美術手帖
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美術手帖 | |
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ジャンル | 美術誌 |
刊行頻度 | 季刊 |
発売国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
出版社 | 美術出版社 |
刊行期間 | 1948年 - |
ウェブサイト | https://bijutsutecho.com/ |
『美術手帖』(びじゅつてちょう)は、カルチュア・コンビニエンス・クラブが編集・発行[1]、美術出版社が発売している季刊(年4回発行)の美術誌[注釈 1]。愛称は『BT』。A5サイズ。1948年創刊。
近現代美術を中心に、内外の美術動向を紹介する雑誌である。各号ごとの特集のほか、海外ニュース、展覧会ガイドなどを掲載する。
増刊として、年1回『美術手帖年鑑(BT年鑑)』が1957年から刊行されていたが、個人情報保護法の問題もあり、『BT年鑑2006』で休刊した。
2017年にウェブ版を公開している。
歴代編集長
[編集]- 愛甲健児(1931年生まれ)(?~1967年)
- 宮澤壯佳(1933年生まれ)(1968年~1971年):「編集人」名義
- 福住治夫(1971年~1973年)別名・高島平吾:「編集人」名義[4]
- 川合昭三(1928年生まれ)(1974年):「編集人」名義
- 田中為芳(1975年~1978年):「編集人」名義
- 木村要一(1944年生まれ)(1979年~1985年):「編集人」名義
- 大橋紀生(1943年生まれ)(1986年~1989年)副編集長:三上豊
- 伊藤憲夫(1952年生まれ)(1990年~1992年)
- 椎名節(1993年~1995年) :「編集主幹」という役職名。その部下に位置する同時期の「編集長」は篠田孝敏
- 真壁佳織(1996年~1997年)
- 伊藤憲夫(1952年生まれ)(1997年~2001年)(再任)
- 楠見清(1963年生まれ)(2001年~2004年)
- 押金純士(1969年生まれ)(2004年~2008年)
- 岩渕貞哉(1975年生まれ)(2008年~2019年)2019年より「総編集長」
- 橋爪勇介(1983年生まれ)(2019年~)ウェブ版編集長
別冊・増刊など
[編集]- みづゑ(2001-2007のものは「別冊美術手帖」という位置づけ)
- デザインの現場
- マンガ・テクニック(別冊美術手帖)
- コミッカーズ(別冊美術手帖)
芸術評論募集
[編集]美術手帖の主催で、不定期に「芸術評論募集」が開催されている。第1回は1954年で(ただし、月刊『美術批評』の「新人評論募集」という位置づけ)、最新のものは、2019年に募集された「第16回」。
第1回(1954年)
[編集]第2回(1955年)
[編集]- [第一席] 中原佑介「創造のための批評」
第3回(1958年)
[編集]第4回(1963年)
[編集]第5回(1965年)
[編集]審査員:瀧口修造、浜口隆一、針生一郎
第6回(1969年)
[編集]- [第一席] 大久保喬樹「ジャクスン・ポロック」
- [佳作] 菅木志雄「転位空間〈未来のノートから〉」(筆名:桂川青)
- [佳作] 李禹煥「事物から存在へ」
第7回(1972年)
[編集]『みつゑ』800号として。
第8回(1979年)
[編集]『美術手帖』創刊30周年記念
- [入選] 秋田由利「美術における終焉と自由 − 構造主義以降の一地平から」
- [入選] 西嶋憲生「時代・仕事・アイデンティティーデラシネからの再生のために」
- [佳作] 那賀裕子 + 貞彦「発生的絵画の発生」
- [佳作] 高橋誠「P・セザンヌとD・H・ロレンス − 現象学的考察」
第9回(1983年)
[編集]創刊500号記念
第10回(1986年)
[編集]- [第一席] 倉林靖「「ポスト・モダン」あるいはイメージのアナーキズムについて」
- [第一席] 石津隆志「絵画の場所」
- [佳作] 清水哲朗「器官〈オルガヌ〉からの逃避」
- [佳作] 飯島洋一「挑発する頂部」
審査員:多木浩二、東野芳明、中原佑介
第11回(1993年)
[編集]- [第一席] 伊藤制子「水のオマージュとしての音楽 − 武満徹論」
- [佳作] 西村智弘「ウォーホル/映画のミニマリズム」
- [佳作] 菅章「アンチ・ミメーシスの文脈 − 川俣正におけるコンテクストの意味」
審査員:多木浩二、中原佑介、酒井忠康
第12回(2003年)
[編集]審査員による座談会「新しい批評の時代のために」が掲載。
- [佳作] 木村覚「踊ることと見えること-土方巽の舞踏論をめぐって」
- [佳作] 土屋誠一「失くしたものの在処をめぐって-斎藤義重、1973年、再制作」
- [佳作] 福住廉「alternative reality アマチュア・ストリート・クリティカル」
第13回(2005年)
[編集]- [佳作] 荒木慎也「受験生の描く絵は芸術か」
- [佳作] 粟田大輔「榎倉康二における出来事性と層の構成」
- [佳作] 大森俊克「グレゴール・シュナイダー試論・建築と有限」
審査員:谷川渥、椹木野衣、中村英樹
第14回(2009年)
[編集]「『美術手帖』創刊60年記念」と銘打たれている。
- [第一席] 沢山遼「レイバー・ワーク − カール・アンドレにおける制作の概念」
- [佳作] 石村実「藤井博論 − もの・言葉・時間」
- [佳作] 野田吉郎「余白に(アド・マルギネム)─55年後のパウル・クレー試論」
- [佳作] 本阿弥清『「もの派」─隠された真実をめぐって』
- [佳作] 森啓輔「高松次郎《THE STORY》─反復および知覚される持続について」
- [佳作] 奥村雄樹(筆名:山辺冷)「河原温の量子重力的身体─あるいは時空の牢獄性と意識の壁抜けについて」
第15回(2014年)
[編集]『美術手帖』通巻1000号を記念して開催。
- [第一席] gnck「画像の問題系 演算性の美学」
- [次席] 塚田優「キャラクターを、見ている。」
- [佳作] 勝俣涼「未来の喪失に抗ってーダン・グレアムとユートピア」
- [佳作] 井上幸治「風間サチコ論ー植民地表層の現在」
- [佳作] 中尾拓哉「造形、その消失においてーマルセル・デュシャンのチェスをたよりに」
審査員:谷川渥、椹木野衣、松井みどり[6]。
第16回(2019年)
[編集]『美術手帖』創刊70周年を記念して開催。112件の応募。第1席該当者なし。
- [次席] ウールズィー・ジェレミー「インターネット民芸の盛衰史」[1]
- [次席] 北澤周也「東松照明『日本』(一九六七年)と「群写真」− 社会化された自由な「群れ」 −」
- [佳作] 大岩雄典「別の筆触としてのソフトウェア——絵画のうえで癒着/剥離する複数の意味論」[2]
- [佳作] 沖啓介「Averages 平均たるもの エドワード・ルシェから始める」[3]
- [佳作] はがみちこ「『二人の耕平』における愛」[4]
- [佳作] 布施琳太郎「新しい孤独」[5]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “美術手帖2021年6月号 「松山智一」特集 「Editor’s note」”. 美術手帖. 2021年8月12日閲覧。
- ^ “70周年を迎える『美術手帖』(1948年創刊)。 1年を通じて様々なスペシャル企画を展開します。”. 美術出版社 (2018年3月16日). 2022年8月27日閲覧。
- ^ “美術手帖が季刊発行に、より専門性の高い内容に刷新”. FASHIONSNAP.COM (2022年3月2日). 2022年8月27日閲覧。
- ^ “福住治夫さん死去”. 朝日新聞デジタル (2024年1月9日). 2024年1月9日閲覧。
- ^ “『美術手帖』創刊60年記念 第14回 芸術評論募集 入選作発表”. 2016年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月8日閲覧。
- ^ “第15回 『美術手帖』芸術評論募集”. 2016年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月8日閲覧。
外部リンク
[編集]- 美術手帖 ウェブサイト
- 美術手帖 - 株式会社美術出版社