンゲリオン Volume 7が収録されているが第弐拾伍話と最終話のみの収録。ビデオ版第25話・第26話は未収録。
- ^ a b 劇場版 Air/まごころを、君に、REVIVAL OF EVANGELION版(DEATH (TRUE)2/Air/まごころを、君に)、第25話「Air」・第26話「まごころを、君に」(ビデオフォーマット版)を収録。
出典
- ^ 1997年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ 小黒祐一郎 (2006年6月23日). “アニメ様の七転八倒 第61回 エヴァ雑記「第25話 Air」”. WEBアニメスタイル. スタイル. 2016年1月18日閲覧。
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