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白石峠 (神奈川県・山梨県)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
白石峠
白石峠分岐 (2013年6月撮影)
標高 1,307 m
所在地 神奈川県足柄上郡山北町
山梨県南都留郡道志村
位置 北緯35度30分14秒 東経139度02分42秒 / 北緯35.50389度 東経139.04500度 / 35.50389; 139.04500座標: 北緯35度30分14秒 東経139度02分42秒 / 北緯35.50389度 東経139.04500度 / 35.50389; 139.04500
山系 丹沢山地
種類 山塊
白石峠 (神奈川県・山梨県)の位置(日本内)
白石峠 (神奈川県・山梨県)
白石峠の位置
プロジェクト 山
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白石峠(しらいしとうげ)は、丹沢山地西部、神奈川県足柄上郡山北町山梨県南都留郡道志村の境にある標高1,307 mの峠である[1]

概要

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大室山から三国山へ伸びる甲相国境尾根の東部にある峠であり、加入道山水晶沢ノ頭の中間に位置する。峠の東側(神奈川県側)は丹沢大山国定公園に指定されており、西側(山梨県側)は横浜市水道局水源源涵養林として管理されている[2]

国土地理院昭文社の地形図では1,307 mのピーク上が白石峠の扱いとなっているが[3][1]、白石沢(西丹沢自然教室方面)へ下る登山道が分岐する白石峠分岐はピーク北側の標高約1,290mの鞍部に位置しており、白石峠の標識もこの鞍部に設置されている。

破風口から見た白石峠。国土地理院などの地形図では写真左のピークを白石峠(1,307m)の標高点としているが、実際の峠はピーク右側の鞍部にある(2013年6月)
ブナカエデ類などの樹林に覆われた白石峠分岐(2013年6月)

峠の歴史

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今は登山者や林業関係者しか訪れない静かな峠であるが、かつては上峠[4]お茶煮のコシッパ[5]とも呼ばれ、相模(現神奈川県)の中川・箒沢集落と甲斐(現山梨県)の上道志地域とを結ぶ交易路として利用されていた[4]。 現在、神奈川側は白石沢沿いに峠まで登山道がつけられ、東海自然歩道の一部として整備されている。山梨側の峠道は廃道となっているが、加入道山の手前から道志へ下る登山道がつけられている[4]。しかし、この道志へ下る道は歩く者が少ないため、やや歩きにくい道となっている。

峠の名の由来

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白石峠の名は、その名の通り白い石に由来するものである。西丹沢地域の多くは地質的にトーナル岩石英閃緑岩斑れい岩などの深成岩類で構成されているが、西丹沢地域の中央部を流れる中川川の上流部の白石沢に入るとトーナル岩の割合が少なくなり、大理石(結晶質石灰岩)やホルンフェルスなどの変成岩が確認できるようになる[6]。 この白石沢や白石峠を挟んで山梨側へ流れる湯花ノ沢(道志川の支流)は大理石が多く見られる沢であり、前者の上流部には大理石の岩壁を流れ落ちる白石の滝があり、沢沿いの登山道から滝の姿をわずかに望むことができる。また、後者の沢の上部ではかつて大理石を採集した跡が見られる[4]。 このように峠の両側に大理石の白い石が多いことから白石峠と呼ばれてきた。なお、この地域の大理石やホルンフェルスなどの鉱物は神奈川県の天然記念物に指定されており、採取は禁止されている[6]

中川川支流の白石沢(2008年6月)
白石沢源流部の登山道上に露出した大理石(2013年6月)

周辺の山

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山容 名称 標高m 白石峠からの
方角と距離km
備考
菰釣山 1,379 南西 7.5   こもつるしやま
大界木山 1,246 南西 3.8   だいかいぎやま
鳥ノ胸山 1,208 西 3.5   とんのむねやま
山梨百名山
畦ヶ丸 1,293 南南西 3.1  
シャガクチ丸 1,191 南南西 1.7
水晶沢ノ頭 1,278 南南西 0.5
白石峠 1,307 0
加入道山 1,418 北 0.7
馬場峠 1,380 北北東 0.8 神奈川県で最も標高の高い峠
大室山 1,588 東北東 2.3 甲相国境尾根最高地点
山梨百名山
犬越路 1,060 東南東 3.1
檜洞丸 1,601 東南東 5.9 ひのきぼらまる
箒沢権現山(ほうきさわごんげんやま)善六山(ぜんろくやま)世附権現山(よづくごんげんやま)屏風岩山(びょうぶいわやま)畦ヶ丸(あぜがまる)モロクボ沢ノ頭(もろくぼさわのあたま)大界木山(だいかいぎやま)菰釣山(こもつるしやま)御正体山(みしょうたいさん)鳥ノ胸山(とんのむねやま)加入道山(かにゅうどうやま)前大室(まえおおむろ)水晶沢ノ頭(すいしょうざわのあたま)箒沢権現山(ほうきさわごんげんやま)畦ヶ丸(あぜがまる)
大室山西側の破風口付近から見た白石峠周辺の山々(2013年6月撮影)

周辺の山小屋

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畦ヶ丸避難小屋の内観

最寄りの山小屋は加入道山山頂付近に位置する加入道避難小屋であるが、檜洞丸の青ヶ岳山荘を除いて丹沢山地西部の山小屋は無人小屋であり、宿泊の際は寝具や自炊具などの登山装備が必要となる。

画像 名称 位置 白石峠からの
方角と距離km
備考
菰釣避難小屋 菰釣山の東
ブナ沢乗越の西
南西 6.7 無人小屋・トイレなし
畦ヶ丸避難小屋 畦ヶ丸山頂付近 南南西 3.1 無人小屋・トイレあり
加入道避難小屋 加入道山山頂付近 北 0.7 無人小屋・トイレなし
犬越路避難小屋 犬越路 東南東 3.1 無人小屋・トイレあり

脚注

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  1. ^ a b 『丹沢 2011年版 (山と高原地図 28)』昭文社
  2. ^ 横浜市水道局 - 横浜市水道局HP 道志水源かん養林、2012年11月28日閲覧。
  3. ^ 国土地理院 2万5千分1地形図 「中川」
  4. ^ a b c d 『かながわの峠』神奈川新聞社、1999年、pp. 116-117。
  5. ^ 『ヤマケイ・アルペンガイド5 丹沢』山と渓谷社、2009年、p. 117。
  6. ^ a b 『神奈川の自然をたずねて』築地書館、2003年、pp. 170-179。

参考文献

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関連項目

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