耶蘇基督之新約教会
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耶蘇基督之新約教会(いえすきりすとのしんやくきょうかい)はプロテスタントの教派の一つである。
日本郵船の社員であった森勝四郎(1873年-1920年)が客の置き忘れた聖書を読んで回心した。そして、伝道者を志して、明治学院、プリンストン大学神学部で学んだ。帰国後、高知県高岡で伝道活動を開始して群れを形成した。
1920年(大正9年)の森勝四郎の没後に、野中一魯男(1884年-1951年)が後継者になった。森がなくなる前に、野中を東京に派遣して、世田谷区の経堂で集会を持った。
1931年(昭和6年)の宗教団体法の成立に伴い、野中は東京府、高知県、愛知県、静岡県、兵庫県の集会を耶蘇基督之新約教会として届け出た。
1941年(昭和16年)9月11日、野中を初めとした38人が治安維持法違反で一斉検挙された。容疑は、東京の集会の信者の熊沢とよの軍刑違反の嫌疑である。取調べの結果、教会が「国体否定」「不敬思想」などの不法な教理を発見したという内容だった。結局、日本基督教団には加盟せずに宗教結社として戦中をすごした。
→「ホーリネス弾圧事件」も参照
野中は1943年(昭和18年)5月に第一審の判決で、懲役2年6ヶ月になった。実刑判決を受け服役して、1944年(昭和19年)6月に多摩刑務所を出所する。
1945年(昭和20年)の終戦と同時に伝道を開始した。西荻窪に移り、イエス・キリストの教会と称し単立教会として伝道を続けた。
1992年(平成4年)に日本福音キリスト教会連合に加入し、現在は西荻南イエス・キリストの教会と称している。
特色
[編集]参考文献
[編集]- 中村敏「日本における福音派の歴史」いのちのことば社、2000年
- 川口葉子・山口陽一『知られなかった信仰者たち―耶蘇基督之新約教会への弾圧と寺尾喜七「尋問調書」』いのちのことば社、2020年、ISBN 9784264041450