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近藤勝也

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
こんどう かつや
近藤 勝也
プロフィール
生年月日 (1963-06-02) 1963年6月2日(61歳)
出身地 日本の旗 日本愛媛県新居浜市
出身校 愛媛県立新居浜南高等学校
専門学校東京デザイナー学院
職業
活動期間 1982年 -
ジャンル アニメーション
代表作 劇場アニメ

テレビアニメ
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近藤 勝也(こんどう かつや、1963年6月2日 - )は、日本アニメーターキャラクターデザイナーイラストレーター漫画家[1]愛媛県新居浜市出身[2]長野県在住[3]

スタジオあんなぷるスタジオジブリを経て現在はフリー[1]

人物

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圧倒的な画力、魅力的な表情、生き生きとしたキャラクターたちの動きでスタジオジブリ作品の輝きを支えるアニメーターの1人[3]。劇場アニメーションを中心に様々な作品に参加し、特にジブリ作品では中心スタッフとして長年活躍[2]

2Dアニメーションがメインだが、2014年の『山賊の娘ローニャ』ではセルルック3DCG、2020年の『アーヤと魔女』ではフル3DCGのキャラクターデザインに挑戦している[3][4]

上品さと色気を感じさせる魅力的な人物描写に定評があり、アニメーションだけでなくCMやゲーム作品などのキャラクターデザインや設定等も手掛ける[2]。そのほか、漫画を連載したり、小説のカバーイラストや挿絵、広告用イラストを描いたりと、多岐に渡る多彩な仕事を行っている[2][3]

絵だけではなく、作画監督を務めた『崖の上のポニョ』では主題歌の作詞も担当した[1][3]。また、ポニョのキャラクターは近藤の長女がモデルになっている[5]

最初、安彦良和を好きになり、続いて宮崎駿大塚康生のファンになって2人が在籍したテレコム・アニメーションフィルムに入ろうとした。

生まれ故郷の新居浜市のふるさと観光大使を務めている[1][3]

来歴

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愛媛県立新居浜南高校卒業後、テレコム・アニメーションフィルムの入社試験を受ける。しかし、二次審査で落とされて不採用となり、上京して東京デザイナー学院に入学。

1982年、東京デザイナー学院を中退して出崎統杉野昭夫が率いるスタジオあんなぷるへ入社する[1][3]大塚伸治に指導を受けて、テレビアニメ『キャッツ♥アイ』で原画を担当。『マイティ・オーボッツ』で初のキャラクターデザインを担当。

1985年、スタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』に参加するため[注 1]、スタジオあんなぷるを退社してフリーとなる[1][3]

1989年、映画『魔女の宅急便』で初の作画監督とジブリでは初めてとなるキャラクターデザインを任される[4]

1990年、スタジオジブリの会社化にともない、社員として入社する。同年、酒見賢一の小説『後宮小説』をスタジオぴえろがアニメ化し、日本テレビで放送された『雲のように風のように』でキャラクターデザインと作画監督を務める。

1991年頃、スタジオジブリで酒見賢一の小説『墨攻』を押井守の監督によりアニメ化する話が持ち上がり、近藤がそのイメージボードを制作したが、企画は実現しなかった[6][7]

1992年、スタジオジブリを退社してフリーとなる[1][3]

1993年、日本テレビで放送された『海がきこえる』で2度目のキャラクターデザインと作画監督を務める。

2004年、『海がきこえる』で組んだ監督の望月智充と美術の田中直哉と共に、NHKみんなのうた』「カゼノトオリミチ」のアニメーション制作を亜細亜堂で手がけた。

2007年、NHKで放送された『電脳コイル[注 2]』で約14年ぶりにテレビアニメの制作に参加する。

2008年、映画『崖の上のポニョ』の作画監督を務めたほか、主題歌の作詞も手がける[1][3]

2011年、映画『コクリコ坂から』でキャラクターデザインを担当[1][3]

2012年7〜8月、愛媛県の新居浜市立郷土美術館で「ジブリの動画家 近藤勝也展」を開催[9]

2018年7〜9月、愛媛県新居浜市のあかがねミュージアムで「ジブリの動画家 近藤勝也展」を開催[10]。同年7月、新潟市中央区新潟県立万代島美術館で、出身地の愛媛県以外では初めてという「ジブリの動画家 近藤勝也展」を開催[11][12]

2022年11月12日17時よりディズニー公式動画配信サービスDisney+にて配信開始されたスタジオジブリとルーカスフィルムのコラボショートムービー『禅 グローグーとマックロクロスケ』の監督を担当[13][注 3]

参加作品

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テレビアニメ

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1982年
1983年
1984年
1986年
1990年
1993年
2007年
2014年
2020年

劇場アニメ

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1983年
1986年
1987年
1988年
1989年
1991年
1992年
1994年
1997年
1999年
2000年
2004年
2008年
2010年
2011年
  • コクリコ坂からキャラクターデザイン・レイアウトチェック・総作画監督)
2013年
2014年
2023年

ショートフィルム

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2006年
2007年
2008年

OVA

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1987年
1990年
2002年

Webアニメ

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2016年
  • となりのおにぎり君[注 8](構成・作画) - 第1、2、3話
2022年
  • 禅 グローグーとマックロクロスケ(監督[注 3]

テレビ番組

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2004年
2023年

ゲーム

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1998年
  • 玉繭物語キャラクターデザイン・美術監督)
1999年
2010年

CM

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1999年
  • リョービ「くらしごこち家族」(イメージキャラクターデザイン[16]
2010年
2012年
  • 日清製粉グループ 百十周年企業広告「コニャラの歌 篇」[18]」(原画[注 9]
2015年
  • 日清製粉グループ 百十周年企業広告「おなかすいたねの歌 篇[19]」(原画[注 9]
2016年
  • 丸紅新電力×スタジオジブリ「鳥獣戯画 出会い篇」(作画・構成・一人原画)
  • 丸紅新電力×スタジオジブリ「鳥獣戯画 つれあい篇」(作画・構成・一人原画)
  • 丸紅新電力×スタジオジブリ「鳥獣戯画 そして旅はつづく篇」(作画・構成・一人原画)

出版物

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漫画

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  • 酒見賢一 (原作)、近藤勝也 (画)『D'arc ジャンヌ・ダルク伝』(アニメージュにおいて1994年8月号から1995年8月号まで連載されたのち中断。未完)
    • 1巻(アニメージュコミックスワイド判、1995年8月1日発売)ISBN 978-4-19-770037-0
    • 2巻(アニメージュコミックスワイド判、1996年8月1日発売)ISBN 978-4-19-770048-6

画集・絵コンテ集

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  • 宮﨑駿(詩)、近藤勝也・大塚伸治・近藤喜文(絵)『元気になれそう―映画「魔女の宅急便」より』(徳間書店、1989年7月1日発売)ISBN 978-4-19-363994-0
  • 氷室冴子&近藤勝也 (共著)『僕が好きなひとへ―海がきこえるより』(徳間書店、1993年5月1日発売)ISBN 978-4-19-555171-4
  • 『スタジオジブリ絵コンテ全集 8 海がきこえる』(徳間書店、2001年10月31日発売)ISBN 978-4-19-861438-6
  • 近藤勝也『近藤勝也ArtWorks玉繭物語&玉繭物語2』(DNA media books、2002年3月1日発売)ISBN 978-4-75-801006-1

挿絵・イラスト

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展覧会

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2012年7月20日 - 8月26日、新居浜市制75周年記念事業として、新居浜市立郷土美術館にて特別企画展「ジブリの動画家 近藤勝也展」が開催された。展覧会では、幼少期の作品からスタジオジブリ最新作『コクリコ坂から』までの背景画、セル画、絵コンテ、タイムシートなど、日本初公開作品も含む200点以上の作品が展示された。近藤が新居浜市出身であり、また同市のふるさと観光大使を務めていることから実現したものである。開催初日にはオープニングセレモニーが行われ、近藤本人も出席した。

脚注

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注釈

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  1. ^ 大塚伸治の紹介により参加。これが初のジブリ作品だった[3]
  2. ^ 近藤が『海がきこえる』以来の付き合いである徳間書店の編集者・三ツ木早苗に、ジブリの同僚だった磯光雄の企画書を紹介したのをきっかけに生まれた作品[8]
  3. ^ a b ディズニー側からの指名だった[13]
  4. ^ 初動画。
  5. ^ 初キャラクターデザイン。
  6. ^ 初作画監督。
  7. ^ 中村勝利と共同。
  8. ^ 伊藤園のウェブCM[15]
  9. ^ a b c 筆ペンによる作画[5]
  10. ^ 40万部突破記念書き下ろし。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i ジブリの動画家 近藤勝也展”. 美術手帖. カルチュア・コンビニエンス・クラブ (2018年7月7日). 2022年11月22日閲覧。
  2. ^ a b c d 新居浜市制75周年記念事業 平成24年度特別企画展 ジブリの動画家 近藤勝也展”. 新居浜市. 2014年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月22日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l ジブリの動画家 近藤勝也展”. スタジオジブリ. 2022年11月22日閲覧。
  4. ^ a b 『アーヤと魔女』近藤勝也が生み出した「誰もが大好きと思える女の子」”. アニメージュプラス. 徳間書店 (2020年12月24日). 2022年11月22日閲覧。
  5. ^ a b スタジオジブリ、日清製粉の新グループ広告「コニャラ」制作”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム (2010年3月19日). 2022年11月22日閲覧。
  6. ^ 誰も語らなかったジブリを語ろう 2017, p. 411.
  7. ^ VR展覧会 近藤勝也e-museum”. にいはま紀行. 新居浜市 (2021年). 2022年11月23日閲覧。
  8. ^ こちら電脳探偵局〜キラバグ生原画捜索隊が行く!〜』(インターネット番組)バンダイチャンネルライブ、2011年7月30日http://live.b-ch.com/ 
  9. ^ 新居浜市市制施行75周年記念事業”. 新居浜市 (2012年2月11日). 2022年11月22日閲覧。
  10. ^ 新居浜市市制施行80周年記念事業”. 新居浜市 (2018年2月26日). 2022年11月22日閲覧。
  11. ^ “ジブリ原画展 人気 キキ、ポニョなど500点 新潟”. 毎日新聞. (2018年8月27日). オリジナルの2022年11月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20221122105256/https://mainichi.jp/articles/20180827/ddl/k15/040/065000c 2022年11月22日閲覧。 
  12. ^ “新潟)ジブリ作画監督・近藤さん作品展 万代島美術館”. 朝日新聞デジタル. (2018年7月8日). オリジナルの2019年6月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190605113443/https://www.asahi.com/articles/ASL77335SL77UOHB004.html 2022年11月22日閲覧。 
  13. ^ a b スタジオジブリ×ルーカスフィルムのコラボ短編アニメ『禅 グローグーとマックロクロスケ』が本日(11/12)17時より配信開始。マックロクロスケとグローグーが夢の共演”. ファミ通. KADOKAWA (2022年11月12日). 2022年11月22日閲覧。
  14. ^ 『太鼓の達人』15周年を記念してスタジオジブリがショートアニメを制作!”. ファミ通. KADOKAWA (2015年6月25日). 2022年11月22日閲覧。
  15. ^ 二階堂和美「となりのおにぎり君」テーマ・ソングを制作 曲と楽譜を無料公開”. OTOTOY. オトトイ株式会社 (2017年10月6日). 2022年11月22日閲覧。
  16. ^ CM・広告で見かけるあの会社 【知っておいてもいい企業3】”. J-CASTニュース. 株式会社ジェイ・キャスト (2016年12月26日). 2022年11月22日閲覧。
  17. ^ 鈴木敏夫さんスペシャルインタビュー 2010年「ただいまの歌」篇”. 日清製粉グループ. 2022年11月22日閲覧。
  18. ^ 鈴木敏夫さんスペシャルインタビュー 2012年「コニャラの歌」篇”. 日清製粉グループ. 2022年11月22日閲覧。
  19. ^ 鈴木敏夫さんスペシャルインタビュー 2015年「おなかすいたねの歌」篇”. 日清製粉グループ. 2022年11月22日閲覧。
  20. ^ けんせつ神奈川” (PDF). p. 7 (2021年1月5日). 2023年2月8日閲覧。 “神奈川土建イメージキャラクター愛称募集 わたしの名前は『かな』よろしくネ!”

参考文献

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  • 押井守『誰も語らなかったジブリを語ろう』徳間書店、2017年10月20日。ISBN 978-4198645021 
  • アニメージュ編集部 編『天空の城ラピュタ』徳間書店、1986年。ISBN 4-197201-56-7 
  • アニメージュ編集部 編『魔女の宅急便 メモリアルコレクション』徳間書店、1986年。ISBN 4-197201-58-3 
  • アニメージュ編集部 編『おもひでぽろぽろ』徳間書店、1991年。ISBN 4-197201-59-1 
  • アニメージュ編集部 編『海がきこえるフィルムBOOK』徳間書店、1993年。 
  • アニメージュ編集部 編『崖の上のポニョ』徳間書店、2008年。ISBN 4-197202-57-1 
  • アニメージュ編集部 編『コクリコ坂から』徳間書店、2011年。ISBN 4-197203-34-9 
  • 「「海がきこえる」最新情報&望月智充の世界」『アニメージュ 1993年5月号』、徳間書店 
  • 「これから始まる物語―スタッフが語る『海がきこえる』―」『アニメージュ 1993年6月号』、徳間書店 

外部リンク

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