2022年北京オリンピックのリュージュ競技
2022年北京オリンピックのリュージュ競技は国際リュージュ連盟(FIL)管轄で延慶区の国家スライディングセンターにて2022年2月5日から10日まで全4種目実施された[1]。
概要
[編集]合計106名の選手が出場資格を得る[2]。2022年1月10日までに行われる2021-22リュージュワールドカップ(英語版)[3]を対象としたランキング[4][5][6]を基に、男女1人乗りでは各35名分、2人乗り[注釈 1]では36名分(18組)の出場枠がNOCに割り当てられる。チームリレーには3種目(男女1人乗り、2人乗り)全ての出場枠を持つNOCが出場することができる。NOCは男女1人乗りはそれぞれ3名まで、2人乗りは2組(4名)まで出場枠を得ることができるため、最大で10名の選手を派遣することができる。開催国(中国)は各種目1名(1組)の出場が保証される。
出場選手
[編集]出場枠を割り当てるためのランキングは対象のワールドカップ7戦のうち、成績の良い4戦により作成される。出場枠は下記の条件により、ランキング上位から順に上限に達するまでNOCに割り当てられる。
- NOCごとに最も成績の良い選手が、男子1人乗りでは50位以内、女子1人乗りでは40位以内、2人乗りでは25位以内に含まれるNOCに1つ目の出場枠が与えられる。
- NOCごとに2番目に成績の良い選手が、男女1人乗りでは上位32位以内、2人乗りでは上位28位以内に含まれるNOCに2つ目の出場枠が与えられる。
- NOCごとに3番目に成績の良い選手が、男女1人乗りで上位32位以内に含まれるNOCに3つ目の出場枠が与えられる。
- 開催国が1.~3.の条件で出場枠を得られなかった種目のみ、開催国枠として出場枠が与えられる。
- 該当種目で出場枠を持たず、それ以外の2種目の出場枠を持つNOCを対象にチームリレーランキング[8]上位から順に出場枠が与えられる。
- いずれの種目でも出場枠を持たないNOCを対象にランキング上位から順に出場枠が与えられる。
- 該当種目で持つ出場枠が上限に満たないNOCを対象にランキング上位から順に出場枠が与えられる。
- 出場枠の辞退があった場合は、6.以降の手順により再割り当てが行われる。
2022年1月17日、日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟は日本から唯一、ワールドカップに参戦していた小林誠也が初の代表に決まったと発表した[9]。
NOC[10] | 男子 1人乗り |
女子 1人乗り |
2人乗り | リレー | 選手数 |
---|---|---|---|---|---|
アルゼンチン | 1 | 1 | |||
オーストラリア | 1 | 1 | |||
オーストリア | 3 | 3 | 2→1 [注釈 2] |
10→8 | |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 1 | 1 | |||
ブルガリア | 1 | 1 | |||
カナダ | 1 | 3 | 1 | 6 | |
中国 | 1 | 1 | 1[注釈 3] | 4 | |
チャイニーズタイペイ | 1 | 1 | |||
チェコ | 1 | 1[注釈 4] | 1 | 4 | |
ジョージア | 1 | 1 | |||
ドイツ | 3 | 3 | 2 | 10 | |
イギリス | 1 | 1 | |||
アイルランド | 1 | ||||
イタリア | 3→2 [注釈 5] |
3 | 1 | 8→7 | |
日本 | 1 | 1 | |||
ラトビア | 3 | 3 | 2 | 10 | |
モルドバ | 1 | 1 | |||
0 | |||||
ポーランド | 1 | 1[注釈 4] | 1 | 4 | |
ルーマニア | 1 | 1 | 1 | 4 | |
ROC | 3 | 3 | 2 | 10 | |
スロバキア | 2 | 1 | 1 | 5 | |
韓国 | 1[注釈 4] | 1 | 1 | 4 | |
スウェーデン | 1 | 1 | 2 | ||
スイス | 1 | 1 | |||
ウクライナ | 2 | 2 | 1 | 6 | |
アメリカ合衆国 | 3 | 3 | 1 | 8 | |
Total: 26 NOCs | 35→34 | 35 | 18→17 | 14 | 106→103 |
競技日程
[編集]日付 | 時刻 | 種目 |
---|---|---|
2/5 | 19:10 | 男子1人乗り1・2回目 |
2/6 | 19:30 | 男子1人乗り3・4回目 |
2/7 | 19:50 | 女子1人乗り1・2回目 |
2/8 | 19:50 | 女子1人乗り3・4回目 |
2/9 | 20:20 | 2人乗り |
2/10 | 21:30 | チームリレー |
競技形式
[編集]男女1人乗りは4回ずつ、2人乗りは2回ずつ滑走し合計タイムにより順位を決定する[7]。なお、1人乗りの3回目以降には2回目終了時点の上位20名が進出する。チームリレーは女子1人乗り、男子1人乗り、2人乗りの順で競技を行う。女子1人乗りの滑走開始からタイムが測定され、2人乗りの選手がゴールのタッチパッドに触れた時点までのタイムにより順位を決定する[13]。
競技結果
[編集]2014年ソチ大会以来、2大会ぶりにドイツの選手が全4種目を制した。ナタリー・ガイゼンベルガー、トビアス・ヴェンドル、トビアス・アルトの3名はいずれも3大会連続の2冠に輝いた。
TR:トラック記録
メダリスト
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男子1人乗り[14] | ヨハネス・ルートビヒ ドイツ (GER) |
3:48.735 [注釈 6] |
ヴォルフガング・キンドル オーストリア (AUT) |
3:48.895 | ドミニク・フィッシュナラー イタリア (ITA) |
3:49.686 |
女子1人乗り[15] | ナタリー・ガイゼンベルガー ドイツ (GER) |
3:53.454 [注釈 7] |
アンナ・ベルライター ドイツ (GER) |
3:53.947 | タチアナ・イワノワ ROC (ROC) |
3:54.507 |
2人乗り[16] | ドイツ (GER) トビアス・ヴェンドル トビアス・アルト |
1:56.554 [注釈 8] |
ドイツ (GER) トニ・エッゲルト ザシャ・ベネッケン |
1:56.653 | オーストリア (AUT) トーマス・シュトイ ローレンツ・コラー |
1:57.065 |
チームリレー[17] | ドイツ (GER) ナタリー・ガイゼンベルガー(1:00.090) ヨハネス・ルートビヒ(1:01.407) トビアス・ヴェンドル トビアス・アルト(1:01.909) |
3:03.406 TR | オーストリア (AUT) マデライン・エグル(1:00.054) ヴォルフガング・キンドル(1:01.342) トーマス・シュトイ ローレンツ・コラー(1:02.090) |
3:03.486 | ラトビア (LAT) エリーザ・ティールマ(1:00.578) クリステルス・アパリオズ(1:01.451) マールティニシュ・ボツ ロベルツ・プルーメ(1:02.325) |
3:04.354 |
国別メダル獲得数
[編集]順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ドイツ (GER) | 4 | 2 | 0 | 6 |
2 | オーストリア (AUT) | 0 | 2 | 1 | 3 |
3 | イタリア (ITA) | 0 | 0 | 1 | 1 |
ラトビア (LAT) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
ROC (ROC) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
合計 | 4 | 4 | 4 | 12 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Schedule”. BOCOG. 12 August 2021閲覧。
- ^ “QUALIFICATION SYSTEM FOR XXIV OLYMPIC WINTER GAMES, BEIJING 2022”. 2021年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月31日閲覧。
- ^ “EBERSPÄCHER World Cup” (英語). INTERNATIONAL LUGE FEDERATION. 2021年12月31日閲覧。
- ^ “EBERSPÄCHER Luge World Cup 2021/2022 Standing - quota places OWG Men” (2022年1月11日). 2022年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月14日閲覧。
- ^ “EBERSPÄCHER Luge World Cup 2021/2022 Standing - quota places OWG Women”. web.archive.org (2022年1月11日). 2022年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月14日閲覧。
- ^ “EBERSPÄCHER Luge World Cup 2021/2022 Standing - quota places OWG Doubles”. web.archive.org (2022年1月11日). 2022年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月14日閲覧。
- ^ a b “International Luge Federation”. 2022年5月20日閲覧。
- ^ “Standing - Team Relay World Cup after Winterberg”. 2022年1月15日閲覧。
- ^ “20歳の小林誠也、北京五輪代表 リュージュ男子1人乗り | 共同通信”. 共同通信 (2022年1月17日). 2022年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月19日閲覧。
- ^ “XXIV Olympic Winter Games 2022 in Beijing - Quota places luge”. 2022年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月23日閲覧。
- ^ “Rodel-Doppelsitzer Müller erleidet Armbruch” (ドイツ語). m.bvz.at (2022年2月7日). 2022年2月12日閲覧。
- ^ “Slittino, come sta Kevin Fischnaller. Era in stanza con la fidanzata Andrea Voetter. Le foto dell'isolamento: "Mi trattano bene"” (イタリア語). OA Sport (2022年2月7日). 2022年2月12日閲覧。
- ^ “冬季オリンピック混合種目を解説! リュージュのチームリレー”. 2022年2月12日閲覧。
- ^ “Luge Schedule & Results - February 6” (英語). olympics.com (2022年2月6日). 2022年2月6日閲覧。
- ^ “Luge Schedule & Results - February 8” (英語). olympics.com (2022年2月8日). 2022年2月8日閲覧。
- ^ “Luge Schedule & Results - February 9” (英語). olympics.com (2022年2月9日). 2022年2月9日閲覧。
- ^ “Luge Schedule & Results - February 10” (英語). olympics.com (2022年2月10日). 2022年2月10日閲覧。