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閑吟集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

閑吟集(かんぎんしゅう)は、永正15年(1518年)に成立した小歌の歌謡集。

概要

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ある桑門(世捨て人)によってまとめられた歌謡集である。仮名序に「ふじの遠望をたよりに庵をむすびて十余歳」の「桑門(僧)」とするのみで、作者については不詳であるが、連歌師宗長をあてる説もある。「なにせうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」など、当時の刹那的な雰囲気がよく現れたもの、「世の中は ちろりに過ぐる ちろりちろり」などの無常観、室町びとが感情を託して歌った311首が収められている。仮名序に「毛詩三百余篇になずらへ」たとある。

配列は、おおよそ四季・恋の順に並ぶが、四季のなかにも恋の歌と解されるものも多く、連歌のように小歌の内容の連想・連鎖によって各歌がつながっているとみたほうがよい[1]。小歌230首のほか、大和節・近江節・田楽節・早歌(そうが)・放下歌(ほうかうた)・狂言小歌・吟詠などを収める。『続群書類従』『日本古典文学大系』所収。

文献

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(新間進一志田延義浅野建二校注・訳、岩波書店 1959)
以下は研究
  • 閑吟集研究大成 (浅野建二著、明治書院 1968)
  • 閑吟集―孤心と恋愛の歌謡 (秦恒平著、NHKブックス 日本放送出版協会 1982)
  • 日本歌謡の研究―『閑吟集』以後 (真鍋昌弘著、桜楓社 1992)
  • 閑吟集を読む (馬場あき子著、彌生書房 1996)
  • 閑吟集定本の基礎的研究 (中哲裕著、(新典社研究叢書 112)新典社 1997)
  • 中世の歌謡―『閑吟集』の世界 (真鍋昌弘著、翰林書房 1999)
  • 閑吟集は唄う―小唄や民謡の源 (谷戸貞彦著、大元出版 2002)
  • 料紙に歌謡を書く ―『梁塵秘抄』『閑吟集』『田植草紙』 (藤原彰子著、文芸社 2008)
  • 中世歌謡評釈 閑吟集開花 (真鍋昌弘著、(研究叢書)和泉書院 2013)
  • 風雅と官能の室町歌謡 五感で読む閑吟集 (植木朝子著、 角川選書 2014)
  • 日本の中世の秋の歌『閑吟集』を読む 上・下(堀越孝一著、悠書館 2023)
  • 伊藤昌輝によるスペイン語訳 Los cantos en el pequeño paraíso - Selecciones del Kanginshu. アルゼンチン: Emecé. (2012). ISBN 978-950-04-3436-2 

脚注

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  1. ^ 山川出版社「新版 山川 日本史小辞典」
  2. ^ 文庫旧版は藤田徳太郎校註、復刊1984

外部リンク

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