合成地名
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合成地名(ごうせいちめい)とは、2つ以上の地名から、その一部を取り合わせて作った新地名のことである[1]。漢字文化圏によく見られる。
概要
[編集]日本では、市町村合併や土地区画整理により多くの合成地名が生まれた。合成地名には平成の大合併だけでなく、明治時代から昭和時代にかけて誕生したものもあるため、その地名ができてから長い年月が経っていて、そもそも合成地名であると知られていない場合も存在する。市町村合併時にどちらの地名を用いるか論争になった際に妥協案として作られたものが多い。
複数の地域の総称として、数を表す言葉を用いて作られた地名も合成地名の一種として分類されることもある。例としては、陸前国・陸中国・陸奥国にまたがる三陸海岸、6つの大字が分立してできた群馬県の六合村(現・中之条町)などがある。
また東京都国立市(旧:北多摩郡谷保村)のように、地名より先に鉄道の合成駅名(国分寺駅と立川駅の間に開設されたため、両駅から1字ずつ取って国立駅と命名)が作られ、その後町制・市制施行の際、合成駅名がそのまま合成地名として採用された例もある。
一部の地名研究家などからは「伝統的な地名の破壊につながる」という批判もある[2]。
合成地名の具体例は、「日本の合成地名一覧」を参照。
日本
[編集]→「日本の合成地名一覧」を参照
台湾
[編集]中国
[編集]- 河北省
- 山西省
- 内蒙古自治区
- 遼寧省
- 吉林省
- 黒龍江省
- 山東省
- 江蘇省=江寧府+蘇州府[31]
- 浙江省
- 安徽省=安慶府+徽州府[36]
- 江西省
- 福建省=福州+建州[40]
- 河南省
- 湖北省
- 湖南省
- 広東省
- 広西壮族自治区
- 四川省
- 貴州省
- 雲南省
- 陝西省
- 甘粛省=甘州+粛州[80]
- 新疆維吾爾自治区
韓国
[編集]- 釜山広域市
- 大田広域市
- 京畿道
- 忠清南道/忠清北道=忠州+清州(旧忠清道)[87]
- 全羅南道/全羅北道=全州+羅州(旧全羅道)[89]
- 慶尚南道/慶尚北道=慶州+尚州(旧慶尚道)[91]
- 江原特別自治道=江陵+原州[93]
北朝鮮
[編集]- 羅先特別市=羅津+先鋒
- 開城特別市
- 江原道=江陵+原州(江陵および原州はいずれも現在は大韓民国領内)
- 黄海南道/黄海北道=黄州+海州
- 平安南道/平安北道=平壌+安州
- 咸鏡南道/咸鏡北道=咸興+鏡城
- 慈江道=慈城郡+江界市
- 両江道=鴨緑江+豆満江(両“江”)
アメリカ合衆国
[編集]脚注
[編集]- ^ 西脇健治郎, 「輪中地帯-もう1つの0mの地名遺産」『大垣女子短期大学研究紀要』 15巻 p.1-19, 1982-03-20,(PDF),P.15, NAID 110000223203
- ^ 例えば楠原佑介は自著『こんな市名はもういらない! 歴史的・伝統的地名保存マニュアル』(東京堂出版、2003年)の「参互折衷式(合成)地名 ―地名を合成するな!」の章(72 - 80頁)において合成地名を批判している。
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