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1972年ミュンヘンオリンピックの陸上競技

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1972年ミュンヘンオリンピックの陸上競技
日程 1972年8月31日 - 9月10日
競技場 ミュンヘン・オリンピアシュタディオン
参加国 104カ国・地域
種目数 38 (男子 : 24 / 女子 : 14)
1968
1976

1972年ミュンヘンオリンピック陸上競技(1972ねんミュンヘンオリンピックのりくじょうきょうぎ)は、1972年8月31日から9月10日までの競技日程で実施された。

概要

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男子は24種目、女子は1500m、4x400mリレーが追加され14種目で争われた。

競技結果

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男子

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種目
100m
詳細
ソビエト連邦 ワレリー・ボルゾフ
ソビエト連邦 (URS)
10秒14 アメリカ合衆国 ロバート・テイラー
アメリカ合衆国 (USA)
10秒24 ジャマイカ レノックス・ミラー
ジャマイカ (JAM)
10秒33
200m ソビエト連邦 ワレリー・ボルゾフ
ソビエト連邦 (URS)
20秒00 アメリカ合衆国 ラリー・ブラック
アメリカ合衆国 (USA)
20秒19 イタリア ピエトロ・メンネア
イタリア (ITA)
20秒30
400m アメリカ合衆国 ヴィンセント・マシューズ
アメリカ合衆国 (USA)
44秒66 アメリカ合衆国 ウェイン・コレット
アメリカ合衆国 (USA)
44秒80 ケニア ジュリアス・サング
ケニア (KEN)
44秒92
800m アメリカ合衆国 デーブ・ウォットル
アメリカ合衆国 (USA)
1分45秒9 ソビエト連邦 エフゲニー・アルザノフ
ソビエト連邦 (URS)
1分45秒9 ケニア マイク・ボイト
ケニア (KEN)
1分46秒0
1500m フィンランド ペッカ・バサラ
フィンランド (FIN)
3分36秒3 ケニア キプチョゲ・ケイノ
ケニア (KEN)
3分36秒8 ニュージーランド ロッド・ディクソン
ニュージーランド (NZL)
3分37秒5
5000m フィンランド ラッセ・ビレン
フィンランド (FIN)
13分26秒4 チュニジア モハメド・ガムーディ
チュニジア (TUN)
13分27秒4 イギリス イアン・スチュワート
イギリス (GBR)
13分27秒6
10000m フィンランド ラッセ・ビレン
フィンランド (FIN)
27分38秒4
世界新
ベルギー エミール・プッテマンス
ベルギー (BEL)
27分39秒6 エチオピア ミルツ・イフター
エチオピア (ETH)
27分41秒0
マラソン アメリカ合衆国 フランク・ショーター
アメリカ合衆国 (USA)
2.12:19.8 ベルギー カレル・リスモン
ベルギー (BEL)
2.14:31.8 エチオピア マモ・ウォルデ
エチオピア (ETH)
2.15:08.4
110mハードル アメリカ合衆国 ロッド・ミルバーン
アメリカ合衆国 (USA)
13秒24
世界新
フランス ギー・ドルー
フランス (FRA)
13秒34 アメリカ合衆国 トーマス・ヒル
アメリカ合衆国 (USA)
13秒48
400mハードル ウガンダ ジョン・アキ=ブア
ウガンダ (UGA)
47秒82
世界新
アメリカ合衆国 ラルフ・マン
アメリカ合衆国 (USA)
48秒51 イギリス デビッド・ヘメリー
イギリス (GBR)
48秒52
3000m障害 ケニア キプチョゲ・ケイノ
ケニア (KEN)
8分23秒6 ケニア ベン・ジプチョ
ケニア (KEN)
8分24秒6 フィンランド タピオ・カンタネン
フィンランド (FIN)
8分24秒8
4x100mリレー アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
ラリー・ブラック
ロバート・テイラー
ジェラルド・ティンカー
エドワード・ハート
38秒19
世界新
ソビエト連邦 ソビエト連邦
アレクサンドル・コルネリュク
ウラジミール・ロベツキー
ユリス・シロヴス
ワレリー・ボルゾフ
38秒50 西ドイツ 西ドイツ
ヨブスト・ヒルシュト
カールハインツ・クロッツ
ゲルハルト・ブッヘラー
クラウス・エール
38秒79
4x400mリレー ケニア ケニア
チャールズ・アサティ
ヘゼキアー・ニャマウ
ロバート・オウコ
ジュリアス・サング
2分59秒8 イギリス イギリス
マーティン・レイノルズ
アラン・パスコー
デビッド・ヘメリー
デビッド・ジェンキンス
3分00秒5 フランス フランス
ジル・ベルトゥール
ダニエル・ヴェラスク
フランシス・ケルビリウ
ジャック・カレット
3分00秒7
20km競歩 東ドイツ ペーター・フレンケル
東ドイツ (GDR)
1:26:42.4 ソビエト連邦 ウラジミル・ゴルブニチー
ソビエト連邦 (URS)
1:26:55.2 東ドイツ ハンス・ゲオルク・ライマン
東ドイツ (GDR)
1:27:16.6
50km競歩 西ドイツ ベルント・カンネンベルク
西ドイツ (FRG)
3:56:11.6 ソビエト連邦 ヴェニアミン・ソルダテンコ
ソビエト連邦 (URS)
3:58:24.0 アメリカ合衆国 ラリー・ヤング
アメリカ合衆国 (USA)
4:00:46.0
走高跳 ソビエト連邦 ユーリー・タルマク
ソビエト連邦 (URS)
2m23cm 東ドイツ シュテファン・ユンゲ
東ドイツ (GDR)
2m21cm アメリカ合衆国 ドワイト・ストーンズ
アメリカ合衆国 (USA)
2m21cm
棒高跳 東ドイツ ヴォルフガング・ノルトウイック
東ドイツ (GDR)
5m50cm アメリカ合衆国 ボブ・シーグレン
アメリカ合衆国 (USA)
5m40cm アメリカ合衆国 ジャン・ジョンソン
アメリカ合衆国 (USA)
5m35cm
走幅跳 アメリカ合衆国 ランディ・ウィリアムズ
アメリカ合衆国 (USA)
8m24cm 西ドイツ ハンス・バウムガルトナー
西ドイツ (FRG)
8m18cm アメリカ合衆国 アーニー・ロビンソン
アメリカ合衆国 (USA)
8m03cm
三段跳 ソビエト連邦 ヴィクトル・サネイエフ
ソビエト連邦 (URS)
17m35cm 東ドイツ イェルク・ドレーメル
東ドイツ (GDR)
17m30cm ブラジル ネルソン・プルデンシオ
ブラジル (BRA)
17m05cm
砲丸投 ポーランド ウラディスラフ・コマール
ポーランド (POL)
21m18cm アメリカ合衆国 ジョージ・ウッズ
アメリカ合衆国 (USA)
21m17cm 東ドイツ ハルトムート・ブリーゼニク
東ドイツ (GDR)
21m14cm
円盤投 チェコスロバキア ルドビク・ダネク
チェコスロバキア (TCH)
64m39cm アメリカ合衆国 ジェイ・シルベスター
アメリカ合衆国 (USA)
63m50cm スウェーデン リッキー・ブルーフ
スウェーデン (SWE)
63m40cm
ハンマー投 ソビエト連邦 アナトリー・ボンダルチュク
ソビエト連邦 (URS)
75m49cm 東ドイツ ヨッヘン・ザフゼ
東ドイツ (GDR)
74m96cm ソビエト連邦 ワシリー・フメレフスキー
ソビエト連邦 (URS)
74m03cm
やり投 西ドイツ クラウス・ヴォルファーマン
西ドイツ (FRG)
90m48cm ソビエト連邦 ヤーニス・ルーシス
ソビエト連邦 (URS)
90m46cm アメリカ合衆国 ビル・シュミット
アメリカ合衆国 (USA)
84m42cm
十種競技 ソビエト連邦 ニコライ・アビロフ
ソビエト連邦 (URS)
8454点
世界新
ソビエト連邦 レオニード・リトビネンコ
ソビエト連邦 (URS)
8035点 ポーランド リシャルド・カトース
ポーランド (POL)
7984点

女子

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種目
100m 東ドイツ レナーテ・シュテヒャー
東ドイツ (GDR)
11秒07 オーストラリア レリーン・ボイル
オーストラリア (AUS)
11秒23 キューバ シルビア・キバス
キューバ (CUB)
11秒24
200m 東ドイツ レナーテ・シュテヒャー
東ドイツ (GDR)
22秒40
世界新
オーストラリア レリーン・ボイル
オーストラリア (AUS)
22秒45 ポーランド イレーナ・シェビンスカ
ポーランド (POL)
22秒74
400m 東ドイツ モニカ・ツェールト
東ドイツ (GDR)
51秒08 西ドイツ リタ・ウィルデン
西ドイツ (FRG)
51秒21 アメリカ合衆国 キャシー・ハモンド
アメリカ合衆国 (USA)
51秒64
800m 西ドイツ ヒルデガルト・ファルク
西ドイツ (FRG)
1分58秒6 ソビエト連邦 ニョレ・サバイテ
ソビエト連邦 (URS)
1分58秒7 東ドイツ グンヒルト・ホフマイスター
東ドイツ (GDR)
1分59秒2
1500m ソビエト連邦 リュドミラ・ブラギナ
ソビエト連邦 (URS)
4分01秒4
世界新
東ドイツ グンヒルト・ホフマイスター
東ドイツ (GDR)
4分02秒8 イタリア パオラ・カッシ
イタリア (ITA)
4分02秒9
100mハードル 東ドイツ アンネリー・エアハルト
東ドイツ (GDR)
12秒59 ルーマニア バレリア・ブファヌ
ルーマニア (ROM)
12秒84 東ドイツ カリン・バルツァー
東ドイツ (GDR)
12秒90
4x100mリレー 西ドイツ 西ドイツ
クリスチャン・クラウゼ
イングリット・ミックラー=ベッカー
アンネグレート・リヒター
ハイデ・ローゼンダール
42秒81
世界新
東ドイツ 東ドイツ
エベリン・カウファー
クリスチーナ・ハイニッヒ
ベーベル・シュトルッペルト
レナーテ・シュテヒャー
42秒95 キューバ キューバ
マルレネ・エレハルデ
カルメン・バルデス
フルヘンシア・ロメイ
シルビア・キバス
43秒36
4x400mリレー 東ドイツ 東ドイツ
ダグマル・ケスリング
リタ・キューネ
ヘルガ・サイドラー
モニカ・ツェールト
3分23秒0
世界新
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
マーブル・ファーガソン
マデリーン・マニング
シェリル・トゥサーン
キャシー・ハモンド
3分25秒2 西ドイツ 西ドイツ
アネット・リュッケス
インゲ・ベディング
ヒルデガルト・ファルク
リタ・ウィルデン
3分26秒5
走高跳 西ドイツ ウルリケ・マイフェルト
西ドイツ (FRG)
1m92cm
世界新
ブルガリア ヨルダンカ・ブラゴエワ
ブルガリア (BUL)
1m88cm オーストリア イローナ・グーゼンバウアー
オーストリア (AUT)
1m88cm
走幅跳 西ドイツ ハイデ・ローゼンダール
西ドイツ (FRG)
6m78cm ブルガリア ディアナ・ヨルゴワ
ブルガリア (BUL)
6m77cm チェコスロバキア エバ・スラノワ
チェコスロバキア (TCH)
6m67cm
砲丸投 ソビエト連邦 ナデジダ・チジョワ
ソビエト連邦 (URS)
21m03cm
世界新
東ドイツ マルギッタ・グンメル
東ドイツ (GDR)
20m22cm ブルガリア イワンカ・フリストワ
ブルガリア (BUL)
19m35cm
円盤投 ソビエト連邦 ファイナ・メルニク
ソビエト連邦 (URS)
66m62cm ルーマニア アルゲンティーナ・メニシュ
ルーマニア (ROM)
65m06cm ブルガリア バシルカ・ストエーワ
ブルガリア (BUL)
64m34cm
やり投 東ドイツ ルート・フックス
東ドイツ (GDR)
63m38cm 東ドイツ ヤケリーネ・トドテン
東ドイツ (GDR)
62m54cm アメリカ合衆国 ケイト・シュミット
アメリカ合衆国 (USA)
59m94cm
五種競技 イギリス メアリー・ピーターズ
イギリス (GBR)
4801点
世界新
西ドイツ ハイデ・ローゼンダール
西ドイツ (FRG)
4791点 東ドイツ ブルクリンデ・ポラック
東ドイツ (GDR)
4768点

各国メダル数

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国・地域
1 ソビエト連邦 ソビエト連邦 (URS) 9 7 1 17
2 東ドイツ 東ドイツ (GDR) 8 7 5 20
3 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 (USA) 6 8 8 22
4 西ドイツ 西ドイツ (FRG) 6 3 2 11
5 フィンランド フィンランド (FIN) 3 0 1 4
6 ケニア ケニア (KEN) 2 2 2 6
7 イギリス イギリス (GBR) 1 1 2 4
8 ポーランド ポーランド (POL) 1 0 2 3
9 チェコスロバキア チェコスロバキア (TCH) 1 0 1 2
10 ウガンダ ウガンダ (UGA) 1 0 0 1
11 ブルガリア ブルガリア (BUL) 0 2 2 4
12 オーストラリア オーストラリア (AUS) 0 2 0 2
ベルギー ベルギー (BEL) 0 2 0 2
ルーマニア ルーマニア (ROM) 0 2 0 2
15 フランス フランス (FRA) 0 1 1 2
16 チュニジア チュニジア (TUN) 0 1 0 1
17 キューバ キューバ (CUB) 0 0 2 2
エチオピア エチオピア (ETH) 0 0 2 2
イタリア イタリア (ITA) 0 0 2 2
20 オーストリア オーストリア (AUT) 0 0 1 1
ブラジル ブラジル (BRA) 0 0 1 1
ジャマイカ ジャマイカ (JAM) 0 0 1 1
ニュージーランド ニュージーランド (NZL) 0 0 1 1
スウェーデン スウェーデン (SWE) 0 0 1 1

トリビア

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男子100m走競技において、当時同タイムで世界記録を保持し優勝候補と目されていたアメリカ代表のエディ・ハートレイ・ロビンソンが遅刻により二次予選(準々決勝)を失格となる事件があった。原因はコーチのスタン・ライトがオリンピックの18ヶ月も前に作成されたレーススケジュールを選手に伝えていたためで、ライト本人もその後時間が変更されたことを知らされておらず、これが正しい時間であると信じていた。当日、夕方19時から(であると信じていた)レースに備えてABCテレビの本部で競技場行きのバスを待っている時に当人たちが出場すべき予選の放送がテレビで流れ、当初は一次予選の再放送であると考えていたがABCテレビのスタッフから二次予選の映像であると伝えられる。事態の重大さに気づいたハート、ロビンソン、ライトおよびロバート・テイラーは急いで会場に向かった。会場に到着後、レースのやり直しを審判団に訴えたものの認められず、結局3組であったテイラーのみ二次予選に参加でき、最終的にこの種目で銀メダルを獲得している。(なお、ハートとテイラーは4x100mリレーでは世界記録タイで優勝し金メダルを獲得した。)結果、ロビンソンのみメダルを獲得せずオリンピックが終わってしまったが、後年「(この事件に関して)ライトを非難するつもりはない。」と語っている。ロビンソンは2001年よりフロリダA&M大学のコーチに就任し、北京オリンピックの男子100m走および200m走で銅メダルを獲得するウォルター・ディックスも指導した。

関連項目

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外部リンク

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