鳥塚亮
鳥塚 亮(とりづか あきら、男性、1960年6月30日 - )は、日本の実業家。大井川鐵道株式会社社長[1]。
いすみ鉄道株式会社社長、えちごトキめき鉄道株式会社社長を歴任し、ローカル鉄道の「再生請負人」とも称される[2]。有限会社パシナコーポレーションの社長、特定非営利活動法人おいしいローカル線をつくる会の代表も務める。
来歴・人物
[編集]東京都板橋区出身。東京都立高島高等学校、明治大学商学部を卒業[3][4]。高卒時から国鉄志望であったが分割民営化などで新規採用がなく、学習塾職員などを経て[3]、27歳で大韓航空に入社。30歳でブリティッシュ・エアウェイズに移籍。32歳で副業として、鉄道前面展望ビデオの販売を行なう有限会社パシナコーポレーション(パシナ倶楽部)を設立[5]。2009年、48歳で、経営立て直し中のいすみ鉄道の社長公募に123名の中から鳥塚が選ばれ、同年6月28日の株主総会と取締役会を経て同社の社長に就任した[6]。
いすみ鉄道の社長就任後は、「訓練費用自己負担運転士」[7] やムーミン列車の運行などの経営活性化策を実行し、その結果、2010年8月に同鉄道の存続が決定した。存続が決定したことを受け、老朽化していたいすみ200型レールバスの代替を進め、新型のいすみ300型といすみ350型を導入した。その後も、キハ52形・キハ28形の導入や、イタリアンランチクルーズトレインの運行などを行なっている。このように就任後9年にわたり、いすみ鉄道の存続に向けた課題解決に取り組むだけに留まらず、数々の活性化を進めて観光客を増加させ、いすみ鉄道の知名度を全国区に押し上げるほどの実績を残したが、赤字の経営状況は改善することがなく、2018年5月16日、同年の株主総会をもって社長を退任する予定が報道され[8]、2018年6月12日の株主総会をもって退任した[9]。
2019年9月に新潟県のえちごトキめき鉄道社長に就任した[10]。
2024年6月、同月26日にえちごトキめき鉄道社長を退任し[11]、同じく28日より大井川鐵道社長に就任することが発表された[12]。
自身を子供の頃からの鉄道マニアと称しており、近年は鉄道趣味雑誌への露出も多い。高校・大学生時代にはアルバイトとして食堂車や車内販売に従事した[13]。
JR北海道釧網本線の無人駅である茅沼駅に自分の土地を所有し、自身で「私の駅」と宣言している[15]。
テレビ出演
[編集]- 日経スペシャル カンブリア宮殿 本当の価値で客を集めろ!赤字鉄道の感動再生術(2016年4月21日、テレビ東京)- 出演時、いすみ鉄道社長[16]。
著書
[編集]- 『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』(2011年5月11日、講談社)ISBN 9784062168281
- 『ローカル線で地域を元気にする方法 いすみ鉄道公募社長の昭和式ビジネス論』(2013年7月3日、晶文社)ISBN 9784794969071
脚注
[編集]- ^ 「大井川鉄道新社長・鳥塚亮氏が就任「鉄道での地域活性化、現場主義で示す」 えちごトキめき鉄道を再建」『静岡新聞』静岡新聞社、2024年6月28日。2024年6月28日閲覧。
- ^ 「大井川鉄道の鳥塚新社長、「立地条件生かし2年で成果」」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2024年6月28日。2024年6月28日閲覧。
- ^ a b c “えちごトキめき鉄道社長 鳥塚亮さん ローカル線で地域を黒字に(2)”. 日本経済新聞 (2023年12月5日). 2024年4月27日閲覧。
- ^ “10.22(土), 10.29(土)『霧幻鉄道』2週連続トークショー”. 高田世界館 (2022年9月26日). 2024年4月27日閲覧。
- ^ “えちごトキめき鉄道社長 鳥塚亮さん ローカル線で地域を黒字に(3)”. 日本経済新聞 (2023年12月6日). 2024年4月27日閲覧。
- ^ “新社長に外資系航空マン 公募のいすみ鉄道が内定”. MSN産経ニュース (2009年6月1日). 2010年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月10日閲覧。
- ^ “自社養成列車乗務員訓練生を募集」]”. いすみ鉄道. 2012年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月29日閲覧。
- ^ “〈いすみ鉄道社長退任表明〉“カリスマ”喪失危惧 地元関係者「流儀受け継ぐ」”. 『千葉日報』 (2018年5月18日). 2018年5月18日閲覧。
- ^ いすみ鉄道・鳥塚社長が退任 正式な後任は公募
- ^ 「えちごトキめき鉄道新社長・鳥塚亮「鉄道はどうやっても赤字。でも地域を黒字にすることはできる」 - ライフ・文化 - ニュース」『週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]』2019年10月25日。2019年11月2日閲覧。
- ^ 「えちごトキめき鉄道、鳥塚社長が退任へ 23年度赤字縮小」『日本経済新聞』2024年6月3日。2024年6月12日閲覧。
- ^ 「大井川鉄道、鳥塚氏が社長に 現えちごトキめき鉄道社長」『日本経済新聞』2024年6月12日。2024年6月12日閲覧。
- ^ 鳥塚亮 (2019年5月25日). “国鉄(JR)から食堂車が消えた本当の理由”. Yahoo!ニュース エキスパート. 2024年4月27日閲覧。
- ^ 鳥塚亮 (2013年3月4日). “カリフォルニアの空の上”. えちごトキめき鉄道社長(いすみ鉄道前社長) 鳥塚亮の地域を元気にするブログ. 2024年4月27日閲覧。
- ^ “釧網本線観光列車”. いすみ鉄道前社長 鳥塚亮の地域を元気にするブログ (2019年1月31日). 2019年3月15日閲覧。
- ^ 本当の価値で客を集めろ!赤字鉄道の感動再生術 - テレビ東京 2016年4月21日
関連項目
[編集]- ポッポの丘 - 鳥塚がいすみ鉄道沿線にある養鶏場の社長に、自社の廃車車両の売却を持ち掛けたことが開園のきっかけとなった。
外部リンク
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