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Oomarie (会話 | 投稿記録)
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;アンドレ・カッソン
;アンドレ・カッソン
:OAS地下運動の責任者。ロダンらとともにド・ゴール暗殺者の選定を行う。
:OAS地下運動の責任者。ロダンらとともにド・ゴール暗殺者の選定を行う。
;ビクトル・コワルスキー
;ビクトル・ウォレンスキー
:ポーランド系のOAS幹部でロダン直属のボディガード粗暴な性格だが、一夜過ちから愛娘がお、親戚預けて面倒を見てもらっていた。アクションサービスにその情報を利用され、娘が重い病気にかかったという嘘にだまされて単身行動したところを捕らえられ、拷問の挙句、幹部たちの会話でわずかに耳にした「ジャッカル」の名前を出して絶命する。
:ポーランド系のOAS副官郵便局に捕らえられ、拷問の挙句「ジャッカル」の名前を出して絶命する。
;ラウール・サンクレア・ド・ビローバン
;ラウール・サンクレア・ド・ビローバン
:大統領府武官。自らの保身と責任逃れからルベルにジャッカル追跡の全権限と責任を与え、その後も無理難題を押しつける。しかしOASの策略によって下記ドニーズと親交を持ち、彼女がOASのスパイであることに気付かぬまま、毎晩ベッドで捜査の状況をすべて話してしまう。
:大統領府武官。自らの保身と責任逃れからルベルにジャッカル追跡の全権限と責任を与え、その後も無理難題を押しつける。しかしOASの策略によって下記ドニーズと親交を持ち、彼女がOASのスパイであることに気付かぬまま、毎晩ベッドで捜査の状況をすべて話してしまう。

2022年10月13日 (木) 11:32時点における版

ジャッカルの日
The Day of the Jackal
著者 フレデリック・フォーサイス
訳者 篠原慎
発行日 イギリスの旗 1971年6月7日
日本の旗 1973年
発行元 イギリスの旗 Hutchinson & Co
日本の旗 角川書店
ジャンル スパイ小説、スリラー小説
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 ハードカバー
ページ数 358
前作 ビアフラ物語 (1969年)
次作 オデッサ・ファイル (1972年)
コード ISBN 0-09-107390-1
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ジャッカルの日』(ジャッカルのひ、The Day of the Jackal)は、フレデリック・フォーサイス小説1971年に出版され、1973年映画化された。

作品概要

1960年代のフランスを舞台に、シャルル・ド・ゴール大統領暗殺を企てる武装組織「秘密軍事組織(OAS)」が雇ったプロの暗殺者「ジャッカル」と、大統領暗殺を阻止しようとするフランス官憲の追跡を描いたスリラー小説である。

ジャーナリストとして既に「ビアフラ物語」などのノンフィクションを手掛けていたフォーサイスの、小説家としての処女作となった。長期の取材の結果をもとに1969年に出版した力作「ビアフラ物語」が予想以上に売れず落胆したフォーサイスは、小説を書いて金銭的苦境からの脱却のたしにしようとした。フォーサイスは1960年代初頭に、パリにロイターの海外特派員として駐在しており[1]、当時担当番として張り付いていたド・ゴール大統領の警護隊員など多くの情報源から、ド・ゴールの暗殺未遂事件やフランス官憲とOASとの戦いなどの様々な情報を得ていた。この体験をもとに1971年に出版したポリティカル・スリラー小説が本作である。

フォーサイスは、フランス官憲が秘密組織であるはずのOASのメンバーと支持者のほぼ全員の身元を捜査でつかんでおり、メンバーの動向や組織の計画がすべて筒抜けになっていることを取材で知った。これを知った際、もしOASがド・ゴール暗殺を成功させようとすれば、フランス官憲の把握していない組織外のフリーランスの暗殺者を雇ってすべてを任せるしかあるまい、と思いついたことが、本作の着想源になっている。

本作は大変な好評をもって迎えられ、アメリカ探偵作家クラブが授与するエドガー賞長編賞を1972年に受賞している。本来ならば小説はこの一作だけにして調査報道に戻るつもりだったフォーサイスは、以後もスリラー小説家としての活動を続けてゆくことになる。

本作は日本でも人気の高い作品であり、早川書房の『ミステリマガジン1992年5月号誌上で行われたアンケートを基に、1992年10月に発行された書籍『冒険・スパイ小説ハンドブック』で発表された人気投票の集計結果[2]では、本作が謀略・情報小説部門における第1位、他に3つのジャンルを含めた総合ベスト100で第2位の人気を獲得し、好きな脇役部門においても本作の登場人物であるジャッカルが第9位にランクインしている。

一方で、後年の暗殺者の中にもこの小説を愛読したものも多い。1970年代から1980年代にかけて活動したテロリストカルロス」は、遺留品の中に『ジャッカルの日』があったことから、マスコミにより「ジャッカル」のあだ名で呼ばれるようになった[3]

イスラエルイツハク・ラビン首相を1995年に暗殺したイガール・アミル、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領を2005年グルジアで暗殺しようとしたウラジミール・アルチュニアンらもこの小説を愛読していた。

ストーリー

1954年に始まったアルジェリア戦争は泥沼状態に陥った。「フランスのアルジェリア」を信じて戦う現地駐留軍やフランス人入植者の末裔(コロン、またはピエ・ノワール)らは、フランスの栄光を願う右派世論を味方に付けてアルジェリア民族解放戦線(FLN)やアルジェリア人の村落を殲滅するが、当時のフランス本国は第二次世界大戦の傷も癒えぬまま第一次インドシナ戦争にも敗退した惨状にあり、また相次ぐFLNの爆弾テロや残虐になる一方の戦争で厭戦世論も広がり世論は分裂した。1958年、本国政府の弱腰に業を煮やした現地駐留軍の決起によって第四共和政は崩壊、フランスの栄光を体現するシャルル・ド・ゴール(以下、ド・ゴール)が大統領に就任したことにより第五共和政が開始された。アルジェリアの軍人やコロンたちは、ド・ゴールが「フランス固有の国土」のための戦争に一層力を入れてくれると期待したが、ド・ゴールは戦費拡大による破綻寸前の財政などを鑑み9月にアルジェリアの民族自決の支持を発表した。1961年の国民投票の過半数もそれを支持し、1962年に戦争は終結してしまった。

現地軍人やコロンらは大混乱のうちにフランスに引き揚げた。彼らは戦争中に秘密軍事組織(OAS)を結成してアルジェリアでテロ活動を続けており、フランスでも政府転覆を狙ってド・ゴールへのテロ活動を行ったが、ジャン・バスティアン=ティリー英語版など現役のエリート軍人らによる暗殺計画はことごとく失敗し、組織の優秀な軍人達は逮捕され銃殺刑に処せられた。彼らは自分たちを愛国者であると信じ、処刑の場で兵士が自分に銃を向けることはないと自信たっぷりの態度を示したが、実際には兵士たちは迷わず命令に従って発砲し、その思惑は外れた。

フランス政府は警察や情報機関(SDECE)だけでなくコルシカマフィアユニオン・コルス英語版)の協力まで取り付けてなりふり構わずOASに対抗したため、OASには政府側のスパイが浸透し、秘密だった筈のメンバーや活動もほとんど判明してしまった。フランス国外で活動していたOAS幹部のアントワーヌ・アルグーがフランス警察によって拉致・逮捕された結果、アルグーが指揮していた表の政治組織「レジスタンス全国評議会」の主要メンバーもOASの主要メンバーも相次いで国外逃亡し、残る地下組織も官憲の実行部隊により次々に壊滅させられるなど、OASの衰勢が顕著になり、支援者だった企業オーナーらもOASから離れて行った。

以後、OASの主要メンバーたちは国外で雌伏と屈辱の日々を送ることとなる。後に1968年五月革命の際、軍部がド・ゴールに協力する代償として彼らへの恩赦を取り付けた。

ここまでは史実であり、舞台背景を説明する冒頭部分に当たる。


1963年、バスティアン=ティリー中佐の処刑の報を聞いたOAS幹部たちの一部は、オーストリアの潜伏先で、もはや組織は壊滅状態となり、内部の動きは全て察知されてしまうことから、組織外からプロの暗殺者を雇うことを決め、目的遂行に最適の人物として一人の男性を選ぶ。本名、年齢共に不詳だが若々しく、狙撃が超一流、要人暗殺の依頼もビジネスとして請け負い、実績を積んでいる男。OAS幹部たちと面会した彼は「ジャッカル」のコードネームで呼ばれることを望み、ド・ゴール暗殺が成功すれば治安機関にマークされて暗殺稼業を続けられなくなると主張、プロとして法外な報酬50万ドル(前金25万ドル、成功後25万ドル)を要求した。

OASが組織を挙げてフランス各地で銀行などを襲い資金を集める間、ジャッカルは図書館でド・ゴールの資料を徹底的に調査し、一年のうちに一度だけ、ド・ゴールが絶対に群衆の前に姿を見せる日があることを発見してそれを依頼決行日と決めた。ジャッカルはパリのいくつかの候補地から決行地点を選び、全ヨーロッパを移動しながら必要な特注の狙撃銃、偽造の身分、偽パスポート、衣装や小道具、入出国経路などを抜かりなく用意する。

一方、OASの銀行連続襲撃や、ローマに移動し籠城して動きを全く見せないOAS幹部たちに不審な気配を感じたフランス官憲は、実行部隊を使いローマからOAS幹部のボディガードを拉致拷問、不明瞭なあえぎ声の中からOASが外部の暗殺者を雇ったこと、その人物が「ジャッカル」と呼ばれていることを知る。ド・ゴールの死は、いまだ不安定な第五共和政だけでなくフランスそのものの崩壊をも意味する。内務大臣をはじめとするフランス各治安組織の官僚のトップ達が対策会議を開き、捜査は、実績豊富な老刑事であるパリ地域圏司法警察局のルベル警視に一任された。ルベル警視には与えられる限りの権限が与えられたが、定期的に治安組織の官僚たちに捜査報告を行うことを求められ、権力者達の政治的思惑の波をかぶりつつも、ジャッカルを追い始める。

ルベル警視は、その個人的な伝手も用いて、ジャッカルの正体を洗うべく世界中の警察に問い合わせを行い、どうやらあるイギリス人らしいことを知った。イギリス警察は怪しい偽造戸籍を発見し、そこから捜査で容貌や暮らしぶりなどが判明。その情報を元に、ルベル警視はフランス全土の警察・憲兵らを指揮し不審者の入国を阻止しようとするが、ジャッカルはイタリアで調達したレンタカーアルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダーの床下シャーシ隙間に分解した銃を隠し、偽造パスポート南仏から侵入したあとだった。

全国の国境やホテルから毎日届けられる入国者・宿泊者リストを洗い、南仏一帯で何度もジャッカルらしき者を追い詰めるが、その度に彼は寸前で逃げ、何度も偽造パスポートを取り替えて変装を変え、その途上においては、ホテル以外の宿泊場所を巧みに得るなどして、時間を稼ぎながらパリを目指す。ルベル警視は、ジャッカルがOASの極秘の連絡網を利用して、治安トップの報告会の内容や警察による捜査の進捗、規模を事前に把握しているのではと疑い、治安官僚の中から内通者を調べ始め、官僚の中にそれとは知らずにOASのスパイの女性と愛人関係を持った人間を突き止め、報告会から追放する。また、ド・ゴール暗殺の決行日がいつであるかを直感する。

大規模捜査の甲斐無くジャッカルはオステルリッツ駅からパリに入り、再び容姿を変えて潜伏。パリでは全国の警察力とユニオン・コルスまで総動員し、裏町の隅から隅まで徹底した大ローラー作戦を行い、平行して人相を公表しての公開捜査に踏み切るが、なおもジャッカルは見つからない。ド・ゴール大統領は、暗殺の危険を訴える側近の声に耳を貸さず、例年通りパリ市内で行われるある式典に出発した。ジャッカルとルベル警視の対決は、ド・ゴールが姿を現すその時間、その場所にまでもつれこむ。

市内各所で行われる8月25日パリ解放記念式典。ジャッカルは老いた片足の傷痍軍人を装い、アパートに帰宅すると偽って警官の目を欺いて非常線を通り抜け、式典会場のひとつであるモンパルナス駅前の1940年6月18日広場を見渡せるアパートに侵入、管理人の老婆を気絶させ、狙撃の場を確保。ジャッカルは松葉杖に偽装した狙撃銃を組み立て、大統領を暗殺すべく狙撃を行うが、勲章の授与とビズのために屈んだ瞬間であった為に、弾丸はド・ゴールの頭に命中する事無く路上に着弾した(イギリス人らしいジャッカルは、パブリックな式典の場で口付けの挨拶をするフランスの習慣に馴染みが無かったと推測される)。予想外の事態にジャッカルは再度狙撃を敢行すべくライフルに弾丸を再装填するが、傷痍軍人が非常線を通ってアパートに入ったことを聞きつけたルベル警視は彼こそジャッカルだと踏み最上階の部屋に突入。同行した警らの警官がジャッカルに撃たれ倒れるも、咄嗟に警官のサブマシンガンを取ったルベル警視は三発目の装填を試みるジャッカルに銃弾を浴びせ、暗殺の実行を阻止する事に成功した。

ド・ゴールが自身の後頭部をかすめた弾丸に気付いたかどうかは、本人が何も語らなかったので分からない。銃声がしたようだと警察に問い合わせがあったが、回答は「エンジンがバックファイアした爆音らしい」であった。

対テロリスト警備班からジャッカルと名付けられた射殺体はパリ市内の墓地に埋葬された。狙撃犯がイギリス人であることは政治的判断から公には伏されるが、そのイギリスにて、かねてより容疑者ジャッカルとして内偵を受けていた人物はアリバイがある実在の別男性と判明。狙撃犯の本性や経歴は謎のまま、ルベル警視は”ジャッカル”と目されていた遺体が眠る墓地を後にする。

登場人物

ジャッカル
イギリス人の殺し屋。身元が謎に包まれており、国際刑事警察機構(インターポール)にも正体がつかめられていない。フランス語も流暢に喋り、過去にラファエル・トルヒーヨ暗殺にも関与した経歴を持つが、証拠を残さないため、これまでの経歴は噂として語られるものばかりである。本名はチャールズ・カルスロップ。ド・ゴール暗殺のためOASに雇われ、成功した場合にはその後暗殺の仕事ができなくなるため、生活の保障として50万ドルを前払いと後払いの二分割で要求する。洞察力が鋭く、仕事の前にはあらかじめ本や新聞を読みあさってターゲットの情報を調べ上げ、暗殺に適した場所や逃走経路を入念に用意する。感情を表に出さない冷酷な人物だが、決して裕福ではない環境に育った過去を持ち、引退してイタリアのビーチでスポーツカーを乗り回しながら女性をナンパするという安楽な生活を密かに夢に見ている。複数の人物に姿を変えるためにロンドン郊外の田舎の死亡者からアレクサンダー・クエンティ・ダッガンの身分証明を偽造し、ロンドン空港で身長が自分と同じくらいの旅行客のパスポートを失敬し、デンマーク人のイェンセン牧師、アメリカ人の大学生シュバーグ、片足の傷痍軍人のアンドレ・マルタンと次々に姿を変える。また自分の立場が危うくなると身を隠すために、中年女性やゲイの男性をも利用する。
クロード・ルベル
フランス司法警察刑事部次長。エリゼ宮高官たちから国内最高の探偵術に秀でた人物としてジャッカル追跡に引き抜かれる警部。服装は野暮ったく、いつもしわだらけのスーツにレインコートを羽織っている。風体も小太りに髭面と冴えないが、その温和な見た目からは想像がつかない狡猾な頭脳と、いかなる挑発や脅しにも屈しないしたたかさを秘めており、彼を脅迫した暗黒街のボスが甘く見すぎていたと牢屋で後悔するほど。ジャッカルの情報を漠然とした状態から探し出すために、過去の政府要人の暗殺事件からトルヒーヨ暗殺の情報をイギリス政府から聞きだし、次第にジャッカルにたどり着いていく。愛妻家だが妻に尻に敷かれており頭が上がらない。
ローラン
フランス秘密情報機関SDECEアクションサービス部長。フランスで頻発する、OASの勢力をあげての銀行強盗事件から、よからぬ事が起きる気配を察し、OASの用心棒コワルスキーを罠にかけて拉致、ジャッカルの名前を吐かせる。
マルク・ロダン
フランス過激派組織OAS作戦主任。バスチアン・ティリーの処刑によってOASのトップとなる。ド・ゴール暗殺失敗やOAS内部の腐敗により組織が壊滅する状態へ追いやられ、外部から殺し屋を雇うことを提案する。
ルネ・カッソン
OAS経理責任者。ロダンらとともにド・ゴール暗殺者の選定を行う。
アンドレ・カッソン
OAS地下運動の責任者。ロダンらとともにド・ゴール暗殺者の選定を行う。
ビクトル・ウォレンスキー
ポーランド系のOAS副官。郵便局の帰り道に捕らえられ、拷問の挙句「ジャッカル」の名前を出して絶命する。
ラウール・サンクレア・ド・ビローバン
大統領府武官。自らの保身と責任逃れからルベルにジャッカル追跡の全権限と責任を与え、その後も無理難題を押しつける。しかしOASの策略によって下記ドニーズと親交を持ち、彼女がOASのスパイであることに気付かぬまま、毎晩ベッドで捜査の状況をすべて話してしまう。
リュシアン・キャロン
殺人課の若手警部。ルベルに最も信頼されており、彼の右腕としてジャッカル追跡をサポートする。
ポール・グーサンス
裏社会で名が知られているベルギー人のガンスミス。信頼の厚い人物だったが、勤めていた銃器メーカーにスケープゴートにされたことにより裏稼業へ転向した経歴を持つ。表向きは金属細工の工房を営んでいる。紹介を受けて訪ねて来たジャッカルのスケッチにもとづき、金属製の松葉杖に偽装できる狙撃銃と、弾頭内に水銀を詰めた改造弾薬を製作する。ジャッカルはその腕前と技術には一目置いており、グーサンスもまたジャッカルをプロの殺し屋と恐れ、互いに一目置いた関係となる。
ドニーズ・デュマ
OSAのシンパである、高級美容院の美容師。アルジェリアでの戦いで実の兄と婚約者を相次いで亡くした過去から、アルジェリア独立を進めたド・ゴールに強い恨みを持つ。目的のためなら肉体関係もいとわない性格を買われ、OASからサンクレアに接近して捜査情報を随時報告する任務を与えられる。
偽造屋
表向きは写真屋を営むベルギー人の偽造屋。ジャッカルの身分証明書の偽造を行う。その道のプロではあるが、ジャッカルの正体を知らないまま、預かった本物の身分証明書を返さずに金品をゆすり取ろうとし、口封じのために殺される。
シャロン・モンペリエ
フランスの男爵未亡人。ジャッカルに誘惑されて肉体関係を結ぶ。身を隠しに来たジャッカルを疑ったため殺される。
ジュール・ベルナール
パリ在住。ジャッカルが接近してホテル代わりとしていたが、住居のテレビスポットにジャッカルの偽名が流れたため殺害される。
ジャン・デュクレ
大統領護衛隊指揮官。
ウージェヌ・ギボー
フランス秘密情報機関SDECE長官。
ロジャ・フレイ
内務大臣。
マダム・ベルト
1940年6月18日広場に面したアパートの管理人。
バスチアン・ティリー
元OAS指導者。ド・ゴールを襲撃するが失敗に終わり、逮捕されて死刑が言い渡される。「軍人は自分に銃を向ける事は出来ない」と豪語していたが銃殺される。
シャルル・ド・ゴール
フランス大統領。アルジェルアを独立させたことでOASから反感を買い、何度も暗殺されそうになるが、当人は身を隠すことを嫌い、堂々と公の場に姿を出そうとする。

映画

ジャッカルの日
The Day of the Jackal
監督 フレッド・ジンネマン
脚本 ケネス・ロス
原作 フレデリック・フォーサイス
製作 ジョン・ウォルフ
出演者 エドワード・フォックス
マイケル・ロンズデール
音楽 ジョルジュ・ドルリュー
撮影 ジャン・トゥルニエ
編集 ラルフ・ケンプレン
製作会社 ユニバーサル・ピクチャーズ
Warwick Film Productions Limited
Universal Productions France S.A.
配給 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
世界の旗 CIC
公開 アメリカ合衆国の旗 1973年5月18日
イギリスの旗 1973年6月
フランスの旗 1973年9月14日
日本の旗 1973年9月15日
上映時間 143分
製作国 イギリスの旗 イギリス
フランスの旗 フランス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
イタリア語
フランス語
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $16,056,255[4]
配給収入 日本の旗 2億7200万円[5]
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1973年ユニヴァーサル映画製作、フレッド・ジンネマン監督、エドワード・フォックス主演で映画化された。パリを含むヨーロッパ各地でのロケ撮影が多用され、ドキュメンタリータッチな作風や特注狙撃銃などの演出により、原作の雰囲気が忠実に再現されている。ただし登場人物達のセリフはほとんどが英語となっている。

長身で物静かな容貌のフォックスが寡黙で鋭い眼差しの殺し屋「ジャッカル」を、また英仏のハーフでもあるロンズデールが、一見凡庸げながら粘り強くジャッカルを追い詰めてゆく老練なルベル警視をそれぞれ好演。本作はフォックスの出世作ともなった。

当初ジャッカル役には007で3代目ジェームズ・ボンドとなるロジャー・ムーアが有力候補となっていたが、1972年製作の『007 死ぬのは奴らだ』のボンド役が決定したことにより候補から外れ、フォックスが選ばれた。もしムーアのジャッカルが実現していれば、後の『007 ムーンレイカー』で共演することになるマイケル・ロンズデールとの対決が見られたことになる。

1997年リチャード・ギアブルース・ウィリス主演で『ジャッカル』としてリメイクされた。ただし、本作のケネス・ロスによる初期稿に基づいた脚色であり、物語の舞台もアメリカで時代背景も異なるなど、フォーサイスの原作とは無関係である。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
日本テレビ テレビ朝日 テレビ東京
ジャッカル エドワード・フォックス 山本圭 前田昌明 野沢那智
クロード・ルベル警視 マイケル・ロンズデール ハナ肇 高木均 稲垣隆史
モンペリエ男爵夫人 デルフィーヌ・セイリグ 水城蘭子 鈴木弘子
内務大臣 アラン・バデル 小林修 家弓家正
コルベール将軍 モーリス・デナム 北村弘一 大木民夫
ローラン大佐 ミシェル・オークレール 仁内建之 菅生隆之
デニース オルガ・ジョルジュ=ピコ 平井道子 小谷野美智子 日野由利加
キャロン デレク・ジャコビ 森功至 田中亮一 牛山茂
トーマス警視 トニー・ブリットン 北原義郎 緑川稔 富田耕生
サンクレール バリー・インガム 清川元夢 北村弘一
ベルティエ刑事局長 ティモシー・ウェスト 村松康雄 加藤正之 池田勝
マリンソン ドナルド・シンデン 宮川洋一 小林清志 阪脩
連絡員バルミ フランソワ・ヴァロルブ 塚田正昭
ガンスミス シリル・キューザック 辻村真人 小山武宏
偽造屋 ロナルド・ピックアップ 津嘉山正種 城山堅
ロダン大佐 エリック・ポーター 杉田俊也 麦人
カッソン デニス・キャリー 大宮悌二 北川米彦 村松康雄
ルネ・モンクレール デヴィッド・スウィフト 雨森雅司 阪脩
連絡係 ニコラス・ヴォーゲル 野本礼三 玄田哲章 石波義人
尋問官 ヴァーノン・ドブチェフ 徳丸完
バスティアン=ティリー中佐フランス語版 ジャン・ソレル 池田勝
シャルル・ドゴール アドリアン・カイラ=ルグラン セリフなし
その他 久保田民絵
石井敏郎
田原アルノ
巴菁子
岡本章子
青山穣
ナレーター 伊藤惣一 小林清志 中江真司
演出 左近允洋 小林守夫
翻訳 篠原慎 平田勝茂
効果 リレーション
調整 高久孝雄
担当 植木明
解説 水野晴郎 淀川長治 木村奈保子
制作 グロービジョン 東北新社
初回放送 1977年4月13日
水曜ロードショー
21:00-23:24
正味約126分
1978年10月22日
日曜洋画劇場
21:00-22:54
正味約93分
1998年3月26日
木曜洋画劇場
21:02-23:24
正味約115分

※2019年11月20日発売の「ユニバーサル 思い出の復刻版 ブルーレイ」には、3種類全ての日本語吹替が収録[6]

スタッフ

出典

  1. ^ フレデリック・フォーサイス『アウトサイダー 陰謀の中の人生』角川書店 2016年 P.267-269
  2. ^ 早川書房編集部(編) 編『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房ハヤカワ文庫〉、1992年10月31日。ISBN 4-15-040674-X 
  3. ^ Steve Rose (2010年10月23日). “Carlos director Olivier Assayas on the terrorist who became a pop culture icon”. The Guardian (London). http://www.guardian.co.uk/film/2010/oct/23/olivier-assayas-carlos-jackal 2011年5月12日閲覧。 
  4. ^ The Day of the Jackal” (英語). The Numbers. 2013年12月31日閲覧。
  5. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)312頁
  6. ^ ジャッカルの日 ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ”. 2019年9月23日閲覧。

関連項目

出版物

  • ジャッカルの日 (角川文庫) フレデリック・フォーサイス (著), 篠原 慎 (翻訳) 1979年6月10日 ISBN 978-4042537014
  • ジャッカルの日 [DVD] ジェネオン・ユニバーサル 2012年4月13日 ASIN B006QJSG78

外部リンク