2020年東京オリンピックのウエイトリフティング競技
2020年東京オリンピック ウエイトリフティング競技 | |
東京国際フォーラム | |
会場 | 東京国際フォーラム |
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開催日 | 2021年7月24日 - 8月4日 |
参加選手数 | 76か国 194人 |
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2020年東京オリンピックのウエイトリフティング競技[1](2020ねんとうきょうオリンピックのウェイトリフティングきょうぎ)は、国際ウエイトリフティング連盟(IWF)が管轄し、2021年7月24日から8月4日まで東京国際フォーラムホールAにて男女計14種目が行われた。
実施種目
[編集]前回大会から男子の1種目が削減され、計14種目となった[2]。また、全ての階級の制限体重が変更されたため、オリンピック記録は全てリセットされる[3]。
- 男子
- 61 kg
- 67 kg
- 73 kg
- 81 kg
- 96 kg
- 109 kg
- 109 kg超
- 女子
- 49 kg
- 55 kg
- 59 kg
- 64 kg
- 76 kg
- 87 kg
- 87 kg超
出場枠
[編集]出場枠は以下の通りである[4][5]。1つの国・地域からは1種目に1名ずつ、男女4名ずつまで出場できる。ただし、2008年北京オリンピックから2020年東京オリンピックの予選終了までの期間のドーピング違反回数により、2名または1名ずつまでに制限される[3][6]ほか、一部の国は本大会から除外された[7]。出場選手は予選期間中(2018年11月~2021年4月)に行われる世界選手権やアジア選手権を始めとする各競技会の成績により獲得したポイントによる世界ランキング[8]により選出される(上位8名+5大陸から1名ずつ)[3][9][10]ほか、開催国枠と招待による出場枠がある。開催国である日本は開催国枠として男女3名ずつの出場が保証されており、少なくとも3つの世界ランキングの対象となる競技会に出場した選手の中から、本大会出場選手を選出することができるが、男子の4選手が世界ランキングにより出場権を獲得したため開催国枠は返上された。2021年6月、日本ウェイトリフティング協会により男子4名、女子3名の代表選手内定が発表された[11]。1種目につき14名の選手が出場するが男子96kg級には難民選手団から1名の選手が追加で出場するため、この種目のみ15名の選手が出場する。
出場枠計 | うち開催国枠 | うち招待枠 | うち難民選手団 | |
---|---|---|---|---|
男子 | 99 | 3→0 | 4 | 1 |
女子 | 98 | 3 | 4→3 | 0 |
合計 | 197 | 6→3 | 8→7 | 1 |
競技日程
[編集]日付 | 7/24 | 7/25 | 7/26 | 7/27 | 7/28 | 7/29 | 7/30 | 7/31 | 8/01 | 8/02 | 8/03 | 8/04 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男子61kg | F | |||||||||||
男子67kg | F | |||||||||||
男子73kg | F | |||||||||||
男子81kg | F | |||||||||||
男子96kg | F | |||||||||||
男子109kg | F | |||||||||||
男子109kg超 | F | |||||||||||
女子49kg | F | |||||||||||
女子55kg | F | |||||||||||
女子59kg | F | |||||||||||
女子64kg | F | |||||||||||
女子76kg | F | |||||||||||
女子87kg | F | |||||||||||
女子87kg超 | F |
参加国
[編集]ニュージーランド[13]とチリ[14]の選手が1名ずつ、負傷により出場しなかったほか、アルジェリアの選手1名は新型コロナウィルス検査で陽性となり出場できなかった[15]ため、合計194名の選手が競技に参加した。
- アルバニア (2)
- アメリカ領サモア (1)
- アルメニア (2)
- オーストラリア (5)
- オーストリア (2)
- ベラルーシ (2)
- ベルギー (2)
- ボツワナ (1)
- ブラジル (2)
- ブルガリア (2)
- カメルーン (2)
- カナダ (5)
- チリ (1)
- 中国 (8)
- コロンビア (3)
- キューバ (4)
- チェコ (1)
- ドミニカ共和国 (5)
- エクアドル (4)
- フランス (4)
- ジョージア (4)
- ドイツ (4)
- ガーナ (1)
- イギリス (4)
- ギリシャ (1)
- グアテマラ (1)
- ハンガリー (1)
- インド (1)
- インドネシア (5)
- イラン (2)
- イスラエル (1)
- イタリア (5)
- 日本 (7)
- カザフスタン (2)
- キリバス (1)
- キルギス (1)
- ラトビア (2)
- レバノン (1)
- リトアニア (1)
- マダガスカル (2)
- マルタ (1)
- モーリシャス (1)
- メキシコ (4)
- モルドバ (1)
- モンゴル (2)
- モロッコ (1)
- ナウル (1)
- オランダ (1)
- ニュージーランド (4)
- ニカラグア (1)
- オマーン (1)
- パキスタン (1)
- パレスチナ (1)
- パプアニューギニア (2)
- ペルー (1)
- フィリピン (2)
- ポーランド (3)
- カタール (1)
- 難民 (1)
- ROC (2)
- サウジアラビア (1)
- ソロモン諸島 (1)
- 韓国 (8)
- スペイン (4)
- スウェーデン (1)
- シリア (1)
- チャイニーズタイペイ (7)
- トンガ (1)
- チュニジア (5)
- トルコ (3)
- トルクメニスタン (5)
- ウクライナ (2)
- アメリカ合衆国 (8)
- ウズベキスタン (4)
- ベネズエラ (4)
- ベトナム (2)
競技形式
[編集]「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」について、それぞれ3回ずつの試技を行い、各種目の最高重量の合計(トータル重量)で順位を決める。試技に失敗した場合は同じ重量で再度試技することができる。いずれかの種目で3回連続で失敗するとトータル重量は0kgとなり、記録なしとなる。前半のスナッチで記録なしになると後半のクリーン&ジャークには参加できない。
競技結果
[編集]制限体重が変更されたため、オリンピック記録はリセットされたが、今大会において、予め設定された記録(Olympic Standard )を超えるとオリンピック記録として認められる。女子55 kg級を制したヒディリン・ディアスはフィリピン勢として夏冬のオリンピックを通じて史上初の金メダル獲得となった。5大会連続の出場となった女子49 kg級の三宅宏実は記録なしに終わり3大会連続のメダル獲得はならず、本大会限りの現役引退を表明した[16]。安藤美希子が女子59 kg級で銅メダルを獲得し、三宅がメダルを獲得したロンドン、リオデジャネイロの両大会に続く、日本の選手としては3大会連続のメダル獲得となった[17]。
男子
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
61 kg級[18] | 李発彬 中国 (CHN) |
313 OR | エコ・イラワン インドネシア (INA) |
302 | イーゴリ・ソン カザフスタン (KAZ) |
294 |
67 kg級[19] | 諶利軍 中国 (CHN) |
332 OR | ルイス・ハビエル・モスケラ・ロサノ コロンビア (COL) |
331 | ミルコ・ザンニ イタリア (ITA) |
322 |
73 kg級[20] | 石智勇 中国 (CHN) |
364 WR | フリオ・マジョラ ベネズエラ (VEN) |
346 | ラフマト・アブドゥラー インドネシア (INA) |
342 |
81 kg級[21] | 呂小軍 中国 (CHN) |
374 OR | サカリアス・ボナト・ミチェル ドミニカ共和国 (DOM) |
367 | アントニーノ・ピッツォラート イタリア (ITA) |
365 |
96 kg級[22] | ファレス・エル=バフ カタール (QAT) |
402 OR | ケイドマル・バジェニージャ ベネズエラ (VEN) |
387 | アントン・プリェスノイ ジョージア (GEO) |
387 |
109 kg級[23] | アクバル・ジュラエフ ウズベキスタン (UZB) |
430 OR | シモン・マルティロシャン アルメニア (ARM) |
423 | アルトゥールス・プレースニエクス ラトビア (LAT) |
410 |
109 kg超級[24] | ラシャ・タラハゼ ジョージア (GEO) |
488 WR | アリ・ダブーディ イラン (IRI) |
441 | マン・アサード シリア (SYR) |
424 |
女子
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
49 kg級[25] | 侯志慧 中国 (CHN) |
210 OR | サイコム・ミラバイ・チャヌー インド (IND) |
202 | ウィンジ・アイサフ インドネシア (INA) |
194 |
55 kg級[26] | ヒディリン・ディアス フィリピン (PHI) |
224 OR | 廖秋雲 中国 (CHN) |
223 | ズルフィア・チンシャンロ カザフスタン (KAZ) |
213 |
59 kg級[27] | 郭婞淳 チャイニーズタイペイ (TPE) |
236 OR | ポリーナ・グリエワ トルクメニスタン (TKM) |
217 | 安藤美希子 日本 (JPN) |
214 |
64 kg級[28] | モード・シャロン カナダ (CAN) |
236 | ジョルジア・ボルディニョン イタリア (ITA) |
232 | 陳玟卉 チャイニーズタイペイ (TPE) |
230 |
76 kg級[29] | ネイシ・パトリシア・ダホメス・バレラ エクアドル (ECU) |
263 | キャサリン・ニー アメリカ合衆国 (USA) |
249 | アレミ・フエンテス メキシコ (MEX) |
245 |
87 kg級[30] | 汪周雨 中国 (CHN) |
270 | タマラ・ジャハイラ・サラサール・アルセ エクアドル (ECU) |
263 | クリスメリ・サンタナ・ペゲロ ドミニカ共和国 (DOM) |
256 |
87 kg超級[31] | 李雯雯 中国 (CHN) |
320 OR | エミリー・キャンベル イギリス (GBR) |
283 | サラ・ロブレス アメリカ合衆国 (USA) |
282 |
国・地域別のメダル獲得数
[編集]* 開催国/地域 (開催国)
順位 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中国 (CHN) | 7 | 1 | 0 | 8 |
2 | エクアドル (ECU) | 1 | 1 | 0 | 2 |
3 | ジョージア (GEO) | 1 | 0 | 1 | 2 |
チャイニーズタイペイ (TPE) | 1 | 0 | 1 | 2 | |
5 | ウズベキスタン (UZB) | 1 | 0 | 0 | 1 |
カタール (QAT) | 1 | 0 | 0 | 1 | |
カナダ (CAN) | 1 | 0 | 0 | 1 | |
フィリピン (PHI) | 1 | 0 | 0 | 1 | |
9 | ベネズエラ (VEN) | 0 | 2 | 0 | 2 |
10 | イタリア (ITA) | 0 | 1 | 2 | 3 |
インドネシア (INA) | 0 | 1 | 2 | 3 | |
12 | アメリカ合衆国 (USA) | 0 | 1 | 1 | 2 |
ドミニカ共和国 (DOM) | 0 | 1 | 1 | 2 | |
14 | アルメニア (ARM) | 0 | 1 | 0 | 1 |
イギリス (GBR) | 0 | 1 | 0 | 1 | |
イラン (IRI) | 0 | 1 | 0 | 1 | |
インド (IND) | 0 | 1 | 0 | 1 | |
コロンビア (COL) | 0 | 1 | 0 | 1 | |
トルクメニスタン (TKM) | 0 | 1 | 0 | 1 | |
20 | カザフスタン (KAZ) | 0 | 0 | 2 | 2 |
21 | シリア (SYR) | 0 | 0 | 1 | 1 |
メキシコ (MEX) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
ラトビア (LAT) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
日本 (JPN)* | 0 | 0 | 1 | 1 | |
計 (国・地域数: 24) | 14 | 14 | 14 | 42 |
備考
[編集]脚注
[編集]- ^ “ウエイトリフティング”. 東京2020. 2021年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月25日閲覧。
- ^ “Bodyweight categories unanimously accepted as IWF confirms plans to hold 2020 World Championships for non-Olympic divisions”. www.insidethegames.biz (1530860760). 2020年9月25日閲覧。
- ^ a b c “Tokyo 2020 Qualifying Guide” (英語). Weightlifting House (2019年2月22日). 2020年11月7日閲覧。
- ^ “Tokyo 2020 Olympic Games” (英語). International Weightlifting Federation. 2020年6月21日閲覧。
- ^ “QUALIFICATION SYSTEM – GAMES OF THE XXXII OLYMPIAD TOKYO2020”. 2021年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月23日閲覧。
- ^ “NUMBER OF ANTI-DOPING RULE VIOLATIONS”. 2021年7月16日閲覧。
- ^ “IWF finally confirms Romania faces outright ban from Tokyo 2020 weightlifting”. www.insidethegames.biz (1612254180). 2021年7月23日閲覧。
- ^ “ABSOLUTE RANKING LISTS”. iwf.net. 2021年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月23日閲覧。
- ^ “IWF Reallocated All Quotas of Member Federations with Multiple ADRVs” (英語). International Weightlifting Federation (2021年7月6日). 2021年7月16日閲覧。
- ^ “Final List of Qualified Athletes”. 2021年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月23日閲覧。
- ^ “第32回オリンピック競技大会(2020/東京)日本代表選手内定について”. 日本ウエイトリフティング協会. 2021年6月17日閲覧。
- ^ “ウエイトリフティング 競技スケジュール”. 東京2020. 2021年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
- ^ “Bitter blow for NZ weightlifter” (英語). RNZ (2021年8月1日). 2021年8月24日閲覧。
- ^ “Lamento en el Team Chile: María Fernanda Valdés no logra recuperarse y se pierde los Olímpicos por lesión” (Spanish). Emol (2021年7月22日). 2021年8月24日閲覧。
- ^ “COVID-19 positive costs Algerian weightlifter Bidani chance of Olympic medal”. www.insidethegames.biz (1628018488). 2021年8月24日閲覧。
- ^ “【知ってる?】重量挙げの三宅宏実 東京五輪で引退”. スポーツ報知 (2021年7月24日). 2021年11月12日閲覧。
- ^ “安藤美希子、最終試技で逆転“銅” 引退三宅の思いつないだ日本3大会連続メダル”. スポーツ報知 (2021年7月28日). 2021年11月12日閲覧。
- ^ “結果 - 男子61kg級 - 7月25日” (日本語). olympics.com. 2021年7月25日閲覧。
- ^ “結果 - 男子67kg級 - 7月25日” (日本語). olympics.com. 2021年7月25日閲覧。
- ^ “結果 - 男子73kg級 - 7月28日” (日本語). olympics.com. 2021年7月28日閲覧。
- ^ “結果 - 男子81kg級 - 7月31日” (日本語). olympics.com. 2021年7月31日閲覧。
- ^ “結果 - 男子96kg級 - 7月31日” (日本語). olympics.com. 2021年7月31日閲覧。
- ^ “結果 - 男子109kg級 - 8月3日” (日本語). olympics.com. 2021年8月3日閲覧。
- ^ “結果 - 男子109kg超級 - 8月4日” (日本語). olympics.com. 2021年8月4日閲覧。
- ^ “結果 - 女子49kg級 - 7月24日” (日本語). olympics.com. 2021年7月24日閲覧。
- ^ “結果 - 女子55kg級 - 7月26日” (日本語). olympics.com. 2021年7月26日閲覧。
- ^ “結果 - 女子59kg級 - 7月27日” (日本語). olympics.com. 2021年7月27日閲覧。
- ^ “結果 - 女子64kg級 - 7月27日” (日本語). olympics.com. 2021年7月27日閲覧。
- ^ “結果 - 女子76kg級 - 8月1日” (日本語). olympics.com. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “結果 - 女子87kg級 - 8月2日” (日本語). olympics.com. 2021年8月2日閲覧。
- ^ “結果 - 女子87kg超級 - 8月2日” (日本語). olympics.com. 2021年8月2日閲覧。
外部リンク
[編集]- ウエイトリフティング 競技紹介 - 東京2020オリンピック競技大会
- ウエイトリフティング スケジュール&結果 - 東京2020オリンピック競技大会
- リザルトブック