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韓国の反日作品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

韓国の反日作品(かんこくのはんにちさくひん)では、大韓民国日本に対する、反日的な小説韓国の漫画テレビドラマ映画などを扱う。歴史小説仮想戦記核攻撃や紀行文など様々なジャンルがある。

概要

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作品中では韓国や韓国人が優秀に描かれる一方で、日本男性は野蛮で残虐な人物として、日本女性は男性に従順で性的に乱れた人物といったステレオタイプで描かれることが多いとされる。日本の文化・風俗に対しても、極端な誇張や誤解・偏見に基づく描写がなされる場合がある。反日的とされる以外にも、歴史や科学技術に対する考察が不十分で事実と大きく異なるとする意見もある(特に、ご都合主義的な歴史の歪曲、科学技術の解釈については日本における一部の仮想戦記とも類似点が多く見受けられる)。

フィクションでは領土問題や歴史問題から韓国と日本が戦争に至るケースがよく見られる。その場合には日本対韓国および韓国に賛同する国家という構図になる。韓国の民族主義に訴えるエンターテイメントとして荒唐無稽なストーリーが多く、特に日本文化開放以前は日本を滅ぼすような過激な映画が多く見られた。

中国でも「抗日神劇」と呼ばれる反日作品が2010年前後に多数制作されたが、こちらは反日感情だけでなく検閲を回避する手法としての側面もあったため、現在では当局により規制がされている。

親日派の登場

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2010年ごろから、歴史正義の実現(親日清算)を希求する世論を背景に、従来の加害者の日本と被害者の韓国という善悪二元論の構図に、韓国民族を裏切って日本の非道に助力する悪役として親日派韓国人が登場するようになった。この傾向は、韓流ブームによって日本で活動する機会が韓国人俳優にとっても、日本から反日俳優というイメージダウンを避けることができるとして歓迎された[1]

主な反日作品

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小説

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論説

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  • 田麗玉 (전여옥)、『日本はない (일본은 없다) 』(日本では1994年に『悲しい日本人』名でたま出版から出版)、1993年 - 紀行文。KBSの特派員として日本に滞在した経験をもとに書かれた。ただひたすら日本と日本人を罵倒する。『醜い韓国人 (추한 한국인) 』(朴泰赫 (박태혁) )が日本で出版されたことに対抗して書かれた。2004年、オーマイニュースが『日本はない』の盗作問題を報道した。田はオーマイニュースに対する民事訴訟を起こしたが、2012年5月18日に韓国の最高裁である大法院は原告敗訴の判決を下した原審を確定した[5]
  • パク・チャンヒョン(박창형)『チョッパリカス(쪽발이 찌꺼기)』、2014年。チョッパリ(日本人の蔑称、足の意)の日帝残滓を排除しなければ、民族精気を正しく立て直すことはできないと主張する本。[6]

漫画

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映画

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  • 将軍の息子 (장군의 아들) 』、1990年 - 『将軍の息子2』、1991年 - 『将軍の息子3』、1992年 - 韓国人のヤクザ金斗漢 (김두한) が日本人のヤクザをやっつける。イム・グォンテク (임권택)監督。
  • ムクゲノ花ガ咲キマシタ (무궁화 꽃이 피었습니다) (소설)』、1993年 - 日本が大韓民国から核攻撃され、日本が滅亡する。内容が過激で日本への原子爆弾投下を連想させる為、日本での上映や放送はされていない。
  • ユリョン (유령) 』、1999年 - ユリョンとは『幽霊』の意。韓国の潜水艦が沖縄を始め、東京や大阪、札幌や福岡など日本の主要都市に核を撃ち込もうとする。劇中では艦内で「核攻撃派」と「時期尚早派」が対立するが、「核攻撃派」の副艦長が「沖縄県民は運が良い、あと2時間寿命が延びた」といったセリフが有り、また「時期尚早派」の主人公も韓国が先制攻撃をすれば「祖国が火の海に成ってしまう」とのスタンスであり、対日核攻撃を全否定する主張はない。
  • ロスト・メモリーズ (로스트 메모리즈) 』、2002年 - 大日本帝国の朝鮮半島侵略から一世紀経過したソウルの仮想世界観を描いた。安重根による伊藤博文暗殺が未遂に終わり、大日本帝国が第二次世界大戦でも勝ち朝鮮半島が日本領であり続けた2009年が舞台で、光化門にある銅像が李舜臣から豊臣秀吉に変えられている。
  • 韓半島 -HANBANDO-(한반도)』、2006年 - 南北融和後の近未来、大日本帝国との外交戦争が勃発し、東海(日本海)上で大韓民国海軍海上自衛隊が武力衝突寸前にまで陥る。公開初期は大ヒットするが、同時期に公開された怪獣映画グエムル-漢江の怪物-』に押され気味になる。また、主要メディアは条件設定に否定的な論調を展開した。大日本帝国が明治時代大韓帝国と結んだ(架空の)条約(仮にそのような条約があったとしても、日韓基本条約締結時に失効している)を盾に南北鉄道の利権を簒奪しようとする、国際常識的にありえない設定が採られた。

テレビドラマ

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  • 憤怒の王国 (분노의 왕국)』、1992年 - MBCで放映。李氏朝鮮末裔が、復讐のため天皇狙撃する。狙撃の場面には、実際の即位の礼の映像が使われていた。この番組に対して日本の外務省が抗議し、国際問題に発展しかけたこともある。小説版は1994年に日本語版が第三書館より出版されたが、ドラマは日本未放送。
  • 黎明の瞳 (여명의 눈동자) 』、1991-1992年 - MBCで放映。日本未放送。ヒロインが日本軍により慰安掃として動員されるなどのシーンが放送され、韓国人が怒り暴動を起こした[7]
  • 『対局』、1994年 - MBCで放映。韓国国宝級の碁盤をかけて、韓国の棋士が日本の棋士を打ち破る。日本未放送。
  • 『ぬか喜びの祝杯』、1994年 - MBCで放映。日本企業が韓国が開発した半導体技術を盗むために、韓国主人公の恋人を拉致して技術を手にするものの、主人公がデータをクラッキングして恋人を取り戻す。日本未放送。
  • 済衆院』、2010年 - SBSで放映。日本人は医師や看護師などが登場しているが、「治療に見せかけ暗殺しようとする」「貧しい病人を助けない」「朝鮮人患者を新薬の実験台にする」など悪人として描写されている。

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  • チョン・グァンテ (정광태)、『独島は我が領土 (독도는 우리땅) 』(タイトルは『独島は我が地』と訳される場合もある)、1982年
  • 1982年のオリジナル曲「独島は我が地」を1996年にDJ DOCがカバーしている[8]

脚注

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  1. ^ 芳賀恵、玄武岩「韓国映画の「植民地もの」における脱ナショナリズムの隘路 : 『軍艦島』の「親日派」表象をめぐって」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』第26巻、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院、2018年、3-19頁、NAID 120006425632 
  2. ^ “金正日が襲撃され北朝鮮が日本に侵攻すると…” (日本語). 中央日報 (中央日報社). (2011年5月30日). https://japanese.joins.com/JArticle/140355 2011年12月23日閲覧。 
  3. ^ “충무공 역성혁명, 조선왕 축출하다…유광남 '이순신의 제국'(忠武公易姓革命、朝鮮王追放する…ユ・グァンナム'イ・スンシンの帝国)” (韓国語). newsis.com (newsis.com). (2014年7月28日). http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20140725_0013071054&cID=10703&pID=1 2014年8月8日閲覧。 
  4. ^ “韓国小説でも「抗日神劇」流行、安重根が現代に蘇り安倍首相を・・―中国紙” (日本語). XINHUA.JP (Yahoo!ニュース). (2014年8月7日). https://web.archive.org/web/20140807231756/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140807-00000031-xinhua-cn 2014年8月8日閲覧。 
  5. ^ “田麗玉議員、「日本はない」盗作損害賠償訴訟で敗訴=韓国”. 中央日報 (中央日報社). (2012年5月19日). https://japanese.joins.com/JArticle/152363 2012年5月19日閲覧。 
  6. ^ “目覚めている個人の魂が打ち込まれた足取り(깨어 있는 개인의 얼이 박힌 발걸음)” (韓国語). (2014年11月13日). http://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2014091017550091208&type=1&MLA 2014年11月13日閲覧。 
  7. ^ “日本メディアが報道しない韓国ドラマの反日っぷりは凄い! K-POPなんて生ぬるかった” (日本語). ガジェット通信 (東京産業新聞社). (2010年9月2日). https://getnews.jp/archives/75079 2017年8月29日閲覧。 
  8. ^ 佐野良一 (1996年). “鬱憤晴らしの「独島は我が地」”. 現代コリア研究所. 2006年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月23日閲覧。

参考文献

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関連文献

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関連項目

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外部リンク

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