神野志隆光
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神野志 隆光(こうのし たかみつ、1946年9月19日 - )は、日本文学者。学位は、文学博士(東京大学・論文博士・1994年)。東京大学名誉教授、明治大学特任教授。
人物
[編集]『古事記』など上代文学を専門とするが、特に天皇制を相対化し捉えた研究をしている。「記紀神話」と一括して呼ばれる『古事記』と『日本書紀』との間にある相違性を多く論じている。
経歴
[編集]和歌山県海南市に生まれる。和歌山県立桐蔭高等学校、1970年東京大学文学部国文科卒、1974年同大学大学院博士課程中退。1984年『古事記の達成』の業績により、第一回上代文学会賞を受賞。名古屋大学助教授、1986年に東京大学教養学部助教授、1991年教授。1994年「柿本人麻呂研究」で東京大学より文学博士の学位を取得。2001年三島海雲財団記念学術奨励金を授与される。2010年定年退任、明治大学特任教授。第3回日本古典文学会賞受賞。
著書
[編集]単著
[編集]- 『古事記の達成 その論理と方法』(東京大学出版会、1983)
- 『古事記の世界観』(吉川弘文館、1986/同:歴史文化セレクション 2008)
- 『柿本人麻呂研究 古代和歌文学の成立』(塙書房、1992)
- 『古事記 天皇の世界の物語』(日本放送出版協会:NHKブックス、1995)
- 『古事記とはなにか 天皇の世界の物語』(講談社学術文庫、2013)
- 『古代天皇神話論』(若草書房、1999)
- 『古事記と日本書紀 「天皇神話」の歴史』(講談社現代新書、1999)
- 『「日本」とは何か 国号の意味と歴史』(講談社現代新書、2005) ISBN 4061497766
- 『「日本」 国号の由来と歴史』(講談社学術文庫、2016)
- 『漢字テキストとしての古事記』(東京大学出版会、2007) ISBN 4130830449
- 『複数の「古代」』(講談社現代新書、2007)
- 『変奏される日本書紀』(東京大学出版会、2009) ISBN 4130800671
- 『本居宣長-『古事記伝』を読む』全4巻(講談社選書メチエ、2010-14)
- 『万葉集をどう読むか 「歌」の発見と漢字世界』(東京大学出版会、2013)
編著・共編
[編集]- 『和歌文学選 歌人とその作品』芳賀紀雄、田中登、竹下豊、佐野恒雄、島津忠夫・上野洋三共編(和泉書院、1984)
- 『和歌史 万葉から現代短歌まで』芳賀紀雄、田中登、竹下豊、佐野恒雄、稲田利徳、山崎芙紗子、島津忠夫、太田登、上野洋三共著(和泉書院、1985)
- 『新潮古典文学アルバム 古事記・日本書紀』大庭みな子共著(新潮社、1991)
- 『古事記注解 上巻その一・三』(山口佳紀共編、笠間書院、1993-97)
- 『論集『日本書紀』「神代」』(和泉選書:和泉書院、1993)
- 『別冊国文学 古事記日本書紀必携』(學燈社 1996)
- 『新編日本古典文学全集1 古事記』(山口佳紀と校注・訳、小学館、1997)
- 『古事記の現在』(笠間書院、1999)
- 『セミナー万葉の歌人と作品』全12巻 坂本信幸と企画編集(和泉書院、1999-2005)
- 『21世紀によむ日本の古典 古事記』(ポプラ社、2001)
- 『必携 万葉集を読むための基礎百科 「万葉集」がわかる、面白くなる。』(學燈社、2003)
- 『万葉集鑑賞事典』(講談社学術文庫、2010)
- 『萬葉集研究』第28-34集 稲岡耕二監修、芳賀紀雄共編(塙書房、2006-2013)
- 『古事記:日本の古典をよむ1』(山口佳紀共同校訂・訳、小学館 2007)
脚注
[編集]参考
[編集]- 『駒場1991』