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自己免疫性肝炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
自己免疫性肝炎
概要
診療科 消化器学, 肝臓学
分類および外部参照情報
ICD-10 K75.4
ICD-9-CM 571.42
DiseasesDB 1150
MedlinePlus 000245
eMedicine med/366
MeSH D019693

自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん、Autoimmune hepatitis:AIH)とは、免疫システムの異常により、肝臓に障害が起こる自己免疫疾患の一つ。厚生労働省難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)で定義する指定難病である。

疫学

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中年以上の女性に多く好発する。日本においてはHLA-DR4が高頻度に認められている。

検査

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血液検査にて以下を呈していく。

病理

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肝生検を行うことで以下の病理所見が特徴的とされている。

  • 門脈域に高度のリンパ球・形質細胞の浸潤
  • 段階的肝細胞の破壊(piecemeal necrosis)

診断

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基本的に、国際自己免疫性肝炎グループ(International Autoimmune Hepatitis Group:IAIHG)の診断基準と厚生労働省の診断基準が広く用いられている。

  • Simplified Criteria for the Diagnosis of Autoimmune Hepatitis(IAIHG 1999年 2008年改定簡易版)
項目 基準 点数
抗核抗体(ANA) or 抗平滑筋抗体(SMA)
抗核抗体(ANA) or 抗平滑筋抗体(SMA)
肝腎マイクロゾーム抗体(LKM)
SLA抗体(SLA)
40倍以上
80倍以上
40倍以上
陽性
1点
2点
2点
2点
IgG >正常上限
>1.1倍
1点
2点
肝生検 適応像
典型像
1点
2点
ウイルス性肝炎が存在しない (+) 2点

6点以上:疑診(probable AIH)    7点以上:確診(definite AIH)

  • 自己免疫性肝炎の診断指針・治療指針(厚生労働省 2013年
  1. 他の原因による肝障害が否定
  2. 抗核抗体陽性ないし抗平滑筋抗体陽性
  3. IgG 高値(>基準上限値1.1倍)
  4. 組織学的に肝組織の interface hepatitis や形質細胞浸潤の確認
  5. 副腎皮質ステロイドが著効
    • 典型例:上記1を満たし、2〜5のうち3項目以上を認める
    • 非典型例:上記1を満たし、2〜5 の所見の1~2項目を認める

分類

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以前は、自己抗体の検出パターンによって以下の4つの分類が用いられていた。

  • 1型:抗核抗体(ANA)
  • 2型:抗平滑筋抗体(SMA)
  • 3型:肝腎ミクロソーム抗体1型(LKM-1)
  • 4型:肝可溶性抗原抗体(SLA)

最近では以下が用いられている。

  • 1型自己免疫性肝炎(Type 1 AIH)
自己抗体として、ANA・SMA・SLA等が陽性
  • 2型自己免疫性肝炎(Type 2 AIH)
自己抗体として、LKM-1・LC-1等が陽性 小児・若年者に多く重症型を呈する場合が多い

治療

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ステロイド免疫抑制剤投与を行う。

基本的にアメリカ肝臓学会(American Association for the Study of Liver Diseases:AASLD)作成の治療ガイドラインが広く用いられている。

関連項目

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外部リンク

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