近江鉄道モハ9形電車
近江鉄道モハ9形電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 近江鉄道 |
製造所 | 川崎造船所[1][注 1] |
種車 |
近江鉄道デハ1形デハ1(台車・機器類・車籍)[2] 西武鉄道クハ1214またはクハ1215(車体)[注 2] |
製造年 | 1928年4月[1][注 1] |
改造所 | 近江鉄道彦根工場 |
改造年 | 1963年11月7日[注 3][2] |
改造数 | 1両 |
総数 | 1両 |
廃車 | 1990年12月27日[3] |
主要諸元 | |
編成 | 2両(モハ9+クハ1208) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流 1,500 V |
車両定員 | 112 名[1](座席44名[4]) |
自重 | 28.5 t[1] |
最大寸法 (長・幅・高) | 16,820 × 2,715 × 4,165 mm[1] |
台車 | KS33L[1] |
主電動機 | MT-15C[4] |
主電動機出力 | 70 PS[1] |
搭載数 | 4 個/両[1] |
歯車比 | 3.24[1] |
制御装置 | PC101C2[1] |
制動装置 | AMJ[1] |
近江鉄道モハ9形電車(おうみてつどうモハ9がたでんしゃ)は、近江鉄道に在籍した電車の形式。クハ1208と編成を組む制御電動車で全1両、1990年12月27日廃車[3]。
概要
[編集]直流1,500 Vで電化[注 4]した際に投入されたデハ1形デハ1を、1963年に木造車の鋼体化改造名義で西武鉄道クハ1214またはクハ1215[注 2]の車体に取り替えたもので、台車・機器はデハ1から継承している[2]。
モハ9と同時に鋼体化改造を受けた[5]クハ1208形クハ1208と連結して2両編成を組成した[6]。
廃車は1990年12月27日であるが、1984年12月末時点で既に保留車となっていた[4]。また、廃車後も車両は解体されることなく彦根駅の貨物ヤード跡地に留置され、2004年までは姿を見ることができた[7][8]。しかし2004年の彦根駅東口開発整備事業によってクハ1208などと共に解体された[7][9]。
編成
[編集]← 貴生川 米原 →
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モハ9形 | クハ1208形 |
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モハ9 | クハ1208 |
1989年現在[10][注 5] |
諸元
[編集]この節の参考文献や出典は#を除き白土 (1970) による。#は白水 (1985) および京大鉄研 (1987) 。
- 最大寸法 長16,820 (16,910#)×幅2,715×高4,165 (mm)
- 自重 28.5 (34.5#) t
- 台車 KS33L (DT12#)
- 電動機 70PS (MT-15C 104kW#)×4個
- 制御装置 PC101C2 (CS5-9+CB8A#)
- 制動装置 AMJ (AMA#)
- 製造年月 1928年4月[注 1]
- 製造所 川崎造船所[注 1]
前身
[編集]詳細は近江鉄道デハ1形電車を参照。
車籍・走行機器の継承元であるデハ1形は、近江鉄道が電化区間を全線に広げると同時に直流1,500 Vへ昇圧した1928年に導入された車両である[12]。当時の親会社である宇治川電気電鉄部[注 6]の前身である神戸姫路電気鉄道が開業した際に新造された1形の不要車体を譲受し、川崎造船所にて住友金属工業KS33L台車をはじめとする主要機器を組みつけてデハ1形1~9として竣工した[12]。その後デハ2~9については荷物室が設置されてデハニ2~9へ改称された[12]。1950年代後半になると車体の老朽化が目立ち始めたため鋼体化改造が行われることとなり、デハ1はモハ9に[2]、デハニ2~9はモハ1形1~6[13]およびモハ7形7~8となった[2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k 『私鉄車両めぐり83 近江鉄道下』、76頁
- ^ a b c d e f 『私鉄車両めぐり83 近江鉄道下』、73頁
- ^ a b c 『近江鉄道電車沿革史』、150頁
- ^ a b c 『関西地方のローカル私鉄 現況1 近江鉄道』、96頁
- ^ 『私鉄車両めぐり83 近江鉄道下』、72頁
- ^ a b 『私鉄車両めぐり83 近江鉄道下』、70頁
- ^ a b 『民鉄の車両 近江鉄道②』、File:2-129/Sheet:03 40-12
- ^ 辻 良樹 (2005). “眠りつづけた魔境”. 鉄道ダイヤ情報 2005年10月号 通巻277号: 15.
- ^ 辻 良樹 (2005). “変わりゆく彦根駅東側”. 鉄道ダイヤ情報 2005年10月号 通巻277号: 20.
- ^ 『私鉄車両編成表 89年版』、112頁
- ^ 『関西地方のローカル私鉄 現況1 近江鉄道』、97頁
- ^ a b c 『私鉄車両めぐり83 近江鉄道下』、71頁
- ^ 『私鉄車両めぐり83 近江鉄道下』、73・74頁
参考文献
[編集]- 白土貞夫「私鉄車両めぐり83 近江鉄道下」『鉄道ピクトリアル』通巻第240号、鉄道図書刊行会、1970年8月、66 - 76頁。
- 白土貞夫「近江鉄道」上下(私鉄車両めぐり83)『私鉄車両めぐり特輯』第3輯、鉄道図書刊行会、1982、265-284頁、ただし記事の掲載は『鉄道ピクトリアル』Nos. 239-240、1970年。
- 白水剛「関西地方のローカル私鉄 現況1 近江鉄道」『鉄道ピクトリアル』通巻第445号、鉄道図書刊行会、1985年3月、93 - 97頁。
- 京都大学鉄道研究会「車両」『京都大学鉄道研究会雑誌』23号、京都大学鉄道研究会、1987、1-21頁。
- ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表 89年版』ジェー・アール・アール、1989年。ISBN 9784882832102。
- 藤井信男、大幡哲海、岸上明彦 「各社別車両情勢」『新車年鑑1991年版』鉄道ピクトリアル1991年10月臨時増刊号No. 550、鉄道図書刊行会、1991年、122-138頁(藤井担当の近江鉄道の項)
- 藤井信夫「近江鉄道電車沿革史」『鉄道ピクトリアル』通巻第685号、鉄道図書刊行会、2000年5月、145 - 154頁。
- 辻良樹、池田邦彦、金盛正樹、神谷武志、佐藤正樹、澤井弘之、柴田勤「民鉄の車両 近江鉄道②」『週刊鉄道データファイル』40号、デアゴスティーニ・ジャパン、2004年11月23日、11-12頁。
- 辻良樹「眠りつづけた魔境」『鉄道ダイヤ情報』交通新聞社 2005年10月号 通巻277号、15頁
- 辻良樹「変わりゆく彦根駅東側」『鉄道ダイヤ情報』交通新聞社 2005年10月号 通巻277号、20頁