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花園天皇宸記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

花園天皇宸記』(はなぞのてんのうしんき)は、花園天皇の日記。現存数は全35巻、宮内庁書陵部蔵。現存部分のほとんどが花園天皇宸筆であり、鎌倉時代後期を研究する上で貴重な一次史料。また、特に正中の変元弘の変などに関する記事が豊富かつ詳細であるため、後醍醐天皇の活動状況を研究する上での基本史料となっている。

概要

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延慶3年(1310年)10月から正慶元年/元弘2年(1332年)11月にわたる23年間[1]から成る日記。伏見宮旧蔵。伏見宮家伝来当時は47巻に装丁されていたが、昭和25年(1950年)書陵部に移管された後、調査・再整理がなされて現在の35巻に改められた。

花園天皇自身はこの日記を『等閑記』と称している。『花園天皇日記』『花園院宸記』など別称が多いが、『国書総目録』(岩波書店刊)では“はなぞのいんしんき”の項にまとめて記載がある。翻刻には3点あり、刊行順に『列聖全集』(列聖全集編纂会,1915-1917、底本は旧家秘蔵本)、『史料大成続編』33,34(内外書籍,1938、底本は概ね『列聖全集』)、『史料纂集』62,66,80(続群書類従完成会,1982-1986、底本は宮内庁書陵部本)である。なお、1965年に臨川書店より刊行された『増補史料大成』(ここでは2,3巻)は『史料大成』の復刻版の意味合いが強い。

脚注

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  1. ^ 欠月は次のとおり
    応長元年(1311年)7~10月
    正和元年(1312年)4、5、7月
    同3年(1314年)7~12月
    文保元年(1317年)7~11月
    同2年(1318年2~12月
    元亨3年(1323年1~2月
    同4年(1324年)5月
    嘉暦4年(1329年)1~8月、元徳元年(1329年)8~10月
    同3年(1331年)1~9月
    正慶元年(1332年)7~9月

参考文献

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  • 和田英松 「花園天皇」(同『皇室御撰之研究』明治書院、1933年)
  • 帝国学士院 編「花園天皇宸筆御記」『宸翰英華』 1巻、紀元二千六百年奉祝会、1944年。doi:10.11501/2586902NDLJP:2586902https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2586902/190 
  • 今江廣道 「村田正志博士校訂『花園天皇宸記』第一巻」(『〔国士舘大学〕人文学会紀要』第15号、1983年)
  • 佐々木令信 「『花園天皇日記』仏教総索引並に解説」(中世寺院史研究会編『中世寺院史の研究』下、法蔵館、1988年) ISBN 978-4-8318-7552-5
  • 米田雄介 「鎌倉時代の天皇の日記 花園天皇」(同『歴代天皇の記録』続群書類従完成会、1992年) ISBN 978-4-7971-0484-4
  • 八嶌正治 「『花園院宸記』成巻について」(『日本歴史』第537号、1993年)
  • 村田正志編 『花園天皇遺芳』(楊岐寺、1995年) ISBN 4-9901-0463-3
  • 岩佐美代子 「『花園院宸記』—天皇の日常と思索—」(同『宮廷に生きる—天皇と女房と—』笠間書院、1997年) ISBN 978-4-3056-0038-7
  • 村田正志編 『和訳 花園天皇宸記』1巻(続群書類従完成会1999年ISBN 4-7971-1551-3
  • 村田正志編 『和訳 花園天皇宸記』2巻(続群書類従完成会、2003年ISBN 4-7971-1552-1
  • 村田正志編 『和訳 花園天皇宸記』3巻(続群書類従完成会、2003年ISBN 4-7971-1553-X
  • 酒井茂幸「『花園天皇宸記』書名索引」(『研究と資料』第54輯、2005年)
  • 花園天皇日記研究会編 「『花園天皇日記(花園院宸記)』正和二年正月記―訓読と注釈―」(『花園大学国際禅学研究所論叢』第4号、2009年
  • 宮内庁書陵部 宮内庁三の丸尚蔵館編集 『皇室の文倉 書陵部の名品 三の丸尚蔵館特別展図録』(宮内庁発行、2010年、34-35頁)

関連項目

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外部リンク

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