後藤総合車両所
後藤総合車両所 | |
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本所の正門(2024年3月) | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 鳥取県米子市 |
座標 | 北緯35度26分15.8秒 東経133度20分5.3秒 / 北緯35.437722度 東経133.334806度 |
鉄道事業者 | 西日本旅客鉄道 |
帰属組織 | 中国統括本部 |
所属略号 | 中トウ、後、米 |
整備済み車両略号 | 後藤総、GT |
後藤総合車両所(ごとうそうごうしゃりょうしょ)は、鳥取県米子市に所在する西日本旅客鉄道(JR西日本)の車両基地および車両工場である。そのほか、島根県出雲市に出雲支所、鳥取市に鳥取支所、岡山市に岡山気動車支所が存在する。
山陰での最初の鉄道建設の際に、車両工場の土地を提供したり、鉄道省当局に代わって足りない土地を買収することで誘致に貢献した後藤快五郎の名が付けられている。
組織
[編集]中国統括本部が管轄しており、車両工場がある本所と、車両基地がある米子支所および出雲支所、鳥取支所及び岡山気動車支所に分かれている。
本所
[編集]鳥取県米子市日ノ出町にある車両工場で、境線富士見町 - 後藤間に並行して敷地がある。敷地面積は82,271m2。 下関総合車両所が管理する以外の統括本部管内の自社車両に加え金沢総合車両所富山支所の気動車・金沢総合車両所敦賀支所のキハ120系気動車・吹田総合車両所福知山支所豊岡派出所・吹田総合車両所京都支所配置のキハ189系気動車・嵯峨野観光鉄道・京都丹後鉄道・智頭急行・若桜鉄道の車両や東海旅客鉄道(JR東海)大垣車両区配置の285系3000番台の車両検査・要部検査・改造、および日本貨物鉄道(JR貨物)のディーゼル機関車のエンジンや井原鉄道・一畑電車の部品検修、JR西日本に在籍するすべての気動車とディーゼル機関車に搭載されるディーゼルエンジンの整備を行っている。
気動車でも網干総合車両所余部派出所と吹田総合車両所京都支所亀山派出所の車両検査・要部検査・改造は原則網干総合車両所で行われ(時折本所で行われる場合あり)、下関総合車両所新山口支所と広島支所の車両検査・要部検査・改造は原則下関総合車両所で行われる(時折本所で行われる場合あり)。
また、近畿車輛・川崎重工業・新潟トランシスと提携して車両の新造業務も行っており、これまでにキハ120系[1]やアーバンネットワーク各線で運用されている221系・207系などを製造した実績がある(後述)。同所に所在する後藤工業でも一畑電車7000系の新造を行った。
なお日本国有鉄道時代は「後藤工場」の名称であったが、 1985年(昭和60年)3月20日に国鉄の全国工場再編成により、広島・幡生・多度津とともに工場から車両所(後藤車両所)に名称変更されて、JR西日本に継承された。
米子支所
[編集]鳥取県米子市目久美町にある車両基地で、山陰本線・境線の米子駅構内に敷地がある。敷地面積は39,572m2。
車両基地内には扇形機関庫(せんけいきかんこ)と転車台が残されており、現在も使用されている。
2024年6月より運用検修センターは米子支所となった。[要出典]
出雲支所
[編集]島根県出雲市東神西町にある車両基地で、山陰本線西出雲 - 出雲神西間に位置している。敷地面積は146,000m2。
2021年(令和3年)3月までは、東日本旅客鉄道(JR東日本)大宮総合車両センター東大宮センターとともにJRでは数少ない特急形車両専門の車両基地であった。かつては「出雲運転区」の名称で車両が配置されていたが、2000年(平成12年)に出雲鉄道部の下部組織となり出雲車両支部となったのち、2008年(平成20年)6月1日の出雲鉄道部廃止により本車両所の下部組織とされ、出雲支所に改称された。
島根県内では数少ない現役の転車台が設置されている。
また、島根県浜田市浅井町の浜田駅構内に浜田派出所が設置されている。
鳥取支所
[編集]鳥取県鳥取市にある車両基地で、山陰本線鳥取 - 湖山間に位置している。
2022年4月より鳥取鉄道部西鳥取車両支部が後藤総合車両所鳥取支所となった。
岡山気動車支所
[編集]岡山県岡山市北区にある車両基地で、津山線岡山駅 - 法界院駅間に位置している。
2022年10月の組織改正により岡山気動車区は後藤総合車両所岡山気動車支所となった。
歴史
[編集]- 1902年(明治35年)11月 - 鉄道作業局米子出張所の仮工場として、米子駅構内西側に開設。
- 1918年(大正7年)12月 - 現在地の後藤駅付近に移転し、鉄道院西部鉄道管理局の後藤工場に改称。
- 1949年(昭和24年)6月1日 - 日本国有鉄道が発足し、大阪鉄道局の後藤機械部になる。
- 1950年(昭和25年)8月1日 - 米子鉄道管理局が発足し、後藤工場になる。
- 1985年(昭和60年) - 後藤車両所に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道が承継。
- 1997年(平成9年)3月8日 - 後藤車両所と米子運転所の検修部門が統合して、後藤総合車両所が発足。後藤車両所は本所に、米子運転所の検修部門は運用検修センターになる[2]。
- 2008年(平成20年)6月1日 - 出雲鉄道部出雲車両支部が後藤総合車両所に統合され、同所の出雲支所になる[3]。
- 2022年(令和4年)
- 2024年(令和6年)6月1日 - 運用検修センターを米子支所に名称変更[5]。
新製車両
[編集]本所で新製した車両は以下のとおり
- 221系 2両(サハ220-56 + サハ221-65[6]。鷹取工場製のクハ221-65 + モハ220-56 + モハ221-65 + クモハ221-65に組み込み6両編成化[6]) - 川崎重工業の受託工事[6]
- 207系
- キハ120形気動車 0番台3両(20 - 22)[9]、300番台19両(317 - 323・328 - 330・337 - 341・353 - 356)[9](直営製作[8])
車体に記される略号
[編集]- 整備済み車両の車体に記される略号
- 「後藤総」または「GT」が記されている。
- 所属車両の車体に記される略号
- 米子支所は、中国統括本部の略号である「中」と、後藤の電報略号である「トウ」から構成され、旅客車は「中トウ」、貨車・機関車は「米」である。機関車はかつて 「後」であったが、2010年(平成22年)6月ごろより「米」の表記に順次戻されている。
- 出雲支所は、「中」と、出雲を意味する「イモ」から構成され、「中イモ」である。浜田派出所は、「中」と、浜田を意味する「ハタ」から構成され、「中ハタ」である。
- 鳥取支所は、「中」と、鳥取を意味する「トリ」から構成され、「中トリ」である。
- 岡山気動車支所は、「中」と、岡山を意味する「オカ」から構成され、「中オカ」である。
配置車両
[編集]2023年(令和5年)4月1日現在[10][11]の配置車両は以下のとおりで、運用検修センター(現:米子支所)と出雲支所、鳥取支所、岡山気動車支所に分散して配置されている。数字は他社からの管理受託車を除く。
区所 | 電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
米子 | 0両 | 92両 | 5両 | 2両 | 6両 | 105両 |
出雲 | 84両 | 21両 | 0両 | 0両 | 0両 | 105両 |
鳥取 | 0両 | 26両 | 0両 | 0両 | 0両 | 26両 |
岡山 | 0両 | 57両 | 0両 | 0両 | 0両 | 57両 |
全体 | 84両 | 196両 | 5両 | 2両 | 6両 | 293両 |
運用検修センター(現:米子支所)配置
[編集]気動車
[編集]- キハ187系気動車(18両)
- キハ126系気動車(20両)
- キハ121系気動車(9両)
- キハ40形気動車(4両)
- キハ47形気動車(38両)
- 0番台12両、1000番台6両、2000番台9両、3000番台9両、7000番台(あめつち)2両が配置されている。大半がワンマン運転に対応している。
- 山陰本線(鳥取 - 浜田間)・境線・因美線(智頭 - 鳥取間)の普通列車で運用されている。
- 全車がキハ40形と同様のリニューアル工事が施工されている。
- 過去には紅白二色の塗り分けのものもあったが塗り替えられ、現在の車体塗装は「首都圏色」と呼ばれる朱色1色である。また、一部の車両は鬼太郎ファミリートレインとしてラッピングが施されているものがあり、原則境線で運転される。
- 境線を走行するため車載型IC改札機が設置されている。
- キヤ143形気動車(3両)
客車
[編集]- 12系客車(2両)
貨車
[編集]機関車
[編集]- DE10形ディーゼル機関車(3両)
- 3両が配置され、車両基地内での入換などに使用される。そのうち1161号機は木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」カラーとなっている。
- DD51形ディーゼル機関車(2両)
過去の配置車両
[編集]- 気動車
- 客車
- 機関車
- 貨車
出雲支所配置
[編集]電車
[編集]- 273系電車(44両)
- 4両編成11本(Y1 ‐ 11編成)が配置され、特急「やくも」で運用される。
- 285系電車(0番台21両 + 3000番台14両、3000番台はJR東海からの管理受託車)
- 381系電車(62両)
- 6両編成3本(パノラマ編成2本、国鉄色1本)、4両編成7本(ノーマル基本編成6本、サブ編成1本)、3両編成4本(ノーマル付属編成4本)、他4両が配置されている。組成変更が頻繁に行なわれるため、編成番号は付けられていない。
- 特急「やくも」で運用され、「ゆったりやくも」用のリニューアル車両または簡易改造車である。
- クモヤ145形電車(1両)
- 1両が配置されている。牽引車。
- 構内の入換のほか、出雲支所に所属する381系電車が車両工場(主に後藤総合車両所)へ入出場回送、試運転をする際に進行方向に制御車両が連結されていない場合に制御車両として使用される。
気動車
[編集]- キハ120形気動車(8両)
浜田派出所
[編集]過去の配置車両
[編集]- 客車
- 業務用牽引車
鳥取支所配置
[編集]気動車
[編集]- キハ187系気動車(8両)
- キハ47形気動車(18両)
- 0番台12両、1000番台が6両の計18両が所属している。全車がワンマン運転に対応している。
- 山陰本線城崎温泉・浜坂 - 米子間(城崎温泉駅乗り入れは1往復のみ)、因美線鳥取 - 智頭・那岐間(那岐駅乗り入れは朝1往復のみ)の普通列車で運用されている。配置される全車のリニューアル改造が完了している。
- このうちの2両 (146, 1112) は、かつて黄緑色をベースとして車体側面にしゃんしゃん傘踊りの傘やドウダンツツジ、前面貫通扉に因幡の白兎のイラストが描かれた、通称「花笠(花傘)塗装」と呼ばれる姿となっていた。また、所属するキハ47形のうちこの2両にのみ車体側面にJRマークが貼付されていた。 146は2016年(平成28年)2月の全般検査時、1112は2012年(平成24年)3月の全般検査時に朱色5号の一色塗り(首都圏色)に塗装変更され、「花笠(花傘)塗装」の車両は見られなくなった。
- HOT7000系気動車(34両、智頭急行からの管理受託車)
- 5両編成5本、予備車両9両を受託している。
- 特急「スーパーはくと」で運用されている。
過去の配置車両
[編集]気動車
[編集]客車
[編集]- マニ50形荷物車
- かつて救援車代用としてマニ50形2035番が配置されていた。
岡山気動車支所配置
[編集]気動車
[編集]- キハ40形気動車(15両)
- キハ47形気動車(26両)
- 0番台15両、1000番台7両、2000番台3両、3000番台1両が所属している。全車がワンマン運転に対応している。
- 所属車両のうち、2両はノスタルジー塗装(国鉄急行色)となっており、みまさかスローライフ列車で因美線(智頭駅 - 津山駅間)に入る。
- キハ120形気動車(16両)
借り入れ車両
[編集]2008年3月から2010年3月まで京都総合運転所所属の113系4両編成1本を借入し、山陰本線の快速「通勤ライナー」に運用していたことがある。
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脚注
[編集]- ^ “キハ120を自社製造 JR西日本後藤車両所 新製車両が完成”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1993年9月1日)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '97年版』ジェー・アール・アール、1997年7月1日、187頁。ISBN 4-88283-118-X。
- ^ ジェー・アール・アール『JR気動車客車編成表 2010』交通新聞社、2010年。ISBN 978-4-330-14710-9。
- ^ 「車両に不具合、運休や遅れ」『山陰中央新報』2022年6月18日。2022年10月7日閲覧。
- ^ 『JR西日本グループが米子市ふるさと納税返礼品「後藤総合車両所米子支所内*扇形車庫見学ツアー」2024年10月~2025年3月分の出品について』(プレスリリース)米子市・西日本旅客鉄道・日本旅行、2024年8月2日 。2024年8月3日閲覧。
- ^ a b c 交友社『鉄道ファン』1991年10月号POST「後藤車両所で221系を製造」p.105。
- ^ a b c 交友社『鉄道ファン』1992年5月号POST「後藤車両所製207系完成」p.117。
- ^ a b 西日本旅客鉄道『新世紀へ走るJR西日本10年のあゆみ 1987 - 1996』p.260。
- ^ a b 交友社『鉄道ファン』2010年11月号連載「JR各社の新世代気動車の現況 JR西日本キハ120形」pp.100 - 105。
- ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2023夏 交通新聞社、2023年、p.196-197。ISBN 9784330024233。
- ^ 交友社『鉄道ファン』2023年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
- ^ 交友社『鉄道ファン』2021年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
- ^ 「JR旅客会社の車両配置表」『鉄道ファン』2010年7月号、交友社。
参考文献
[編集]- 『 Rolling stock & machinery 』2007年7月号、日本鉄道車両機械技術協会、pp.48 - 50。