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{{キリスト教}} |
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'''聖書'''(せいしょ、{{ |
'''聖書'''(せいしょ、{{lang-he|ביבליה}}、{{lang-el|βιβλία}}、{{lang-la|biblia}})とは、[[キリスト教]]、[[ユダヤ教]]で[[聖典|教典]]、[[聖書正典|正典]]とされる書物。[[イスラム教]]でも[[教典]]とされている<ref>[[中村廣治郎]]、『イスラム教入門』、[[岩波書店]]、[[1998年]]</ref>。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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ユダヤ教およびキリスト教関連の宗教ではもっとも重要な |
ユダヤ教およびキリスト教関連の宗教ではもっとも重要な文書とされる。もっとも、[[旧約聖書]]と[[新約聖書]]の両者を聖書と呼ぶのはキリスト教の立場に基づくものである。ユダヤ教ではいわゆる新約聖書は教典ではなく、[[イスラム教]]では両聖書<ref group="注">聖書に相当するものであり、現在読まれているものとは異なる。[[アラビア語]]で、旧約聖書に収められている[[モーゼ五書]]は「タウラー」、[[詩篇]]は「ザブール」、新約聖書に収められている[[福音書]]は「インジール」と呼ばれる。</ref>と[[クルアーン]]とはいずれも教典、またはそれに準じる文書である<ref group="注">ただし、クルアーンが優越すると考えられており、内容に𪗱𪘚がある場合はクルアーンの記述が優先される</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.islamreligion.com/jp/articles/36/ |title=諸啓典への信仰 |accessdate=2018-08-02}}</ref>。 |
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2017年現在、聖書は全部または一部が世界3200以上の[[言語]]で翻訳されている。 |
2017年現在、聖書は全部または一部が世界3200以上の[[言語]]で翻訳されている。発行部数については諸説あるが、英国外国聖書協会の2021年の調査では50〜70億冊であり、ギネス記録となっている<ref>『ギネス世界記録2023』174頁</ref>。 |
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== ユダヤ教 |
== ユダヤ教 == |
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{{Main|ヘブライ語聖書}} |
{{Main|ヘブライ語聖書}} |
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ユダヤ教において、聖書とは、[[紀元前4世紀]]までに書かれた[[ヘブライ語]]および[[アラム語]]の文書群。全24巻から成り立ち、律法([[トーラー]] : {{lang|he-latn|Torah}} ヘブル語 {{lang|he|תּוֹרָה}} )、 預言者(ネビイーム : {{lang|he-latn|Nevi'im}} ヘブル語 {{lang|he|נְבִיאִים}} )、諸書(ケトゥビーム : {{lang|he-latn|Ketuvim}} ヘブル語 {{lang|he|כְּתוּבִים}} )に分類され、3つの頭文字TNKをとり、[[タナハ]] ({{lang|he-latn|Tanakh}} ヘブル語 {{lang|he|תַּנַךְ}}) と呼ばれる。 |
ユダヤ教において、聖書とは、[[紀元前4世紀]]までに書かれた[[ヘブライ語]]および[[アラム語]]の文書群。全24巻から成り立ち、律法([[トーラー]] : {{lang|he-latn|Torah}} ヘブル語 {{lang|he|תּוֹרָה}} )、 預言者(ネビイーム : {{lang|he-latn|Nevi'im}} ヘブル語 {{lang|he|נְבִיאִים}} )、諸書(ケトゥビーム : {{lang|he-latn|Ketuvim}} ヘブル語 {{lang|he|כְּתוּבִים}} )に分類され、3つの頭文字TNKをとり、[[タナハ]] ({{lang|he-latn|Tanakh}} ヘブル語 {{lang|he|תַּנַךְ}}) と呼ばれる。 |
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=== 構成 === |
=== 構成 === |
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{{Main|旧約聖書|新約聖書|正典|聖書正典|聖書原典}} |
{{Main|旧約聖書|新約聖書|正典|聖書正典|聖書原典}} |
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聖書は[[キリスト教]] |
聖書は[[キリスト教]]で聖典として扱われ(ただし位置付けは[[キリスト教諸教派の一覧|教派]]により異なる、詳細[[#位置付け|後述]])、[[旧約聖書]] ({{lang|en|Old Testament}}) と[[新約聖書]] ({{lang|en|New Testament}}) からなる。キリスト教では、[[イエス・キリスト]]以前の預言者と神の契約を旧約と言い、キリスト以降のキリストの言葉や奇蹟を弟子たちがキリストの死後書いたものを新約聖書と称している<ref name="ocjoshie2">[[正教会]]の出典:[http://www.orthodoxjapan.jp/tebiki/oshie02.html 教え-聖書:日本正教会 The Orthodox Church in Japan]</ref><ref>[[カトリック教会]]の出典:[http://www.newadvent.org/cathen/02543a.htm CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: The Bible]</ref><ref>[[聖公会]]の出典:[http://anglicansonline.org/basics/catechism.html Anglicans Online | The Catechism or an Outline of the Faith]</ref><ref>[[ルーテル教会]]の出典:[http://www.lcms.org/faqs/thebible Frequently Asked Questions | The Bible - The Lutheran Church—Missouri Synod]</ref><ref>[[改革派教会]]の出典:[http://www.ogaki-ch.com/WCF/text/ ウェストミンスター信仰基準(日本基督改革派教会訳)]、[http://www.yokohamarcj.jp/qa.html Q&A - 日本キリスト改革派 横浜教会]</ref>。 |
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[[英語]]の音訳から、'''バイブル''' ({{lang|en|the Bible}}) とも言うが<ref group="注" name="Scriptures">ただし英語では "{{lang|en|The Holy Scriptures}}" といった表記が事典・辞典の見出し語として使われることも多い。</ref>、この語は {{lang-el|βιβλία}}({{lang|grc-latn|biblía}}<ref group="注" name="ビブリア">[[古典ギリシア語]]再建音からは「ビブリア」、[[現代ギリシア語]]からは「ヴィヴリア」(βがvになる)と転写し得る。</ref>、ギリシャ語で書物の意<ref name="ocjoshie2" />、中性複数)が、{{lang-la|biblia}}(ビブリア、単数女性)に転写されたものが元になっている<ref>[http://stevendimattei.com/whats-name-biblia-bible/ Bible, biblia, biblion, torah, codex, canon, Christianity]</ref>([[西方教会]]圏では、英語に限らず様々な言語に「ビブリア」系の語彙がみられる<ref>[http://www.newadvent.org/cathen/02543a.htm CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: The Bible]</ref>)。 |
[[英語]]の音訳から、'''バイブル''' ({{lang|en|the Bible}}) とも言うが<ref group="注" name="Scriptures">ただし英語では "{{lang|en|The Holy Scriptures}}" といった表記が事典・辞典の見出し語として使われることも多い。</ref>、この語は {{lang-el|βιβλία}}({{lang|grc-latn|biblía}}<ref group="注" name="ビブリア">[[古典ギリシア語]]再建音からは「ビブリア」、[[現代ギリシア語]]からは「ヴィヴリア」(βがvになる)と転写し得る。</ref>、ギリシャ語で書物の意<ref name="ocjoshie2" />、中性複数)が、{{lang-la|biblia}}(ビブリア、単数女性)に転写されたものが元になっている<ref>[http://stevendimattei.com/whats-name-biblia-bible/ Bible, biblia, biblion, torah, codex, canon, Christianity]</ref>([[西方教会]]圏では、英語に限らず様々な言語に「ビブリア」系の語彙がみられる<ref>[http://www.newadvent.org/cathen/02543a.htm CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: The Bible]</ref>)。 |
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===== プロテスタント ===== |
===== プロテスタント ===== |
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[[プロテスタント]]においては、「[[聖書のみ]]」が重要な教理と位置付けられ<ref>[http://lutherantheology.wordpress.com/2011/01/18/a-brief-introduction-to-sola-scriptura/ A Brief Introduction to sola scriptura | Lutheran Theology: An Online Journal]</ref>、[[五つのソラ]] |
[[プロテスタント]]においては、「[[聖書のみ]]」が重要な教理と位置付けられ<ref>[http://lutherantheology.wordpress.com/2011/01/18/a-brief-introduction-to-sola-scriptura/ A Brief Introduction to sola scriptura | Lutheran Theology: An Online Journal]</ref>、[[五つのソラ]]の一つをなしている<ref>[http://www.livingword.guelph.canrc.org/who-we-are/what-we-believe/the-five-solas The “five solas” – Living Word Canadian Reformed Church at Guelph]</ref>。 |
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[[第二正典]]ともよばれるアポクリファについては、[[マルティン・ルター]]<ref name="luther" />は「正典ではないが読むのは有用<ref>[http://www.crcna.org/welcome/beliefs/confessions/belgic-confession/article-6-difference-between-canonical-and-apocryphal Article 6: The Difference Between Canonical and Apocryphal Books | Christian Reformed Church]</ref>」としたが、{{要出典|範囲=正典に数えないだけでなく読む事も勧められない場合もある|date=2018年2月|title=この書き方だと「読むのはお勧めできない」というプロテスタント信仰がウィキペディアの記事になるほどあることになるが、実際は読むぐらいは勝手なのがふつうではないだろうか。}}。 |
[[第二正典]]ともよばれるアポクリファについては、[[マルティン・ルター]]<ref name="luther" />は「正典ではないが読むのは有用<ref>[http://www.crcna.org/welcome/beliefs/confessions/belgic-confession/article-6-difference-between-canonical-and-apocryphal Article 6: The Difference Between Canonical and Apocryphal Books | Christian Reformed Church]</ref>」としたが、{{要出典|範囲=正典に数えないだけでなく読む事も勧められない場合もある|date=2018年2月|title=この書き方だと「読むのはお勧めできない」というプロテスタント信仰がウィキペディアの記事になるほどあることになるが、実際は読むぐらいは勝手なのがふつうではないだろうか。}}。 |
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[[日本]]では、[[エキュメニズム]]を旨とする[[教会派]]や[[社会派]]は[[新共同訳]]を用いる傾向にあり、[[2018年]]に上梓され |
[[日本]]では、[[エキュメニズム]]を旨とする[[教会派]]や[[社会派]]は[[新共同訳]]を用いる傾向にあり、[[2018年]]に上梓された[[聖書協会共同訳]]に移行してゆくものと思われる。同様に、保守的な神学を持つ狭義の[[福音派]]教会は[[新改訳]]を用いる傾向にあるといえるが、あくまで傾向であって、逆にしてはならないきまりはない。むしろ個別には、諸事情により傾向に添わない例もしばしば見受けられる。ほかにも[[口語訳]]などが用いられており、[[キリスト教会]]のふつうの聖書であれば、実際には訳が問題となることはさほどない。また、翻訳の差異に対する考察を入り口にした内省も許容される傾向にある。 |
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逆に、[[エホバの証人]]の訳による[[新世界訳]]は、 |
逆に、[[エホバの証人]]の訳による[[新世界訳]]は、エホバの証人以外の教会で礼拝に用いられることはほとんどないが、問題となるのはプロテスタントやキリスト教会の訳といえないことよりも、本人たち以外から指摘されている重要部分の改竄である<ref>[//www.amazon.co.jp/+/e/B00F7KW5BA 正木 弥]『[//xn--ick3d6az397ak06a.net/nw ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書]』びぶりや書房(現[//biblia-books.com/ ビブリア書房])、[[2007年]][[11月]]。ISBN 978-4-907420-02-4</ref>。 |
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==== 東方教会 ==== |
==== 東方教会 ==== |
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;全世界 |
;全世界 |
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: 全世界での発行部数は50億部(以上)<ref>『ギネス世界記録2004(日本語版)』クレア・フォルカード(編)、ポプラ社、2004年、165頁。ISBN 4591995674(ISBN 978-4591995679)。『ギネス世界記録2015(日本語版)』クレイグ・グレンディ(編)、角川アスキー総合研究所、2014年、172頁。ISBN 978-4-04-899601-3</ref>、60億冊<ref>ラッセル・アッシュ『世界なんでもトップテン』日本語版(三省堂、ISBN 4385356904)、p.62</ref><ref>[http://home.comcast.net/~antaylor1/bestsellingbooks.html THE TEN BESTSELLING BOOKS OF ALL-TIME]</ref>、70億冊<ref>{{PDFlink|[http://www.newlivingtranslation.com/pdfs/dgsb_sample.pdf The Discover God Study Bible]}}</ref>、80億冊、150億冊<ref>[http://www.learnanywhere.co.uk/la/re/5c.ppt 5c where did the christian bible come from]([[Microsoft PowerPoint]]プレゼンテーションファイル)</ref>、1815年~1998年に約3880億冊(推定)<ref>日本語版[[ギネス・ワールド・レコーズ|ギネスブック]]1999年度版</ref>などの説がある。 |
: 全世界での発行部数は50億部(以上)<ref>『ギネス世界記録2004(日本語版)』クレア・フォルカード(編)、ポプラ社、2004年、165頁。ISBN 4591995674(ISBN 978-4591995679)。『ギネス世界記録2015(日本語版)』クレイグ・グレンディ(編)、角川アスキー総合研究所、2014年、172頁。ISBN 978-4-04-899601-3</ref>、60億冊<ref>ラッセル・アッシュ『世界なんでもトップテン』日本語版(三省堂、ISBN 4385356904)、p.62</ref><ref>[http://home.comcast.net/~antaylor1/bestsellingbooks.html THE TEN BESTSELLING BOOKS OF ALL-TIME]</ref>、70億冊<ref>{{PDFlink|[http://www.newlivingtranslation.com/pdfs/dgsb_sample.pdf The Discover God Study Bible]}}</ref>、[[英国外国聖書協会]]の2021年の調査では50〜70億冊<ref>『ギネス世界記録2023(日本語版)』クレイグ・グレンディ(編)、角川アスキー総合研究所、2022年、174頁。ISBN 978-4-04-911140-8。</ref>、80億冊、150億冊<ref>[http://www.learnanywhere.co.uk/la/re/5c.ppt 5c where did the christian bible come from]([[Microsoft PowerPoint]]プレゼンテーションファイル)</ref>、1815年~1998年に約3880億冊(推定)<ref>日本語版[[ギネス・ワールド・レコーズ|ギネスブック]]1999年度版</ref>などの説がある。 |
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: 2000年の1年間に世界中の聖書協会によって約6億3300万冊が配布・販売([[国際聖書協会]]の発表) |
: 2000年の1年間に世界中の聖書協会によって約6億3300万冊が配布・販売([[国際聖書協会]]の発表) |
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: 世界一発行されている本として[[ギネス・ワールド・レコーズ]]に登録されている(発行部数は資料によって食い違いがある。)。 |
: 世界一発行されている本として[[ギネス・ワールド・レコーズ]]に登録されている(発行部数は資料によって食い違いがある。)。 |
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;日本 |
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: 1874年~2004年に3億4584万1334冊が頒布([[日本聖書協会]]調べ)<ref>[[週刊朝日]]2005年7月22日号</ref> |
: 1874年~2004年に3億4584万1334冊が頒布([[日本聖書協会]]調べ)<ref>[[週刊朝日]]2005年7月22日号</ref> |
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=== 聖書の庭 === |
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聖書の庭、聖書庭園、バイブル・ガーデン<ref>[http://blog.ngu.ac.jp/chapel/2015/09/post-785.html バイブルガーデンのオリーブ] キリスト教センターブログ 名古屋学院大学キリスト教センター</ref><ref>[http://hatoyama-ch.life.coocan.jp/activity/BibleGarden/BibleGarden.html 鳩山バイブル・ガーデン]</ref>(英:Biblical_garden)は、キリスト教の聖書に登場する[[植物]]を集めた[[庭園]]である。[[植物園]]や[[公園]]、庭師が管理する[[テーマガーデン]]の一種である<ref>{{cite journal |author=Wodarczyk, Z. |title=Biblical gardens in dissemination of ideas of the Holy Scripture |journal=Folia Horticulturae |volume=16 |pages=141-147 |year=2004 |url=http://www.ptno.ogr.ar.krakow.pl/Wydawn/FoliaHorticulturae/Spisy/FH2004/PDF16022004/fh1602p18.pdf}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://rodefshalom.org/who/garden/index.cfm |title=Rodef Shalom Congregation, Pittsburgh, PA - Biblical Botanical Garden<!-- Bot generated title --> |access-date=2008-01-28 |archive-url=https://web.archive. org/web/20071126174344/http://rodefshalom.org/who/garden/index.cfm |archive-date=2007-11-26 |url-status=dead}}</ref><ref name="auto">{{Cite web |url=http://www.warsawbiblicalgardens.org/ |title=Warsaw Biblical Gardens |website=www.warsawbiblicalgardens. org |accessdate=2023-04-11}}</ref>。 |
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聖書に登場する植物のリストには、ユダヤ教やキリスト教の[[聖典]]に示されている植物の種がよく紹介されているが、聖書に登場する植物の中には、その正体についてかなり不確かなものもあるため、複数の候補種を展示している場合もある。また、特に[[気候]]の異なる地域では、聖書のテーマや題材に類似する植物にしていることもある。また、聖書の物語を説明するために、あるいは聖書の時代の人々の生活を示すために、オブジェを展示している庭園もある。 |
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{{main|:en:Biblical_garden}} |
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世界各地で作庭されており、[[レバント]]から遠く離れた場所での栽培例も多く、日本では[[福岡県]]にある[[西南学院大学]]の聖書植物園、アメリカ合衆国では[[ミズーリ州]][[セントルイス]]の[[ミズーリ植物園]]<ref>{{Cite web |url=http://www.mobot.org/hort/gardens/bibleplnts.shtml |title=MBG Bible Plant Collection |website=www.mobot.org |accessdate=2023-04-11}}</ref>が知られている。 |
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== イスラム教 == |
== イスラム教 == |
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イスラム教においても新旧約の聖書は[[啓典]]とされる。ただし、新約・旧約という分け方はせず、正典に含まれない書もある。また、聖書よりも[[クルアーン]]が優越すると考えられており、内容に齟齬がある場合はクルアーンの記述が優先される。これは現行の聖書は、預言者たちに下された元の形から、ユダヤ教徒、キリスト教徒の手で歪められたとされるためである。イスラム教においてはクルアーンは啓典を確証すると同時に現行の聖書の誤りを糾す啓示でもある。 |
イスラム教においても新旧約の聖書は[[啓典]]とされる。ただし、新約・旧約という分け方はせず、正典に含まれない書もある。また、聖書よりも[[クルアーン]]が優越すると考えられており、内容に齟齬がある場合はクルアーンの記述が優先される。これは現行の聖書は、預言者たちに下された元の形から、ユダヤ教徒、キリスト教徒の手で歪められたとされるためである。イスラム教においてはクルアーンは啓典を確証すると同時に現行の聖書の誤りを糾す啓示でもある。 |
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[[ムスリム]]のあいだでは聖書のうちのある章句を[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]の出現を予言したもの、とする解釈もなされる。代表的なものは[[申命記]]18章18節-19節の「イスラエルの兄弟(同胞)から立てられるモーセのような預言者」をムハンマドとする説である<ref>[http://www.geocities.jp/ahulal_bayt/islam-questions/islam-f18.html 【質問18 聖書がムハンマドを証言する】]</ref>。なお『[[ヨハネによる福音書]]』5章46節ではイエスがモーセは自分について書いている、と語ったとある。『[[使徒行伝]]』3章20節以下では[[ペトロ]]が申命記の一節をひいてこれがイエスのことであると語ったという記載がある。ただし、学者たちは人々の必要に対して出現する一連の預言者たちを指すと考えている<ref>フランシスコ会聖書研究所『聖書 原文校訂による口語訳』403ページの注</ref>。 |
[[ムスリム]]のあいだでは聖書のうちのある章句を[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]の出現を予言したもの、とする解釈もなされる。代表的なものは[[申命記]]18章18節-19節の「イスラエルの兄弟(同胞)から立てられるモーセのような預言者」をムハンマドとする説である<ref>[https://web.archive.org/web/20091109052746/http://www.geocities.jp/ahulal_bayt/islam-questions/islam-f18.html 【質問18 聖書がムハンマドを証言する】]</ref>。なお『[[ヨハネによる福音書]]』5章46節ではイエスがモーセは自分について書いている、と語ったとある。『[[使徒行伝]]』3章20節以下では[[ペトロ]]が申命記の一節をひいてこれがイエスのことであると語ったという記載がある。ただし、学者たちは人々の必要に対して出現する一連の預言者たちを指すと考えている<ref>フランシスコ会聖書研究所『聖書 原文校訂による口語訳』403ページの注</ref>。 |
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== 他宗教 |
== 他宗教 == |
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{{main|聖書への批判}} |
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イスラム教以外にも、[[イエス・キリスト|イエス]]など聖書に登場する人物や天使の存在を教義内に持つ後発宗教([[スピリチュアリズム]]など)が存在しているが、イスラム教における解釈と同様、肯定的な扱いと否定的な扱いとが同居している。 |
イスラム教以外にも、[[イエス・キリスト|イエス]]など聖書に登場する人物や天使の存在を教義内に持つ後発宗教([[スピリチュアリズム]]など)が存在しているが、イスラム教における解釈と同様、肯定的な扱いと否定的な扱いとが同居している。 |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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{{Wikisource|聖書|3=日本語訳}} |
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{{Wikiquote |
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{{Wiktionary}} |
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* [http://www.wordproject.org/bibles/audio/12_japanese/index.htm 日本のオーディオ聖書] |
* [http://www.wordproject.org/bibles/audio/12_japanese/index.htm 日本のオーディオ聖書] |
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* [http://www.wycliffejapan.org/ 日本ウィクリフ聖書翻訳協会(Wycliffe Bible Translators in Japan)] |
* [http://www.wycliffejapan.org/ 日本ウィクリフ聖書翻訳協会(Wycliffe Bible Translators in Japan)] |
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* [{{NDLDC|992555/1}} 新旧約全書]([[1907年]])[[国立国会図書館]][[近代デジタルライブラリー]] |
* [{{NDLDC|992555/1}} 新旧約全書]([[1907年]])[[国立国会図書館]][[近代デジタルライブラリー]] |
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* [https://web.archive.org/web/20040812150027/http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/bible/index.html 文語訳 舊約・新約聖書] - [[物語倶楽部]]の[[インターネットアーカイブ]]。 |
* [https://web.archive.org/web/20040812150027/http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/bible/index.html 文語訳 舊約・新約聖書] - [[物語倶楽部]]の[[インターネットアーカイブ]]。 |
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* {{wikisource-inline|口語新約聖書}}([[w:日本聖書協会|日本聖書協会]]翻訳、1954年) |
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* {{Wayback |url=http://baptist.jp/ |title=聖書 |date=20150922140630}} |
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* [http://aqlfaal.starfree.jp/ 正教会訳聖書] |
* [http://aqlfaal.starfree.jp/ 正教会訳聖書] |
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* [https://www.jw.org/ja/ライブラリー/聖書/スタディー版聖書/各書/ 新世界訳聖書] |
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2024年11月18日 (月) 03:24時点における最新版
聖書(せいしょ、ヘブライ語: ביבליה、ギリシア語: βιβλία、ラテン語: biblia)とは、キリスト教、ユダヤ教で教典、正典とされる書物。イスラム教でも教典とされている[1]。
概要
[編集]ユダヤ教およびキリスト教関連の宗教ではもっとも重要な文書とされる。もっとも、旧約聖書と新約聖書の両者を聖書と呼ぶのはキリスト教の立場に基づくものである。ユダヤ教ではいわゆる新約聖書は教典ではなく、イスラム教では両聖書[注 1]とクルアーンとはいずれも教典、またはそれに準じる文書である[注 2][2]。 2017年現在、聖書は全部または一部が世界3200以上の言語で翻訳されている。発行部数については諸説あるが、英国外国聖書協会の2021年の調査では50〜70億冊であり、ギネス記録となっている[3]。
ユダヤ教
[編集]ユダヤ教において、聖書とは、紀元前4世紀までに書かれたヘブライ語およびアラム語の文書群。全24巻から成り立ち、律法(トーラー : Torah ヘブル語 תּוֹרָה )、 預言者(ネビイーム : Nevi'im ヘブル語 נְבִיאִים )、諸書(ケトゥビーム : Ketuvim ヘブル語 כְּתוּבִים )に分類され、3つの頭文字TNKをとり、タナハ (Tanakh ヘブル語 תַּנַךְ) と呼ばれる。 律法と呼ばれる文書(モーセ五書)を核に、預言書(神からの啓示である預言の記述)および歴史書、諸書と呼ばれる詩や知恵文学を加えたものをさす。キリスト教でいう旧約聖書と内容は同一であるが書簡の並び順は異なる。紀元前4世紀ごろには、この文書群が、「聖書」つまり統一された1つの書物として認識されるようになった。現存する最古の写本は紀元前1世紀頃書かれたとされる死海写本に含まれている。
紀元前4世紀頃から、ギリシア語訳が作られるようになった。有名なものにアレクサンドリアで編纂された七十人訳聖書がある。
現在、正典とされるものの範囲は1世紀末のヤムニア会議で確定された。正典とされる書物の範囲は本来慣習により多くは固定されていなかったが、エルサレム神殿崩壊ののち、ユダヤ教のキリスト教に対する民族的、宗教的結束を図る動きがあり、ヘブライ語・アラム語(アラマイ語)の原典の存在が知られていたもののみを聖書正典と定めた。正典から除外されたものを、外典・偽典と呼ぶ。16世紀にキリスト教プロテスタント諸派が、このときユダヤ教が聖典としていた文書群の範囲を採用しキリスト教にとっての旧約聖書であるとしている。
キリスト教
[編集]ヘブライ聖書 または 旧約聖書 |
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詳細は聖書正典を参照 |
ユダヤ教、プロテスタント、 カトリック教会、東方教会 |
ユダヤ教とプロテスタントが除外 |
東方正教会が含む |
ロシア正教会とエチオピア正教会が含む |
エチオピア正教会が含む |
ペシッタ訳聖書が含む |
古代教会スラブ語聖書が含む |
新約聖書 |
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福音書 |
マタイ • マルコ • ルカ • ヨハネ |
言行録 |
使徒言行録 |
書簡 パウロ書簡・公同書簡 |
ローマ 1 コリント • 2 コリント ガラテヤ • エフェソ フィリピ • コロサイ 1 テサロニケ • 2 テサロニケ 1 テモテ • 2 テモテ テトス • フィレモン ヘブライ • ヤコブ 1 ペトロ • 2 ペトロ 1 ヨハネ • 2 ヨハネ • 3 ヨハネ ユダ |
黙示録 |
ヨハネの黙示録 |
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構成
[編集]聖書はキリスト教で聖典として扱われ(ただし位置付けは教派により異なる、詳細後述)、旧約聖書 (Old Testament) と新約聖書 (New Testament) からなる。キリスト教では、イエス・キリスト以前の預言者と神の契約を旧約と言い、キリスト以降のキリストの言葉や奇蹟を弟子たちがキリストの死後書いたものを新約聖書と称している[4][5][6][7][8]。
英語の音訳から、バイブル (the Bible) とも言うが[注 3]、この語は ギリシア語: βιβλία(biblía[注 4]、ギリシャ語で書物の意[4]、中性複数)が、ラテン語: biblia(ビブリア、単数女性)に転写されたものが元になっている[9](西方教会圏では、英語に限らず様々な言語に「ビブリア」系の語彙がみられる[10])。
「旧約」「新約」の「約」とは、神との契約のことで、2世紀頃からキリスト教徒の間で呼ばれ始めた。「『新約』はユダヤ教での神との契約を反古にして、神と新たに契約したということであり、旧約聖書は教典の役割を果たさないものである」と捉えるのは誤りであり、例えば新約聖書マタイ伝の一節「天と地が消え失せるまで、すべてが成し遂げられるまでは、律法から一点一画も消えることは無い」(5:18)に見るように、キリスト教においても旧約聖書は決して無視できない書であり、正典に数えられている。
一方で、旧約聖書のうち「第二正典」「旧約聖書続編」などと呼ばれる部分の捉え方は、教派により異なる。七十人訳聖書の範囲を基本とする正教会[11]およびカトリック教会[12]は正典に数えるが、プロテスタントでは正典から外されている(ただし「正典ではないものの、読むのは有用」とされる場合もある)[13]。
位置付け
[編集]聖書は全てのキリスト教において聖典とされるが、その位置付け、範囲などは教派によって異なる。ここではそれぞれの教派の主な特徴を挙げる。
西方教会
[編集]カトリック教会
[編集]カトリック教会では「聖伝の中に聖書が含まれる」とする正教会と異なり、「聖書と聖伝を同じく尊敬すべき」[14]として、聖書と聖伝を並列させている。トリエント公会議において聖伝は「(聖書と)同じ畏敬を以て認むべきもの」(ラテン語: pari pietatis affectu)と位置づけられた[15]。
聖公会
[編集]旧約聖書と新約聖書には「救いに必要なすべてのことが記されている」とされる[16]。第二正典等とも呼ばれるアポクリファについては、旧約の民が書いた教会で使われる諸書である(正典には数えないが使う)と位置付けられる[17]。
プロテスタント
[編集]プロテスタントにおいては、「聖書のみ」が重要な教理と位置付けられ[18]、五つのソラの一つをなしている[19]。
第二正典ともよばれるアポクリファについては、マルティン・ルター[13]は「正典ではないが読むのは有用[20]」としたが、正典に数えないだけでなく読む事も勧められない場合もある[要出典]。
日本では、エキュメニズムを旨とする教会派や社会派は新共同訳を用いる傾向にあり、2018年に上梓された聖書協会共同訳に移行してゆくものと思われる。同様に、保守的な神学を持つ狭義の福音派教会は新改訳を用いる傾向にあるといえるが、あくまで傾向であって、逆にしてはならないきまりはない。むしろ個別には、諸事情により傾向に添わない例もしばしば見受けられる。ほかにも口語訳などが用いられており、キリスト教会のふつうの聖書であれば、実際には訳が問題となることはさほどない。また、翻訳の差異に対する考察を入り口にした内省も許容される傾向にある。
逆に、エホバの証人の訳による新世界訳は、エホバの証人以外の教会で礼拝に用いられることはほとんどないが、問題となるのはプロテスタントやキリスト教会の訳といえないことよりも、本人たち以外から指摘されている重要部分の改竄である[21]。
東方教会
[編集]正教会
[編集]正教会では、聖書は聖伝のうち、書かれたものの中で最も重要なものであると位置づけられる[22]。聖書は聖伝の一部であり、「聖伝」という一本の柱の中に聖書は含まれていると理解される[23]。「正教会の聖伝を生きる人は、聖書を「自分のことが書いてある書」として読むことができる」とされ、「聖伝の中に聖書がある」ことが強調される[4]。
聖書の印刷・書写・頒布部数
[編集]かつては書物自体が高価で貴重品だったこと、民衆に教典の内容が知れわたることを教会/聖職者が忌避したため、聖書は一部の聖職者だけの物だったが、15世紀中頃にグーテンベルクが活版印刷による聖書を出版して以降、一般にも広く読まれる様になった。また、聖書翻訳も活発に行われ、2017年現在、聖書は全部または一部が世界3200以上の言語に翻訳されている。そのなかには、アイヌ語訳や、ケセン語訳なども含まれている。
- 全世界
- 全世界での発行部数は50億部(以上)[24]、60億冊[25][26]、70億冊[27]、英国外国聖書協会の2021年の調査では50〜70億冊[28]、80億冊、150億冊[29]、1815年~1998年に約3880億冊(推定)[30]などの説がある。
- 2000年の1年間に世界中の聖書協会によって約6億3300万冊が配布・販売(国際聖書協会の発表)
- 世界一発行されている本としてギネス・ワールド・レコーズに登録されている(発行部数は資料によって食い違いがある。)。
聖書の庭
[編集]聖書の庭、聖書庭園、バイブル・ガーデン[32][33](英:Biblical_garden)は、キリスト教の聖書に登場する植物を集めた庭園である。植物園や公園、庭師が管理するテーマガーデンの一種である[34][35][36]。
聖書に登場する植物のリストには、ユダヤ教やキリスト教の聖典に示されている植物の種がよく紹介されているが、聖書に登場する植物の中には、その正体についてかなり不確かなものもあるため、複数の候補種を展示している場合もある。また、特に気候の異なる地域では、聖書のテーマや題材に類似する植物にしていることもある。また、聖書の物語を説明するために、あるいは聖書の時代の人々の生活を示すために、オブジェを展示している庭園もある。
世界各地で作庭されており、レバントから遠く離れた場所での栽培例も多く、日本では福岡県にある西南学院大学の聖書植物園、アメリカ合衆国ではミズーリ州セントルイスのミズーリ植物園[37]が知られている。
イスラム教
[編集]イスラム教においても新旧約の聖書は啓典とされる。ただし、新約・旧約という分け方はせず、正典に含まれない書もある。また、聖書よりもクルアーンが優越すると考えられており、内容に齟齬がある場合はクルアーンの記述が優先される。これは現行の聖書は、預言者たちに下された元の形から、ユダヤ教徒、キリスト教徒の手で歪められたとされるためである。イスラム教においてはクルアーンは啓典を確証すると同時に現行の聖書の誤りを糾す啓示でもある。
ムスリムのあいだでは聖書のうちのある章句をムハンマドの出現を予言したもの、とする解釈もなされる。代表的なものは申命記18章18節-19節の「イスラエルの兄弟(同胞)から立てられるモーセのような預言者」をムハンマドとする説である[38]。なお『ヨハネによる福音書』5章46節ではイエスがモーセは自分について書いている、と語ったとある。『使徒行伝』3章20節以下ではペトロが申命記の一節をひいてこれがイエスのことであると語ったという記載がある。ただし、学者たちは人々の必要に対して出現する一連の預言者たちを指すと考えている[39]。
他宗教
[編集]イスラム教以外にも、イエスなど聖書に登場する人物や天使の存在を教義内に持つ後発宗教(スピリチュアリズムなど)が存在しているが、イスラム教における解釈と同様、肯定的な扱いと否定的な扱いとが同居している。
その他
[編集]イギリス・ケンブリッジの聖書研究所「ティンダルハウス」が2017年11月15日、最新版のギリシャ語新約聖書を出版した。現存する英語の新約聖書のほとんどは、1975年版のギリシャ語本文が使われており、当時入手可能だった写本を編さんしたものが底本になっている。しかし、ティンダルハウスによる最新版のギリシャ語新約聖書では、1975年以降に発見された複数の古代写本の断片も取り入れられている。[40]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 中村廣治郎、『イスラム教入門』、岩波書店、1998年
- ^ “諸啓典への信仰”. 2018年8月2日閲覧。
- ^ 『ギネス世界記録2023』174頁
- ^ a b c 正教会の出典:教え-聖書:日本正教会 The Orthodox Church in Japan
- ^ カトリック教会の出典:CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: The Bible
- ^ 聖公会の出典:Anglicans Online | The Catechism or an Outline of the Faith
- ^ ルーテル教会の出典:Frequently Asked Questions | The Bible - The Lutheran Church—Missouri Synod
- ^ 改革派教会の出典:ウェストミンスター信仰基準(日本基督改革派教会訳)、Q&A - 日本キリスト改革派 横浜教会
- ^ Bible, biblia, biblion, torah, codex, canon, Christianity
- ^ CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: The Bible
- ^ Q & A - Canon of Scripture - Orthodox Church in America
- ^ CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Canon of the Old Testament
- ^ a b Lutheran Church - Missouri Synod - Christian Cyclopedia
- ^ カトリック中央協議会(2002年)『カトリック教会のカテキズム』30頁、ISBN 4877501010
- ^ 『カトリック大辞典 III』(798頁「トリエント公会議」、上智大学編纂、冨山房、昭和42年第七刷)
- ^ 『日本聖公会 祈祷書』教会問答7番、260頁、日本聖公会管区事務所、1991年6月20日、第1版
- ^ Anglicans Online | The Catechism or an Outline of the Faith
- ^ A Brief Introduction to sola scriptura | Lutheran Theology: An Online Journal
- ^ The “five solas” – Living Word Canadian Reformed Church at Guelph
- ^ Article 6: The Difference Between Canonical and Apocryphal Books | Christian Reformed Church
- ^ 正木 弥『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』びぶりや書房(現ビブリア書房)、2007年11月。ISBN 978-4-907420-02-4
- ^ Holy Scripture - OrthodoxWiki
- ^ 教え-聖伝:日本正教会 The Orthodox Church in Japan
- ^ 『ギネス世界記録2004(日本語版)』クレア・フォルカード(編)、ポプラ社、2004年、165頁。ISBN 4591995674(ISBN 978-4591995679)。『ギネス世界記録2015(日本語版)』クレイグ・グレンディ(編)、角川アスキー総合研究所、2014年、172頁。ISBN 978-4-04-899601-3
- ^ ラッセル・アッシュ『世界なんでもトップテン』日本語版(三省堂、ISBN 4385356904)、p.62
- ^ THE TEN BESTSELLING BOOKS OF ALL-TIME
- ^ The Discover God Study Bible (PDF)
- ^ 『ギネス世界記録2023(日本語版)』クレイグ・グレンディ(編)、角川アスキー総合研究所、2022年、174頁。ISBN 978-4-04-911140-8。
- ^ 5c where did the christian bible come from(Microsoft PowerPointプレゼンテーションファイル)
- ^ 日本語版ギネスブック1999年度版
- ^ 週刊朝日2005年7月22日号
- ^ バイブルガーデンのオリーブ キリスト教センターブログ 名古屋学院大学キリスト教センター
- ^ 鳩山バイブル・ガーデン
- ^ Wodarczyk, Z. (2004). “Biblical gardens in dissemination of ideas of the Holy Scripture”. Folia Horticulturae 16: 141-147 .
- ^ “org/web/20071126174344/http://rodefshalom.org/who/garden/index.cfm Rodef Shalom Congregation, Pittsburgh, PA - Biblical Botanical Garden”. 2007年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月28日閲覧。
- ^ “Warsaw Biblical Gardens”. www.warsawbiblicalgardens. org. 2023年4月11日閲覧。
- ^ “MBG Bible Plant Collection”. www.mobot.org. 2023年4月11日閲覧。
- ^ 【質問18 聖書がムハンマドを証言する】
- ^ フランシスコ会聖書研究所『聖書 原文校訂による口語訳』403ページの注
- ^ 「世界で最も正確」 英ティンダルハウスがギリシャ語新約聖書を出版
参考文献
[編集]- 鈴木範久『聖書の日本語 翻訳の歴史』岩波書店、2006年2月。ISBN 4000236644。
- 橋本 功・八木橋宏勇『聖書と比喩 : メタファで旧約聖書の世界を知る』慶應義塾大学出版会、2011年1月。ISBN 978-4766417661。
- 長尾剛『死ぬまでに一度は読んでおきたい聖書入門』かんき出版、2011年12月。ISBN 978-4761268039。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日本のオーディオ聖書
- 日本ウィクリフ聖書翻訳協会(Wycliffe Bible Translators in Japan)
- 日本聖書協会ホームページ
- 日本聖書刊行会ホームページ
- 電網聖書 :新約聖書の日本語訳が読める。
- 新旧約全書(1907年)国立国会図書館近代デジタルライブラリー
- 文語訳 舊約・新約聖書 - 物語倶楽部のインターネットアーカイブ。
- ウィキソースには、口語新約聖書の原文があります。(日本聖書協会翻訳、1954年)
- ウィキソースには、口語旧約聖書の原文があります。(日本聖書協会翻訳、1955年)
- 聖書 - ウェイバックマシン(2015年9月22日アーカイブ分)
- 正教会訳聖書
- 新世界訳聖書
- 『聖書』 - コトバンク