菊多郡
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菊多郡(きくたぐん)は、福島県浜通り(陸奥国・石城国・磐城国)の南端にあった郡。
郡域
[編集]1878年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、いわき市の一部(泉町各町、泉ヶ丘、渡辺町各町、遠野町各町以南)あたる。
なお、同年までいわき市常磐西郷町は当郡に所属した。
歴史
[編集]7世紀前半は道奥菊多国造や多珂国の領土であったが、律令制が浸透した7世紀後半に常陸国多珂郡に編入された。養老2年(718年)5月2日の石城国新設にともない、常陸国から分離されて石城国に編入された。ほどなくして石城国が廃止されて陸奥国に編入されると、菊多郡は常陸国に復帰せずにそのまま陸奥国の一部になった。
近代以降の沿革
[編集]知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
藩領 | 陸奥泉藩 | 34村 | 黒須野村、下川村、滝尻村、泉村、甘露寺村、玉崎村、本谷村、泉田村、昼野村、渡辺村、初田村、松小屋村、後田村、林崎村、大津村、石塚村、東坂村、塩田村、佐糠村、岩間村、小浜村、荷路夫村、下黒田村、大島村、米倉村、中田村、上小川村、下小川村、長子村、沼部村、富田村、小大津村、前江栗村、後江栗村 |
陸奥棚倉藩 | 21村 | 小山田村、上山田村、高倉村、下滝村、上滝村、上遠野町村、深山田村、根岸村、上根本村[1]、大平村(現・いわき市田人町南大平)、石住村、貝泊村、出旅人村、入旅人村、上黒田村、九面村、四沢村、窪田村、白米村、下西郷村 | |
陸奥磐城平藩 | 7村 | 植田村、仁井田村、関田村、瀬戸村、山玉村、大平村(現・いわき市遠野町大平)、三沢村 | |
陸奥湯長谷藩 | 5村 | 中釜戸村、上釜戸村、上西郷村、井上村、江畑村 | |
泉藩・棚倉藩 | 1村 | 添野村 | |
泉藩・湯長谷藩 | 1村 | 洞村 | |
棚倉藩・磐城平藩 | 1村 | 入遠野村[2] | |
棚倉藩・湯長谷藩 | 1村 | 下山田村 | |
幕府領・藩領 | 旗本領・棚倉藩 | 2村 | 大高村、酒井村 |
- 慶応2年6月19日(1866年7月30日) - 棚倉藩が武蔵川越藩に転封。陸奥白河藩が棚倉藩に転封。
- 慶応4年
- 明治元年
- 明治2年
- 明治3年(65村)
- 甘露寺村・玉崎村が合併して玉露村となる。
- 林崎村・大津村が合併して大林村となる。
- 東坂村・塩田村が合併して東田村となる。
- 米倉村・大島村が合併して大倉村となる。
- 富田村・小大津村が合併して富津村となる。
- 前江栗村・後江栗村が合併して江栗村となる。
- 明治4年
- 明治6年(1873年) - 出旅人村・入旅人村が合併して旅人村となる。(64村)
- 明治7年(1874年)(62村)
- 上小川村・下小川村が合併して小川村となる。
- 下滝村・上滝村が合併して滝村となる。
- 明治8年(1875年)(60村)
- 下黒田村・上黒田村が合併して黒田村となる。
- 上西郷村・下西郷村が合併して西郷村となる。
- 明治9年(1876年)8月21日 - 第2次府県統合により福島県の管轄となる。
- 明治11年(1878年) - 大平村(現・いわき市田人町南大平)が南大平村に改称。
- 明治12年(1879年)1月27日
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により以下の町村が発足。全域が現・いわき市。(13村)
- 泉村 ← 玉露村、泉村、本谷村、滝尻村、下川村、黒須野村
- 渡辺村 ← 田部村、洞村、昼野村、泉田村、松小屋村、中釜戸村、上釜戸村
- 鮫川村 ← 植田村、江畑村、高倉村、添野村、石塚村、東田村、後田村、佐糠村、岩間村、小浜村、仁井田村
- 錦村 ← 大倉村、中田村、江栗村、長子村
- 山田村 ← 大林村、井上村、上山田村、小山田村、下山田村、富津村
- 窪田村 ← 窪田村、四沢村、関田村、白米村、九面村、酒井村、大高村
- 川部村 ← 小川村、沼部村、瀬戸村、三沢村、山玉村
- 上遠野村 ← 上遠野町村、深山田村、根岸村、滝村
- 入遠野村 ← 入遠野村、上根本村、大平村
- 田人村 ← 旅人村、黒田村、南大平村
- 貝泊村(単独村制)
- 石住村(単独村制)
- 荷路夫村(単独村制)
- 明治29年(1896年)4月1日 - 菊多郡・磐前郡・磐城郡および楢葉郡の一部(川前村)の区域をもって石城郡が発足。同日菊多郡廃止。
変遷表
[編集]自治体の変遷
藩政期 | 明治12年 | 明治22年4月1日 | 明治22年 - 明治28年 | 明治29年4月1日 | 現在 |
---|---|---|---|---|---|
泉村 | 泉村 | 泉村 | 泉村 | 石城郡 泉村 |
いわき市 |
黒須野村 | 黒須野村 | ||||
下川村 | 下川村 | ||||
滝尻村 | 滝尻村 | ||||
玉崎村 | 玉露村 | ||||
甘露寺村 | |||||
本谷村 | 本谷村 | ||||
渡部村 | 田部村 | 渡辺村 | 渡辺村 | 石城郡 渡辺村 | |
初田村 | |||||
泉田村 | 泉田村 | ||||
上釜戸村 | 上釜戸村 | ||||
中釜戸村 | 中釜戸村 | ||||
昼野村 | 昼野村 | ||||
洞村 | 洞村 | ||||
松小屋村 | 松小屋村 | ||||
窪田村 | 窪田村 | 窪田村 | 窪田村 | 石城郡 窪田村 | |
大高村 | 大高村 | ||||
九面村 | 九面村 | ||||
酒井村 | 酒井村 | ||||
四沢村 | 四沢村 | ||||
白米村 | 白米村 | ||||
関田村 | 関田村 | ||||
植田村 | 植田村 | 鮫川村 | 鮫川村 | 石城郡 鮫川村 | |
東坂村 | 東田村 | ||||
塩田村 | |||||
石塚村 | 石塚村 | ||||
岩間村 | 岩間村 | ||||
後田村 | 後田村 | ||||
江畑村 | 江畑村 | ||||
小浜村 | 小浜村 | ||||
佐糠村 | 佐糠村 | ||||
添野村 | 添野村 | ||||
高倉村 | 高倉村 | ||||
仁井田村 | 仁井田村 | ||||
前江栗村 | 江栗村 | 錦村 | 錦村 | 石城郡 錦村 | |
後江栗村 | |||||
大島村 | 大倉村 | ||||
米倉村 | |||||
長子村 | 長子村 | ||||
中田村 | 中田村 | ||||
小川村 | 小川村 | 川部村 | 川部村 | 石城郡 川部村 | |
沼部村 | 沼部村 | ||||
瀬戸村 | 瀬戸村 | ||||
三沢村 | 三沢村 | ||||
山玉村 | 山玉村 | ||||
上山田村 | 上山田村 | 山田村 | 山田村 | 石城郡 山田村 | |
下山田村 | 下山田村 | ||||
小山田村 | 小山田村 | ||||
井上村 | 井上村 | ||||
大津村 | 大林村 | ||||
林崎村 | |||||
富田村 | 富津村 | ||||
小大津村 | |||||
上遠野町村 | 上遠野町村 | 上遠野村 | 上遠野村 | 石城郡 上遠野村 | |
滝村 | 滝村 | ||||
根岸村 | 根岸村 | ||||
深山田村 | 深山田村 | ||||
入遠野村 | 入遠野村 | 入遠野村 | 入遠野村 | 石城郡 入遠野村 | |
大平村 | 大平村 | ||||
上根本村 | 上根本村 | ||||
上黒田村 | 黒田村 | 田人村 | 田人村 | 石城郡 田人村 | |
下黒田村 | |||||
入旅人村 | 旅人村 | ||||
出旅人村 | |||||
南大平村 | 南大平村 | ||||
石住村 | 石住村 | 石住村 | 石住村 | 石城郡 石住村 | |
貝泊村 | 貝泊村 | 貝泊村 | 貝泊村 | 石城郡 貝泊村 | |
戸草村 | |||||
荷路夫村 | 荷路夫村 | 荷路夫村 | 荷路夫村 | 石城郡 荷路夫村 |
行政
[編集]- 菊多・磐前・磐城郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治12年(1879年)1月27日 | |||
明治29年(1896年)3月31日 | 磐前郡・磐城郡との合併により菊多郡廃止 |
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 7 福島県、角川書店、1981年3月1日。ISBN 4040010701。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
[編集]先代 多珂郡 |
行政区の変遷 718年頃 - 1896年 |
次代 石城郡(第2次) |